黙示録1 ゴースト再び
18:10:11
インド洋沖北西200キロ地点
一人の男が運輸タンカーのコンテナの上で煙草を吸っている。
ベージュ系のキャップを被り紺色のTシャツにカーキ色のカーゴパンツ、その上に軍用のベストを身に着けたスタイルの軽装備姿だった。
「教官、すべて処理し終えました。あとは部隊が1チーム、こちらに向かっています」
ヤンキースのロゴ入りキャップを被り男と同じように防弾ベストを身に着け、スリングでMP5を吊るしている女性が声を掛ける。
ライダーグローブの下から覗く新たらしく刻み込んだタトゥーに男は満足したような表情を向けると
「ここでは教官と呼ぶな。我々がいたという証拠は全て消したか?」
彼女は頷くと、彼女によく似たニューヨークメッツのキャップを被りSIX12を抱えた女が走ってくる。
「教官、完了です。後はヘリが迎えに来るそうです」
「二人とも、俺を教官と呼ぶなよ。お前ら双子だからか?」
二人がほぼ同時に笑う姿を見て、男は少し呆れる。
はぁと男がため息を着いた瞬間、ものすごい音とともにゆっくりと背後から輸送ヘリが現れる。
「ハインド!」
双子はコンテナの後ろに急いで隠れるが、男は煙をくゆらせ腰のホルスターから銃を抜く。
ホルスターに刺さった拳銃は、M629Vコンプ。
普通なら銀色の銃身が艶消しの黒で染められたカスタムガンを右手で保持し狙いをつける。
「さあ、撃たせろ。やれよ、楽しませてくれ」
男はにやりと笑いトリガーを引く。
44マグナムの拳銃とは思えない程の爆音が鳴り響く。
ハインドの防弾ガラスを使用したコクピットに穴が開く。
「面白かったな」
M629Vコンプをホルスターにしまい込むと新しい煙草を取り出し、口に咥える。
戻ってきた双子に
「次やったら、地獄の門(CIAの工作員用の訓練施設にて一番難易度が高く実弾使用が認められている。もっとも訓練中に死者が出ることでも有名)四周させるぞ」
ドスの利いた声が双子を震え上がらせる。甲高い一定のリズムの電子音が旧式の二つ折りの携帯から鳴る。パカリと二つ折りの携帯を開きメールの内容を確認する。
「お前ら喜べ、日本に行くぞ。残業手当は出ないがな」
きょとんと彼の言葉に双子は全く同じ反応をする。
「「日本?」」
双子を指さしながら鋭く
「あと俺のことは教官と呼ぶな、エイト、ナイン」
「ちゃんとゴーストと呼べ」
ブラックホークに全員が乗り込むとゴーストはどこかに電話する。
「こちらゴースト、任務に必要な武器を揃えてくれ。ああ、今回は嫌な予感がする」
「スティンガーを一丁、それとXMー25を手に入れてくれ。金は積むから、頼む」
「ゴーストは任務を受けましたか、そうですか」
紺色のスーツ姿に白髪頭の男は電話を片手に誰かと話している。
「大丈夫です。あいつも教官になれるくらいのベテランになりましたから、俺も年を取ったものです。
はい、グランドマスター。了解です」
彼は電話を切る、ワシントンのFBI本部の前にて