今日は珍しくクオンやウコンが居ないのでハクはヤクトワルトの部屋に遊びに来ていた。ヤクトワルトの娘(義理)のシノノンとは何かと遊んでいるので最近はヤクトワルトの部屋に居る事が多い
「旦那は記憶がないって話じゃない?」
シノノンとハクが遊んでいるのを遠目から見ていたヤクトワルトが話の話題を振ってきたのでハクはシノノンと遊びながら答えた
「ああ、でも最近は断片的に昔の事を思い出しているがな」
「へぇー、それってどんな事だい?」
「んー、自分の親の事ぐらいか?」
「旦那の両親か、凄く気になるじゃない?」
興味津々な目で此方に視線を向けるヤクトワルトにハクは苦笑を浮かべる
「別に自分の両親は普通だぞ」
「それでも気になるじゃない?」
「そうだな。両親は研究者じゃなくて学士でな。周りからは天才とまで言われていたよ」
「旦那の両親が学士ねぇ、それは大層凄いじゃない」
「後は自分が子供の時に泣いていたら真っ先に慰めてくれたのが母さんだった………」
シノノンと遊ぶのを止め何処か遠くを見るハクにヤクトワルトは眉間の皺を寄せた
「………旦那の両親はその」
「自分がネコネくらいの時に二人共亡くなったよ」
「………すまねぇ、旦那」
「いや、気にするな。自分も昔の事を思い出せたしな!すまんが今日は部屋に戻るよ」
「あ、ああ」
シノノンをヤクトワルトに渡し、ハクはシノノンの頭を一撫でしてから部屋を出ていった
「とおーちゃん、だんなすごくかなしいかおしてたぞ?」
「ああ、分かってる。この話は避けるべきだったじゃない」
己の失敗に頭を痛めながらシノノンの頭を撫でながら窓の景色を眺めた
ヤクトワルトとの部屋から戻ってきたハクは何時も座ってる場所に座り、机に倒れ込んだ
「母さんか………」
断片的に思い出した記憶では流石に顔までは思い出せなかったが、それでも優しくて、何処までも安心できる人だった
『■■、貴方の事は私達がよく知っています。だから、余り自分を卑下しちゃ駄目ですよ?』
両親や兄が天才だった為に周りからはよく比べられていたが両親も兄も自分を励ましてくれた。泣きそうになった時は良く母に抱き締められていた事を思い出した
「………懐かしいな、そして」
昔の事を思い出せたし、懐かしむ気持ちになったが1つだけ困ったことが起きた。それは
「……何で自分は泣いてるんだろうな」
ヤクトワルトには言わなかったが両親の死まで思い出してしまったのだ。目の前で両親の死は幼きハクにとってはトラウマだった。一時的に記憶を失っていたが今になって思い出すとは
「……クソ」
はい。と言うわけで今回はハクさんのお母さんのお話でした。因みにハクさんのお母さんのイメージ的にはトリコリさんに近いのかな?お兄さんもハクさんも両方を心の底から愛してる母親です