キン肉マンⅡ世~転生超人襲来編~   作:やきたまご

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ガゼルマン!生存(サバイバル)なるか!


楽しい小鹿狩りの巻

 ガゼルマンとミスターUSBの戦いを観戦するものがいた。

 ねじり鉢巻きをしたハゲの農夫で、口に収まらない歯が二本出ている。

 その男は与作(よさく)さんと人々から呼ばれている。

 

「興味本位で後をつけてみたら、おっかねえ試合の真っ最中じゃねぇかーーっ!! おら見てはいけないものを見てしまっただーー!! ……いや、ここはYOU TUBER 与作として、この試合を生放送で全力で実況するぜよ!!」

 

 与作さんはどこからかビデオカメラとパソコンを取り出し、実況を開始した。

 

 

「おらー!!」

 

「キュピー!!」

 

 ガゼルマンの膝蹴りがミスターUSBの顔面をとらえた。

 ミスターUSBは悶絶している。

 

「さっき俺様を小鹿ちゃんとか言っていたな。お前にはキツ~いおしおきを与えないとな。」

 

 ガゼルマンがミスターUSBを首相撲の体制にとらえ、ボディに高速の膝蹴りを連打していく。

 

「悪い子だ! !悪い子だ! 悪い子だ!」

 

『ガゼルマン! ミスターUSBをチャランボ(ムエタイ式膝蹴り)でせめていくぜよーー!!!』

 

 与作さんは熱を入れてその様子を解説した。

 

「キュピピ、適所をついた高速な膝蹴りではあるが、その貧相な体じゃ、すぐに首相撲は外れるぞ!!」

 

『ミスターUSB! ガゼルマンを横方向に投げ飛ばし首相撲から強引に抜け出したぜよーー!! でもガゼルマンも投げ飛ばされたが、すぐに立ち上がったぜよーー!!』

 

「さっきベルリンの赤い雨を使ったな。いったいどういうことだ?」

 

「私はUSBであり、多くの超人を必殺技を記憶している。その昔ステカセキングという悪魔超人がいたようだが、やつは持っている超人のカセットしかコピーできず、さらにカセットを入れる時間が相手にスキを与えることになる。だが私は違う! 大容量記憶装置超人に相応しく、私の必殺技はすぐに発動でき、精度が高く、豊富なものだ−−−っ!!!」

 

「ならば、攻撃を出す暇を与えないだけだ!」

 

『ガゼルマン!高速のパンチとキックをおりまぜたコンビネーション!ミスターUSBは防戦一方だー!』

 

「キュピピ、ようやくそのスピードに慣れてきたぞ」

 

『ミスターUSB! ガゼルマンの体を掴み、上に放り投げるようにして巴投げしたぜよーー!!』

 

「では最高の必殺技でお前を(ハント)してやろう」 

 

『ミスターUSB! 落下してくるガゼルマンをブリッジで空中に跳ね返していったぜよーー!』

 

「こ、この技はまさか!?」

 

「小鹿であろうと全力で(ハント)する! マッスルスパーク!!」

 

『ミスターUSB! な、な、な、なんとーーーっ! キン肉族三大奥義の一つ、マッスルスパークを繰り出したーーーっ!』

 

 ガゼルマンは驚いた表情をしたが、すぐに自信のある笑みに変わった

 

「この技を出してくるとは正直驚いたが、俺には通用しないぜ」

 

『ガゼルマン! 技をかけられながらも体をどんどんくの字に柔らかく曲げていく! ミスターUSBのマッスルスパークの掛かりが段々と甘くなってきたーーっ!』

 

「なっ、力を入れれば入れるほど技のかかりが甘くなる!?」

 

「俺はヘラクレスファクトリーを首席で卒業したんだ。博学でもあるんだぜ。この技は一見脱出不可能な技に見えるが驚異的な柔軟性があれば、抜け出すのはたやすい技だ」

 

『ガゼルマン! ついにマッスルスパークから抜け出したぜよーー!! ガゼルマン!ミスターUSBをパイルドライバーにとらえ、リングにたたきつけたーーっ!』

 

 しかし、ミスターUSBは平気そうな顔をしていた。

 ミスターUSBはガゼルマンを吹っ飛ばしながら立ち上がった。

 ガゼルマンもすぐに体制をたちなおす

 

「ほほうキン肉族三大奥義を破るとは、大したもんだ。どうやら単なるコピー技ではお前を葬れんようだな」

 

「その言い方だと、オリジナルの技もあるのかい?」

 

「オリジナルというよりは、編集した技ならある!」

 

「編集って?」

 

「ああ!」

 

『ミスターUSB! ガゼルマンを抱え、空中に飛んだぜよーーーっ! 廃墟のビルの天井をどんどん突き破り屋上までいったーーーっ!』

 

 ドガコン!

 

 廃墟のビル付近にいた人々が、ガゼルマンを抱えたミスターUSBの姿を見た。

 

「な、なんだあれは?」

 

「超人よ! 超人の試合だわ!」

 

「あ、あれはガゼルマンじゃないか!」

 

「よーし! 営業の途中だが、抜け出して見に行くぜー!!」

 

 廃墟のビルに何人かの一般人が入っていった。

 

「いくぞ! ターンオーバーキン肉バスター!!」

 

『ミスターUSB! キン肉万太郎の必殺技を繰り出したーー!!』

 

「なにが出るかと思って期待してみたら、あのアホの技か。体の向きは逆でもキン肉バスター同様首のかかりが甘いぜーー!!」

 

『ガゼルマンが首を後方に動かす! 首のフックの甘さをついて、技から脱出するだーー!!』

 

「貴様がそうくる事は読んでいた」

 

 ミスターUSBは両腕に力を入れて、自分の体がガゼルマンの足よりも高く来るように体制を入れ替えた。

 

『ああっと、ミスターUSB! 一体なにをするつもりだーー?』

 

 ミスターUSBはガゼルマンの股間に自分の顔を入れ、両腕でガゼルマンの太ももをがっちりとホールドする。

 

「し、しまった!?」

 

「さあ伝説超人の一撃を食らうがいい!! 九龍城落地(ガウロンセンドロップ)!!」

 

ズガァン!!

 

「ぐはぁっ!」

 

『決まったーー!! ミスターUSB! キン肉万太郎の技からのラーメンマンの必殺技のコンボでガゼルマンをマットに沈めたーー!!』

 




小鹿獲ったどーーーーっ!

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