§3 「ガバ」
「はい、じゃあ今日も頑張ってねー。」
北上さんに連れられるまま執務室にやってきた...と言っても、さっき寝ていた「居室」と執務室がドア1枚だけで区切られていたので迷う余地は無かったが...
実に見慣れた風景がそこには広がっていた。いつも見ている自分の鎮守府だ。半分だけ畳の部屋、青いテーブルクロスがかけられた机、コートの掛かった壁...しかし、唯一見慣れないものがあった。
質素な木製の机の上にPC大の、ガラスだろうか、透明な板がある。
よくわからないが、とにかく過去に自分が設置した提督机に着こうとする。
「ちょっとー、そこ私の席ー。」
「え、でもこれ提督づく...」
「提督のは、あっちー」
北上さんが指差すはやはり例の見慣れない机...嫌な予感は...してた...
渋々その簡素な席につく。と突然、画面に艦船の艦影と同心円状に広がる水面波が映し出された。
驚いて変な声をあげていると、館内放送がかかる。
「提督が、鎮守府に着任しました。これより、艦隊の指揮を執ります。」
大淀の声か...大淀のふつくしい声に気を取られていると、目の前の画面が暗転し、次の瞬間いつものボタンが映し出された。透明な画面を透かして見ると、なるほど、いつもの母港画面と一致する。
「あー、なるほどねー...こういう...」
「なるほどねーじゃなくて...ほら、報告書。」
3枚の紙が手渡された。どうやら行かせていた遠征が完了した報告書のようだ。
「えーっと...これを...?」
ごちん!
魚雷で殴られる。
「ここにハンコ押して。もー、これぐらいちゃっちゃとやっちゃおうよー」
「了解です...」
ハンコを押すと北上さんが隣の部屋に持って行った。
北上さんがいなくなった隙に、目の前の画面を操作しようと試みる。が、タッチしても反応なし、マウスとか...も無いなぁ。指に水分無いからダメなのか...?
画面いっぱいに指紋を付けていると戻ってきた北上さんに殴られた。画面を拭くよう命じられる。
「でもこれうごかないですよぉー」
「あー、提督の連打がうるさいからペンタブにしといたよー。ほら、そこにあるでしょ。」
マウスパッドかと思ったらこれ、ペンタブかよ。そしてペンタブ、ここにあったんかよ。
「ペンタブ動かし辛い...」
「んー?」
「いや、なんでもないです。」
「ってか、早く遠征行かせなよ。時間がもったいないよ?」
「あ、そうですね。今すぐ。」
どうやら画面操作はいつも通りでいいようだ。適当に編成を組んで遠征に行かせる...つもりだったが、編成に30分を費やしてしまい、北上さんに2回魚雷で叩かれた。痛い。
このままでは体が持たない。どうにかガバらないように執務をこなさなければ。
一旦ここで更新はストップします。
4話以降はまだ書き途中で、10話位までには終わらせたいと願っています。
要望が多ければ続けますが、まあそんな出ないでしょう。
北上さんと艦これやったられーとんボッコボコやね。
魚雷が炸裂しないのは、れーとんの運がいいからです。