そこからの道中は順調に何事もなく済んでいた。特に刺客がくることもなく、黄一族と太公望たちは雑談を交えつつ西岐を目指していた。
そこで、太公望がこれまでことごとく捕縛されていたこともあり、強さへの疑惑が黄一族に流れたが、まあ些細なことだ。それよりか、黄一族最年少の天祥がナタクに乗って空中遊泳を楽しんでいるのを見て、ライバル心を抱いている白額虎の方が面倒くさい。
「私でもあれくらい・・・」
「いや、対抗心抱く必要ないから。また今度の機会に乗せてあげればよいでしょ」
たぶん、西岐での生活を思い出しているんだろう。姫昌の子供たちとよく遊んでいたせいか子供が好きなようだ。ただ動物好きな周公旦には撫でられすぎて若干苦手意識はある。あのこわもてが満面の笑みを浮かべるもんだから、兄である姫発は気味悪がってたな。思い返していると、そっと天化が近づいてきた。
「そういえば、・・・えっと姉貴」
「慣れないなら祷暁でいいわ。身内だと気づいたのもかなり最近だし」
「いや、俺っちの家系は男ばっかりで慣れないだけだから気にしないさ。それより、師叔と仲良いみたいだけど、なんか縁でもあったさ?」
「ああ、太公望が仙界に行く前にね」
「だから会ったことがないのさ。見た瞬間は仙人かと思ったけど、実際は天然道士だったさ」
実は気になってたさとニカリと爽やかな笑みを浮かべる天化は、お礼を言ってからお昼ご飯を食べる黄一族へと混じっていった。まあ、修行していないのに宝貝持っているなら怪しいか。まあ、実際宝貝じゃないしね。
そうこうしていると、太公望のこの辺で仕掛けてくるだろうの言葉に乗っ取り、偵察に行っていた武吉くんが帰ってきた。明らかに走る音以外の音も連れて。
「あ・・・、津波だ―――っ!!!!」
言おう、ここは山岳地帯である。海のないここで人の背のゆうに十倍はある津波なんて宝貝くらいしかないだろう。高台にいた太公望と武吉、飛虎と空にいる年少組となんとなく白額虎に乗った私以外は波にさらわれてしまった。
「ぼくみんなを助けます!」
「助けるっておぬしこの激流では・・・」
「大丈夫です!ぼくライフセイバーのバイトやっていましたっ!!」
そうして、激流もなんのそので泳ぐ武吉くんに私は声を大にして言いたい。内陸の西岐のどこでそんなバイトやってるんだっ!?
で、現れたの法師風な男性に水晶を持ったサラ髪、玉に乗った少年に影薄い人の四人組である。どうやら九竜島の四聖と言う聞仲からの刺客らしい。どうやら、名誉を挽回するべくナタクではなく太公望が先陣を切るようだ。
まあ、そんなことよりもここは西岐から目前の場所だ。原作知識は曖昧だが、彼らの目的は私たちの抹殺だけではないだろう。何も言わないでこの場を去るのはどうかと思うが、四聖相手なら私以外で事足りる。以前使った姿を消すオリジナル宝貝である隠形包を使うと、意図を読み取ったのか白額虎は何も言わずに西岐へと進んだ。
以前と変わらず活気あふれる西岐は、端の山岳部の区域であっても賑わいがあった。ある種の家族経営な国家状態だが、それぞれ得意分野にわけているおかげか民の生活は安定している。その様子に微笑ましく思うが、今はそうも言ってられない。
「さて、私は私の仕事をしますか。サポートよろしくね、白額虎」
「はい、主さま!」
ヒマな申公豹「祷暁、四聖戦は貴方が混じった方が面白いのではと」
祷暁「私は基本戦闘特化じゃないからね!?下手すると全部無くなっちゃうくらいだから、守りに転じた方がまだ動ける。というか、今のところ姫発がいる西岐が優先されるからね、私のなかでは」
白額虎「主さまの行動理念は好きなように動く=好きなもののために動くですからね。比較的太公望への扱いは雑ですね、最初から川に落とすくらいですから」
祷暁「とりあえず防衛線頑張るわ」