キン肉マンⅡ世~転生超人襲来編~   作:やきたまご

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ビリ ビリ ビリ ビリ !!


感電死にご用心!!の巻

 リングに叩き付けられたライトマンに、ボルトマンはエルボーを落としていく。しかし、ライトマンは瞬時に避け、ボルトマンは自爆した。

 

「ちぃ、ちょこまかと鼠見てえな野郎だ」

 

「流石ボルトマン! 万太郎、ケビンマスクを苦戦させたそのパワー、リスペクトに値する! サンレーザー!!」

 

 ライトマンの右手より光が放たれた。光はボルトマンの目に直撃した。

 

「ぐわぁ!」

 

(マウス)とか抜かしてくれたな! ならばマウスらしい姑息なファイトスタイルをとってやろうか!!」

 

『ライトマン! 視界不良のボルトマンに向かって右ストレートだ!!』

 

ガシ

 

「ピカッ!?」

 

 ボルトマンは左手でライトマンの右拳を掴んでいた。

 

「ドヘドヘ、なぁんちゃってなぁ!」

 

ドゴォ

 

「ビガァ!」

 

 ボルトマンは右手でライトマンの顔面を殴って、ふっとばした。

 

『あ――――――っ! ボルトマン! サンレーザーにより目潰しされたかと思いましたが、なんと平気な顔をしている!!』

 

「俺がどうやって電気を作っているか知っているか? 色々あるが、方法の一つとして、光を電気に変換する方法がある。俺の体を構成する要素の一つとしてシリコンがある。こいつは、電気を生み出す半導体、つまり太陽光発電に使われる素材ってわけさ!」

 

『ボルトマン! 更にパンチを連打していく! ライトマングロッキー状態だ!』

 

「つまりよ、お前にとって俺は相性最悪の相手ってわけだ!」

 

『ボルトマン! リングロープに向かって走って行くぞ!!』

 

「ヘル・ザ・キッチン・ポップ!」

 

ドガァ

 

『ボルトマン! グロッキー状態のライトマンに、ロープを使った旋回蹴りを決めた!! ライトマンたまらずダウン!!』

 

 しかし、ライトマンは懸命に立ち上がろうとする。

 

「ガッデム! ミーが世界浄化者(ワールドクリーナー)の最後のソルジャー! 使命のために亡くなった仲間のためにもビクトリーあるのみ!! チェンジ! ノンビジブルライト!」

 

ピシュン

 

『あ――――――っ! ライトマン突然姿を消した! これはどうしたことだ――――――っ!!』

 

「なに!? 姿が見えなくなった! あの野郎どこへ逃げやがった!」

 

「ミーはラン・アウェイなどせん!」

 

「そこか!」

 

『ボルトマン! ライトマンの声がした方向を狙って右ラリアット! しかし、目に見えないためヒットしない!』

 

「ユーは可視光線というのを知っているか? 人のアイではウオッチできないライトの事だ! ミーはライトの超人、ゆえにどんなライトにでもなれるのだよ!」

 

ドガ ガゴ バキ バコォ ガッ

 

「ドヘハァ!」

 

 ボルトマンの体のあちこち何発もに打撃が加わった。

 

「こんにゃろう! チートじみた事をしやがって!」

 

バキィ

 

 ライトマンの顔面に目に見えない打撃が飛んできた。

 

「今だ! テスラコイル!」

 

バリ バリ バリ バリ

 

「ビガ――――――ッ!!」

 

『これはライトマンの声か! 姿は見えねどボルトマンの放つ超高圧電流に苦しむ様子が目に見えるようです!』

 

ドスン

 

 何かが倒れる音と共にダウンしたライトマンの姿が出てきた。

 

『ライトマンの姿が現れた! 電撃を直接浴びて、ダメージは相当のものです!!』

 

「ドヘドヘ、なんだ? お前は電気を光に変換できねえのか? 不器用なやつだな~」

 

ドガ ドガ ドガ

 

『ボルトマン! ダウンしているライトマンにサッカーボールキックで追撃!』

 

「これがユーのボルトか……かなりパワフルだ……ならばスピードのリミットオーバーといこう!!」

 

ピシュン

 

「ドヘッ!?」

 

『ライトマンの姿が消えた! またも目に見えない光となったか!』

 

「ユー達のアイは節のホールか! ようくウォッチするのだ!」

 

「な、なに!?」

 

 ボルトマンの周りには複数人のライトマンがいた。

 

『なんと! ライトマンが分身した! これはどんなからくりなんだ――――――っ!!』

 

「いくぞ!」

 

バキィ バシィ ドガァ ボゴォ ガギン ドゴォ

 

『複数人のライトマンがボルトマンに目にとまらぬ打撃を加えていく! ボルトマン完全にサンドバック状態だ!!』

 

「ド、ドヘラァ~! こんなもん!」

 

『ボルトマン! 襲ってくるライトマンの一人めがけてラリアットを放った!』

 

 しかし、ボルトマンの腕がライトマンをすり抜けた。

 

「なにぃ!?」

 

「ピ~カカカ! 蜃気楼(ミラージュ)を知っているか? 光の屈折により、物体が見えるのに別の場所にある現象だ! ユーがアタックしたのはミーのミラージュというわけだ!」

 

バキィ バシィ ドガァ ボゴォ ガギン ドゴォ

 

『更に容赦なくライトマンの攻撃が続きます!!』

 

「ドヘラァ~~」

 

「かなりタフな奴だな。ならば、禁断のライトをユーズしよう。レインボーシャワー!!」

 

バババババババ

 

「ボルトマンに向けて複数のレインボーシャワーが襲ってきた!!」

 

「おっとあぶねえ!」

 

『ボルトマン! なんとかレインボーシャワーを懸命にかわす!』

 

クキン

 

 レインボシャワーの一つが直角に曲がり、ボルトマンの背中を直撃した。

 

「グワァ――――――ッ!!」

 

 動きの止まったボルトマンに次々とレインボーシャワーが当たっていく。

 

ドスン

 

『ボルトマンダウン! 流石のボルトマンもレインボーシャワーには耐えられなかった! 一時は圧勝かと思われましたが、逆転を許してしまった!!』

 

「ノーマルな超人なら一撃でデッドしているところだ。ユーが言っていたソーラーエナジー効果でちょっとは威力を弱めたようだが、もう闘えんだろう」

 

「ドヘェ……」

 

「ミーはコリアの超人チヂミマンの漢気に応える義務がある!! そこにいるEZOマンとの敵討ちファイトはマストなことだ!!」

 

 EZOマンがその言葉に反応した。

 

「あいつ、軽々しい口調を言ってはいるが、一本筋の通ったまっすぐなやつだ。まさにライトマン、その名にふさわしい漢だ」

 

「ドヘドヘドへ」

 

 ボルトマンがよろよろとしながらも立ち上がってきた。

 

「ほう、あれだけのアタックとライトを受けてスタンドしてきたか」

 

「敵討ち合戦に付き合うために勝ちたいってわけか。俺はそういうのを邪魔するのが一番大好きなんだよ!!」

 

「ならば、もう一度ミーのアタックをお見舞いしてやろう!」

 

 ライトマンはまたも分身を始めた。

 

「お前の技の攻略法が分かったぜ!」

 

ブチブチ クルクル ス~ プ~ プク~ カキィ ボゴォ

 

『ボルトマン! 自分のドレッドヘアーを数本抜いて、縄のように巻いていく。それを自らの息で吹き込み膨らませ、出来たのはなんと扇風機だ!! 自らの体にコンセントを作り、扇風機のプラグを差し込んだ!!』

 

「ピカカカ~、クレイジーにでもなったのか?」

 

ブオオオオオ

 

『ボルトマン! 扇風機を回し、辺りに強風をまき散らす!』

 

「そんな弱いウインドでミーを吹っ飛ばせると思ったらベリーミステイクだ!!」

 

『あ―――――っ! またもライトマンが複数人襲いに来た!』

 

シュン シュン シュン

 

「ピカァ!?」

 

『どうしたことだ! ライトマンの分身の姿が消えたぞ!!』

 

「蜃気楼ぐらい俺だって分かるんだよ。蜃気楼が起きるのは空気の密度の差で光が折れ曲がるからだ。だからレインボシャワーが直角に曲がった! つまり、リング周辺の空気を攪拌してやりゃあ、蜃気楼もなくはずだ!」

 

『お――――――っ! ボルトマン! 見た目に似合わぬ知性的なプレーも見せた!』

 

 複数人のライトマンの姿は消えて、一人だけとなった。

 

「そして本体はてめえか!」

 

ドゴォ

 

「ピガゴォ!」

 

『ボルトマン! ライトマンをレッグラリアートで攻撃! 攻撃は効いているぞ!!』




限りある電気を大切に!!

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