ドラクエVIIIよ、永遠なれ   作:ふーてんもどき

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できるだけ豪華な面子を集めました。


チャゴスを追え!

~ベルガラック~

 

チャゴス「くっそ~。今日もカジノで負けてしまった。また小遣いをせびらなければ」

 

チャゴス「まあムフフな隠し事をしている大臣を脅せばいいか。簡単簡単」

 

子ども1「あ、チャゴス王子だ」

 

子ども2「ほんとだー」

 

チャゴス「ん?なんだ、庶民のガキか」

 

子ども2「やーい、ダメ王子ー」

 

チャゴス「な、なんだと!?」

 

子ども1「ヘボ王子~」

 

チャゴス「庶民の分際でなんだその態度は! 極刑に処すぞ!」

 

子ども1「うちの父ちゃんと母ちゃんも言ってるもん」

 

子ども2「うちも。チャゴス王子は下町のダメ親父みたいだって」

 

チャゴス「僕はそんな風に言われていたのか!? ますます許せん!」

 

子ども1「お姫様にも逃げられたんでしょ。恥ずかしくないの?」

 

チャゴス「それを言うなあああ!」

 

子ども1「怒ったって怖くないもんね~」

 

子ども2「実際、僕らのほうが強いでしょ」

 

チャゴス「馬鹿にするなよ、ガキ共が!」

 

 チャゴスが おそいかかってきた!

 

子ども1「わあい、ダメ親父をやっつけるぞ」

 

子ども2「ニフラム! ニフラム!」

 

 子ども2は ニフラムを 唱えた!

 

 チャゴスを 光のなかに 消し去った! 

 

子ども1「すっげー! お前本当に呪文使えたんだなあ」

 

子ども2「あ、あれ?チャゴス王子は?」

 

子ども1「何言ってんだよ。お前が消したんじゃん」

 

子ども2「そんな……適当に唱えただけだったのに」

 

子ども1「ふーん。で、王子は戻せんの?」

 

子ども2「……」

 

子ども1「………………やっべぇ」

 

 

▼

 

 

~サザンビーク城~

 

クラビウス「よくぞ来て下さいましたな。エイト王」

 

エイト「いえいえ、お困りとのことでしたので。それと公務の場ではないので普段通りの言葉遣いでけっこうですよ」

 

クラビウス「そうか。助かる」

 

エイト「それで、内密に僕個人をお呼びになった理由をお聞かせ願えますか」

 

クラビウス「うむ。そなたにしか頼めないことがあるのだ。暗黒神を倒した勇者にしか、な」

 

エイト「一体どのような……」ゴクリ

 

クラビウス「チャゴスがな……消えてしまったのだ」

 

エイト「消えた、と申されますと、まさかお亡くなりになってしまったということですか!?」

 

クラビウス「いいや違う。もしそうなら、蘇生呪文を使い我々でなんとか出来ただろう。しかし今回のことはそのような生易しい話ではないのだ」

 

 クラビウスは一冊の本を広げて見せた。

 

クラビウス「ここに書いてある、ニフラムという呪文を知っておるか」

 

エイト「いいえ、初耳です。僕の旅の仲間達も使えなかったと存じます」

 

クラビウス「そうか……この呪文の概要を読んではくれまいか」

 

エイト「はい。ええと『これは悪霊払いならびに破邪の呪文である。邪悪で下等な心を持った魔物に有用で、特にアンデッド系に効果がある。呪文が成功したら、敵は光に飲まれてこの世から消え去る』と」

 

エイト「……まさかとは思いますが、チャゴス王子は」

 

クラビウス「そうだ。ニフラムで跡形もなく消え去ってしまったのだ」

 

エイト(うわあ、きっつ)

 

クラビウス「先日、また城を抜け出してベルガラックに行っていたらしくてな。そこの子ども達が遊びでチャゴスに唱えたところ、本当に消えてしまったというわけだ」

 

エイト「その子ども達は今どうしているんですか」

 

クラビウス「ひとまず、決して一般に口外せぬよう、この城に招いてある。有り体に言って監禁状態だ。仮にこのままチャゴスが還らねば、法に則り極刑を下す他あるまい」

 

エイト「ううん。しかしニフラムという呪文でさえ聞いたことが無いのに……」

 

クラビウス「我々も手を尽くして調べたが、ニフラムで消えた人間を元に戻す方法は分からなんだ。無茶なのは百も承知だ。しかし、世界を隅々まで巡ったそなたならば何か可能性があるのではないか」

 

クラビウス「どうかこの通りだ! チャゴスを救ってやってくれ!」

 

 クラビウスは勢いよく頭を下げた。さすがに一国の王にそこまでさせて、断れるエイトではない。

 

エイト「……分かりました。出来る限りのことをやりましょう」

 

クラビウス「おお、流石は救世主だ! ありがとう、ありがとう」

 

エイト(チャゴスはどうでもいいけど、子どもが可哀想だもんなあ)

 

 

▼

 

 

~リーザス村、アルバート邸~

 

エイト「というわけで何か知らない?」

 

ゼシカ「そうは言ってもねえ。ニフラムの存在なら私も知ってはいたけど、それで消えた人間なんて聞いたことすらないわよ」

 

 偶然居合わせたククールが紅茶を飲みながら言う。

 

ククール「身体も綺麗さっぱり消えちまったんだろ?」

 

エイト「うん。そうらしい」

 

ククール「ならザオリクだろうが世界樹の葉だろうが無理だろうな」

 

ゼシカ「実体がないなら手の打ちようがないわね」

 

エイト「やっぱそうだよねぇ」

 

ゼシカ「というか、ニフラムが効くって何気に凄いわよね。どんだけ心汚れてるのよ」

 

ククール「ゾンビキラーで攻撃したら効果抜群だったかもな」

 

エイト「ねえ、気持ちは分かるけどそんなこと言わずにさ、真面目に頼むよ。これでも子ども二人の命がかかってるんだ」

 

ゼシカ「あなたも結構ひどいこと言ってるわよ」

 

ククール「しかし難儀だな。書物にも手掛かり無しか。いっそのこと、竜神王にでも頼んでみるのはどうだい」

 

ゼシカ「あ、それ良いわね。現実では考えられないようなご褒美くれたし、それくらいの願いパパっと叶えてくれそう」

 

エイト「簡単に言うなあ。うん、でもそれしか無いか。行ってみるよ」

 

 

▼

 

 

~天の祭壇~

 

竜神王「久しいなエイトよ。仲間たちは一緒ではないのか」

 

エイト「ええ。今回は竜の試練ではなくて、ちょっとお願いがありまして」

 

 エイトは事の経緯を説明した。

 

竜神王「なんと、よもやニフラムで人が消えるとは」

 

エイト「竜神王様でも驚くことですか」

 

竜神王「うむ。長い年月を生きてきたが、初めて耳にした。恐ろしいことだ」

 

エイト「どうかチャゴスを戻してやれませんか」

 

竜神王「難しいだろうな」

 

エイト「そんな……」

 

竜神王「私の力であれば、肉体の蘇生なら可能だ。しかしニフラムという呪文の特性上、魂までもが消えてしまっているのだ。これを現世に呼び戻す方法は知らぬ」

 

エイト「体なら直せるんですか」

 

竜神王「ああ。だがそれも相手の姿形を知らねばならない。チャゴスとやらの肖像画でもあれば出来るぞ」

 

エイト「肖像画ですか」

 

 エイトはサザンビーク城に飾ってあったチャゴスの絵を思い出した。

 眉目秀麗なあれをチャゴスと言うには無理があるだろう。

 

エイト「無い……ですねぇ」

 

竜神王「それならば残念ながら望みは無いに等しい。魂と肉体との結び付きは非常に重要なものだ。もしチャゴスの魂を連れてきても、器が違えば入ってはくれないだろう」

 

エイト「万事休す、か」

 

エイト「……いや、待てよ。僕は知ってます! 人でも物でも、あらゆる記憶を現世に写し出せる人物を!」

 

エイト「僕たちは旅の途中、その人に二度も助けてもらったんです」

 

竜神王「ふむ。奇遇だな。私も一人だけ心当たりがある人物を思い出したぞ」

 

エイト「え?もしかして」

 

竜神王「恐らく私とそなたが考えている人物は同じであろう。月の住人、イシュマウリ。私の旧知の友だ」

 

エイト「友達だったんですか!? じゃあ会う方法も知っているんですよね」

 

竜神王「無論だ。少し下がっていなさい」

 

 竜神王が杖をかざした瞬間、とっぷりと日が暮れたような闇が訪れた。

 続いて杖から光が放たれ、月のような光の珠があらわれた。淡い輝きは祭壇の門を照らし、色濃い影を作った。

 竜神王が地面を軽く踏み鳴らすと岩の壁がせり上がり、門から伸びてくる影をくっきりと一面に映し出す。やがて影は光を帯びて、その姿を一つの窓へと変えた。

 黄金の窓枠が艶めき、薄絹のカーテンは風もないのにはためいている。

 

エイト「すっげぇ……」

 

竜神王「どうした。早く来ないと置いていくぞ」

 

エイト「あ、は、はい」

 

 竜神王のあとに続き、動揺しながらエイトも窓を開けてその中へと入って行った。

 

 

▼

 

 

~月の世界~

 

イシュマウリ「おや、これはまた珍しいお客だね」

 

竜神王「久しぶりだな。イシュマウリ」

 

エイト「こんにちは。ああいや、こんばんは?」

 

イシュマウリ「やあ竜神の王よ。何年ぶりだろうね。十か、百か。そちらの客人は三度目の来訪になるね。月影の窓が人の子の願いを叶えるのは生涯で一度きり。その機会が幾度も訪れるのは、本当に珍しい」

 

竜神王「月影のハープは現在のようだな」

 

イシュマウリ「しばらく手放していたのだけどね。そこの客人が以前、持ってきてくれたのさ」

 

エイト(背が高くて美形で長髪。耳まで長い。似てるなあ、この二人)

 

イシュマウリ「さて、今回も私に用があるのは人間の客人のようだ。話してごらん」

 

エイト「はい。実はかくかくしかじかで」

 

 エイトは これまでのことを話した。

 

イシュマウリ「なるほど。竜神王にチャゴスという人物の正しい姿を見せるために、私の力が必要だと言うのだね」

 

エイト「ええ」

 

イシュマウリ「それなら容易いことだ。しかし目的は彼を生き返らせること。肉体の蘇生だけでは足りないのではないかい」

 

竜神王「その通りだ。魂を呼び戻さねば意味がない」

 

竜神王「復活させるための、何か心当たりはないか、イシュマウリ」

 

イシュマウリ「そうだね。魂の導き手であれば適任がいる。二人ともよく知っているのではないかな」

 

エイト「ええっ、誰だろう」

 

竜神王「……」

 

エイト「魂の……たましい……」

 

エイト「神鳥のたましい……あっ、レティス! レティスですか!?」

 

イシュマウリ「そう。神の鳥は、肉体を持たずとも自らの魂を現世に残すことが出来る。彼女ならば、私と協力すれば光の彼方に消えた魂を手繰り寄せることも可能だと思うよ」

 

竜神王「なるほど。光明が見えてきたな」

 

イシュマウリ「月と星の位相をずらし、神鳥にここまで来るよう伝えておこう。私たちがチャゴスの幻影を見て戻ってくる頃には、彼女もやって来るだろう」

 

エイト「なんだか大事になってきたぞ」

 

 

▼

 

 

 エイトたちはサザンビーク城に残る記憶からチャゴスの姿を確認し、また天の祭壇に戻ってきた。

 

~天の祭壇~

 

イシュマウリ「美しい城だったね」

 

竜神王「しかしチャゴスというのは肖像画と実際の姿がだいぶ違っていたな。もしも絵の方の肉体を作っていたなら、間違いなく魂が拒絶反応を起こしていたぞ」

 

エイト「でも後はこれで、レティスが来るのを待つばかりですね」

 

イシュマウリ「おや、そう言っている間に到着したようだよ」

 

 イシュマウリが振り向いた虚空に亀裂が走った。卵の殻のヒビのような亀裂が薄く長く、広がってゆく。

 そして次元の裂け目から甲高い嘶きと共に、青白い光を放つ神鳥レティスがあらわれた。レティスは天の祭壇の周りをぐるりと一周し、力強い羽ばたきでゆっくりと門の上に降り立った。

 

レティス「星座の導きに従い、やって参りました。おや、エイト。お久しぶりですね」

 

エイト「レティス! 本当に来てくれたんですね!」

 

レティス「ええ。何やら月の世界の人から呼び出されまして。もしや貴方が関わっていることなのですか」

 

 エイトは辛抱強く、再三の説明をした。

 

レティス「なるほど、そんなことが。ニフラムは私がラーミアと呼ばれていた世界にもありましたが、人間に効果があるとは思いもよりませんでした」

 

エイト「やっぱり何処でもそうなんですねえ」

 

レティス「それで……そちらは現代の竜神王ですね」

 

竜神王「ああ、そなたの噂はかねてより聞いている。暗黒神と闘った大いなる神鳥よ」

 

レティス「いいえ。私の力は微々たるものです。ラプソーンを討ち果たすことができたのは、人間の信念──仲間を信じる力があったからこそです」

 

竜神王「信じる力、か。ほとほと我ら竜神族は傲慢だったのかもしれぬな。かつて地上を支配し、他を省みることをしなかった。故に大戦にもやぶれてしまったのだろう」

 

レティス「そんなことは……」

 

竜神王「私の先代は大戦当時にレティスが共闘してくれなかったと憎んでいた。私も若い頃はそなたを逆恨みすることもあったが、今ではそなたと人間を頼らなかった竜神の不徳を悔やむばかりだ」

 

レティス「いえ、私もあなた方を助けられなかったこと、未だに辛く思っています。亡くなられた竜の同胞にはご冥福をお祈りします」

 

竜神王「おお、レティスよ……」

 

エイト「なんか凄い話を聞いてる気がする」

 

イシュマウリ「ふふ、得てして運命とは奇妙だね。一人の頼み事から、このような出会いが生まれることもある」

 

レティス「頼み事……そうでした。すみませんエイト。あなたのご親族を蘇らせることが優先でしたね」

 

竜神王「つい熱くなってしまったな」

 

エイト「いえ、いえ。チャゴスなんかにお構い無く」

 

イシュマウリ「仮にも肉親だ。そういうことを言ってはいけないよ」

 

エイト「すみません」

 

イシュマウリ「気持ちは分かるけれどね」

 

エイト「あはは……」

 

竜神王「では、そろそろ始めようか。まずはチャゴスの体を復活させるとしよう」

 

 竜神王が左腕に禍々しい魔力を纏う。

 その魔力が徐々に漏れだし、地面に人の影を形作っていく。

 しばらくして、竜神王の手から離れた人影は色を持ち始め、やがてチャゴスの体が完成した。羽根つきの帽子や、樽のような体型までしっかり再現されている。

 

レティス「流石ですね、竜神王」

 

エイト「寸分違わずチャゴスだ」

 

イシュマウリ「器の問題はないようだね。それでは、次は魂を入れる番だ。よろしく頼むよ。神鳥レティス」

 

レティス「ええ、初めての試みですが、月の人の力添えがあれば何とかなりましょう」

 

 今度はイシュマウリとレティスが前に出る。

 イシュマウリが月影のハープを奏でると、その音色に合わせてチャゴスの体が仄かに光始めた。

 

イシュマウリ「たとえ作りたての肉体であっても、その者の生きてきた記憶は宿っているはず。それを呼び起こしながら、魂を復活させよう」

 

 レティスが深く祈りを込めることにより一層強く、チャゴスの体が光輝く。その姿はドルマゲスの呪いから解ける際のトロデ王を彷彿とさせるものだ。エイトは心のなかで「おっさんが光ってるでがす」と叫んでみた。

 

 次第に光は眩いほどになり、そして……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼

 

 

チャゴス「ぬっ」

 

エイト「あ、起きた」

 

レティス「成功ですかね」

 

竜神王「いや、まだ分からん。記憶に食い違いがあるかもしれんぞ」

 

エイト「確かに。ねえチャゴス、意識はハッキリしてるかい」

 

チャゴス「むむむ。お前は、エイトか? なぜお前が僕の側にいるのだ。それよりもここはどこだ。僕は確かベルガラックにいたはずだが」

 

エイト「どうやら、大丈夫みたいです」

 

レティス「良かった。久々の大仕事だったので心配でした」

 

竜神王「身体の重心や骨の密度まで再現するのには苦労したがな」

 

イシュマウリ「これも星の巡り合わせ。面白い体験ができたよ」

 

チャゴス「んん?誰だ貴様ら、頭が高いぞ」

 

エイト「ちょ、ちょっとチャゴス。この方々は君を助けてくれたんだよ。それに王族よりずっと偉いし、罰当たりなこと言っちゃダメだって」

 

チャゴス「がははっ、法皇でもあるまいし、王族より偉い奴などいるはずないだろう。一人、というか一羽など只のデカイ鳥ではないか」

 

エイト「チャゴスってば!」

 

イシュマウリ「おやおや」

 

レティス「これはまた随分と筆舌にしがたい人間を蘇らせてしまいましたね」

 

チャゴス「おい貴様ら。僕を助けたか何だか知らないが、褒美などはせがむなよ。僕はカジノで負けてちょっと金欠なのだ」

 

エイト「お礼くらい言いなよ……僕の肩身が狭いんだよう」

 

イシュマウリ「私は構わないよ」

 

レティス「そうですね。世界を救ってくれたエイトの力になれたので何よりです」

 

竜神王「私も竜神族を救ってもらった恩が未だにあるからな。礼は要らぬ」

 

エイト(神様たちの懐が広すぎる)

 

チャゴス「ええい、結局ここはどこなんだ。僕はもうサザンビークに帰りたいぞ」

 

竜神王「良かろう。私が二人を竜神族の里まで送ってやろう。そこからはエイトのルーラで帰れるな」

 

エイト「はい。本当にお世話になりました。ほらチャゴスも頭下げて」

 

チャゴス「なにっ、僕は世話になった記憶などないぞ! おいやめろ、頭を押さえるな!」

 

 

▼

 

 

~サザンビーク城~

 

クラビウス「おおチャゴスよ、戻ったか!」

 

チャゴス「父上、少し痩せましたか?」

 

クラビウス「うむ。お前のことが心配でな」

 

チャゴス「???」

 

クラビウス「何はともあれ、良くぞやってくれたな、エイト。さぞ困難な道のりであっただろうに。お前ほどの者にはこれから先も巡り会わぬだろう」

 

エイト「いえ、当然のことをしたまでですよ」

 

エイト(本当だよ。神様や異世界の人の力を結集して練り上げた奇跡がこれだよ)

 

チャゴス「なぜ父上がこんなやつを誉めるのですか!?」

 

エイト(なんて残念な奇跡だ)

 

エイト「クラビウス王。これで例の子ども達はお許しいただけますよね」

 

クラビウス「もちろんだとも」

 

チャゴス「子ども? あっ、そういえばベルガラックに失礼なガキがいたな! 父上、あの町には王族を馬鹿にする庶民がいますよ。今すぐに処刑しましょう!」

 

エイト「えぇ……」

 

クラビウス「まあまあ。チャゴスはまだ状況が飲み込めず混乱しているのだろう。詳しい話はまた後にして、今日はゆっくり休みなさい」

 

クラビウス「おい、そこの者」

 

待女「はい。クラビウス王」

 

クラビウス「チャゴスを部屋に連れて行き休ませてやってくれ」

 

待女「かしこまりました。それでは王子、行きましょうか」

 

チャゴス「ううむ……しかしガキ共が」

 

クラビウス「エイトには礼を尽くさねばならんな。トロデーンとの国交もより親密に発展させていこう。それから──」

 

チャゴス(くそう。なぜ奴が誉められているのだ。全てに納得がいかん。モヤモヤするぞ。何かでストレスを発散したい)

 

 悶々とするチャゴスは、スカート越しでも丸い線が分かる若々しい待女の尻に目をつけた。

 

チャゴス「おお、これはこれは」

 

 そしてチャゴスは突然、前を歩く待女の尻を鷲掴みにした。

 

待女「きゃ!? ち、チャゴス王子! 何をなさるのですか!」

 

チャゴス「やかましい! お前は世話係なのだから、大人しく尻でも乳でも揉ませればいいのだ」

 

 抵抗する待女に声を荒げ、チャゴスはさらに尻を揉みしだいた。ついでに胸にも手を伸ばす。

 凶行を止めようとクラビウスとエイトが駆けつける間も、チャゴスのいやらしい手つきは止まらない。

 

エイト「チャゴス、何やってるんだよ!」

 

チャゴス「ぐへへ。お前新入りか? なかなか良い尻をしているなあ」

 

待女「あ、やめっ、……やめてください!」

 

チャゴス「にょほほほ」

 

待女「やめろって、言ってんでしょうがあ!」

 

チャゴス「なんだ! 貴様も王族に向かってそのような態度をとるか!」

 

待女「うるさい、あっち行け変態! バシルーラ! バシルーラァァァ!」

 

 待女は バシルーラを となえた!

 

 チャゴスを はるか かなたへ はねとばした!

 

 

 

エイト「…………あっ」

 

クラビウス「チャゴスが、また消えてしまった……」

 

 

▼

 

 

 こうして、何処へ消えたとも知れぬチャゴスを追う旅がまた始まったのであった。

 

 

▼

 

 

おしまい




チャゴスにはニフラムが効く(確信)。
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