「うっ、ここは……?」
意識が覚醒すると共に体全体に激しい痛みが走り顔を歪める。何でこんなに体が痛いんだ?
原因を考えていると先程まで自分は太った男に捕まっていたのを思い出した。太った男がクオン達に手を出そうと言った辺りから記憶が無いが何故だ?
「ハク、入るね」
部屋に入って自分の横に座るクオンの表情は何時も見ている笑顔や怒った顔ではなかった、無だった、無表情で自分を見つめるクオンに何がとは言えないが恐怖を覚えてしまった
「傷の方はどうかな?」
「あ、ああ、痛みはあるけど大丈夫だぞ」
「そっか………」
少し安心した表情を浮かべるがすぐにまた無表情に戻るクオンにハクは首を傾げてしまう
「ハクに一つ聞きたい事があるかな」
「何だ急に?」
何かを決意したかの様な表情を浮かべるクオンにハクも気持ちを切り替えて聞く体制になる
「凄く変な質問をするけどちゃんと答えてね?」
「あ、ああ」
「ハクには此処では無い、此処と良く似た別の記憶って持ってる?」
「?クオンの言っている事が良く分からんのだが?」
「例えば私達や他のヒト会った記憶は無いかな?」
クオンの質問に頭の中でそれらしい記憶を探ってみるが1つも思い当たらない
「悪いが自分にはそれらしい記憶は無いな」
「そっか」
ハクの答えにホッとした様な残念な様な表情を浮かべるクオンに更に首を傾げた
「なあ、その質問の意味って「ハクは知らなくて良いかな」………」
まただ、自分がクオン達に何か隠し事をしている事は知っているが質問をすると何時も同じ答えが帰って来る、「何も知らなくて良い」ルルティエやキウルでさえ同じ答えを返してくるのだ
そして何時も自分は他の者が出掛ける時は置いていかれる。何か言葉では言い表せないがクオン達は自分に対して大きな隠し事をしている
「ねぇ、ハク」
「何だ?」
思考の海に沈んでいると突然クオンに名前を呼ばれて慌ててクオンの方に視線を向ける
「ハクは今の生活は楽しいかな?」
「何だ?唐突に」
「良いから、答えて」
「ああ、毎日が祭りの様な騒ぎで楽しい。何時か終わりが来たとしても自分は一生お前達の事は覚えてる自信はあるぞ」
苦笑を浮かべるハクにクオンは小さな笑みを浮かべながらハクを抱き寄せ頭を撫でる
「私もかな。何時までも何時までもずっとハクや皆と一緒に穏やかな日々を過ごしたいかな」
クオンの言葉はまるで一度はそれが叶わなかった言い方にハクは何か過去に合ったのか考えたが聞く勇気は無かった
「ハク、私の可愛いハク、どうか何時までも私達と一緒に居てね」
「ああ、お前達が自分を必要無いと言うまでは一緒に居てやる」
例えクオン達が自分に隠れて何かをしているのか分からないが、疑うよりも信じて待っている方が自分は気が楽だもんな
最終回じゃありませんよ!ハクさんはマジで聖人ですね!