今は放課後。俺は特に部活に入るつもりはないしもう帰ろうと思っていたが……
「まって〜」
俺を呼び止める声がした。
この声は本音かな?
「ゴックー、一緒に帰ってもいい?」
案の定本音だった。
「別にかまわないよ」
「……私もいい?」
うぉ!?下駄箱の死角からスッて出てきた!
落ち着け、平常心、ヘイジョウシン。
「もちろんいいよ」
♦
「へ〜ゴックーってIS作っているんだ〜」
「あぁ今五割ほどできているよ、まぁ理論上だけどね」
「で、そのISどこの会社と作ろうと思ってるの?」
「母さんの知り合いが来年立ち上げるとか言う『
俺たち三人は下校途中、ISの話で盛り上がり今自分が作っているISの話題になった。
「かんちゃんも今IS作ってるんだよ〜ねーかんちゃん」
へーどんなISだろう?
「う、うん『打鉄弐式』っていう名前で機動性に特化させた機体で……」
「ストップ」
「え?」
「自分のISを語るのに熱くなるのは良いが機体のコンセプトを簡単に人に話すのはあまりいいとは言えない」
「ご、ごめん」
「いやいいんだ」
情報漏洩ダメ、ゼッタイ。
「でも、もし簪さえよければ開発を手伝ってもいいかい?」
「……! うん!」
やった!機械いじくるのは大得意だ。さぁどんな魔改造してやろうかな。
『どことばしてんだー!』
ん?
「なんかこっち飛んできてない?」
「え?」
「きてるね~ボール」
こちらに一直線に飛んできているサッカーボール、このままだったら直撃だな。
仕方ないな返してやるか……
「ハッ!」
「わあ!」
「おぉ~」
とんできたボールをハイキックで蹴り返す。しかしそれだけでは終わらずそのまま超ロングシュートによってゴール!
「凄い……」
「かっこよかったよ~ゴックー」
「そうか?」
護身術として一番最初にハイキックを教えられた。理由は母さん曰く『戦闘中に相手に背中を向け油断したところにカウンターキックを叩きこむのです!』らしい。しかしその後に俺が『戦闘中に敵に背中を見せる状況があるの?』って聞いたら黙り込んでしまった。
「ヒーローみたいだった……」
「ヒーロー……か……」
ヒーローって柄じゃないんだけどなァ……
♦
翌日……
「なぁ、簪」
「なに?」
「時々思うのだが、学校で教えられることが全て将来役に立つとは思えない」
「うん」
「だから次の授業……バックレても問題ないんじゃないか?」
「ダメだと思う」
「だって……」
次の授業の体育ダンスだぜ!?しかも社交ダンス。
「仕方ないよ授業なんだし」
俺が馬鹿だったよ『余った人とペア組めばいいや』と思っていた五分前の自分の顔面にハイキック叩き込んでやりたいね!
「もしかして私とペア組むのイヤ?」
「……」
違う。違うんだ簪。嫌悪じゃなくて羞恥。だって他の人はほとんど女子は女子同士男子も男子同士でペア作っているんだもん。
まぁ一人
……仕方ないな。
「ほら始まるぞ」
「う、うん……」
「「……」」
痛いよ。周りの視線が痛いよ。それと周りの男子女子!黄色い声援ヤメテ!
「い、いくぞ」
「……わかった」
♦
「いや……あの……ごめん」
「魁人は悪くないよ……」
今は保健室で保健室の先生がいないので簪の足をみている……言っとくけど『観る』じゃなくて『診る』だからな?
え?何があったかって?
最初は良かった、俺がリードしていたからな。問題はその後だ、自分は社交ダンスの経験もあったしこのままリードしていけば何事もなく終わると思ったんだよ、そう思ったんだけど……簪がね……足捻っちゃったの……もうその後はお察しの通りだよ!
体勢崩した簪と手を繋いでいた俺はそのまま引っ張られて結果として俺が簪を押し倒した形になったよ!
必死に簪に火の粉が降りかからないようにはしたけど周りからは茶化されるし、簪も顔真っ赤にして黙っちゃうし……
「本っ当にごめん」
「……」
何で黙っちゃうの!?
「……ねぇ」
「はい?」
「何でかばってくれたの?」
「え? ……そりゃあ、当たり前だから?」
「……そう……なの?」
「え? ちがうの?」
あれ?聞き返しただけなのにそっぽ向いちゃった、しかも今顔赤かったような……
『バ、バーロー夕日のせいだよ』
夕陽すげー、てか今の誰?
「なぁ、簪?」
「な!? 何!?」
「もしかして熱あるんじゃないか? ほらちょっと診せてみろよ」
一応熱でもあるんじゃないかと思い簪のおでこに手を当ててみる。
「ちょ、ちょっと待って!」
別に何か悪いことしているわけじゃないんだからそんなに恥ずかしがることはないと思うのだが……
「かんちゃ~ん足大丈b……」
「「あ」」
「……」
「「……」」
「ごゆっくり~」
「いや待って待って!!」
「違うからね本音! 私はね、熱があるかもしれないから診てもらっていただけで……!」
「大丈夫、大丈夫、誰にも言わないから」
違う!そういう問題じゃない!!
「それじゃ、私先に帰るね~」
「「だから違うって――!!」」
その後この三文芝居のような状況は先生が来るまで続いた……
ついでに簪がしばらく顔もあわせてくれなかった……
ダンスの描写?
知らんな。