ミスターノアとサタンに支配されたガゼルマンがリング内でにらみ合った。
「サタン、貴様の悪行には多くの超人が迷惑をしていた。私が今日、お前の歴史を終わらせてやろう!」
「それはこっちの台詞だ。今こそ元神だった男に、死を与えてやろう!!」
カーン
『遂にミスターノアとサタンの一騎打ちが始まりました! この試合サタンはガゼルマンの身体を借りて試合をしております! ガゼルマンの身体能力がサタンによってどれ程上がったかが鍵を握ることでしょう! あっ! 先に仕掛けたのはミスターノアだ!』
「
『ミスターノア! 手刀をガゼルマンに向かって連打していく! しかし、ガゼルマン! スウェーを駆使して紙一重でよけていく!』
「ゲギョゲギョ、俺様の思った通り、ガゼルマンの動体視力なかなかのもんだぜ。なかなか素早い手刀だが、楽々と避けられる。さてと、そろそろ反撃と行こうか!」
バシィィン
『ガゼルマン! 鋭い右ローキックをミスターノアの右脚の内膝に命中させた!』
「ぐっ!」
ミスターノアは思わぬ苦痛に顔の表情を変えた。
「ガゼルマンとやら、ムエタイをベースにしているからか、なかなかのローキックを放てるようだ。もっとも俺の魂が入った事で肉体が強化されている部分もあるがな」
バシィィン
『ガゼルマン! 今度は左ミドルキックをミスターノアのボディ右側部に決めた!』
ガシィ
『ミスターノア! ガゼルマンの左足を右手で掴んだ!』
「私を手刀だけの漢だと思うなよ」
ドコォォ
『ミスターノア! ガゼルマンの軸足である右脚を狙って右のローキック!』
ダン
『ガゼルマンバランスを崩して転倒!』
実況席から唐突にタザハマさんが出てきた。
「ガゼルマンの右脚に全体重が載っていた状態でしたからね、この状態でローキックをされたら普通よりも効きますよこりゃあ」
『なるほど!』
転倒したガゼルマンがミスターノアを睨み付けながら立ち上がった。
「このやろ~、サタン様を無様に転倒させるとは。命知らずのようだな!!」
「ところでサタンよ、貴様が私に敵対する理由はなんなのだ?」
「理由だと? そんなものはない。あえて言うなら貴様が気にくわないから叩き潰したいと思っているだけだ!!」
「それは建前だろう。本音は別にあるんじゃないか?」
「さぁて、なんのことか?」
「では言おう。お前の目的はずばり二階堂凛子だ! 貴様は彼女の力を欲している!」
「ばれていたか、しかし、俺の考えがはっきりしたからにはお前にも考えを言って貰う義理があるってもんだぜ」
「良いだろう。
「!?」
試合を観戦していた人達に驚きの反応が見える。
「大体ご察しはついていたぜ。まあ俺様は貴様のようなトチ狂った目的ではないがな。俺様が望むのは強大な力だ! マグネットパワーを応用すれば、俺様自身、そして俺様の部下をも強化できる! 単に力を欲しているだけの純粋な理由というわけさ!」
「悪魔の癖に何が純粋だ!」
「その言葉そっくり呪いをおまけして返してやろう! 神の癖に狂った計画を実行しようとしよって!」
『サタンやミスターノアからとんでもない爆弾発言が飛び出した!! これはもはや人類の運命のかかった試合と言っても過言ではありません!!』
リング上で二人が言い合いをしている中、観客達は不安の表情を浮かべていた。もちろん超人達、超人委員会も同様の反応である。
ハラボテがつぶやいた。
「わしは、とんでもない試合を許可してしまった・・・・・・。この試合の結果如何によって、世界が滅びるかもしれん!」
「ハラボテ委員長!
超人委員会のメンバーの一人がハラボテにアドバイスを送った。
「おおそうじゃった! ならば、ケビンマスク号が旅立った東京の河川敷へ人を配置するのじゃ!」
「ハラボテよ、そうもいかんのだな」
突然ネプチューンマンがやってきた。
「ネ、ネプチューンマン! それはどういう事だ?」
「あのタイムマシンは予定外の人数が乗り込みすぎてな。その予定外の奴らが、二階堂凛子、ウォーズマン、そして俺だ。そのせいでタイムマシンが重量オーバーとなり、行きのタイムマシーンの到着地点が狂っちまったみたいだ。帰りは俺を除いた二人がまた乗ってくるはずだから、到着地点を東京の河川敷に設定しても、そこにいくとは限らないぜ」
「ほうほうそういう事か、しからば、その問題の発端である貴様はどう責任をとってくれるのじゃ? 良い案でもあるのか?」
「ハラボテよ、こんな時こそ正義超人お得意の友情じゃねえのか?」
「友情だと? 唐突にどういう事じゃ?」
「ヒャイヒャイ! そいつは名案だネプチューンマン!」
ウォッシュアスがやってきた。
「師匠直々のインカの叡知で分かったぜ! ハラボテ委員長! 世界中の正義超人に呼びかけましょう! 万太郎達のタイムマシンの到着を見張るようにってね!」
「そうか! その手があったか! 超人委員会のネットワークを利用して、世界中のエリアを監視するのじゃ! 早速段取りじゃ――――――!」
ハラボテが慌ただしそうに動き出した。その様子を見届けたウォッシュアスがネプチューンマンを見て言った。
「いいのかネプチューンマン? お前は一応サタン側の人間なのだろう? 我々に有益な事をして大丈夫なのか?」
「勘違いするなよ。俺には俺の考えがある。後々おめえらにとって不都合な考えかもしれんぞ。だがよ、今はミスターノアの好きにはさせん。それだけは確かだぜ」
「ネプチューンマン……」
「さてと、俺は怪我人だしな、ゆっくりと観戦の続きをすっか」
そう言ってネプチューンマンが巨体を揺らして観客席へ戻った。
一方リングにおいて、
ジャキィン
『あ――――――っ! ガゼルマンがアントラーフィストを両手にはめた! そしてそのままジャンプし、コーナーポストに乗った!!』
「貴様、何をする気だ?」
「この俺様がかつてバッファローマンに取り憑いていた時に、対戦相手が出した面白い技をパクろうと思ってな!」
バーン
『ガゼルマン! 空高くジャンプした!』
試合を観戦していたバッファローマンが反応した。
「サタンのやつ! まさかウォーズマンが俺の角をへし折った技を!?」
「ちょうどこいつの超人強度もウォーズマンと同じ100万パワーだったな。これで400万パワーか」
『ガゼルマン! 最高点までジャンプしたところで、身体を思い切り錐揉み回転!! そのまま、リングに向かうぞ!!』
「3倍の回転では物足りん! このとち狂った神を殺すためにもっと回転させるのだ!!」
ギュイイイイイン
『サタンが光の矢となった! ものすごい速さでリングに向かう! 狙うはもちろんミスターノアだ!!』
「では、こちらも真っ向から受け止めてやろうか」
『ミスターノア逃げない! そのまま攻撃を受け止める気だ!!』
「魂の一刀《ソウルブレード》!!」
『ミスターノア! 右手に
カキィィィィィィィンン
互いの強力な技の衝突によって、強烈な風が生まれ、観客に襲いかかった。
「うわぁ――――――っ!」
「風が強すぎてリングが見れない!!」
風がやんだ頃には、辺りに砂埃が立ち、すぐにはリングが見えない状態であった。
早すぎる決着!?