星輝子と学ぶキノコ講座   作:一反目連

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事前学習01 「キノコの基礎知識」

輝子「それじゃあ早速、キノコとは一体何なのか、キノコの生態とは……それらの基礎知識を講義していくぞ」

小梅「わーぱちぱち♪」

幸子「今日のアシスタントは、かわいいボクこと輿水幸子と白坂小梅さんでお送りしますよ!」

 

輝子「キノコとは、漢字で書くなら茸だ。基礎中の基礎になるけど、動物でも植物でもなく菌類だな……」

幸子「そうですね……でも、菌類といっても色々ありますが、その中でもキノコと呼ばれるものはどう定義されてるんですか?」

輝子「Wikipediaには『特定の菌類のうちで、比較的大型の子実体あるいは、担子器果そのものをいう俗称である』と記されてるな……」

小梅「ねぇ輝子ちゃん……『子実体』って、なに?」

輝子「子実体、英語ならFruiting bodyと言うんだけど……簡単に説明すると胞子を作る器官のことで、比較的大きくて肉眼で観察できるならそれは一般にキノコと呼んで良いらしいぞ」

幸子「あれ、胞子を作るのはキノコの『ヒダ』じゃないんですか?」

輝子「確かにヒダは胞子が作られるところではあるけど……そもそも、ヒダのないキノコもあるからな。そこで、キノコの大まかな種類について触れよう」

 

輝子「まず、ハラタケ類……カサ、ヒダまたは管孔、柄の3部分からなる菌類だ。一般的にキノコといわれるものの多くを含むぞ」

幸子「『管孔』って、なんです?」

輝子「その名通り、ヒダの代わりに管状の穴が集合したものがあるんだけど……それを管孔と呼ぶんだ。これはイグチ科やサルノコシカケ科などに見られるぞ」

幸子「つまり、ボク達がキノコと言われてぱっと思い付く形のキノコ、という認識でいいですか?」

輝子「うん、大丈夫……次にヒダナシタケ類。これは様々な形状をとるんだけど、大雑把ならホウキタケ型、マイタケ型、ラッパタケ型、棒状、サルノコシカケなど硬質菌など……」

小梅「……あっ、マイタケも入るんだ」

輝子「一応、マイタケの子実層は管孔状だけど、カサと柄が明確に分かれてる訳じゃないからな……」

幸子「また新しい単語が出ましたね……『子実層』ってなんですか?」

輝子「これはそのままだぞ……? 胞子を作る器官を子実体、そして胞子が作られる細胞層のことを子実層というんだ……」

幸子「なるほど、ボクは賢いので理解しましたよ! ハラタケ類のヒダや管孔にあたる所のことですね!」

輝子「少し違うな……ハラタケ類で言うなら、子実層はヒダや管孔の表面部分のみなんだ。ヒダや管孔全体で言うならば子実層托……子実層の作られるところ、になるぞ」

幸子「……ややこしいですね」

輝子「うん、ややこしいな……次に、腹菌類。殻皮で包まれた子実体の内部で胞子を熟成させる菌類だ……代表例としてはスッポンタケ科、ツチグリ科、ホコリタケ科などだな……」

小梅「『殻皮』って……?」

輝子「キノコにおける殻皮は、胞子を形成する部位を包む保護層のことを指すぞ……スッポンタケ科の『つぼ』……ツチグリ科の『内皮』と『外皮』、ホコリタケ科の『表皮』などがここでは当てはまるな」

幸子「ふむふむ……」

輝子「そして、腹菌類での胞子を作る組織は胞子そのものの集合体とまとめられ『グレバ』と呼ばれるな……成熟するとスッポンタケ科のように自己消化を行い粘液状になって虫などに運んでもらったり、ツチグリ科やホコリタケ科のように埃状になって空中に飛散したりと様々だな……」

小梅「へぇ……でも、スッポンタケ科でも自己消化の行われない部分があるよね? あれには何か呼称はないの?」

輝子「あるぞ。腹菌類の胞子を作らない部分は『無性基部』と呼ばれるんだ……そしてキノコの種類最後は、子嚢菌類。子嚢細胞で胞子を作る菌類だな……」

幸子「し……『子嚢細胞』、ですか?」

輝子「子嚢細胞、または『子嚢』とだけで呼ばれるけど……胞子を作る袋状の細胞のことだな。アミガサタケ科は『肋脈』という深い網目状の子嚢盤を形成するぞ」

小梅「むぅ……新しい単語がどんどん増えるね。『子嚢盤』ってなんなの?」

輝子「子実体の表面に細長い子嚢が並んだ子実層が作られるもののことで、その子実体は椀状や皿状など多様な形状をとるな……」

 

輝子「次に、キノコの発生についてを講義するぞ」

小梅「ぱちぱちー」

輝子「キノコの発生場所や発生の仕方はその個々のキノコの種類によって異なる……だから、発生場所というのはキノコを判別する上で重要な項目の1つなんだ」

幸子「ただ見た目だけで判断するのじゃ駄目なんですか?」

輝子「それをやると……下手したら、死ぬな。だから、しっかり発生場所については覚えておこう」

幸子「わ、わかりました……」

輝子「まず……発生場所によってキノコの性質がわかるから、そのキノコの発生している場所を確認してみよう。地面に発生してるなら、菌根菌か腐生菌だ。枯れ木や根際に発生してるなら木材腐朽菌だな……」

幸子「『菌根菌』とか『腐生菌』、『木材腐朽菌』ってなんですか?」

輝子「菌根菌は、樹木の根と菌糸が絡み合った『菌根』というものを作り、樹木と共生関係を結ぶ菌類のことだ。キノコ側は土壌からリン酸や窒素を吸収し、宿主となる樹木へ供給する……代わりに樹木側は光合成によって生産した炭素化合物をキノコへ送り、キノコの成長を促すんだ……」

小梅「よく出来てるんだね……」

輝子「菌根菌はその性質から、人工栽培が困難であり……よく知れた高級菌のマツタケやトリュフなどは菌根菌だな」

幸子「困難……不可能だというわけでは無いんですよね?」

輝子「トリュフやホンシメジは菌根菌ではあるけど、人工栽培ができている一例ではあるな……次に腐生菌は植物や動物の遺体、排泄物などを分解する菌類だ。特に、動物の遺体や排泄物を分解するものは『アンモニア菌』、木材を分解するものは木材腐朽菌と呼ぶぞ」

小梅「あ、木材腐朽菌は腐生菌の一種のことなんだね……」

輝子「そうだな……それと、菌根菌は特定の樹種にのみ共生関係を築いたり、腐生菌でも分解する樹木に好みがあったり……樹木の種類もキノコの判別の上で知っておくべき一要素だから、それも踏まえて知っておくと良いぞ……」

 

輝子「キノコの発生の状況も、キノコの種類毎に異なる要素だ。賑やかに集まって発生する『群生』、複数が束なって発生してるなら『束生』、ぽつんと孤独に生えている『単生』……さらに、同一の種類のキノコがバラバラに発生してるなら『散生』と呼ぶな」

幸子「へぇ……そうなんですね」

輝子「さらに、群生の中でもキノコが輪を描くように発生する場合があって……これを『菌輪』といい、その幻想的な光景からFairy rings――妖精の輪などと呼ばれて多くの伝承に登場するんだ」

小梅「わぁ……♪ ……あれ? でも、どうしてそんな形に発生したりするの?」

輝子「まず、1つのキノコが周囲に向かって菌糸を伸ばす……そしてそのままその菌糸の先端にキノコが発生すると、キノコが輪を描くように発生するんだ。このときには、中央の古い菌糸は死滅してるけどね……」

 

輝子「事前学習の1回目はここまで。ここで学んだことを少しでも知識の足しにしてくれたら、嬉しいな……」

幸子「次の事前学習は『キノコ各部の用語』らしいですよ!」

小梅「それじゃあ、ここまで見てくれて……」

「「「ありがとうございました」」」

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