「聖上、次の分をお持ちしました。急ぎの案件なので今日中にお願いします」
「ぐ、私は既にオボロに皇位を譲った筈だが?」
「既にオボロ皇はヤマトの方に向かいました。ですので聖上に白羽の矢が立ったのです」
「くっ、先を越されたか!」
初代皇であるハクオロは現在溜まった仕事を黙々とこなしていたがいい加減限界が来たらしい
「まあまあ、ハクオロさんもベナウィさんも少し息抜きしませんか?お茶も淹れてきた事ですし」
「ふむ、そうですね。半刻程休みましょうか」
ベナウィから許可を貰い、景色が良く見える場所に移動してからエルルゥが淹れてくれた茶を啜る
「うん、やっぱりエルルゥが淹れてくれる茶は美味いな」
「もう、ハクオロさんったら!」
尻尾をブンブンと左右に激しく振っている事から彼女の機嫌が知れる
「今頃クオン様はあの男とカルラが経営している宿に止まっているはずです」
「あの者には色々と苦労を掛けたからな。トゥスクルに来た時は歓迎しよう」
「それ良いですね!クオンも帰ってくる頃には婚約の契りを交わして帰って来る筈ですし!」
茶菓子と渡されたチマクを食べながら、今頃女性関係で苦労しているであろうなぁと考えていた
「それと聖上、カルラから文が届いておりますが」
「カルラから?」
「はい。内容は簡素でした」
「何だって?」
「早くヤマトに来て私を抱きに来てくれと」
「ブゥゥゥーー!!」
「は、ハクオロさん!?だ、大丈夫ですか!!」
居たって冷静なベナウィを尻目に気管に茶が入ったのかゴホゴホと咳をするハクオロとそれを宥めるエルルゥ
「跡継ぎは多ければ多い位ほどに越した事はありませんので」
「ゴッホ…ゴッホ!…いきなり何て事を言うんだ、ベナウィ!」
「クオンも一人では寂しいと思っていますが?それにカミュ様とアルルゥ様も最近では危ういのでは?」
さらっと爆弾発言をとうかするベナウィにハクオロは冷や汗が流れる
「な、何の事だい?」
「おや?女衆から聞いた話では風呂場ではカミュ様と混浴して、寝室ではアルルゥ様と寝たと聞きましたが?」
「なっ!?」
「ハクオロさん」
エルルゥの視線に一瞬息が止まってしまった。彼女の背後から何故か真っ黒のウィツァルネミテアが見えた気がした
「この後少しお話ししましょうかハクオロさん」
「ま、待ってくれエルルゥ!これには訳があってだな!」
「その訳も今夜たっぷりと聞きますので安心してくださいね♪」
(茶柱が立っていますね。何か良い事が起きれば良いのですが)
主君のピンチにトゥスクル侍大将は気にする事も無く、ただ茶を啜る
ここのベナウィさんはトゥスクルに置いてこの物語で最強の一角です。仮面の者すら凌駕する程の強さです。そしてそれと同時に少し天然が入っています。格好いいですね!