PMC探偵・ケビン菊地  鉛の刻印   作:MP5

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黙示録4 舞台裏

 ドイツ連邦共和国ベルリン

 ノーマンズ・セキュリティ・カンパニー

 

『こちら本部、全チームに通達。敵は白人男性、三十代。左目の下に傷、バイカージャケットにジーンズ。現時点では武器を所持している。 しかし、ターゲットは数発の銃弾を腹部に受け負傷中の模様』

 

『こちらチーム2、3名が重傷。2名が死亡。』

 

『こちらチーム3、俺しか残っていない。至急応援を求む。至急求む!しきゅ……』

 

『どうした、チーム4。本部、ターゲットに対しての情報をもっとくれ。手出しができない。』

 

 

『今入った情報だ。影のように潜み、一瞬で消えるその戦術から、工作員としての奴のコールサインは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴーストと呼ばれていたそうだ。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二か月前

オーストラリア グレートビクトリア砂漠南 ナラボー平原

トランスコンティネンタル鉄道路線まで3kmの辺り

 

 三台の軍用6tトラックが砂漠の埃と砂が混ざった風の中、走り抜けていく。

 荷台には複数人の重装備の男たちが乗っている。

 

「グリム、用意は出来たか?」

 

 ゴーストは右耳に装着したイヤホンを確認すると鼻まで被せたシュマグを下すと、ベストにつけられた暴風の中、無線機に向かって大声で話しかける。

 

『こっちは大丈夫だ。ジャミング装置を起動させたから三時間以内にはオーストラリア軍は飛んでこない。』

 

「了解だ。こちらはチーム全員、大丈夫だ。」

 

 他のトラックも含め荷台に乗っている全員が風塵対策にAK系列のライフルを装備している。

 

 一番前を走るトラック。

 スイスのFSKp17出身のレフやドイツ陸軍のKSK出身のアクセル、それにアフガンにて山岳戦経験者のレティ

 山岳戦を専門とするメンバー六人で構成されたチームアバランチは全員がカスタマイズしたAKS74に共通のロシア式の砂漠用迷彩服を用意している。

 

 二番手には俺と三脚に腰掛けAK-74Mをスリングで吊るしたルーカスそれにMTS-255に軍用ベストを着たゴーシュ。

 

 一番後ろのトラックに何も乗せずにサムが運転するのみ

 

「作戦通りにいくぞ!」

 

 右手を振り上げ、全員に指示すると線路のすぐそばにまで近付いていく。

 

 鉄道に並行して一番前にいたトラックが貨物室に横付けした瞬間、アンカーランチャーを撃ち込む。

「行くぞ。」

 ガスバーナーのボンベを背負ったルーがゴーグルを掛け、貨物用のカーゴに穴を開けていく。

 その横ではボブも同じように専用のマスク姿で穴を開けると数人がかりで鉄板を取り外す。

 更にトラックの横にサムが乗ったトラックが横付けする。

 

 中から出てきたのは大型のサーバー、ワイヤーでしっかりと慎重に扱いながら運んでいく。

 ガッチリとワイヤーでサムのトラックに固定すると、了解のサインを出しチームアバランチの三人が乗りこむ

 

『ゴースト!、ゴースト!』

「どうした、グリム。こっちは積み込み終えたぞ。」

『敵さんが気づいたみたいだ。タイムアップだぜ。』

「了解だ!、全員引き上げだ!」

 

 その言葉を言った瞬間に敵の黒服が窓から乗り出すのが見える。

 トラックの連結した金具をMP443で弾き飛ばし、サムに指示を出して逃がしながら、トラックごとその車両に向かう。

 ルーカスがAK-74Mで牽制のために撃ち始めると運転席のラーチャーに指示し、位置を移動させると三脚に被せている布を取る。

 

 ゴーストは中から出てきた6P49のボルトを引き装填すると照準を軽く確定させ、トリガーに指を掛ける。

 

 

 毎分750発、敵に対して銃弾による豪雨が降り注ぐ。

 

 

 弾薬が詰まったボックスマガジンがどんどん減っていく。

 

 ゴーシュがMTS-255を数発撃ち、反撃させないように二人は銃声のオーケストラを奏でていく。

 

『こちら、チームアバランチ。撤収完了だ。』

「了解、こちらも撤退だ!」

 一気に方向転換しながら、全弾を貨車に叩き込み猛スピードで離れる。

 

 

 

 

 三時間後……

 

 

 サーバーを先に回収し終えたアバランチと港にて合流する。

「荷物ごと、クレーンで積み込んだ。後はメンバーが全員乗り込むだけだ。」

 

 

「了解した。」

 ゴーストは煙草を咥えると、貨物船の中に乗り込む。

 中は元はCIAが使用していた偽装貨物船を奪ったもの。

 内部は司令部に銃貨物室、他にも離脱してきたゴーストの意思に賛同するメンバーが乗り込んでいる部屋などに別れている。

 

「何かわかったか?ブルー。」

 ラフな姿でサーバーの解析を行っていた彼女は、くるりと振り返る。

「いろいろと、グランドマスター自体はオペレーションフルトリガーを始めて出したみたい。

 後はほかのメンバーからの報告ね。

 モロッコの支部はサマリの三つ子が吹き飛ばしたとセオから報告が。

 

 バルトとガンビットが数名追跡チームを排除したそうよ。サンドマンとサージのチームはウクライナ系マフィアに潜入中だそうよ。」

「了解だ。次は台湾に向かう。」

 

「了解、なぜに?」

「ナイン、エイトを回収してそれに戦力の補充を行う。日本での基地を襲うために使い捨ての戦力を用意しなければな。」

 

「了解。オーガには連絡を取るのですか?」

 

「そうだな、こちらから連絡しておく。連絡をとるなら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

賽に……連絡を取ることだな。」

 

 

 ゴーストは煙草を咥えなおすとにやりと笑う。

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