やってしまった。前日から妙な寒気を感じていたがまさか風邪を引くとは………。風邪を引いたせいでクオン達は大慌てだった、ルルティエやネコネは顔を真っ青にしながら。その場に座り込み、クオンは泣きそうになりながらも懸命に容態を見てくれた。そして一番驚いたのは普段はウコンとして来る筈の奴が焦っていたのかオシュトルの姿で現れたことだった
「だんな~、だいじょうぶか~?」
「ああ、大丈夫だ」
今は落ち着いたのかハクの顔色は今朝に比べると大分マシになっていた。現在はキウルとシノノンがお見舞いに来てくれている
「本当に大丈夫ですか?気分が優れないならすぐにクオンさんを呼びますが?」
「大丈夫だって、そんなに心配するな」
心配そうに此方を見つめるキウルにニカッと笑って見せるがキウルは何処か納得していない様子だった
「それでは僕達はそろそろ戻りますね。シノノン戻るよ」
「うー、わかったぞ!だんなまたなー!」
トテトテとキウルの後に続くシノノンの姿に微笑ましくなったハクだが次第に瞼が重くなり目を閉じ、眠りに着く事にした
「ハクー?大丈夫かな?」
部屋には居る前に一度呼んでみるが返事が無かった為クオンは物音をたてない様に部屋には居る。部屋には居るとハクの小さな寝息が聞こえてきた。クオンはそのままハクの側まで近寄り額に手を乗せる
「んー、熱は下がった感じかな?でも風邪って治りかけが一番危ないから気を引き締めなきゃかな」
次に作る薬の事を考えながらクオンは優しくハクの頭を撫でる
「……ハクは今のこの時間は楽しい?私は前と違ってハクが危険な事に巻き込まれないか心配かな。でもね、やっぱり皆がハクの周りに集まってお祭りみたいに浮かれているこの時が好きかな」
一度目ではハクと共に隠密衆の皆で過ごすのが楽しかったけど、ヴライとの戦いでハクが死んだ事を聞かされた時の気持ちは今でもハッキリと残っているんだよ?目の前で塩になり崩れ落ちた瞬間の絶望も覚えているんだよ?だからね、もう私から離れないで、私の目の前から消えないで、貴方が望む物なら何だってあげるか。だから………
「く………おん……?」
先程まで眠っていたハクが起きた事により手に入っていた力が抜け、力が抜けた手でハクの頬をゆっくりと撫でる
「…クオンの…隣は……落ち着くな」
まだ寝惚けているのかそんな言葉をかけてくるがクオンにとってはとても嬉しい言葉だった。あの最後の戦いでも見たハクの穏やかな笑みは今でも鮮明に思い出せるのだから
「私もハクと居ると安心するかな」
だから私は誓う、例え誰であってもハクを渡さないし奪わせはしない。この身に宿る力を使ってでも
そろそろ話のストックが無くなってきたけど頑張るゾイ!次辺りはお兄さん登場かな?