魔法科高校の変人(仮)   作:クロイナニカ

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たぶん、よむひつようはないです。


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 さて、今が何時で何処何処で、というようなことは今回は語らない。

 というのも、この話は今更ながら俺の家庭の話だからだ。

 

 ごく普通の一般家庭で語ることがあるのか、と思われるかもしれない。

 しかし、考えても見てほしい。

 先祖返りに近いとはいえ、魔法が使えるような人間が理由もなく生まれてくるのかと。

 まぁ珍しいというほどの話ではないが、俺が魔法を扱える理由のようなものは存在する。

 普通の一般家庭という言葉に嘘はない。

 ただ、平均的な家庭かと言われると少し違うという答えにはなる。

 

 

***

 

 

 家族構成は父、母、俺、妹の四人家族。

 両親の仕事は、父親が事務員で、母親は専業主婦。

 魔法が使える血筋は母方の物らしい。

 なんでも母親の曾祖母か高祖母が、今でいう古式魔法の家に生まれたのだが、その人には魔法の才能がなく、女性だったからという理由もあり、一般男性の家に嫁入りしたのだそうだ。

 父親も一応素質は有るらしいのだが、その由来は判らず、本人にもその自覚はあまりないらしい。

 なんでも学生時代にやったちょっとした検査でわかったというぐらいの物なのだそうだ。

 

 そんな両親から生まれたのだから、俺も妹も素質を持って生まれて当たり前だと思われるかもしれない。

 

 しかし、妹にはその素質は無い。

 むしろ、妹は欠けた状態で生まれてきた。

 

 五体満足でなかった、というわけではなく。

 欠けたのは色素、もっといえばメラニンだ。

 つまりどういうことかというと、妹こと月山(つきやま) 文香(ふみか)は先天性白皮症、アルビノだ。

 アルビノは、紫外線に弱く、視覚に様々な障害が出る。

 視覚に関しては治療によってある程度回復しているが、紫外線はどうにもなっていない。

 また、骨がとても脆くなっており、転んだだけで骨折することもある。

 その関係で文香は学校には行かず、現在は昼夜逆転した生活を送っている。

 

 では妹はニートかというと、そういうわけでもなく。

 通信教育で中学卒業レベルまでの学習を終えた妹は、現在小説家として仕事をしている。

 まともな人間関係を築けることのなさそうな生活をしている人間に小説なんてかけるのだろうか、と俺は思っているのだが。

 本人曰く、色々な物語を読んでいるから問題なく小説を書けるらしい。

 その証明という訳ではないが、俺の住む家には彼女の買った紙の書籍が、一部屋には収まらないほどある。

 ちなみにその本の七割くらいは俺の部屋に収められている。

 買った本を俺も読ませてもらえるという条件で置かせていたら、いつの間にか部屋の立体的体積の八割が本によって埋まっていた。

 紙の書籍でなければ問題ないはずなのだが、参考書を見ながら執筆するときは紙の書籍の方が都合がいいらしい。

 

 母親も暇なときにはよく読書をしている。

 というか、そもそも読書の趣味は母親譲りだったりする。

 昔は電子書籍で読んでいたが、文香が紙の書籍を買うようになってからは紙の方が好みだと言って、今は端末などで本を読まなくなった。

 

 父親の趣味も読書かというとそういう訳ではなく、父親の趣味はゲームだったりする。

 ただその趣味の理由というものがなかなか悲しいものなのだ。

 親子の交流というのにも色々ある。

 夕食時に学校の話をしたり、休みの日には遊園地などに連れて行ったり。

 だが、我が家の場合、学校の話は俺は授業内容以外に話すことはなく、文香はそもそも学校に行っていない。

 外に遊びに行くのには妹がついていけないし、俺はインドア派なので乗り気にならない。

 そんなわけで、唯一親子の交流がまともにできるのが父親の趣味のゲームぐらいなのだ。

 ちなみに格闘ゲーム以外は俺が全勝している。

 

 

***

 

 

 さて、ご覧のとおり、妹がアルビノだという事以外は普通の家庭だろう。

 しかし、こんな家族にも秘密がある。

 いや、その秘密というのも、ある意味、普通の話なのだ。

 

 俺は自分の能力の事を、あまり家族に話したことはない。

『空間置換』だけは教えてあるけど、本来の能力である『千里眼』については話していない。

 世間体もあるので『空間置換』は家族内の秘密だ。

 秘密というのはそれではなく、秘密なのは『千里眼』を家族に打ち明けた結果だ。

 

 今はそれ程気にはしていないが、未来がわかることについて悩んでいたこともある。

 そのことを両親に打ち明けなかったのは、話してしまうと両親、主に母親が狂ってしまうからだ。

 

 表には出さないが、俺の母親は自分の娘を普通の女の子として産んであげることが出来なかったことに罪悪感を抱いている。

 文香からもそのことについては責められたこともあった。

 

 もし、母親に自分の能力の事を話せばどうなるか。

 もし、そのことを悩んでいたと母親が知ったらどうなるか。

 もし、娘だけでなく、息子も普通に産んで上げる事が出来なかった、出来ていなかったと知ったらどうなるか。

 

 語った結果を予知で俺は何度も見てきた。

 予知の中で何度も親に話し、壊れていく家庭を何度も見た。

 その場面は連続した映像ではないが、途切れ途切れに壊れる過程がわかった。

 

 だから俺は、自分の能力の事を親に話したことはない。

 

 中学生になってからその未来を見なくなったが、俺の記憶には予知した未来が残っている。

 

 簡単に壊れるかもしれない脆い家族。

 それがこの家の至って普通の秘密だ。

 

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