IS~規格外少年~   作:珈琲店員

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無理矢理かもしれないけど、ようやく中学校編が終わった!


第七話 起動

二月中旬この中学に転校してきてからもう十カ月が経とうとしていた。

 

この俺、戦国 魁人は不満を述べたい。それは今朝にさかのぼる。

 

 

♦

 

 

推薦入試ですでに合格している俺は自堕落とはいかないが、のんびりと過ごしていた。

 

「おはよう、母さん」

 

「はいおはよー」

 

最後の期末テストも終わり、学校では入試対策や卒業式の練習がほとんどであり進路の決まった俺にはほとんど関係がない。それに今日日曜だし。

 

「コーヒー飲む?」

 

「飲む」

 

寝起きの目覚まし代わりにカフェインを取るこれがたまらなく好きだ。ちなみに紅茶でも可。

 

「砂糖は?」

 

「いらない」

 

まだ少し眠い。瞼をこすりながらテレビを付ける。九時に見たい番組があるのだ。

 

「あーそうそう、カー君?」

 

「なに?」

 

「今日八時半までに登校だって。はいコーヒー」

 

はいはい、八時半までに登校ね…………はい?

 

「今何ていった?」

 

「はいコーヒー」

 

「いやそのもうひとつ前」

 

「今日八時半までに登校」

 

え!? 何で!? 八時半までって、俺仮面ライダー観たかったのに!

 

「原因は多分アレ」

 

「アレ?」

 

母さんが指を指すほうを見てみるとテレビがある。そしてテレビにテロップがこう出てた。

 

『世界初!ISの男性操縦者現る!!』

 

……何あれ?

 

「世界初の男性操縦者が見つかったから日本は全国一斉に他の男性操縦者を探そうってことになってそれで今日の八時半から検査が始まるんだって」

 

…………マジですか?

 

「……ねえ」

 

「なに?」

 

「録画容量ってまだあったけ?」

 

「ないよー」

 

…………

 

「コード・レッド消していい?「ダメ」」

 

チクショーーーーーーーーーーーーー!!

 

 

♦

 

 

結局、録画をできずに登校、そして只今全校男子生徒の並ぶ長蛇の列に並んでいた。

 

「いい加減終われよ。何で一年から始めるんだよ、どうせ反応しないんだからさっさと終わらせてくれよ」

 

そんな愚痴を話してしているといつの間にか順番は俺の番になる。

 

「次の方」

 

「大体、もし反応したりしたらせっかくの推薦が取り消しになってまた一から勉強しなおしじゃねえか」

 

「あの……次の方?」

 

「第一、織斑 一夏という奴がISを起動させなければ今頃俺は今頃……」

 

「次の方!」

 

「アッハイ」

 

怒られた……

 

おっかなびっくりISに触れてみるすると。

 

「ッ!!」

 

ISの基本動作、操縦方法、性能、特性、現在の装備、可能な活動時間、行動範囲、センサー精度、レーダーレベル、アーマー残量、出力限界等の膨大な情報が頭の中に流れてくる。

 

「これは!?」

 

 

♦

 

 

そして今にあたる。

 

「まじでどうしよう。帰りたい」

 

個室に連れてかれて三十分ほど経ったから今九時ぐらいか。早く来てくれ、こっちは推薦取り消されるのだったらせめて勉強をさせてくれ。

 

ガチャ

 

やっと来たか。

 

「待たせてすまない」

 

部屋に入ってきたのはスーツでビシッときめた女性だった。

 

「私はIS学園で教員をしている織斑 千冬だ」

 

ん? 織斑? どっかで聞いたことあるな……

 

「あの、もしかして……」

 

「ん? ああ、最近ニュースになっている織斑 一夏は私の弟だ」

 

ああ、やっぱりか。

 

「なんか………大変そうですね………」

 

「お前もな」

 

「ところで俺の推薦ってどうなるんですか?」

 

「お前の進学先はIS学園になるから当然取り消される」

 

…………

 

「はあ………」

 

「そう気を落とすな。逆に考えろ、お前と一夏を除けば女しかいないんだ、俗に言うハーレムという奴じゃないか」

 

「あんたは自分の弟と俺を猛獣の檻にぶち込む気か?」

 

「…………」

 

「なんか言えよ…………」

 

「頑張れ」

 

「他人ごとかよ」

 

「他人だろ?」

 

「生徒としては扱ってくれないのかよ!」

 

なんか残念だよ!

 

「さて、無駄話はここまでだ。これから試験がある、ついてこい」

 

 

♦

 

 

試験会場へ移動中、織斑先生から質問された。

 

「なあ、お前の血縁に戦国 天花という奴はいるか?」

 

「何ですか急に?」

 

「いや、気になっただけだ」

 

「……いますよ。俺の母さん」

 

「………プッ、ハハッ! そうか、あれがお前の母親か」

 

俺の母さんといった瞬間織斑先生はこらえきれず思わず噴き出した。あとあれって言うなあれって。

 

とか何とか話しているうちに試験会場についた。

 

「受検内容はいたってシンプルだ。ISに乗り試験官と戦う。それだけだ」

 

なんだ、もっと難しいこと要求されるかと思ったけど結構簡単に終わりそうだ。

 

「打鉄かラファール・リヴァイヴ、どちらか装着次第始める、早くしろ」

 

 

♦

 

 

装着は何事もなく済み試験を始める準備が整った。ちなみに俺は打鉄を選んだ。

 

「さーて、軽くこなしてやるか」

 

余裕の表情を見せ試験官を待つ。正直言って今の俺は負ける気などは全くなかった。

 

「ほう? 今年の一年は粋がいいな。その自信がはったりかどうか私に見せてくれないか?」

 

そこに現れたのは俺と同じ打鉄を身にまとった織斑先生がまるで現代によみがえった織田 信長のような風格で現れた。

 

「…………」

 

あ、これ無理!

 

「えっとー」

 

「軽くこなすんだろ? 見せてもらおうかお前の実力」

 

無理だこれ! 今の俺じゃ勝てる気がしねえ! だって母さんから聞いたことある! 現役の時織斑っていう目茶苦茶強いIS乗りがいたって! 絶対この人だよな!?

 

「始めるぞ」

 

「え? あ、は、はい!!」

 

もうこうなったら自棄だ! それに母さん言ってたしな!

 

「いくぞ!」

 

「ああ!」

 

『ときには諦めも肝心よ』って!

 

 

♦

 

 

「かんちゃん、ついたよ~」

 

「うん………」

 

私更識 簪は不満を述べたい。日曜朝九時に観たい特撮があった、しかし今日の予定を忘れていた。今日は九時半からIS学園の試験があったことを忘れ、録画を忘れていた。

 

「かんちゃん大丈夫?」

 

「うん、大丈夫じゃない」

 

特撮っていうのはね、なんというか、直接見たいんだよ。時間ぴったりに観たいんだよ。子供みたいに休みなのに頑張って早起きしてテレビ画面越しに見たいんだよ。わかるかな?

 

「かんちゃん?」

 

でもブルーレイやDVDを買えばいいと思っても一話見逃すとなんか気持ち悪いじゃん。

 

「かんちゃん?」

 

「聞いてる」

 

例えるなら自分のことなのに自分抜きで勝手に話すすめられたみたいな。

 

「今日何しに来たんだっけ?」

 

「訊いてる」

 

確かに九時半までここへくる移動時間を考えるとみている時間はなかった。でも、わかってくれるかな?

 

「ダメだこりゃ~」

 

わかるかな!?

 

 

♦

 

 

「順番になったらお呼びしますのでこちらでお待ちください」

 

試験官に案内されたがすぐには始められないらしい。

 

「すぐに始められないのですか?」

 

「ええ………三十分ほど前に始まった試験がまだ終わっていなくて」

 

三十分ってどれだけ時間かかってるの………

 

「ああ! ここにいましたか光里先生!!」

 

しばらく時間がかかるだろうから座って待っていようと思ったその時、緑色の髪をした教師があわてて走ってきた。

 

「どうしました?」

 

「それが! 織斑先生達が…………!」

 

光里という先生に緑髪の先生が耳元で何かを伝える。

 

「!? わ、わかりました! すぐに向かいます!」

 

「「?」」

 

とりあえずついっていってみよう

 

 

♦

 

 

「………えっと」

 

これどういう状況………?

 

「「ハァ……ハァ……」」

 

ISを装着した金髪の髪の長い人と黒髪の髪の長い人が肩で息をして睨みあっている。

 

「……フー」

 

一人が呼吸を整えゆっくり距離を詰める。

 

「フー……」

 

もう一人も息を整えその距離を縮める。

 

「うおぉぉぉぉぉ!!」

 

「はあぁぁぁぁぁ!!」

 

二人は徐に走りだし助走を付けたパンチが互いの胸部に叩き込まれる。その衝撃で互に吹っ飛ばされる。

 

「ぐっ!!」

 

「ッ!!」

 

二人はすぐに体を起こして、打撃での壮絶な打ち合いが繰り広げられる。

 

「ウラァ!!」

 

「あまい!!」

 

ISで殴り壊れたパーツや外装が飛び交うその光景はまさに異様と言えた。

 

『あ、あの! お二人とも! もうシールドエネルギーの四分の一が削られたのでもう十分ですよ!』

 

先ほどであった緑髪の先生の声がアナウンスで聞こえる。しかし二人は全くやめる気配はない。

 

「オゥラァ!!」

 

そして、金髪の人が黒い髪の人を投げ飛ばし、更にカウンターで腰部に拳を打ち込む。

 

「止めだ!!」

 

「なめるな!」

 

黒髪の人は畳み掛けるように攻める金髪の人の打撃を弾き、腰部に拳の一撃を与える。それにしてもあの人たち見覚えがあるような………

 

「ねえ! かんちゃん! あの金髪の人ゴックーじゃない!?」

 

「え!?」

 

本音に言われ確認してみる。金髪で髪が長く、眼の色が左右非対称、それでいてあの足技を主体とした攻撃は………間違いない、魁人だ。

 

「うおぉぉぉぉらぁ!!」

 

「あぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ガズン!!

 

ついに互いのパンチが顔を捉えクロスカウンターのようになり、糸が切れたように二人は倒れる。

 

「「魁人(ゴックー)!!」」

 

「織斑先生!!」

 

二人が倒れると同時にビーッとブザーが鳴る。

 

『両者、シールドエネルギー0、引き分け』

 

「「え!? 終わり!?」」

 

まだ続ける気だったの!?




よし、次からIS学園編だ。

気合い入れて書くぞ。
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