まごうことなきジェロニモ!!
ハラボテはただ驚くだけだった。
目の前に自分のよく知っている正義超人が若い姿で現れ、更に敵対関係にある相手と行動を共にしているからだ。
ジェロニモはハラボテに目線を合わせた。
「今は深くは語れない。私が言えるのは、あなたは超人委員会として公平な審判をすることだけを考えて下さい」
「ハラボテ元委員長! 遅れてすまない!」
突如声が聞こえたと思ったら、四人の超人が現れた。
その四人は農村マン、EZOマン、ウオッシュアス、ジ・アダムスであった。
「お、お前達! よくぞ来てくれた!」
「ヒャイヒャイ、こんな見た目でも一応正義超人の誇りはありますからね。散っていた仲間の敵はうちますよ!」
ウオッシュアスが確固たる自信を持って言葉を発した。
「フィギュギュ、やめとけ雑魚共。お前には荷が重すぎるぜ」
ヒカルドは小馬鹿にした態度をとっている。
「なんだと!」
「おめえら正義超人の勢力はただでさえ戦力がダウンしているんだ。ここは俺達悪魔に任せたほうが賢明ってもんだぜ~」
ウオッシュアスをたしなめるようにハラボテがウオッシュアスの腕をつかむ。
「やつの言うとおりじゃウオッシュアス。我々正義超人の今の勢力ではまともに戦える人材が非常に少ない状況じゃ。悪魔達が転生超人と戦うのであれば、むしろそれは好都合。奴らがもし我々の敵になるなら、今我々は静観すべきなのだ」
委員長の説得にウオッシュアスがしぶしぶと納得した。
EZOマンも少し残念そうな態度をとった。
「チヂミマンの敵をとりにここまできたのだが、しょうがない。せめて敵の試合をよく見ておこう」
「組み合わせは決まったようだな。では、ふぅん!」
ミスターノアが自らの手刀を地面に刺した。
遺跡が地響きをあげる。
砂埃を巻き上げながら地面からなにかがゆっくりと飛び出してきた。
砂埃が消えると、4つのリングが並んでいた。
「古来より、我々の仕事を妨害するものはこのリングで成敗してきた。悪魔共よ、このリングで成敗してやろう」
試合の決まった超人が各々のリングに散らばった。
「ではハラボテよ、審判を頼むぞ」
ハラボテは用意されていたゴングを鳴らした。
カーン
『さあ転生超人VS悪魔率いる悪行超人連合の試合が始まりました! 正義超人にとって、この試合の結果いかんによっては、今後の戦いの展開が大きく変わります! 見逃せない試合となるでしょう!』
ランバージャッカーVSネプチューンマンのリングにおいて、ランバージャッカーが先制の攻撃をしかけた。
「そうら! そうら!」
ランバージャッカーはキックボクシングスタイルで左ジャブをネプチューンマンに数発放ち、右ストレートを放った。
しかし、右ストレートを放ったタイミングで、ネプチューンマンは顔面を左にそらし、ランバージャッカーの右拳がネプチューンマンの顔の横を通り抜ける。
「いいパンチしているじゃねえか若造。お礼がわりにこんなのはどうだ!」
そう言うと、ネプチューンマンは左のラリアットをランバージャッカーにかました。
ランバージャッカーの体がリングロープまで吹っ飛んだ。
「未来に帰ってきたときはボロボロの左腕だったが、悪魔のおかげで元通りの左腕に回復したぜ!」
『これはすごい! 超ベテランの年齢であるネプチューンマンが若き戦士に負けない動きを見せつける! 久々にその姿を見て、我々の度肝を抜きましたが、それだけではない! 全くその実力は衰えていないぞネプチューンマン!!』
「ガハハハ! いいラリアットじゃねえかおっさん! あんたみたいな強豪と戦うとワクワクしてきやがるぜ!」
ライトマンVSボルトマンが行われているリングにおいて。
「ピ~カカカ! ミーのスピードについていけるかな!」
『ライトマンの拳や足が何発もボルトマンにヒットする! ボルトマン立っているのがやっとか!』
「ドへェ! ドヘェ!」
ライトマンの光の速さの攻撃はまだまだ続く。
しかし、左拳がボルトマンの顔面をとらえた瞬間、ボルトマンはライトマンの左腕を右手でつかんだ。
「ドヘドヘ、やっと捕まえたぜこねずみちゃんよ」
「おのれ~、汚いハンドでタッチしおって!」
「確かにおめえのスピードや連打はたいしたもんだ。だがよ、俺にはそれをひっくり返すパワーがある! ドヘラァ!」
「ビガ!」
『ボルトマン! ここまでサンドバッグ状態でしたが、今度は逆にライトマンをサンドバッグにしています! 右手でがっちりライトマンを捕まえながら、強烈な左パンチを連打していく! ライトマン! 逃げようにも力の差で逃げられない!』
「せっかく悪魔に蘇らせてもらったんだ! 礼がわりにお前の死体を献上しねえとな!」
ボーン・コールドVSバンデットマンのリングにおいて。
「くらえ! バンデットナイフ!」
バンデットマンはナイフをボーン・コールドの心臓に向かって投げた。
カキーン
そのナイフは高い金属音を鳴らして弾き飛ばされた。
ボーン・コールドが右手のシューティングアローでナイフを弾き飛ばしたのだ。
「まさかおれのナイフの投げに合わせるとはな、キェキェキェ! こいつは楽しめそうだな!」
「悪魔のおかげでせっかく脱獄できたんだ。檻の中にいておとなしくしていた分、思う存分暴れさせてもらうぜ!」
ブロッケンJr VS ヒカルドのリングにおいて。
「お前と戦えるとはな、願ったり叶ったりだ!」
「フィ~ギュギュ、弟子も馬鹿で雑魚なら師匠もまた同じ。返り討ちにしてやるぜ! ピラニアンブレス!」
ヒカルドが装備しているとげ付きの輪っかの鎖が伸びていく。
鎖はブロッケンJrの右腕に絡みついた。
「フィギュギュ~、さあこっちへ来い。俺の関節技でお前の全身をへし折ってやるぜ~!」
『ヒカルド! ブロッケンJrの右腕にピラニアンブレスを巻き付けて、自分のもとへたどり寄せる!!』
しかし、唐突に鎖を引いてもブロッケンJrがびくとも動かなくなった。
ブロッケンJrは凄まじい腕力で鎖を掴んでいる。
「どうやら、新世代の悪魔は俺の握力の事をご存知ねえみてえだな!」
「フィギ!?」
『あぁーっ!? ブロッケンJr! その腕力で、ピラニアンブレスごとヒカルドを空高く釣り上げた!』
「ピラニア一本釣り!!」
ヒカルドはリングの鉄柱に思いきり背中を叩きつける形となった。
「フィガー!!」
『あぁーっ!? これは残酷!! ヒカルドの背中が鉄柱に叩きつけられた!! ヒカルドの背骨は大丈夫か!!』
「相手が悪魔だっていうなら、こっちも悪魔になろう。久々に残虐超人として試合をさせてもらおうか」
アララトに血の雨が降り注ぐ!?