燃えるデッドシグナルに対し、先ほどまで胴体をレンズに変化させていたクリオネマンは元の姿に戻っていた。
「グガガガ~、こうなったら、てめえもろとも道連れにしてやる!」
「デッドシグナル! 燃えた状態でクリオネマンに向かっていくぞーーーーっ!!」
「シーエキス発射!」
ぶしゃー!
「クリオネマン! 口から勢いよく液体を吐き出した!」
ビチャア!
「グワハッ! ペッ! ペッ! しょっぺえ! なんだこの磯臭くて、ぬるぬるした液体は!」
「私の体に海のエキスが詰まっている。それを放出したわけだ」
「けっ、きたねえもの出しやがって! だがな、お前らしくないミスをしたな!」
「どういうことだ?」
「お前のかけた液体でオレを苦しめていた炎は消えた、このしょっぱい液体の通り、敵に塩を送るとはな! 来い、突風!」
「デッドシグナル! またも突風を呼び寄せた! なんと、突風にデッドシグナルが突っ込む!」
「な、なにをする気だ!」
「こうするのさ!」
シュポッ!
「なんとデッドシグナル! 体に突風をまとったーーーっ! 突風の回転とともに、デッドシグナルもまわるまわる!」
ビュルン!ビュルン!ビュルン!
「いくぜ!
「デッドシグナル! 突風で自らの体を回転させながら、頭からクリオネマンに突っ込むぞーーっ!」
「ガガガ~、このままお前を串刺しにしてやるぜ~!」
この状況に対して、クリオネマンは冷静さを保っている。
「どうやら、私の技の真意を読めなかったようだな」
ズブッ!
「グガッ!?」
「なんということだーーっ! デッドシグナルの体がクリオネマンに取り込まれていくぞーーっ!」
「そうか、さっきの液体はこのためのものか!」
「キョ~キョキョキョ、もうお前は脱出できない!」
「デッドシグナルの体が徐々に全て取り込まれていく!」
「ギガガガ、お前は先の入れ替え戦でこの技の弱点を露呈している! 俺はお前の体の内部から内臓を攻撃しやすい状況にあるぜ! オレの
「デッドシグナル! 体内に取り込まれながらも、
「キョキョキョ、私の体内にお前を閉じ込めるためにこの技を使ったわけではない! 今からお前を捕食するために使ったのだ!」
「ややっ!? クリオネマンの頭部から触手が出てきたぞーーっ!!」
「私は今から、流氷の悪魔として本気を出させてもらう!
ズブリズブブブ
「ガギッ! 触手を何本もオレに刺して何をしようとしやがる!」
「クリオネの捕食方法を知っているか? 頭部にある六本の触手で獲物をとらえ、養分を吸っていくのだ。そして、私が吸う養分というのは」
「グ、グガーーーーっ! か、体の力が抜けていく……」
「お前の超人強度だーーーーっ!」
「なんという恐ろしい技でしょう! まさにその姿は流氷の悪魔! デッドシグナルの超人強度の低下を示すように
「これで心置きなく、おまえを取り込める」
「クリオネマン! デッドシグナルを完全に自分の体内に取り込んだーーっ!」
「これでとどめだーーーーっ!」
「クリオネマン! デッドシグナルの頭だけを体外に出した状態で空中へ高く飛んだ! そしてリングの鉄柱の真下に頭から落下する! この体勢はあの技への動きかーーーーっ!」
「
ガゴ
「グギッ!」
「決まったーーーっ!
ワ~ン ツ~
デッドシグナルがダウンしながら過去のことを思い出した。
デッドシグナルはパンツ一丁の筋骨隆々な男とレスリングの練習をしている。
デッドシグナルはその男と組み合うも、ブレーンバスターで体を思いきりたたきつけられる。
「あぁん? だらしねぇな!」
「るせぇ! ビリーマン! もういっちょ来い!」
「俺を一度でもタップできなかったら、あんかけチャーハンをおごりな!」
デッドシグナルはビリーマンと名乗る男にタックルを仕掛けた。
しかし、そのタックルは見切られ、デッドシグナルにビリーマンが覆いかぶさる状態となる。
その状態でビリーマンデッドがシグナルの尻にあたるガードレールをたたいた!、
ゴン!
「グガ!」
「やっぱりだらしねぇな!」
「ちくしょう! まだまだ!」
そして、デッドシグナルは現在の状況に意識を戻す。
セブ~ン エ~イト
「あいつのためにも俺は……俺は……」
「おわーーーっと! デッドシグナル! 満身創痍の状態になりながらも立ち上がってきたーーーっ!」
「なに!? デッドシグナル! そのまま寝ていろ!」
「るせぇ……俺はな、あいつのためにもな……負けられねぇんだーーーーーっ!!」
「瀕死のデッドシグナルの体に謎の発光現象が起きたーーーっ! これは先の戦いでガゼルマンやチヂミマンが見せたものと同じだーーーーっ!!」
「きっと夜間用の照明でもつけたんでしょう」
タザハマさんがひょっこり出てきてとんちんかんな解説をした。
「もうあなたは黙ってください!!」
実況が青筋を立ててタザハマさんに怒った。
「ば、ばかな!?」
クリオネマンが驚いた表情をする。
「おれの底力を見せてやるぜ! カモン! 突風!」
「デッドシグナル! 最後の力を振り絞ってクリオネマンに立ち向かっていく!!」
「今度は食らってもらうぜ!
デッドシグナルは体に突風をまといながら回転し、頭からクリオネマンに突っ込んでいく。
「バカめ! また私のゼリーボディで」
ドゴォ
「キョガ! 」
「あぁーーーっと! クリオネマン! ゼリーボディ発動せず! デッドシグナルの一撃をまともに食らったーーーっ!」
「無駄だ! お前は俺の超人強度とともに俺を構築する鋼の成分まで吸ったんだ! 今のお前はガチガチの体だ!」
「クリオネマン! 強烈な一撃を食らい、ぐらつく! そこ間髪入れずにデッドシグナルが仕掛ける!」
「お前に敬意を表して
デッドシグナルがクリオネマンの背後に回り、クリオネマンの両足の間に自らの両足を絡め、さらにクリオネマンの両腕を自身の手でクリオネマンの後方にひっぱる。
「な、なんとーーーっ! デッドシグナルの