「…………ウェップ」
「ナーツー……吐くなら吐くでスッキリしなさい」
「いやこの場は流石に不味いでしょ!」
ナニイッテンダアンタ!プジャケルナ!吐くもんは吐け、悪いもんを溜めていると碌なこと起きないからさ。
「ブrrrrrrrrrrr」
「ぎぃやぁぁ!吐くなぁ!」
「そうそう吐けh…………オrrrrrr」
「こっちもかぁ!」
「あい!2人ともゲロまみれだね!」
因にだが今ゲロゲロゲーしてるのはギルド【フェアリーテイル】の前、とどのつまり到着はしているのだがナツは俺が運んだせいでダウン。俺も釣られてしまったという訳だ。いや先ずギルドの前で何やってんだとか思うけどさ、ナツの表情見てると吐けって言いたくならない?
つまりはそういうことだ。しかし悲しいかな、俺まで吐いちまったよ。幸い
漸く吐き終わると力無く扉を2人で開ける。だってさっき吐いたばっかだもん。勿論ゲロは避けて通ったぞ。
「「た、ただいま~……」」
「ただいま~!」
出迎えてくれたのは何時ものギルドメンバー。何時も通り酒を飲み、何時も通り寛ぎ、何時も通りの生活を続ける全員。
「よぉ、ナツ!また派手に暴れたみてぇだな!」
「ロプトも何時もどお……何か元気無くね?ナツも」
「しかも何か酸っぱい臭いが……」
やめろぉ!確かにやっちまったけど!確かに俺ら吐いたけど!ナツは元気が無く本調子じゃ無いとはいえ、よくメンバーを蹴るスタミナだけは残ってんな。そう思う俺であった。
そしてルーシィはこの有り様に驚愕。しゃあない誰だってそうなる。コイツら誰かが喧嘩し始めると直ぐに雰囲気に乗ってやる時も少なからずあるからな。前はエルザとミラの2人がよく……おっと魔神様が睨んでおられたコワイコワイ。
そして案の定周りを巻き込んで喧嘩へと至る。……よしルーシィを紹介しとくか(現実逃避)
「あールーシィ、こっち来てくれ。周りアレだけど気にすんなよ」
「は、はい……」
兎も角ルーシィをギルドに加入させるのが先決だわな。それ以外だと来た意味は……あ、そういやマカロフに会うのもあったな。まぁ良いや先にこっtゴンッ!
「ヘアッ!?」
「いっつぅ…………」
後ろから何か来た……あぁ、飛んできた板か。よしお前ら死ぬ覚悟しとけ。
「あールーシィ、先に向こう行ってろ。用事ができた」
「えっと……あの…………どちらに?」
「
ということで交ざりに行く。龍脈操作で先程の板の強度を挙げて地面に叩きつけて音を出す。勿論膨大な音だったので全員俺の方を見るが、俺の方に投げられてきた板をチラチラと見せると全員血の気が引いていた。
□□□□□□□□□
「おっとキレさせたか」
「あらマスター、お帰りなさい」
「マスター!?」
年相応の声と小さな体、顔の
このちんちくりんの老人こそ、現フェアリーテイルのマスター『マカロフ』。この血の気の無いメンバーと黒笑を浮かべたロプトの背中を見ていた。ミラジェーンは何時も通りの対応で挨拶、ルーシィは驚いた様子で見ている。
直後、メンバーから聞こえてくる悲鳴によってそちらに意識を向けることとなったが。
<ナァツゥ……カクゴシトケェ……
<ユ,ユルシテクダサイ!ナンデモシマスカラ!“ドムゥ!”
<コタエハキイテナイ。ツギ!グレイ!
<オレモカァ!?“ドゴォ!”
<ツギダレダオラァ!?
<モウダメダ……オシマイダァ!
<“リュウミャクソウサ”!『ラセン!!』
<エハァ!!
<オレガ!マンゾクスルマデ!ナグルノヲヤメナイ!
<リフジンノキワミ!!
<アーーーーーーーーー!!♂
<オイダレダ!?ドサクサニマギレテホッタヤツ!!
「うむ平和じゃ」
「何処をどう見れば良いんですか!?」
マカロフ曰く、これはまだ落ち着いている方だそう。約1名の為に犠牲になっている人数が割りに合わないが。そして誰か掘られたが気にする必要は無い、だって人間色々居るもの。
ミラの方はというと何時ものことと笑顔で見守っていたが微妙に脚が震えていた。そして何処と無く青ざめている。
ルーシィはそんなロプトの蹂躙劇を背景に魔導士としての烙印を押す作業に入るのであった。蹂躙劇の方はマカロフがロプトに中止と告げるだけで終わったという。その時のマカロフはロプト以外からは聖人に見えたそうな。
◇◇◇◇◆◆◆◆◆◆
あーすっと……する訳ねぇだろ馬鹿。まだ恨みしか募らせてねぇわボケ。
まぁんなことは置いといて……あれだ。ナツとハッピーとルーシィがどっか行った。話は聞いてたんだがマカオが一向に帰ってこないことを不審に思ったロメオがマカロフに直談判したけど結局のところ断られて殴ってどっか行って、それをナツたちが追い掛けていったというシンプルなことだ。
まぁナツのことは分からなくもない。ナツが小さいときに聞いたが
というより
親?その役目を持つ奴を食った。人間?いいえ化け物です。食人衝動は結構抑えられてはいるが。しかも龍脈操作で保たせているとはいえ、俺も命の方がねぇ。研究結果からは魔力無しの奴等は直ぐに消えたらしいしよぉ、俺が生きていられるのは龍脈様様ってか。
さて、俺もクエスト探すか。まぁ下位層のクエストしか載ってねぇけど……
「…………」
徐に目についたクエストを手に取る。クエストの内容を確認した瞬間、俺はこのクエストの書かれた用紙を握り潰した。
「おいおいどうした?そんな険しい表情s「悪いが今から出掛ける。退け」……えぇ」
「…………プヘェ!おいロプト!」
マカロフが呼び止めるが知るか。俺は“コイツ”を受ける。受けなきゃならねぇ。だから1秒でも遅れる訳にはいかねぇ。
「ハァ……無茶はするなよ」
安心しろマカロフ、俺は俺の役目をこなすだけだ。そもそもの心配なんぞ要らん。そして俺は何時ものバッグを持って龍脈操作を用いて素早く現場に赴く。
【依頼内容種:討伐】
内容:マグノリア郊外の村に住み着いた大量モンスターの討伐。現在依頼に当たった魔導士15名が負傷。報酬42万J。依頼者■■■■■■■
◆◆◆◆◆◆◆◆◆
漸くか中々時間が掛かったな。魔導四輪とかで移動すれば良いと考える奴等に教えてやる、龍脈操作で浮遊できるんだ。上手くやれば『飛翔』することなんて容易い。とどのつまり俺は
さて……目的の場所だが、居るな。15?バカを言え、増えてやがる。20……30……35か、この辺りだな。恐らく生殖行為を行って……いやバカな考えは辞めておこう。
こんな依頼は前々からあった。そして俺が人工的に造られたことは知っている。
つまり
気が付けば考えながら
そいつを腰に巻き付けて左のハンドルに手を掛けながら、村の中心へと赴いた。奴さんは俺に注目しているが、同種だと気付いているのか警戒して姿さえも現さない。
暗闇の中、俺は自分の腰に巻き付けられたドライバーのグリップを回した。
【∑[SIGMA]】
「…………スゥ、アマゾン!」
俺を中心に高温の水蒸気が発生し、俺の体は紫の炎に包み込まれ俺は本来の姿へと変貌する。
□□□□□□□□□
ロプトは本来の姿へと変貌を遂げる。赤いつり目、紫の体に銅色の胸プレート、両腕と両脚にはそれぞれアームカッターとフットカッターが装備されており体に沿われた青いラインが特徴の化け物。
簡単に言えばアマゾンΩタイプのΣver、またの名を【AMAZON-protoΣ】。アマゾン体に戻ったロプトは頭のレーダーを使い居場所の特定をしていく。
居場所を確認し終えると、ロプトはゆっくりと体勢を低くさせ左腕を前に出し右腕を引っ込める。
そして何処からか、木が折れた音が響いた。
「ガアアアアアアアアア!!」
ロプトは……Σは吠えた。それに集まるかの様に他のアマゾンがΣを倒すため姿を現して向かっていく。
「「「「「■■■■■■■■!」」」」」
「ウア゛ァ!」
先にΣは前方から来るアマゾンに向かって走り、ある程度接近するとその場でパルクールを使用。そしてアマゾンの上を通ると頭を両手で掴み、体勢を戻す勢いを利用して頭をもぎ取る。
頭をもぎ取られたアマゾンは仰向けに倒れ死んだ。頭を見ると触覚の様なものが見えた。
「蟻か……!面倒なのを!」
Σは立ち上がり攻撃を仕掛けてくるアリアマゾンの攻撃を払うと左手で手首を抑えてアリアマゾンの首に右のアームカッターを当て、それを引く。
「ア゛ァ゛!」
「■■■……■■…………」
首からは血の代わりに体液の様なものがぶち蒔かれ少々腕に付いたが、Σは戦闘を続ける。
先に左、次に右から来るアリアマゾンに対しΣは左のアリアマゾンの飛び付きを後ろ回し蹴りで蹴り飛ばす。狙っていたのか右のアリアマゾンにぶつかり2体は体勢を崩した。それを狙ってジャンプし、上に居るアリアマゾンの心臓を目掛けてアームカッターで貫く。
引き抜くと今度は後ろから羽交い締めされるが、その場でジャンプし体勢を地面と水平にさせドロップキックを放つ。それによりアリアマゾンの体は貫かれ後ろに倒れたことで拘束を解いた。
拘束を解いたΣに5体のアリアマゾンが迫る。Σは先に来ている前のアリアマゾンに接近し、腕を掴んでそれを軸に回転し頭を蹴り飛ばす。
着地と同時に左前からアリアマゾンが攻撃しようとするが、しゃがんだ体勢からジャンプして攻撃を避け回転の勢いを利用して右足で反撃。かなりのダメージを負わせ、後退させる。
他に後ろから来るアリアマゾンはローリングソバットで迎撃し、前から来る攻撃を体を回転させて避け右拳で叩き付ける。ジャンプをして来ているアリアマゾンの頭を左のアームカッターで叩きつける。
他にも来ているが、Σは右のグリップを引き抜くと鞭の様な武器に変形させる。それをΣは自分を中心に全方位へと凪ぎ払った。これで倒した数は計16体。
「……漸くお出ましかぁ」
Σの見た先には一際大きく羽もあり、頭部が肥大化されたアリアマゾン。とどのつまり【女王アリアマゾン】である。
女王アリアマゾンということは、この
Σはゆっくりと腰を落としつつ左腕を前に、右腕を引っ込めて戦闘態勢を取る。足で地面を蹴って土煙を上げさせつつ気を緩めずに構える。
「■■■■■■■!」
「ヴア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛!」
女王アリアマゾンが突っ込んでくる。それと同時にΣも女王アリアマゾンに突っ込んで行き、御互いにラリアットを当てる。
「ヴガァ!」
「■■■ッ!」
両者とも後ろに後退するが、直ぐに立ち向かう。Σがその場で軽く飛び蹴りを与えるが、手で払うことで対処する女王アリアマゾン。着地と同時に女王アリアマゾンが素早く右、左、下、上とラッシュを与える。
最初は対応していたが最後の上が防ぎきれず、女王アリアマゾンのキックによって飛ばされる。
「ガアッ!」
地面に背中を付けながら飛ばされていったΣ。ある程度の所で止まるが追い討ちを掛ける様に女王アリアマゾンはΣに向けて殴る。Σは右に転がって避けた後、左足のフットカッターで蹴りつける。女王アリアマゾンは体液を出しつつ少し転がりながらΣから離れる。
腕力だけで立ち上がったΣは左のグリップを回転させて右腕を構える。
【VIOLENT PUNISH】
「オ゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!」
跳躍し、女王アリアマゾンの近くに着地する寸前で右腕とアームカッターが女王アリアマゾンの心臓を貫いた。
「■■…………■……」
女王アリアマゾンは心臓を潰されたことで黒のドロドロとした液体に変貌した。それに同調するかの様に他のアリアマゾンも同じ様に液体へと変貌した。
Σはドライバーを外すと空気と共に人間態へと戻る。辺りの惨状を見たロプトはそのまま依頼主の元に出向いた。