キン肉マンⅡ世~転生超人襲来編~   作:やきたまご

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まだまだ血が足りないぜ!!


怨念の磁石力!!の巻

「第二段階だと、悪魔らしく嘘八百という訳か?」

 

「ゲギョギョ、嘘をつく事は否定せんがな、こいつは本物だぜ」

 

 サタンが乗り移ったガゼルマンは両手を空にかざした。

 

「シュガレフゴンブラ~、ゴボラビサッパ~」

 

『サタン! なにやら不思議な呪文を唱えているぞ!』

 

「面白い、貴様の第二段階とやら見てみようか」

 

 ミスターノアはサタンの様子を見る事にした。

 

「ご理解いただけてありがたいぜ……ほう、面白い魂を見つけた。まずこいつからいくか」

 

『あ――――――っ! 空から黒い球状の物体が降ってきた!! 物体の着地点はサタンだ!!』

 

シュゴオ

 

『黒い物体はサタンの体内に取り込まれた!! これでサタンにどのような変化が現れるのか――――――!!』

 

「ふむ、さまよえる魂をとりこんだか。さて、その魂が私に通用するものかな?」

 

 ミスターノアは冷静にサタンを観察していた。

 

「グロロロ、私に勝てると思うか?」

 

 サタンの声質が変わった。その声は重く、威厳のあるものとなった。

 

「そ、その声は!! まさかゼウス!?」

 

 観客席にいた伝説超人(レジェンド)達もその声を聞いて、驚いていた。まずキン肉マンが発言した。

 

「あ、あれは間違いない、かつて悪魔将軍と闘ったザ・マンの声じゃ!!」

 

 ネプチューンマンは懐疑的な態度をとった。

 

「ザ・マンの生死は俺も正直把握していない。だが、サタンといえどザ・マンの魂をとりこめるのか? 魂を取り込んだ事は本物かも知れないが、何か別の魂をとりこんだのかもしれない」

 

 ミスターノアはサタンの声を聞いて驚いていたが、しばらくして冷静さを取り戻した。

 

「声色は真似ても、やつの恐ろしいプレッシャーまで真似できんようだったな。からくりを明かしたらどうだサタン?」

 

 サタンはミスターノアをあざ笑うかのように笑っている。

 

「今私が取り込んだ魂はテルテルボーイという悪行超人の魂だ。こやつは万太郎に倒され、挙げ句の果て仲間のMAXマンにとどめを刺されたがために、怨念体としてこの世に残っていたみたいだ。こやつの特技を利用して、貴様が苦手だと思う相手の声を真似しているところだ」

 

「お前のその行為、逆効果だったかもしれんな。私が敬意を表する超人を侮辱する行為は、私の怒りのボルテージをあげるだけだ!」

 

『ミスターノア! 左手刀でサタンの顔面を狙った!』

 

 サタンはボクサーのように頭を下げて、手刀かわした。手刀がのびきったタイミングでサタンは鋭いアッパーをミスターノアの顎にくらわした。

 

バゴン

 

「ゴガァ!」

 

『サタン! ミスターノアの手刀をかわし、アッパーでおかえしだ! ミスターノア思わずぐらついた!』

 

 ミスターノアは体勢を立て直した。

 

「先程よりも技のスピード、威力があがっているな。それもお前がとりこんだ魂の効果か?」

 

「グロロロ、私は負の感情を力とする生命体だ。テルテルボーイの怨念が強かった分、私の力の上昇にもつながったというわけだ!」

 

「先程からザ・マンの声で喋りおって、やめんか――――――っ!!」

 

バシィィン バシィィン バシィィン

 

『ミスターノア! サタンにローキックを連打!』

 

「この程度のローキック、容易にカットできる」

 

『しかし、サタンもそれを見抜きローキックをカットする!』

 

「私の真の狙いは、貴様の首だ!」

 

ドスゥ

 

「ゴハァ!」

 

 ミスターノアは手刀でサタンが乗り移ったガゼルマンの首をついた。

 

『ミスターノア! サタンの首に地獄突きだ!』

 

「ごほぉ……喋るのがちいと辛いぜ……」

 

 サタンはダメージの影響があり、元の声となった。

 

「では、次なる怨念体を呼び寄せるか」

 

『またも、サタンの元に黒い球体が寄せられ、体内に入り込んだ!!』

 

「ゲギョギョギョ、そうか、貴様はミスターノアに対して酷く恨みがあったな」

 

「何が来ようと、真っ正面からねじ伏せてやる!」

 

 サタンが乗り移ったガゼルマンは左腕を上げた。その左腕にはエネルギーが発生している様子が見える。

 

「マグネットパワー!!」

 

「なに!?」

 

『あーーーーーーっ! リングの鉄柱が一本外れ、ミスターノアの後方から鉄柱が襲いかかってきた!」

 

 ミスターノアは咄嗟に気付き、鉄柱を避けた。

 

「この力を使える超人はごくわずかなはず。一体何やつか!」

 

「言っただろう、俺は怨念のある魂を呼び寄せているとな!」

 

ガシッ

 

『両者リング中央で組み合った!』

 

「この組み力、もしや!」

 

「そう、お前もご察しの通り、かつてネプチューンと呼ばれた神、超人界ではネプチューンキングと呼ばれた男の魂を呼び寄せた! 流石は元神様だな。ミスターノアと真っ向から渡り合える!」

 

『サタン! 今度はネプチューンキングの魂を呼び寄せた!!』

 

 観客席のネプチューンマンが残念そうな表情をした。

 

「キングよ、あなたは魂だけになってもなお墜ちるところまで墜ちてしまったのか……」

 

 ミスターノアは組み合った状態で腹ただしい様子を見せている。

 

「おのれ! かつての同士の魂を使うとはな、私をそんなに怒らせたいか!」

 

「元はと言えばお前の責任だぞミスターノア! お前がネプチューンキングを倒したがために、やつは神から完璧超人の一員に格下げされ、屈辱の人生を歩んできた! 俺にはネプチューンキングの怨念がよ~く分かるぜ~!」

 

「ぐぬぅ!」

 

「気の迷いか、ミスターノア! 肉体は強固でも、精神は軟弱な神様だな!」

 

『サタン! 組み合いの状態から、力尽くでミスターノアをリングに寝かせ、マウントポジションにとった! そのままパンチの連打だ!』

 

ガゴン ガゴン ガゴン ガゴン

 

「どうだ! お前の同士のパンチは痛かろうか~! こいつがお前を酷く憎んでいる分俺の力になるぜ~!!」

 

「ふんはぁっ!」

 

『ミスターノア! ブリッジで体を起こし、乗っかっていたサタンを宙にとばした! そのままミスターノアもサタンを追いかけるようにジャンプ!』

 

「我が左手刀で貴様の体を串刺しにしてやろうぞ!」

 

 サタンが乗り移ったガゼルマンは余裕の表情を見せている。

 

「それはどうかな? マグネットパワー!!」

 

 マグネットパワーのエネルギーはリングの鉄柱へと向かった。

 

『あ――――――っ! リングの鉄柱がマグネットパワーにより全て抜かれ、四本の鉄柱が一本の太い杭となった!!』

 

「遅かったな、鉄柱を私に当てるより、私の手刀に貫かれる方が早いようだ」

 

ガシッ

 

「ならば、そのなまくら刀に貫かれなければ良い」

 

『あ――――――っ! サタンがミスターノアの手刀を掴んだ!』

 

「ネプチューンキングとやら感謝するぞ、貴様がミスターノアへの手刀対策をしていたおかげで俺も容易に受け止められた」

 

「お、おのれぇ!」

 

 サタンが乗り移ったガゼルマンはミスターノアに上乗りする形で、両手をつかみ、心臓部に膝を当て、そのまま落下した。

 

「とどめだ! 心臓圧迫死(ハートプレッシャーデス)

 

 落下する両者の下から一本の杭となった鉄柱が迫る。ちょうどミスターノアを背中から突く形となった。

 

グシャゴォン

 

「ごはぁ!」

 

『あ――――――っ! ミスターノアの心臓部を前後から鉄柱とサタンの膝に圧迫された! ミスターノア、力なくリングに落下し、ダウン!!』

 

 カウントが開始されるも、サタンが乗り移ったガゼルマンはまだ攻撃の手を緩める気はない。

 

「さぁ~て、とどめはこれで刺そうか」

 

『サタン! またも魂を引き寄せる! 今度は6つの魂がサタンに吸い寄せられていく!』

 

 ミスターノアがダウンしながらも、何かに気付いたような反応をした。

 

「とどめは世界を浄化する者達の魂を使わせてもらおうか! 人間達への負の感情を基に、超人になった分、すこぶる力がみなぎってくるぞ!」

 

「同士達の魂を……よくも……!!」

 

「さぁ! 遺言は聞いといてやるぜぇ! ふぐっ!」

 

 突如サタンが乗り移ったガゼルマンが苦しむ表情を見せた。

 

「ぐごがぁ! ば、馬鹿な!?」

 




またも力を取り込みすぎ自爆か……

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