気づいたら人類の守り手 作:ユーノウ
大変失礼しました。
途中なのに間違えて投稿していたようで、感想を頂いてようやく気付きました。
既に書いてある部分は一部変更し、頂いた感想の方も取り入れて書き直しました。
お目汚しになりますが、楽しんでくだされば幸いです。
カチャッ
「・・・・はい?」
気づくと、見知らぬ通路にいた。
何を言ってるのか分からないと思うけど、ボクも分からない。
もっと恐ろしい何かの片鱗をうんぬんかんぬん。
と、とりあえず現状を理解しよう。
そう思い、自分の記憶を辿る。
2017年11月。
帰宅時、信号が青になったので横断歩道を渡る。
そして衝撃。
空中を飛んでいく中、見えたのは大きなトラック。
頭から落ちていき、気づいたら見知らぬ通路。
・・・・うん。分からない。
手にはルービックキューブがあるし、意味がわからない。
背中もひんやりしていることから、壁に寄りかかっているのだろう。
少し考え、自分とは違う記憶があるのに気づく。
その記憶を思い出し、さらに困惑。
確かめるために目を下に向けると、視界に二色の髪が見えた。
目が覚めるような白銀と全てを飲み込むような漆黒の長い髪。
両手でひと房ずつつまみ、引っ張る。
頭に引っ張られる感覚を覚える。
つまり、これはボクの髪だ。
白銀と漆黒の髪の持ち主。
これにボクは覚えがあった。
そう、ボクが愛してやまないラノベ「オーバーロード」。
その中のキャラクターで、未だにろくな情報もない存在。
スレイン法国の切り札。
人類の守り手。
漆黒聖典番外席次「絶死絶命」だ。
ゆっくりと脇を見やる。
そこには、十字槍に似た戦鎌が立てかけられていた。
いやいや、そんな。嘘でしょ。ありえない。
内心で否定しながら記憶を信じられずにいると、視線を感じてそちらを見やる。
「どうかしましたか?」
すると、そこには地に付くほど長い射干玉色の髪の男にも女にも見える人物が立っていた。
うん、もう諦めた。
ボクは信じないのを諦め、現実を受け入れることにした。
漆黒聖典第一席次「漆黒聖典」。
通称隊長がそこにいたから。
「別に・・・」
ボクはそう言って、少し騒がしいことに気づいた。
まさか、そんな。嘘でしょ。
「一体、何があったの?」
「報告書は既に届いているかと思いますが?」
既にシャルティア洗脳済み───!?
マズイ、非常にまずい。
ボクの知識は十二巻まで。
それまで、ナザリックはスレイン法国に対して、警戒心は抱いているけど、敵愾心は抱いていないはずだ。
今なら、まだ間に合う・・・か?
「読んでないから教えて」
とりあえず、演技を続ける。
もしかしたら、知識通りじゃないかもしれない。
奇跡を願いながら、ボクは隊長に教えてもらう。
「占星千里の占いで復活を予言した
「死んだのは?」
「カイレ様を守ったセドラン。動かなくなった吸血鬼を捕縛しようとしたボーマルシェです」
「重体は?」
「カイレ様です。何かの呪いで治癒魔法をかけても傷が癒えないので撤退してきました」
「そう」
あぁ、もうだめだ。
この国にいたら死ぬ。殺される。
そう確信したので、クレマンティーヌよろしくで裏切って逃げることを決める。
とりあえず、手土産に六大神の装備と幾つかの至宝とかいうのを持ってナザリックに保護を訴えよう。
漆黒聖典隊員の装備は・・・隊長の持つ槍以外はいいかな。
本当かどうかわからないけど、あの槍が究極の同士討ちアイテム
聖者殺しの槍。
性能は、対象と使用者の消滅。
専用の世界級アイテム以外では絶対に復活出来ない状態にするものだ。
防ぐには同じく世界級アイテムを所持するかワールド・チャンピオンのクラスの次元断層をタイミング良く使用する以外ない。
宝物庫に
無限の背負い袋。
容量制限五百kgだが、それまでならどんなに入れても見た目通りの大きさと重さのままというマジックアイテムだ。
そうと決まれば、場所を調べないと。
「地図を持ってきて」
「・・・・吸血鬼と戦うおつもりですか?」
「違うわよ。いいから持ってきて」
隊長は訝しみながらも「分かりました」と言って去っていった。
今のうちにっと。
宝物庫に行き、鍵を戦鎌でこじ開け、無限の背負い袋に詰めれるだけ詰める。
そしてあらかた詰めると、元の場所へと戻る。
すると、既に隊長が羊皮紙を持って戻っていた。
「どちらへ行かれていたのですか?」
「お花摘み。女性にそんなこと聞いちゃダメよ」
隊長の眉が一瞬動いたが、無視する。
どうせ、内心「女性・・・?」とでも思っているんだろう。
「これが地図です」
「ありがと。えーと・・・神都が此処で?王都が此処?」
「はい。王都の東の森がトブの大森林で、此処がエ・ランテルです」
「なるほどね」
エ・ランテルの場所もわかったし、後は・・・。
「ねぇ」
「何でしょう」
肩を掴み、ニッコリと笑う。
「先に謝ったておくね。ごめん」
「は?」
呆ける隊長の腹を思いっきり殴り、一瞬で意識を奪う。
「よし」
意識がないのを確認して、戦鎌を使って聖域から出る。
そのまま全力疾走をして神都を出ると、エ・ランテルへと向かう。
知識だと第四巻の中ほどの時だったから、まだギリギリ
エ・ランテルに行ってもモモンガさんは居ないけど、ナーベラルはいる。
出来ればモモンガさんとサシで話したいけど・・・ナーベラルで我慢かな。
早とちりしないといいんだけど・・・。
ボクはそう思いながら、成り行きに身を任せることにした。