AMAZON in FAIRY   作:Haganed

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Fairly wizard

 クローバーの町、定例会会場内にて意気消沈している者が1名存在していた。妖精の尻尾(フェアリーテイル)マスター『マカロフ・ドレアー』その人である。この様になってしまったのは2つの理由からであった。

 

 1つはナツ、グレイ、エルザの3人がチームを組んだこと。このメンバーはヤバイ。特にナツがヤバイ、そして始末書の量が何時もより半端無いと予想しても良いくらいである。しかしこの問題はロプトの存在で一部緩和された。

 

 早い話、破壊行動を無闇矢鱈と行わず他のメンバーの破壊行動から町やら何やらを幾度となく守ってきた実績が大きい。何だかんだで師であるロプトの言うことも聞くので、そこは問題視しようにもしきれなかった。……本当の問題は直ぐそこに()()

 

 

 

 

 

 

「ハグッ モシャモシャ ガツガツ ゴックン」

 

 

 何故か呪歌(ララバイ)の笛を定例会に持ってきた、マカロフの直ぐ近くで肉を貪り食っている()()()が居たのだ。あのメンバーの唯一の抑止力となるロプト御本人が、何故か闇ギルドの所持されていた笛を持ってきていたのだ。

 

 マカロフはロプトの姿が見えた途端、とてつもなく青ざめて仰向けになって倒れた。机の上で倒れていたが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 □□□□□□□□□

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……あ゛ぁ~、食った食った。ちょうど腹減っててキツかったとこだったんだよ。もう少しで食人衝動が表に出て襲う恐れがあったんだわ。

 

 と、いうよりも……実は定例会に出席しているギルドマスターが知ってるんだよな。俺が人造生命体(ホムンクルス)ってよ。流石にアマゾンのことは言わない……と思いきや普通に言いやがったよ畜生。

 

 切っ掛け?……本当に些細なものさ。昔マカロフが急に俺を連れて定例会を訪れたと思いきや、俺の正体をバラしやがった。殴りたくなったわ。だがマカロフにも理由はあったんだわ。

 

 先ず始めに何故俺が定例会に連れてこられたかというと、その定例会から数ヵ月前にアマゾン共の反応が相次いでいたんだ。そしてそれらがクエストに受注された。案の定、割の良い仕事と踏み切った者は残骸を残して一部を食われていた。

 

 そのことも相まって俺を紹介させる方が良いとマカロフの中で決まった。そもそもアマゾンは人間よりも身体能力や戦闘能力が高く、並みの魔導士では食われるのがオチ。人間を食って生きる為、時折食人衝動のままに村に襲撃して人を食う……なんてのは結構あった。

 

 そしてアマゾンに対抗できるのは基本アマゾンのみ。だからこそ俺を紹介し、アマゾンと確認されたクエストは妖精の尻尾に回す様にギルドマスター内で話が決まった。勿論、最初は異を唱えた者も居たが俺のアマゾンとしての姿と身体能力を披露すると黙ってしまった。

 

 それらの事柄もあって妖精の尻尾のクエストカウンターに特別なスペースも用意された。そんなこともあったが、現在はそこまでアマゾンの確認も少なくなっている。

 

 というより食人事件あったのに、それをクエストとして出す輩はどうにかしてるぜ。でも俺の反応もそこまで大それた物じゃないからな、離れすぎていると反応すら感じなくなる。皮肉ながらクエストによってアマゾンの存在も俺は知ることが出来ているというね。前に評議院の奴等がそのクエスト関係のことでギルドに来たが、俺が技術提供を辞めると言い出した途端狼狽していたな。これで直ぐに帰ってもらったが。

 

 まぁそれは置いといてだ。俺、先に鉄の森の奴等潰せば良かったかな?それだと後々楽にな……いや、ナツとかが許しそうに無いな。ムキになって帰ったあとギルドで宣戦布告されそうだな。怖いお。

 

 そして時間だけが過ぎていった。暗い夜の闇の中、他のマスターたちと一緒にバレない様に隠れています。おいマスターボブ来んな、辞めろ肉の塊を押し付けるな。ガチで食いそうになるから洒落にならねぇ。

 

 あ、因みに笛の方はマカロフに預けてる。相手がガチの屑だったら俺たちが一斉に囲んで吹く暇さえ与えずに倒してお縄に、まだ改心の余地があるならば俺たちは何もせずに評議院に差し出すという魂胆である。

 

 …………おっと、そうこうしている内に来たな。鉄の森の……あぁ、最初に出会った奴か。っておいマカロフ、エロ本読んでんじゃねぇ。きっしょいわぁ、雑誌にキスするのってきっしょいわぁ。

 

 さて、マカロフもどうやら本題に移ったな。笛を取り出して見せたということは、ここからがアイツの運命の別れ道。決してウンメイノーでは無い。

 

 アイツはマカロフが石の上に置いた笛を取った。だが妙に抵抗感がある様に感じられる。つまりは改心の余地はあるということ。

 

 あ、アイツら来たか。ナツ、グレイ、エルザ、ルーシィ、ハッピー……うん全員だ。そしてマスターボブ、お前は冗談でも(同性)の前でそれをするな寒気しか起きねぇよ。

 

 まぁそんな事もありつつ、俺も出ていくとしますか。後ろからコソーリと近付いて、指先に魔力を凝縮させて光らせ下から照らしながら…………

 

 

「マヨネーズが足りないんですけどぉ!」

 

「うぎゃああぁぁ!」

 

「あ、兄貴だ」

 

 

 ルーシィは驚いてくれたね。だがハッピー、お前は驚きもしないだと?よし、ならば戦争(拷問)だ。恐怖させて……あ、でも逆に恐怖を与え過ぎると慣れるのか。辞めよ。

 

「ロプト!?」

 

「おまっ!先に行きやがって!」

 

「あー2人とも、君たちならやれると信じていたよ(棒)」

 

「「巫山戯(ふざけ)んなぁ!」」

 

 

 わちゃわちゃと暴れているがマスターボブのホールドによって結局の所動けていない。ざまぁ無いねぇ2人とも。んぁ?コイツらの師匠なのに口悪くして良いのかって?安心しろ修行の時もこんな感じだった。

 

 さてエルザの方だが……魔力回復中か。しっかし回復速度が早いこと早いこと。

 

 こんな話はさておいてと、俺の役割も果たそうか。どうやら相手方は笛を捨てて降参したみたいだな。これなら()()()か。

 

 大体の奴等が感傷に浸る中、俺だけは()()()()()()()を吸収していく。そもそもの素体関係もあるが、魔力……いや、エネルギーっていう言い方が正しいか?どっちでも良いがな。

 

 漸く本性現しやがったか、あの笛。魔法陣が空中に展開されて紫の雷が辺りを轟かせながら出現する巨大な木の集まり、形を作る。俺の役割は取り敢えず被害を最小限にさせながら目の前の奴を倒す(殺す)だけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 □□□□□□□□□

 

 

 

 

 

 

「さぁて、どいつの魂から頂こ…………むぅ?」

 

 

 今目の前のゼレフ書の悪魔が空中に視線を向けたのぉ。ロプトよ、何時もすまんのぉ。

 

 

「全く……こんなの只の木だろ。単に()()()()()木そのものだろ?一々無生物が喋ってんじゃねぇよバーカ」

 

「ろ、ロプト!?」

 

「おい……まさか仕留めようなんて考えてんじゃあ」

 

「その通りじゃよ」

 

 

 エルザ、グレイ、ナツ……とルーシィちゃんじゃったかのぉ。勿論ハッピーお前も含めて、儂を見る。まぁ、誰だってそんな反応はするか。特にアイツに惚れとる者は。

 

 

「あやつは……普通に仕留める気まんまんじゃよ」

 

「じっちゃん!俺にも行かせろ!」

 

「はい残念」

 

 

 ボブの手によってナツとグレイがホールドされおった。まぁた青ざめとるか、仕方ないかもしれんがのぉ。

 

 

「ですがマスター!我々が力を合わせれば!」

 

「まぁ確かに簡単じゃろうが……今回ばかりは見てやってくれんかのぉ?それに、ようやっと()()()()をあやつが使うんじゃ。多目に見てやってくれ」

 

「「「「!?」」」」

 

「えっ、何々?何でこんな反応なの?」

 

 

 そこは儂らの出番じゃな。すまんなハッピー、解説の仕事儂らが貰うぞ?

 

 

「ロプトはのぉ……滅多に攻撃魔法を使わないんじゃよ」

 

「私たちが見てる中でも、やっぱりロプトちゃんは肉弾戦ばっかり。魔法を使うとしても、補助系が多いのよねぇ」

 

「そんな奴が久々にガチの攻撃魔法をぶっ放すんだ。アイツの実力を踏まえた行動だと思って多目に見てくれよ」

 

 

 ゼレフ書の悪魔の方はゲラゲラと下品な笑いをしながらロプトを侮っている。実力を知らん奴は確実に身を滅ぼすことを知らんのか?って、悪魔じゃから人間を下等生物と見下すのは基本か。

 

 そんな罵言雑言を浴びせられながらも、ロプトは両腕を前に出して構えた。その腕の間から電気が走る様な魔力が(ほとばし)っており、手の平からは球体に収縮された魔力反応が確認できるのぉ。

 

 

「ゼレフ書の悪魔つったか?」

 

「それがどうした?人間」

 

「賭けだ、賭け。どっちにしろ、つまらねぇから賭けをさせてもらうぜ。あ、俺はお前を倒せなかったら魂やるよ」

 

「ほぉ?……」

 

「んなっ……!し、正気!?幾らNo.1魔導師でも、無茶振りよ!」

 

 

 ルーシィよ、心配せんでも良い。あやつはそんじょそこらの輩とは生まれから成長まで何から何まで違うからの。

 

 

「ガッハッハッ!良いだろう!その賭け、乗った!」

 

「承諾したぁ!?」

 

「んじゃ…………そろそろ始めようか」

 

 

 ロプトの両腕に溜まっておる魔力が何時の間にか膨大な量まで凝縮されておる。さてそろそろか。溜められておるのは()の魔力、あやつの技術の結晶の1つじゃ。

 

 

「ロプトの魔力は()()()()()()。あやつが使うは()()()()なり、ロプトが明確な魔力の属性が定まっておらんのはその為である。が、属性魔法が使えないかと言えばそうではない。あやつは溜め込んだ魔力の属性を体内で変換させ属性を()()()()決められる。つまり……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

超電磁砲(グラン・レールガン)

 

 

 手の平から放出され蓄積された魔力の塊は、両腕に溜められた魔力によって発射されゼレフ書の悪魔の頭を穿つ。綺麗に破裂し、木の破片がパラパラと落ちていく。

 

 突然の出来事に何が起こったのか、数瞬の時間を経て漸く理解する5名。時折焼け焦げた木片が垣間見えることから、膨大な電力を有していたことが明らかとなっている。

 

 

「あらゆる属性魔法を使用できる訳じゃな。まぁ制限はあるがの」

 

「スゲェ……」

 

「やっぱり兄貴は兄貴でした。あい」

 

「これが……妖精の尻尾No.1魔導師の、実力」

 

「ロプトぉ!俺と戦えぇ!」

 

 

 何時もの如くナツがはしゃぎおるのぉ……しっかし、たまげた。頭吹き飛ばして尚も直立不動って意味が分からんわい。

 

 おっとそんなことより残骸処理……は何時もの如くロプトがやってくれるじゃろ。ほれ、その証拠にロプトが両拳を合わせて魔法陣を発動させおった。その後ロプトの頬が大きく膨らんで両手で筒を作り、それを介して咆哮(ブレス)を放ちおった。

 

 

「あれって……ナツの滅竜魔法!?」

 

「魔導師が魔法を使う際の魔法陣を記録しておるだけじゃわい。かなり熱心に研究しておっての、ラクリマ使ってあらゆる方角から魔法陣を撮ったりと……」

 

「おいこらマカロフ、テメェ好き勝手言いやがったな?」

 

 

 焼却し終えたロプトが降りて来おった。チッ!タイミングの悪い奴じゃのぉ。

 

 

「タイミングは悪くて調度良いんだよ。特にそのベラベラと開くお喋りな口にはな」

 

「さり気なく人の心を読心魔法で読むな」

 

 

 そんなんじゃ何時まで経ってもモテわせんぞ。お前さんぐらいの見た目とかなら直ぐにでも身を固めてほしいものじゃが?って、エルザが居ったか。師と弟子とはいえ、ガキの真意ぐらい汲み取ってやらねば何が親か。

 

 

「身を固めるとかはどうでも良いんだよ。少なくとも今は研究やら開発やらで忙しいんだよ」

 

「お前という奴は…………ハァ」

 

「終わったなら帰るわ。まだ自動魔導二輪の制作が終わってねぇんだ」

 

 

 そう言って空中に飛んで帰っていきおった。全くあの朴念人めが。見ろエルザの表情を、哀愁漂っておるじゃろ?これで飯が何杯でもいける……なわけねぇだろォイ!

 

 

 

 

 

 

 




ロプト・ビギンズについて

使用魔法(?)【龍脈操作】
ロプトの使用する魔法に該当する力。本人はこれで能力付与を使用し、肉弾戦や銃撃戦などを行うため攻撃手段としてはあまり使わず。その為か知らないが、ロプトが攻撃魔法を使用すると何かしら不穏な噂が流れる。

地中などからエネルギー基魔力を吸収するため、配分を考えつつ吸収しながら戦うため“尽きない魔力”から2つ名として永久機関と呼ばれる様になる。



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