Doctor`s blood   作:EIMZ

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始まりはロリで始まりはツンデレである

 これは遠い昔の記憶。今までは家族三人と使用人数人しかこの家にもう一人の家族がやってきた。ある日突然、一人っ子だったのが兄という存在になったのだ。最初は自覚なんてものはなかった。ただ父に連れられて病院に行くと、そこにはベッドに横になっている母の姿があった。最初は母が病気にかかったのかと思った。しかし僕の予想は外れた。母は僕に気が付くと僕に向かって手招きをした。僕は母のもとに近づいた。

 

「雄真、今日からお兄ちゃんになるのよ。」

 

母はそういうと自分の隣を指さした。その時の僕の身長では母が指さしたものは見えなかった。しかしそのことに気づいた父が僕のことを持ち上げてくれた。父の手を借りて見えた光景には言葉を失った。そこには小さな赤子がスヤスヤと眠っていた。母の父も小さな赤子を黙って見つめている兄と、小さな兄に見つめられる妹の姿を暖かな目で見つめていた。しばらくしてから父の声が後ろから聞こえた。

 

「名前は真姫だ。真の姫と書いて真姫だ。」

 

真姫。妹の名前は真姫。確か僕の名前は真の英雄と書いて雄真だった。ずっと前に父が話してくれたことを思い出した。

 

「雄真、あなたはこれからあなたはお兄ちゃんなのよ。妹はお兄ちゃんが守ってあげなくちゃだめよ。」

 

兄が妹を守る。母は僕が真姫を守ることを望んでいる。そっか、お兄ちゃんは妹を守らなくちゃいけないんだ。父に持ち上げられている僕を見ながら微笑む母の姿を、僕は見つめ返した。

 

「うん!」

 

この時の僕は本気で妹を守らなくてはならないと思っていた。それも真姫が姫だとしたら僕は騎士になるんだ、というくらいの気持ちだった。真の英雄という意味の名前は妹を守るために与えられた名前なんだと思っていた。

 きっとこの時が妹バカな西木野雄真と兄に愛される妹の西木野真姫の誕生だったのだと僕は考えている。

この日は父と一緒に先に家に帰った。その家に帰ってるとき、僕はある決意とともに父に一つの質問をした。

 

「ねえ、パパ。」

「何だ、雄真。」

「人はどうやったら強くなれるの?」

 

いきなりの息子から向けられた予想もしない質問に父は少し動揺していた。そして少し悩んでから答えてくれた。

 

「強さには色々な意味で強くなるというが、父さんの考えで言うと全ては自分に確実的な自信を持っているものが強いんじゃないのかな?」

「確実的な自信?」

「ああ。でもただの自信過剰は強者ではなくただの愚か者だ。」

「・・・どういうこと?」

「いずれわかるときが来るさ。」

 

そいうと父は僕の頭をくしゃくしゃとなでた。この時、父が歩く先には夕日が輝いて見えた。幼いころの僕は父が言ってたことが理解できなかったが一つ確かな目標のようなものだ出来た。この人のように、父のようになれば強くなれるのだと思った。僕たちは再び歩き出した。

 

そしてそれから数日後、母が退院して家に帰ってきた。小さな妹とともに。父からの提案で記念写真を撮ることになった。母と父に挟まれて僕は立って、真姫は母に抱かれている形になった。その時の写真は多分父の書斎に置いてあるアルバムに乗ってあるはず。

その後からはよく覚えている。しばらくは真姫がゆりかごに入っていたのを見ていた。その時にふと思いついたことがあった。真姫の成長を日記にしようと。それから自室に戻り新品のノートを取り出した。

 4月 26日 

きょうも妹の真姫はかわいい。

次の日も

 4月 27日

きょうも真姫はかわいい。

また次の日も

 4月 28日

今日も真姫はかわいい。

 

 ・・・と、以下30ページにわたって同じような内容が続いた。他人からしたら正気の沙汰じゃないかもしれないと思うかもしれない。しかしこれを書いた本人の僕からしたら『そうか、昔から真姫は可愛かったんだな。』としか思わない。あとは字がきれいになっていってるなとか表現の仕方がうまくなっているなとかだろうか。そっと真姫の成長を書き記した僕の成長がわかる日記を本棚に戻した。次にさっきしまった本からだいぶ離れたところに置いてある本を取った。この本は家族で旅行した時の内容を書き記した特別版の日記だ。その日記を開くと予想通りというかぶれないというか、案の定真姫のことしか書いていなかった。どうやらこれは小学校4年生のときの夏休みの内容だった。小4の夏ってなんかのゲームみたいだな。確かこの夏は海が近くがある別荘に行ったんだな。この頃の真姫は小学校1年生くらいか。ロリな真姫も可愛かったな。あの頃は自然と一緒にお風呂に入ったりしたっけな。頭や体を洗ってあげたりしたっけな。・・・いかんいかん。今の真姫の体を洗ってあげるなんていう妄想をしてしまいそうだ。まあ、昔の真姫もよかったんだがな。あの頃は真姫をお兄ちゃんっ子にしようと頑張っていたんだがな、今では結構なパパっ子になってしまった。

 

小学校四年生の夏、お盆になったころ。家族4人で別荘の一つに行った。近くに海もあるから潮風が気持ちい、いわゆる避暑という奴だろう。東京は蒸し暑いがこっちはまだ涼しかった。別荘に一番近い最寄りの駅からは4人で並びながら歩いて行った。僕と真姫を挟んで父と母が歩いた。つまり僕は真姫と手をつなぎながら歩いていた。さすがに恋人繋ぎはしなかったが、真姫の小さく白い手は柔らかくほんのりと真姫の体温を感じた。真姫はまだ小さいから手を握る力はそれなりに強かった。しかしそれだけ兄を信頼しているのかと思うと少し強い力もなんだかうれしかった。

しばらく歩くと目的の別荘に着いた。他の別荘には何度か行ったことがあったが、ここに来るのは初めてだ。初めてが真姫と一緒とは光栄だね。中に入ると、たくさんの家具が置いてあり、家と特に変わらないような気分になった。しかし家と同じようと言えども、家の方が広いここで一つの疑問が頭によぎった。

 

「お父さん、僕らどの部屋で寝るの?」

 

父は僕の質問に少し考えたそぶりを見せたが、すぐに返答した。

 

「一つの部屋に全員寝れると思うぞ。」

「そう。わかった。」

 

たぶんベッドが二つ置いてある部屋だろう。僕と父、真姫と母で一つずつだろう。僕と真姫で一つでいいんだがな。いくら兄妹でも親は許さないだろうな。まあ仕方ない。しぶしぶお父さんと同じベッドで寝てやるよ。そんな考えを持っていると、父が何かを悟ったかのように問いかけてきた。

 

「雄真、一人の方がよかったら部屋があるぞ。」

「?! 本当?」

 

いきなりの血tからの提案に少し戸惑ってしまったが、父の提案に賛同することにした。

 

「じゃあ、一人で寝る。」

 

部屋を決めてから、僕らは海に行くことにした。僕は父と先に水着に着替えて荷物を別荘の前のビーチへ向かった。パラソルにレジャーシート、その他もろもろのものを父がもち、僕まだ軽いドリンクや浮き輪などを持った。

 

「雄真、真姫は海に来るの初めてだから浮き輪を膨らましておいてくれ。」

 

そう言いながらお父さんは含まらすあ機械を取り出し、僕に渡した。

 

「ここに刺せばいいの?」

 

そう言いながら浮き輪の線を指さした。

 

「ああ、ここにこれをさしてこのボタンを押すだけだ。」

「わかった。」

 

浮き輪を膨らまし待っていると、しばらくしてから母と真姫が水着で来た。真姫の水着は白のワンピースでとても愛らしかった。白いワンピース水着を着た真姫の姿はまさに天使のようだった。赤い髪が白い水着で強調されていてとても美しく輝いていた。まぶしすぎる!あ、お母さんの水着はよく覚えてない。興味ないし。

 

「おまたせー」

「待ってるの暑かった。」

 

そういう僕をなだめるかのように僕の頭を撫でた。

 

「ごめんね。でも女の子は色々と時間がかかるの。」

「どうして?」

「いずれわかる日が来るわ」

 

そういうと母はまた頭を撫でた。何だかなだめられたようで少し屈辱。お母さんが僕の頭から手を離すと、お父さんと見つめ合った。

 

「きれいだよ。」

「フフフ、ありがと。」

 

いい年していつまでやってるんだ。そんな親の会話も気にせず真姫がお母さんに話しかけた。

 

「ママ、海。」

「はいはい。あなたお願いしていい?」

「ああ。それじゃあ真姫、行こうか。」

「うん!」

 

真姫はお父さんと海に向かって浮き輪をもって走っていった。そして僕と母はパラソルの下で本を読みながら日光浴をしていた。そして時折海から聞こえる真姫と父の声に耳を傾けていた。そして本の隙間から見えた景色には満面の笑顔で笑う真姫の姿があった。本当に天使のようだ。初めての海で気持ちが高まっているのだろう。その笑顔を見ていると自分の心が浄化されそうになってしまう。自分の心が薄汚れていたように思えてきた。それくらいの威力があったのだあの頃の真姫には。まあ、今も可愛いけどな。

 

小4の時の特別日記はここで終わっていた。ということはこの後真姫に関することは特に起こらなかったということか。わかりやすいな。あの時の海で遊んでいる真姫の笑顔は今でも脳裏に焼き付いている。はあ、あの天使がいまではあんなにもツンデレに成長するとは。まあ、これはこれでいいけど。

今読んでいる章を読み終わるとこの本を片付けた。そしてベッドに仰向けで倒れこむと、最近の思い出を思い返していた。最近というのはもちろん真姫がよくわからないグループに入ってからの記憶だ。まだ新学期になってから1か月たったか立たないかの期間なのに色々なことがあったな。

僕は瞼を閉じて記憶の世界にへと入っていった。




んん~~ロリ!theロリ。めっちゃロリ。
 小さい子を書くのって難しいですね。僕末っ子だから年下いないんですよね。
ああ~妹欲しい。とかリアルで言ったら姉さんにぶたれそう。

読んでいただいた皆様に神々の祝福があらんことを

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