過度な期待をしないでください。
さて皆さん、突然ですが『異世界転生』というものはご存知でしょうか?
こういうのにあう人間って大抵その世界にやたらと詳しかったり、
その世界の中枢になっている技能や能力などに精通していたりするものですよね。
もしくは無駄にすさまじい技術を持ち合わせていたり雑学のプロだったりと
まぁ、言ってしまえば超人及び趣味人が遭遇する出来事のはずである。
この点から考えても僕がここにいることは完全に間違っていると思う。
なんせ、ここはカードがすべてを支配する遊戯王の世界なんだがら……
「デュエルモンスターズなんてシンクロまでしか知らんぞ」
思わず小さく愚痴ってしまったのは仕方ないことだと思う。
『何をしてるんですか?』
「あ、気にしないで。ちょっと世界の理不尽を嘆いているだけだから」
生まれた時から一緒にいる(というよりはどこにでもついてくるこのお方)の声で
全力逃避をしていた現実に目を向ける。
目の前には記憶の片隅に微かに浮かぶ(アニメなど欠片も覚えていないためおそらくゲームの方の記憶だろうか)
某決闘者(デュエリストだったっけ?)を育成するための機関の教師が手に付けている機械にカードの束を差し込んでいる。
「そこまで緊張することはないよ。負けたとしてもデュエルの内容によっては合格もあるから」
緊張していたと勘違いしたのかそんな優しいことを言ってくる教師。
「あ、ありがとうございます」
頭を下げて無い知恵をふり絞りながら作ったデッキをセットする。
するとさぁ……
「ホリさんホリさん」
『どうかしましたか?』
「いや、それこっちのセリフ」
いやさぁ、なんで半透明の子たちが正座しながらこっちを見てるのかな?
『暇そうな子たちに声をかけてみました』
「どう見ても権力乱用だよなぁ、これは……」
『皆さん快く引き受けていただけましたよ』
「いやホリさんやどう断れと?」
間違いなく逆らえないと思うんだ。何人か青くなりながら目が死んでるし。
「では、デュエル!!」
そんなアレな光景も見ていない人には関係ないらしく教師の言葉でデュエルが始まる。
デュエル結果だが、当然のごとく負けました。
「まあ、負けて当然か。知識の差も激しかったしね~」
『私を出せば勝利確定でしたのに』
「いやホリさんや、どうやって出せと? てか明らかにデッキが変わってたんだけど」
そんなことを言い合っていると見たことあるやつが入り口から駆け込んでくる。
「あ、蒼真」
「僕に挨拶より早く行くべきだと思うんだ。間に合うかどうかは知らんけど」
「まじぃ! じゃあ、またな!」
そう言い残すわれらが主役十代君。やっぱりここでも遅刻したらしい。
ちなみに顔見知りなのは幼馴染だからである。認めたくはないが……
『あの子、新しい精霊を連れてましたね』
「王様あたりにでもあったんじゃない」
『なら、いいでしょう。余り散布するようでしたら少しばかりお話をすべきでしょうが』
「いや~王様だしその辺はうまくやるんじゃないかな?」
『そうでしょうか』
話しながら会場を後にする。合格基準は知らないがどうせ不合格だ。さっさと帰るのが吉だろう。
十代?知らん。なんだかんだで運がいいあ奴なら問題ないだろ。
さっさと帰って寝たいのだ。今日という日を思い出にするために。
『さて、やりましょうかね』
この時漏れた呟きに気づいていればどうしようもないにせよ、少しでもあがけたんじゃないかと思う。
「なんで合格したんだろうなぁ」
『やりました』
ヘリの中で遠くに見える孤島を眺める。
隣にはガッツポーズをしているホリさん。
絶対に何かしたのだろう、改めて現実逃避がしたくなる。
『大丈夫ですよ。私がいますから』
「それは知ってる。てか、誰も勝てないと思うんよ」
それは断言できる。てか、この方が負ける姿が想像できない。
その理由は……
『あなたには私を召喚できるようになってもらいますから』
光の創造神ホルアクティ。通称ホリさん。何の因果か僕の精霊代わりに降臨している神である。
『さぁ、古代神官文字のお勉強です』
「読めるようになれと!?」
お目汚し失礼しました。
これはリハビリがてらの投稿でどこまでも自己満足作品です。
大事なことなので二度書きました。