ハクは暇を持て余していた。理由は少し前に起きた路地裏暴行事件だった、あの日からクオン達はハクを頑なに外に出す事を拒んだ。ハクが外に出ようものなら全員で止める始末になる程に過保護になった、そして遂にクオンはある人物に依頼を頼んだ
「ふむ、ハク殿の世話は暫しこの小生が見ることになったのでよろしく頼む」
部屋で暇を持て余していると突然襖が開かれ部屋に入ってきた女性に目を丸くしていた
「えっとアンタは?」
「む?クオン殿から説明をされておられぬのか?」
「あ、ああ」
「ふむ、ならば改めて名乗らせてもらおう。小生の名はムネチカと申す」
「ムネチカ?何処かで聞いたような………」
ハクはムネチカの名前を思い出そうと必死に思い出そうとするとムネチカは一歩前に進み
「気のせいではないだろうか?」
「いや、でも」
「気のせいではないだろうか?」
「確かに」
「ハク殿?」
「ん?」
気が付けばムネチカは物凄い近い距離まで近寄っていたが彼女から離れる気配は無かった
「それ以上追求するのであれば小生はハク殿と接吻をせねばならぬが構わぬか?」
「接吻!?」
「小生は女を捨てたがハク殿が娶るのであれば思い出してくれて構わぬが」
「わ、分かった!思い出さないから、退いてくれ!」
これ以上前に来られたら本当にキスをしかねないのでハクが一歩下がると残念そうな顔をしながら退いてくれた
「それでは身支度の準備を」
「は?何処か行くのか?」
「はい、これからオシュトル殿とお会いになるのでハク殿もご同行願おうかと」
ムネチカからオシュトルの名前を聞き少し眉間に皺がよった事にムネチカは首をかしげる
「如何なされた?」
「いや、前にな、少しあってな」
「少しとは?」
「あー………」
流石にこれは答えて良いのか?清廉潔白のオシュトルの評価を下げるのは自分的に嫌なのだが、目の前の女は理由を話さない限り絶対に納得しないだろうなぁ
「実はな………その、夫婦にならないかと聞かれてな」
別にオシュトルが嫌いではないのだが、自分は男なのでどうにもオシュトルの想いには答えられないし、それにもし勝手に決めたらクオン達にオシュトルが殺されかねん
「……ほう」
その言葉にムネチカの目は鋭くなりハクを睨んでもいないのに心臓が止まり掛けていた
「小生のハク殿に手を出すとは………」ボソッ
「な、何か言ったか?ムネチカ」
「いや、何でもない。」
先程の殺気は消え、何でもないかの様に話すムネチカにハクは何処か納得いかない様な表情を浮かべながらも外に出る為に上着を着て、ムネチカに着いていく様にオシュトル邸に向かった
ミカヅチとオシュトルの初の対決の時は心が踊りました