ボクはカルデアで生き残りたい。   作:LinoKa

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オルレアン1

 

 

アレから、ボク達は冬木市で奮闘し、現地のキャスターの助けもあって何とか聖杯を回収して戻って来れた。が、その分失ったものは多かった。レフ・ライノールが敵だったり、オルガマリー所長が亡くなったりと、中々にハードな任務だった。

その結果、これからは7つの時代にレイシフトし、聖杯を回収して特異点の修復をすることになった。

で、今はその一つ目の特異点についてのブリーフィング中である。

 

「と、言うわけで、特異点の調査及び修復、そして聖杯の回収。これらが今回の作戦の目的だ。良いね?」

 

ドクターの確認に、ボクもマシュも立花……マスターも頷いた。

その返事に満足そうに頷くと、ドクターは続けて説明を始めた。

 

「さて、それからもう一つ。これから特異点を修復するわけだけど、おそらく戦闘は避けられない。だから、今から一体、サーヴァントを召喚しておこうと思うんだ」

 

ふむ、なるほど。戦力の補充か。それは確かに良いかもしれない。

 

「分かった」

「じゃ、レオナルド。後は頼むよ」

 

そう言われて現れたのは、レオナルド・ダ・ヴィンチ。我らがカルデア技術士のトップでサーヴァントだ。

 

「よし、私に任せたまえ。では行こうか、藤丸立花ちゃん」

「えっ、ど、どこへ?」

「召喚をしにだよ。マシュマロ姉妹も来るだろう?」

「はい」

「いや、だから略すなって」

 

ダ・ヴィンチちゃんに連れられ、召喚しに行った。やり方を教わり、最初の召喚。正直、ちょっと楽しみだ。だって最初の英霊だもの。どんな人が出てくるのか気になるじゃない?

キィィィンと音を立ててサークルが回り始め、英霊が姿を現した。

 

やっほー!ボクの名前はアストルフォ!クラスはライダー!それからそれから……ええと、よろしく!」

 

髪がピンク色の人が出て来た。その子はマスター、マシュ、ボクを見比べた後、キョトンと首を傾げた。

 

「えっと、どの子がマスター?」

「私だよ。私は藤丸立花、よろしくね」

「あ、君か。ごめんごめん。サーヴァントの反応あるのにみんな普通の格好だから戸惑っちゃったよ」

 

ああ、なるほど。確かにマシュもボクも普通の格好だ。

召喚はこれで終わりだ。ダ・ヴィンチちゃんが小さく手を叩いた。

 

「へぇ、アストルフォか。確か、シャルルマーニュ十二勇士だったね」

「君もサーヴァント?」

「私はレオナルド・ダ・ヴィンチ。カルデアの技術士をしている。気軽にダ・ヴィンチちゃんと呼んでくれ」

「分かった」

 

おお、この軽いノリのダ・ヴィンチちゃんに動じない……。随分と自由な子なんだな、アストルフォ。

 

「私はマシュ・キリエライト、こちらのマロ・キリエライトと同一のデミ・サーヴァントです」

「へぇ、二人で一つって事?」

 

そういう事になる。宝具を使うにも、盾を合体させないと使えないし。

 

「面白いねー。ね、宝具とか見せてよ。どんなのなの?」

 

ボクの方に歩み寄って来て、顔を近づけて来た。い、いきなり距離近いな……。いや、まぁ良いんだけどさ。

そのアストルフォに、マスターが声をかけた。

 

「待って、アストルフォ。今は時間が無いんだ。早くレイシフトしなくちゃいけないから、それはまた後で良いかな?」

「えー、良いじゃん別に。少し見るくらい」

 

くっ、やはり自由なタイプか。マスターの言うことを聞かないとは。まぁ、こういう子供っぽい人はボクの領分だ。

 

「レイシフトしたら見せてあげるから。それで良い?それまで待てない?」

「んー、まぁ良いや。じゃあ、さっさとレイシフトしちゃおう」

 

待てない、と「そんなことも出来ないの?」みたいな煽るような聞き方をすれば子供は言うことを聞く。まぁ、教育にはあまり良くなさそうだが。

そんなわけで、三人に一人追加され、四人で管制室に戻ると、ドクターが声をかけて来た。

 

「あ、戻って来たね」

「マスター、この人は?」

「ドクターロマン、今のカルデアの司令代理みたいな人だよ」

「みたいな人って……まぁ良いや。じゃあレイシフトしようか」

 

ドクターの一言で、全員で準備を始めた。レイシフト直前、ドクターが思い出したように言った。

 

「あ、そうそう。藤丸立花ちゃん。レイシフトした後、一つだけ頼まれてくれないかな?」

「? 何?」

「霊脈を探し出し、召喚サークルを作って欲しいんだ」

「何それ」

「難しいことじゃ無いよ。霊脈を探し出してくれれば良いから。それで、こちらから補給物資を送ったり、現地で自由に召喚も出来るようになるからね」

 

ああ、冬木でやってたアレか。

 

「分かった」

 

マスターが頷くと「よしっ」とドクターは満足そうに頷いてレイシフトを開始した。

 

 

++++

 

 

気が付くと、広い草原の上に立っていた。さっさと変身を済ませたボクは、相変わらず半分に割れてる盾を手にしていた。

 

「おおー、なんか懐かしい感じがする……」

 

アストルフォが声を漏らした。で、ふとボクの盾を見た。直後、「おお……?」と困惑したような表情を浮かべた。

 

「……なんで割れてるの?」

「だからマシュと二人で一つなんだってば」

 

言うと、アストルフォはマシュの盾に目を向けた。

 

「あ〜……二人で一つってそういう……。君達もしかしてライダー?」

「いやいや、違うから。それより、さっさと仕事を済ませよう」

 

言いながら、ボクは腰のホルスターのピストルを抜いてリロードした。カルデアにあった余ってた奴だ。あまり銃の種類には詳しく無いからどんな銃なのか知らないけど。

そんなボクを見て、マシュが眉をひそめて言った。

 

「マロ……。そんなもの持って来たのですか?」

「前の冬木の時は武器が無くて、攻撃はほとんどキャスターメインになってたでしょ。攻撃力を少しでも上げるためにくすねてきた」

「くすねるのはダメです。後でちゃんと許可を取るように」

『いや、まぁ間違った判断じゃないから構わないよ』

 

空からドクターの声が聞こえた。今回も通信はあるようだ。

 

『聞こえる?みんな』

「ああ、聞こえるよ」

『良かった。時代は平気?』

「問題ありません。1431年、百年戦争の真っただ中ですね。ただ、現在は休止中のはずですが」

『よし、じゃあまずは霊脈を探してくれ』

 

言われて、ボク達は早速行動を開始した。まぁ、何にしてもまずは街を探すことだ。

四人で、とりあえず建物が見えないか辺りを見回しながら歩いた。すると、何人か人が歩いてるのが見えた。

 

「あ、誰かいるよ」

「ホントだ」

 

アストルフォに合わせて、ボクも相槌を打った。フランスの斥候部隊か?

 

「マスター、どうしますか?接触してみますか?」

「うーん……そうだね。話してみないことには何も分からないし」

「じゃあ、ボクが行ってくるよ!」

「あ、アストルフォさん!」

 

あ、これはダメなパターンだ、と思う間も無く、アストルフォは元気良く斥候部隊の人に声を掛けた。

 

「おーい、ちょっと聞きたいことがあるんだけどさ……」

「………」

「……あれ?もしもーし、聞いてる?」

「ひっ、敵襲!敵襲ー!」

「なんで⁉︎」

 

いやもう少し距離感とかあるでしょ……。せめて腰の剣は隠して行けよ……。

呆れてる間にも、気がつけば周りは取り囲まれていた。

 

「あれー?ボク何かしちゃった?」

「説教は後でするからな!マスター、指示を!」

「分かった。とにかく、流血沙汰はマズイからみんな、特にアストルフォは峰打ちで!マロも拳銃はしまって!」

「これはピストルだよ?」

「どっちでも良いから!マシュは私の防衛、アストルフォとマロで迎撃!」

 

その指示に従い、ボクとアストルフォは正反対の方向に走り出した。兵士の一人の剣撃をしゃがんで躱すと、両足を払って浮かせて、その脚を掴んで別の兵士に叩きつけた。

今度は背後から斬り掛かって来たので、姿勢を低く屈めて盾で突撃し、体当たりで吹っ飛ばした。

 

「グッ……⁉︎」

 

すると、ボクの横を抜けて兵士が三人、マシュの方へ向かった。そのうちの一人に足を掛けて転ばせて止めたが、残り二人は剣を構えてマスターに襲い掛かった。

 

「マシュ!」

 

ボクの盾を投げてマシュに手渡すと、マシュはそれを受け取りマスターの前に立ち、盾で二人からの攻撃をガードした。

 

「マスター、私の影にしゃがんで隠れて下さい!」

 

マシュはそう言うと、しゃがみながら両方の盾を合体させた。それによって体勢が崩れ、両サイドに転んだ兵士を盾を分離させてマシュは殴り飛ばした。

 

「! マロ!」

 

その様子を見てると、マシュがボクに向かって盾を投げ付けた。行動の意図を察したボクはしゃがんで回避、盾は頭上を通り過ぎ、後ろの兵士に直撃した。

その隙に跳ね返った盾を手に取りながら軽くジャンプし、空中で半回転しながら回し蹴りを顔面に放った。

 

「ふぅ」

 

着地しながら一息つくと、一人の兵士が声を張り上げた。

 

「撤退、撤退ー!」

 

それによって、倒れていた兵士達も逃げ始めた。そのうちの一人を捕まえて、ボクは馬乗りになった。

 

「待った」

「うぐっ……⁉︎な、なんだよ⁉︎殺すなら一思いに……!」

「いや、違くて。殺さないから落ち着いて」

「嘘つけ!あんなに派手に大暴れして……!」

「派手に大暴れしたのに誰も死んでないでしょ」

「………」

 

そう言うと少し落ち着いたようで、呼吸を整えた。やがて、アストルフォやマシュ、マスターが駆け寄って来た。

 

「どうしたの?マロ」

「一人捕まえたから。とりあえず今どうなってるか聞こうよ」

「なるほど」

「あの、それより降りてくれないか?その、お尻の感触が直に来て、その……」

「………?」

 

何か硬いものがボクの股下に当たっていた。………なるほど、そういうね。恥ずかしさで顔を真っ赤にして、ボクは拳を顔面に振り下ろした。

 

 

++++

 

 

何とかマシュとマスターが誤解を解いて、フランス軍の砦に向かった。

兵士の後に続き、ボクは未だに赤くなった顔を両手で隠しながら歩き、アストルフォが慰めてくれていた。

 

「ま、まぁまぁ、マロは良くやったよ」

「……まるで逆レイプしてるような構図……。マシュの前で痴女みたいなことを……。死にたい………」

「いやいや、逃さないためにはある意味では正しい行動だったと思うよ」

「服越しとはいえ、男性器を初めて触ってしまった……。しかも、股関節の辺りで………」

「落ち着いてってば。仕方ないよ、さっきのは」

「……変に硬くて温かかった」

「感想はいいから………」

 

そんな風にしょげてる時だ。ドクターの声が響いた。

 

『!魔力反応があるぞ、注意しろみんな!』

 

言われてそっちを見ると、竜牙兵の大群が砦に向かって来ていた。

 

 

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