今回から新小説を投稿していきます。ヒロインは真姫ちゃんです。気楽に読んでいただければ幸いです。
天使生誕目録
著者 西木野 雄真
『僕が4歳か3歳だったかよく覚えていないが、この頃僕の人生は一転した。この世界に天使が降臨したのだ。そしてその天使様はこの世界では僕の妹として転生なされた。初めて彼女を見たときから僕は魅了されていた。彼女もまだ生まれたながらにしても僕を見た瞬間笑ったのだ。この天使の笑顔には誰にも逆らえない、そう思った。ではなぜそんな天使様が僕の妹としてこの世界に転生してきたのだろうか。答えは明白だ。神が彼女を悪しき者たちから守る役目を僕に与えたのだ。僕は自分の命すべてを使ってでも彼女を守らなければならないのだ。これは天命なのだから。そして僕たちはいずれ結ばれる。これも神が決めた運命なのだろう。そう、僕たちは運命共同体、いや運命兄妹体だ!僕はいずれ彼女のすべてを知り、すべてを受け入れる。かわいく、いとおしく、尊く、愛らしく、美しく、賢く、気高く、まさに女神のような我が妹。そんな女神であり、天使であるかのような僕の妹の名は、
西木野真k・・・・』
続きをパソコンに打ち込もうとした瞬間、背後から頭部に衝撃が走った。足元を見ると分厚い本が一冊落ちていた。どうやら痛みの正体はこれだろう。誰かが頭部にこの本を投げてきたのだろう。こんなことをしてくる人物は僕の知る限り一人しか知らない。
「何をするんだ!真姫!」
振り返るとそこには赤髪が印象的な少女、僕の妹、西木野真姫が立っていた。
「それは私の言葉よ!さっきから何を書いてるのよ!パソコンにそんな集中して
何かを打ち込むなんてどうせろくな物じゃないんでしょ!」
「酷な物じゃないとか言うな!これはだな、我が天使である妹、西木野真姫の誕生を書き記したドキュメンタリー小説だ。きっとこの作品は公正にも残って僕たちの関係は未来にも語り継がれるだろう。そんな僕の傑作になるであろう作品を愚弄するか。たとえ相手が妹であろうとも許しはしないぞ。ここには僕たちの愛が書かれているのだからな。」
「ほら!ろくなものじゃないじゃない。それに私たちの間に愛なんてないんだから!」
「ハハハ。何かの冗談だろう。愛ではなくloveなら存在するとか・・・。」
「違うから!それにloveじゃなくてlikeだからね!あくまでlikeだから!」
「まったく、これだからツンデレは素直じゃないから困るな。でも安心しろ、お兄ちゃんはちゃんと理解してるからな。」
そう言って真姫の頭を撫でた。すると妹は頬を赤くしながら、頭を撫でている僕を見てきた。
「ちょ、ちょっと!やめてよ、お兄ちゃん!」
「そんなこと言って、本当は嬉しいくせに。ほら、頬は素直だよ。」
笑いながら赤くなった頬を突っついた。赤くなったふくらみを触ると柔らかい感触で指を跳ね返してきた。反応も感触の一流だ。まあ、妹以外の頬を触ったことはないんだけどな。それでもわかる、妹以上の存在などいるわけがないんだからな。
ここで一様妹について自己紹介をしておこう。さっきは途中で邪魔されてしまったからな。まず、今僕に頭を撫でられているのが、天使であり、僕の妹の西木野真姫。成績優秀でこの美貌。まさに完璧な美少女だ。兄は誇らしいぞ。妹は僕と三歳違いで、現在16歳、高校生だ。髪は赤く、瞳はアメジストのように輝いている。あと、学校でスクールアイドルとか言うのをやっている。普段はクールだが、今はおとなしく頭を撫でられている。そんな真姫が何かを思い出したように話し出した。
「そういえばお兄ちゃん、ちゃんと論文は終わらしたの?」
「問題ない。5時間ほど前にとっくに終わったよ。」
「ほんと、こういうところはしっかりしてるわね。」
「もしかして真姫、お兄ちゃんを心配してくれたのか?」
「ち、違うわよ!ママとパパがお兄ちゃんを呼んで来いって言ってたのよ!」
「なんだ、そうなのか・・・。」
「そんな露骨にがっかりしないでよ。」
「まあいいだろう。どうせ論文のことだろうしな。」
「大学生も大変ね。」
そういえば僕についてまだ話していなかったな。僕は西木野雄真。19歳の大学生で医学部に入っている。顔も頭もい完璧な存在で妹思いな妹バカ。現在は論文を書いている。僕についてはこれくらいでいいかな。妹についてならもっと書きたいが、今は親が待っているリビングに向かうことにした。
「おっし、行くか。」
リビングに向かうため、真姫とともに自室を絶った。階段を下りてリビングに向かうと、すでに父と母が僕らを待っていた。
「雄真、そこに座れ。」
僕らの父が自分の向かい側のソファを指さした。
「はい。」
ここは言われるがまま、父の向かいに座った。すると父は真姫にも目をやった。すると今度は僕の隣のソファを指さした。
「真姫も座りなさい。」
真姫も父に言われるとおりに僕の隣に座った。やった、自然と真姫と隣になった。ナイス、お父さん。まあ、父はそんなこと考えずに言ったのだろう。そりゃあそうだ。自分の隣には自分の妻、つまり僕たちの母が座っているから、自然と自分たちの前に子供を座らせるよな。
この後しばらく沈黙が続いた。この沈黙を破ったのは父だった。
「雄真。大学はどうだ?」
「どう、と言いますと?」
「今の状態で満足しているのかという質問だ。」
「そうですね。成績トップで論文も先ほど終わらせたし、今の現状でこれ以上望むものはないかと。」
僕の答えに父も母も同じような表情をした。何かを、決意したかのように。父はまた口を開いた。
「雄真、留学に行く気はないか?」
「留学、ですか・・・」
ええーめんどくせーー。第一外国に行ったら真姫にも会えないじゃないか。そもそも僕が外国に行っている間に真姫にどこぞの誰かが手を出したらどうするんだ?!馬鹿か!という文句を言いたかったが、父にそんなことを言うことはさすがにできない。仕方なく言葉を飲み込んだ。
「・・・しばらく、考えさせてください。」
そう告げると、僕は自室に戻っていった。真姫も父も母も黙って僕の背中見ていた。
自室に戻ると扉の前に立ち、部屋を見渡した。18年近くの思い出がこの部屋の詰まっている。しばらく扉の前に立ってから、部屋の端に置いてある本棚へと向かった。ここには小さいころ、主に真姫がこの家に来てからの日記が並べてある。そっと、並べられた日記の背表紙に手を触れた。何年も前に自分が書いた日記。そのの中には、大体真姫に関することが書いてある。僕は4冊目くらいの日記を手に取った。しばらく、昔の思い出にふけることにした。
第1話は少し少なめにさせていただきました。他の作品だったり色々と用事をため込んでしまっていて。申し訳ありません。次からはできる限り多く書いていきますので。
読んでいただいた皆様に神々の祝福があらんことを