PMC探偵・ケビン菊地  鉛の刻印   作:MP5

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15話  サメの最後

 数日後、サンズを除く主要人物を職員室に集めた。

「みなさん、よく集まってくれました。犯人がわかったんです」

「ほぅ・・・」

「さっさと話せ!」

「落ち着いてください。群島と殺ったは筑前君、君だ。あのPPKは左手用に改造してあるオーダーメイドだってわかった。グリップから君の指紋も見つかってる」

「やはりか!さっさと連行しろ!」

「ですが、不可解なんですよ。彼のように冷静な判断を下す人間が、疑われやすいにも関わらず、わざわざ証拠を身近なところには隠すことが」

 

 

 

 

 

 

 

「何をおっしゃっているのか?」

 挑発的に話す筑前。

「逆に言えばそうせざるえなかった。指示役の注意を自分に向けるためにね」

「!?」

「この事件には二人殺人に関与していた。筑前君は華僑の血が入ってるマレーシア人じゃないのかな?ここのどこの空港、港に問い合わせても君の顔がなかった。つまり、密入国をしているってことだ。理由は君の腕にあるんじゃないのかな?」

「ふっ」

 彼は上着を脱ぐ。腕にはサメのタトゥーが彫られていた。

「このタトゥーはとある海賊に所属している証です、かのアナコンダの隷下組織のね。連行される途中で護送車を襲い君ごと殺しに掛かるって寸法じゃないのかな?」

「御名答です。僕が何故、そこの組織に所属していると?」

「袖から見えたんだ、尾ヒレが。だが同時にそれすらも陽動かなって思ったんだよ。そして、残った中で指示役が出来る人間、それはアンタだ!」

 ケビンは栗森を鋭く指差した。

「な!?デタラメを言うな!」

「アンタはこの前、彼の実家の住所に疑問を持っていたって言った。俺も気になって調べたんだが、そこの地主がアンタになっていたんだよ10年前にね。薄給な事務員が土地を買うのは難しいにもかかわらずだ」

「・・・」

「元ヨット乗りも嘘、本当はドラード・ティブロンの海賊だ。クルーザーを買ったのは沖合に停泊している輸送船から武器を運び出すためなんじゃないか?クルーザーから45ACPが見つかってるしな」

「グググ・・・」

「まだある、群島の身体にサメのタトゥーが見つかっている。内閣府が彼をリーダーと見て調査したのだが、彼が殺されてもなお勢力が生きている。つまり、彼は影武者じゃないのかって話だ。リーダーのハンマーヘッドが入国したって情報も入っていない」

「それはマレーシアから指示を出したんじゃ」

「群島のケータイにボスって書かれた相手の番号があってな、それを鳴らしてみるぞ」

 袋に入れられたケータイで電話を掛ける。すると、彼のケータイが鳴り響いた。

「入国情報がない。当たり前だ、日本にいたのだから。顔がわからないのは普段、事務員という地味な仕事をしているから。暴君の崇拝者こそが海賊のリーダーだったってことさ。もう逃げられんぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 Px4を抜き、栗森に向けた。彼は逃亡を図ったため発砲しようとするが筑前がケビンに飛び掛かり、逃がそうとする。取っ組み合いの末、筑前を射殺、栗森を追うが外からバタバタと不穏な音が聞こえる。

「冗談だろ?」

 ケビンが見たもの、それは旧ソ連の戦闘ヘリ、ハインドDだった。とっさに室内に戻りR5に持ち替えた。別任務で海辺の倉庫にいるサンズから連絡が来た。

「ケビン、学校の所有する倉庫からハインドが飛んでこっちに向かってるぞ!」

「今来た遅い!」

「こっちは敵を制圧した、急いで合流する!」

 屋上に上がり、室外機や排気口に身を隠しながらハインドの機銃を避け、コックピットに撃ち込む。長い戦いになる覚悟はあったが、弾数が心もとない数字になった。

(くそ、このままじゃ)

 その時だった、爆発音が聞こえたと同時に回転しながら墜落していった。ケビンは海を見ると、揺れる船からスティンガーを撃つ男を見つける。

「ケビン、ハインドが撃ち落とされたぞ。誰だアレは!?」

「おそらくゴーストだな。にくい奴め」

「それはそうと、ハンマーヘッドを確保したぞ。浜辺にいるから来てくれ」

 

 

 

 

 

 

 サンズと合流し、ハンズアップした栗森も発見した。

「まさか日野下さんが・・・運が悪い。俺をどうするつもりだ?」

「お前は国際裁判所で裁きを受ける。その間キューバ政府が身元を預かるがよろしいか?」

「日本で起きた事件だが、そちらに任せる。好きにしろ」

「たがよ探偵さん、これで終わりじゃないんだ。これからもお前は俺達の仲間と戦い続ける、どういう意味かわかるか?」

「望むところだ。俺はお前らのような輩を許すわけにはいかない」

 刹那。ケビン達の顔ギリギリに何かが掠めたかと思えば、栗森の眉間に穴が開いた。

「!?狙撃だ!」

「伏せろ!」

 浜に伏せ状況を把握すると、ゆっくり起き上がる。即死を確認すると駆けつけた警察官に遺体を明け渡し、クライアントに報告した。

「短い間だったが良い仕事だった。俺は国に帰ってガイドに仕事に戻るとするよ、もしキューバに来るのなら俺に連絡をよこしてくれ、いい案内をしてやろう」

「そうする。これでしばらく流血沙汰を見なくて済む」

 

 

 

 

 

 

 

 

 深夜、書類仕事中、スマホにニュースが入ってきた。ソウル駅構内で殺人事件、身元は韓国国立中央博物館の学芸員。静岡・伊豆の倉庫爆破事件、犯罪組織ドラード・ティブロンの手によるものか。

(もう終わりだろうな、ドラード・ティブロン)

 速報が入る。マレーシアの小島にあるドラード・ティブロンのアジトが襲撃され地獄絵図となったという情報だった。

(早すぎるな)

 今度はメールが入った。送り主は不明だが、ウイルスの類は無いようだ。

『今回のショーはどうだったかね?お前にはクラウンとして動いてもらったおかげで最高のものだったと思うが?』

 そのメッセージに怒りを覚えるが、冷静になって返さなかった。

「遭う機会があったら首根っこを掴ませてもらおう、そのまま三途の川を渡ってくれ」

 書類を書き終え、自分の寝室へと戻って行った。途中、再びスマホが鳴ったがあえて見ないフリをした。画面のメッセージには

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 CIA長官オズワルト・フリューゲル、クリーブランドの公園にて射殺体で発見される。後任は未定。

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