キン肉マンⅡ世~転生超人襲来編~   作:やきたまご

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死のカウントダウン開始!!


超人殺人事件!?の巻

『ボーン・コールド! バンデットマンのナイフウィップをはじき返し、この試合初めてまともなダメージを負わせた――――――っ!!』

 

 バンデットマンの肩にはナイフが刺さり、冷や汗もかいているが、強がって笑っている。

 

「キェキェキェ! ナイフで刺されるくらい、今までの盗賊人生でも多くあったさ!」

 

ズポ

 

 バンデットマンは肩に刺さったナイフを抜いた。

 

「バンデットグローブは空気もつかめるんだぜ!」

 

 バンデットマンは空気をつかむ動作をし、野球の投手のごとく投げる動作を何回かした。ボーン・コールドはバンデットマンの手元をよく見ていた。

 

「エアーボール!」

 

『あ――――――っ! 複数の空気の弾丸がボーン・コールドを襲う!』

 

 ボーン・コールドは容易く空気の弾丸をよけていく。一つだけカーブのように曲がるのもあったが、それも読んでいたようで、冷静にかわしていた。

 

「エアーボールをすべてよけちまうとは、驚いたぜ! では、次の俺の動きを読めるなら読んでみな!」

 

 バンデットマンはボーン・コールドに向かってきた。ボーン・コールドはバンデットマンの動きを見て、タックルに来ると思った。ボーン・コールドの予想通りバンデットマンはタックルを仕掛け、対しボーン・コールドは顔面に右膝蹴りをお見舞いした。

 

ガゴォ

 

「キェハァッ!!」

 

『お――――――っ! ボーン・コールド! タックルを見抜いたかのように、バンデットマンの顔面に膝蹴りをかました!』

 

 バンデットマンは鼻血を出しながら、笑いを見せる。

 

「キェキェキェ、今のお前さんがその動きで来るのは読んでいたさ。タックルを切ることも考えられたが、さっきより優勢な分、強気に膝蹴りでいくと思ったぜ!」

 

「それがなんだってんだ? わざと俺の攻撃を食らったって言うのか?」

 

「その通りさ、バンデットスチング!」

 

ブス ブス

 

 バンデットマンは毒針でボーン・コールドの両脚を刺した。

 

「しまっ! あ、脚の力が抜けていく……」

 

『バンデットマン! 毒針によりボーン・コールドの動きを止めた!!』

 

「ただ刺しに行こうとしたんじゃ、お前さんならかわすだろうと思った。だからタックルで脚の付近まで近づいたってわけさ。まぁ海老で鯛を釣るってやつだな」

 

「けっ、俺はまんまとだまされたってわけか」

 

「そうとも! 俺は盗賊だから人をだますなんざ日常茶飯事さ! さぁ死刑宣告といこうか! 盗賊拷問(バンデットトーチャ)!」

 

 バンデットマンは思うように身動きのとれないボーン・コールドの体をニルス戦で出した関節技に決めた。

 

「一度破られた技が通じると思うな! こんなもん!」

 

 ボーン・コールドは腕力でバンデットマンの技の体勢を崩そうとした。

 

「そうはいかねえ! バンデットキー! 」

 

 バンデットマンはボーン・コールドの体に鍵を刺して回した。

 

ジャキーン カチリ

 

「俺の体に義手や義足の部分なんてないぜ。こんな鍵でおれの動きを止められるとでも思っ!?」

 

 ボーン・コールドは自身の体の異変に気づいた。

 

「こいつは鍵だ。鍵を解除することもできれば、ロックもできる。お前の体全体をバンデットキーでロックしたんだ!」

 

「体が接着剤で固められたみてえに動かねえ! くそう!」

 

『バンデットマン! バンデットキーを用いてボーン・コールドの身動きをとれなくしたようです! ボーン・コールド危うし!!』

 

 バンデットマンは更にボーン・コールドの体を曲げていった。

 

グキ グキ グキ

 

「ぐおおおああおお!!」

 

 ボーン・コールドは苦痛の悲鳴をあげた。

 

「キェキェキェ! その悲痛な叫びはなんともたまらないぜ! さっきの若造みたいに命乞いでもするかぁ?」

 

「俺の殺し屋のプライドとして、命乞いは絶対しねえ! 殺し屋がまともな死に方をしねえなんて分かっていたことだ! その気持ち悪い笑い方しながら一気に決めな!」

 

 試合を観戦しているキン骨マンが絶望に満ちた顔となっている。

 

「も、もうダメじゃあ! 自分の息子の死ぬところなんて見たくない!」

 

 しかし、そのとなりでキン肉マンが余裕そうな表情を浮かべている。

 

「大丈夫、お前の息子ならあの状況をなんとかできるはずだ」

 

「キン肉マン……」

 

「最凶の殺し屋の最期をとくとおがみな!」

 

ボキィ

 

 会場に枯れ木が折れたかのような音が響き渡り、ボーンコールドの背中は許容範囲異常に曲がっていた。

 

『会場に響き渡ったこの音は背骨が折れた音だ――――――っ!』

 

 ボーン・コールドの有様を見て、キン骨マンは泣いていた。

 その様子を見て、ロビンマスクが何かを思い出したかのような反応を見せた。

 

「もしや、キン肉マン……」

 

「あぁ、お前も気付いたか」

 

「キェキェキェ! まだまだ戦える! この調子で連戦してもいいぜ――――――っ!」

 

ザッ

 

 突然、バンデットマンの両耳の辺りをなにかが通り抜けた。その直後、バンデットマンの両耳に激痛が走った。

 

「ぐぁぁああ!!」

 

ポト ポト

 

 リングにはバンデットマンの両耳が落ちていた。

 観客の一人がそれに気付き、悲鳴をあげ、その悲鳴は徐々に他の観客にも感染していった。

 

「心臓が止まるまで、油断はしないほうがいいぜ盗賊さんよ」

 

 そこにはボーン・コールドがなんともない状態で立っていた。

 

「て、てめえ、背骨が折れたのになぜ!? それに毒針のしびれも残っているはず!!」

 

「俺の体が骨だからだよ。元々バラバラになりやすい体をしているんだ。お前は俺の背骨が折れたと思っていたが正しくは背骨が解体されただけだ。元に戻そうと思えば元に戻せるんだよ。それに職業柄毒を受けるなんて頻繁にあったからな、対策として俺は毒に対して体に免疫を持たせているんだよ。」

 

「あちち、盗賊である俺がだまし討ちを食らうとは、腕が落ちたもんだな……」

 

 観戦していたロビンマスクがキン肉マンに話しかけた。

 

「ボーン・コールドのやつ懐かしいものを見せてくれたな。いつぞやかお前にしてやられた手だ」

 

 キン肉マンはその言葉を聞いて笑った。

 

「私の場合は背骨の音が鳴りやすいからだったが、ボーン・コールドは本当に骨が解体されたからな。キン骨マン、お前の血がボーン・コールドを救ったのだ」

 

「まさか、わしの血がボーン・コールドの命を救うとは……」

 

「しかし、耳を削ぐとは、ボーン・コールドの試合は怖いのう。おしっこ漏らしそうじゃわい」

 

「それなら私の背中でも借りるか?」

 

 ロビンマスクが過去にキン肉マンをおんぶしたときに、背中で漏らされた記憶を思い出しながら皮肉を言った。キン肉マンはそれに苦笑いした。

 

「さぁ! こいつでフィニッシュだ!」

 

 ボーン・コールドはバンデットマンを3Dクラッシュの体勢にとらえた。

 

「お前さん、その技の破り方を俺に伝授しただろ!」

 

 バンデットマンは後ろに体をそらすように力を入れた。

 

「それが俺の狙いだ!」

 

 ボーン・コールドはバンデットマンの力を利用し、技をかけた状態で体全体を回転させた。

 

ギュゥゥゥン

 

『ボーン・コールド! バンデットマンの力を利用し、3Dクラッシュの体勢ですさまじい回転を起こす! 回転する二人の先にあるのはリングロープだ!』

 

「一体何をしようってんだ!」

 

「これが俺の新必殺技! 3Dクラッシュミレニアム!!」

 

ドゴォン

 

 バンデットマンの体には3本のリングロープが食い込んだ状態となり、更に3Dクラッシュも決まっていた状態であった。

 

「キェハァ!!」

 

 バンデットマンは血反吐を吐き、リングに倒れた。

 ハラボテが試合続行不可能のジェスチャーをし、試合終了のゴングが鳴った。観客の歓声が大きく鳴り響いた。




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