今宵──砂漠の精霊は銀色の月を見ゆ   作:皇我リキ

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ここから先はとおせんぼう

 岩盤が砕ける。

 

 

 コンケリートで固められた地面を砂でも掘るように片手で鷲掴みにして、それを投げ付けるマッシブーン。

 岩盤が直撃したニダンギルは地面を転がって、そこに追い打ちを掛けるようにマッシブーンが肉薄した。

 

「つつく!」

 しかし、その背後からモクローがマッシブーンに向かっていく。

 声に反応したのかニダンギルへの攻撃を中断して振り向いたマッシブーンだが、モクローの姿はその視線の先にはなかった。

 

 次の瞬間、マッシブーンの背後───ニダンギルの倒れている方角からモクローが姿を現わす。

 

「羽音を極力消して相手に悟られないように背後を取る。モクローの特徴を上手く使った攻撃ロト。流石相棒ロト」

「説明ありがとう、相棒。やれモクロー!」

 クリスの指示で、マッシブーンの背後に現れたモクローは嘴を尖らせてその翼を羽ばたかせた。

 

 

 異世界の生き物だとしても、ポケモンとしてのタイプはむしタイプとかくとうタイプだ。ひこうタイプの攻撃は効果が抜群である。

 攻撃を与える事が出来れば、それなりのダメージを期待出来た。

 

 ───攻撃を与える事が出来れば、だが。

 

 

「───マブシッ!!」

「───クロ?! クォゥルルルッ?!」

 背後に目でも付いているかのように、マッシブーンはその剛腕を後ろに回してモクローを鷲掴みにする。

 

 

 そのまま、マッシブーンは掴んだモクローを地面に倒れているニダンギル向けて叩き付けた。

 二匹とも目を回して、これ以上戦う事は出来なくなる。

 

 

「嘘……だろ。も、戻れモクロー! ニダンギル!!」

 すぐさま二匹をモンスターボールに戻すクリス。

 

 

 状況はとてもじゃないが楽観視できる状態じゃなかった。

 街全体を一匹で崩壊させる程に強力なこの生き物。放っておけば死者が出る。ポケモンだって殺される。

 

 なんとしてもこのマッシブーンを倒してしまうか、少なくとも島キングが来るまで足止めをしなければならない。

 

 

 

「……僕達だけで倒してしまえれば、それ以上に楽な事はないけれど」

 それが難しい事は百も承知である。

 

 手段としてはゲンガーのほろびのうたという手があるが、それをするにはゲンガーをあのマッシブーンの懐に潜り込ませなければならない。

 モクローですら懐に入った瞬間に仕留められたのだから、ゲンガーにそれをさせるのは至難の技だった。それ以外に勝つ手段が見つからない以上、何も考えずにリスキーなだけの攻撃を仕掛けるのは悪手である。

 

「悪いなロトム。戦ってもらいたいから、扇風機を探してきてくれ」

「了解ロト!」

 クリスの指示で近くの瓦礫に向かっていくロトム。一般の市民の家にも被害が出ている為、道のあちこちに家電などが落ちていた。

 

 

「マブシァァッ!」

 二匹を倒した事を喜ぶように、マッシブーンは両腕を持ち上げる。

 夜を照らす街灯を芯から抜いて持ち上げて、そのまま地面に叩き付ける姿はクリス達に恐怖を覚えさせた。

 

 

「な、なんかパワーが上がってないか……?」

「クリス君、来るよ!」

 クリスが驚いている間に、マッシブーンは地面に叩きつけられてひん曲がった街灯を片手で持ったまま接近して来る。

 特に早いという訳ではないが、原型を留めていない街灯を持ち上げて向かって来る姿は化物(モンスター)そのものだった。

 

 

「……っ」

「フライゴン、お願い!」

 そんなマッシブーンの目の前にフライゴンが立ち塞がる。

 

 振り下ろされた街灯をドラゴンクローで受け止めるフライゴン。

 足が滑り、地面が削れた。それほどの力だがしかし、フライゴンは息を鳴らしながら街灯を弾き返す。

 

 

「ロトム、エアスラッシュ!!」

 攻撃を弾かれた隙に、扇風機の中に入ってスピンロトムとなり戻ってきたロトムに指示を出すクリス。

 体制を崩したマッシブーンはそれを避ける事が出来ず、攻撃は直撃した。

 

 風圧で砂埃が舞う。

 

 

 やったか?

 そんな事を考えたが、そう考えた時は大体やってないというのが約束だとクリスは苦笑いを零した。

 

 

「───マブシァァ」

 腕を振るっただけの風圧で砂埃を払うマッシブーン。無傷とまではいかないが、その体力を削れているようには見えない。

 

 

「……これは、本気でまずいね」

 確かに同じウルトラビーストのウツロイドも危険な生き物である。しかし、マッシブーンとはベクトルが別だ。

 その腕力だけで全てを破壊し尽くすマッシブーンは、一匹だけでも非常に危険である。被害は数十匹のウツロイドが現れた先日の事件より遥かに大きい。

 

 どうして暴れているかも分からない上に、勝てるかも分からない。経験が浅いだとかそういう事は関係なく、クリスには今どうしたらいいのか分からなかった。

 

 

 

「イリマさんが島キングって人を呼んできてくれるんだよね!」

 頭を抱えそうになるクリスの横で、シルヴィは真剣な声でそう言う。

 

 それまで耐えるしかないのはち重々承知だ。

 その為の方向が分からない。

 

 

「よく分からないけど、こっちから仕掛けなければ時間稼ぎは出来る気がする」

「どういう事……?」

 シルヴィの言葉に、クリスはマッシブーンから目を離さずに横目で彼女を見ながら聞き返した。

 

「あの子、なんだか街を壊そうとして壊してる訳じゃない気がするんだよね……。なんだろ、良く分からないけど。ほら、私達と戦ってる間はそれ以外の事はしてないじゃん」

 シルヴィの言う通り、彼女達との戦闘に入ってからマッシブーンの破壊行動は抑えられている。

 

 戦っているだけで街に被害を与えているが、それが広がっていないのは事実だった。

 

 

「なるほど、受けに徹するって事だね。……その提案に乗るよ」

「い、良いの……? もしかしたら私の勘違いかもしれないのに……」

「あの化け物が何を考えているのか分からないけど、僕達に集中してるってのは間違いない。選択肢としては正解だ。───来るよ!」

 マッシブーンから目を離していなかったクリスは、向かって来る姿を見て直ぐにロトムに指示を出す。

 

 

 エアスラッシュで勢いを落とし、フライゴンがその攻撃を受け止めた。

 

 

 防戦一方だが、今はこれしかない。

 

 

 

 ───島キングの到着を待つ。ただそれだけだ。

 

 

   ☆ ☆ ☆

 

 街の様子を間近で見た島キング───ハラは、唇を強く噛み締める。

 

 

 破壊された街は見るに耐えない状態で、怪我人も決して少なくはなかった。

 自分がもっと早く駆け付けていれば───そんな事を考えるが、彼は頭を横に振って冷静に目の前を見る。

 

 彼について来た少女、リアも同じような事を考えていた。

 自分が島キングと戦っていたからこの惨事に島キングという実力者が気が付けなかったのだから、こうなったのは自分のせいなのかもしれない。

 

 

 それでも彼女はハラと一緒に前を見る。

 今は後悔している暇はない。

 

 

「その、マッシブーンってのはどこだ?」

「今さっき大きな音が聞こえた方角が気になりますな」

 そう言ってハラが視線を向けるのは、北の方角だ。釣られてリアが視線を向けると、大きな音と共に砂ぼこりが舞い上がる。

 

 何が起きたかまでは分からないが、そこに何かが居る事は確かだった。

 

 

「む、今のは……」

「迷ってる暇はないだろ。行くしかない」

 そう言って走り出そうとするリア。しかし、彼女の目の前にフードを被った男が一人立ち塞がる。

 

「行かせねーよぉ……。ここから先はとおせんぼう(・・・・・・)ってな。ヒッヒヒヒ」

 不敵に笑うその男は、フードを外して奇妙な笑みを移す顔を露わにした。

 

 

 紫色の長めの髪。見開いた瞳と吊り上がった口角が特徴的なその男は、同時にモンスターボールを一つ投げる。

 その中から出て来たのはヘドロポケモン───ベトベトン。男の髪の色と同じ体色の身体中から異臭を放ちながら、ベトベトンはリア達の前で身体を持ち上げた。

 

 

 

「な、なんだお前?! この状況見て気でも狂ってんのか?!」

「ワシらは急いでいる。……そこを退いてくれますかな?」

「……だから、行かせないって言ってんだろぉ? どうしても進みたいならぁ〜、俺を倒せば良いじゃねぇかよぉ!」

 奇妙な笑い声を上げて、男は両手を広げる。

 

 

 この時点でハラは、この男が今回の事件の黒幕───ないし関係者だという事は察した。

 だが男の言動は理解出来ない。目的が見えないのである。

 

 しかし、それを探っている時間も惜しい。

 

 

「押し通りますぞ。ハリテヤマ、ストーンエッジ!」

 ハラが投げたボールから出てきたハリテヤマは、間髪入れずに地面にその大きな平手を打ち込んだ。

 

 同時に、岩盤が盛り上がってベトベトンを襲う。

 

 

 吹き飛ぶヘドロ。その威力にリアは少し前までの戦いを思い出して息を飲んだ。

 

 

 

「……良いねぇ、溶かし甲斐がある」

 しかし、男のベトベトンに大きなダメージは見受けられない。ピクリとも動いていないようにも見える。上手く交わされたのだろうか。

 

「デルビル、かえんほうしゃ!」

 すかさずリアもボールを投げて加勢に入った。

 

 

 こんな奴の相手をしている暇はない。

 

 

 火炎がベトベトンを襲う。ヘドロが飛び散って爆煙が舞い上がった。

 

 

「どうだ?! やったか?!」

「いや……まだですな」

 爆煙が腫れる。しかし、ベトベトンはピクリとも動いていない。

 

 

 不敵に笑う男も相まってリアにはそれが不気味に思えた。

 いくらなんでもダメージが通ってなさ過ぎる。本当に攻撃が当たっているのか?

 

 どうして目の前のベトベトンはピクリとも動かない。まるで、ポケモンじゃなくてただのヘドロがそこにあるようだ。

 

 

 

「おかしいと……思っているなぁ?」

 口角を釣り上げて、男は嬉しそうに言葉を漏らす。

 

 そんな男の前にあった(・・・)ベトベトンは、みるみるその形を失って地面に散らばってしまった。

 いや、最初からそれはベトベトンではなかったのだろう。ベトベトンの身体を構成するヘドロの塊。つまり───

 

 

「───みがわり?!」

「ご名答ぅ。自らの体力を使ってみがわりを作り出す技だ。ベトベトンの場合ぃ、自分の身体の一部をそこに置いていく。さぁて、それじゃぁ〜本物のベトベトンは何処だろうなぁ?! ヒャッハハハハハッ!!」

 ハラが気が付いた通り、男の前に居たベトベトンの形をしたヘドロはみがわりだった。

 

 

 そして気が付いた時にはもう襲い。

 

 

「ベトベトン、まとわりつく!!」

 突如ハラの背後から現れた少し小柄なベトベトンは、ハラに向かってそのヘドロの身体を伸ばして来る。

 

 ハラはそれに反応出来なかったが、真横からリアに蹴り飛ばされてその攻撃は避けられた。

 

 

「のごぉ?!」

「悪りぃ、おっさん。おっさんデカいから蹴るしかなかった!」

 全く悪気のなさそうな声でそう言うリア。攻撃を外してベトベトンは苛立ちの表情を見せるが、その主人のトレーナーは笑っている。

 

 

「今の攻撃に反応した……。おもしれぇ……島キングよりも溶かし甲斐がぁ、あるじゃねぇか」

 男は不敵に笑いながら自分の顔を抑えていた。笑いを堪えるように、そして己のポケモンに指示を出す。

 

 

「ベトベトン、どくどく」

 子供と大人の体格差やハラの体格もあり、彼を蹴り飛ばしたリアはその反動で地面に転がっていた。

 そんな体制の彼女に向けて、ベトベトンは猛毒のスモッグを身体から吐き出す。ハラが手を伸ばすが避けられる訳もなく、リアの身体を一瞬で猛毒が蝕んだ。

 

 

「……っ、ぁ゛」

 嘔吐感。同時に吐き出したのは血反吐。

 

 ポケモンが受けても数分の内に動けなくなるような猛毒を人間が受けて、無事でいられる訳がない。

 満足気な表情の男の元に、同じく満足気な表情のベトベトンが戻っていく。

 

 ハラはそんな彼女を見ている事しか出来なかった。

 島キングの自分が、こんな小さな女の子に助けられたという事実よりも───

 

 

「───おのれ」

 こんな小さな女の子を手にかけた男の事が許せない。

 

 

 恥は後で感じれば良い。

 

 後悔も後で幾らでもすれば良い。

 

 

 だが、今後ろを向いても前に進む事は出来ない。ハラは立ち上がって、男を睨み付ける。

 

 

 

「───て、よ……おっさん。待てよ」

 しかしリアは立ち上がって、そんなハラに手を伸ばした。

 

 

「見る方向が違うぜ……。そっちは前じゃない」

 唇を噛みながら血色の悪い顔で、しかし彼女は真っ直ぐ前を向いて口を動かす。

 

 

「あんた……島キングだろ。小悪党と戦うより優先すべき事があるじゃん?」

「リア君……」

「私に考えがある……。島キングとか、島巡りとか嫌いだけど。あんたが強いって事は、分かってるから」

 今にも倒れそうなリアだが、ハラの目を見る彼女の目から光は失われていなかった。

 

 島キングは小声で話された彼女の作戦に目を見開くも、少しだけ考えて頷く。

 

 

 

「お別れの挨拶は済んだかぁ? さーて、次はどっちを溶かしてやろうかなぁ……アッヒヒ」

「デルビル、かえん……ほうしゃ!!」

 余裕で構える男とベトベトンを、デルビルのかえんほうしゃが襲った。

 

「緩いなぁ〜、まもるだ!!」

 爆炎が瓦礫を包み込む。しかし、ベトベトンの前方にエネルギーの壁が現れ火炎は二人には届かなかった。

 

 

 焦げ臭い匂いに爆煙。

 

 

 黒い煙が晴れると同時に、男は不敵に笑う。

 

 

 

「……っ」

 視界に入ったのは毒でもがき苦しんで倒れているリアだった。

 ハラはそれを見ている事しか出来ない。

 

 男はこの瞬間がたまらなく好きなのである。

 相手が毒で苦しむ姿を見るのが、楽しくて楽しくて仕方がないのだ。

 

 

 痺れを切らしたのか、ハリテヤマが指示もなくベトベトンに突進する。

 しかし、ヘドロが飛び散るだけ。またみがわりを発動されていた。

 

 

 

「やれ、ベトベトン。まとわりつく」

 そして、ハリテヤマが近くにいなくなり隙だらけとなったハラを、背後から現れたベトベトンが襲う。

 

 ヘドロの身体で全身に絡みつき、締め上げた。

 締め上げる力もさる事ながら、ベトベトンの身体を構成するヘドロがさらに体力を奪っていく。

 

 

 この時点で男は勝ちを確信した。

 

 

 小娘も島キングも倒れ、残るはポケモン達だけ。

 時間稼ぎだけで良かったのだが、島キングなんてこんなものか。まだあの国際警察のチビの方が溶かし甲斐がある。

 

 

「……つまらねぇ。ベトベトン、トドメをさせ」

「───そうかよ。でもさ、もう少し遊んで行けよな」

 唐突に聞こえたのは、倒れていた筈の少女の声だった。

 

 

「あ……?」

 立ち上がる少女を見て男は素っ頓狂な言葉を漏らす。

 

 どうして立てるんだ。

 それ以前に、この現状でどこからそんな言葉が湧いてくる。

 

 

ゾロアーク(・・・・・)、かえんほうしゃ」

 男を見ながらリアがそう言うと、ハラを包み込んでいた筈のベトベトンの身体が突然炎に包まれた。

 たまらずにまとわりつくを解くベトベトン。ハラが燃えたのかと目を見開いた男の視線に入ったのは、ハラではなく一匹のポケモンだった。

 

 

「ゾロアーク……だと?!」

 ばけぎつねポケモン───ゾロアーク。

 

 相手に幻影を見せるその力でハラに化けていたゾロアークを、ベトベトンはなんの疑いもなく攻撃したのである。

 

 

「ゾロア、かえんほうしゃ」

 続いて、男の近くにいたハリテヤマがその拳から火炎を放った。

 完全にハリテヤマの間合いではないと思い込んでいた男は、その火炎を避けきれずに地面を転がる。

 

 

「……ば、馬鹿な」

 目を見開く男の前で、ハリテヤマはその姿を消した。

 

 否、わるぎつねポケモン───ゾロアが化かすのをやめたと言うべきか。

 

 

 既にその場にはハラも、ハリテヤマも存在しない。

 

 

「とうせんぼう、ねぇ。そんじゃ、今度はこっちの番だぜ。なんかよく分かんないけど、おっさんの邪魔はさせねぇ」

 リアは男を睨みながら、はっきりと前を向いて口を開く。

 

 男はそれを見て不敵に笑った。

 笑いながら、不安定に立ち上がり、ゾッとするような目でリアを見る。

 

 

「……おもしれぇ。最高に溶かし甲斐があるぞ、小娘ぇ!!」

「こいよ小悪党。スカル団の支配するアローラで、好き勝手やれると思うな」

 二人のやりとりを確認してから、近くの物陰に隠れていたハラは地面を蹴った。

 

 

 本当はあんな小さな子供に任せるべきではないだろう。

 

 

 だがしかし、島キングとして彼女を認めていた。認めざるおえなかった。

 彼女は立派な、島巡りの挑戦者だと。

 

 

   ☆ ☆ ☆

 

 視界に映る遺跡を見て、イリマは目を見開く。

 

 

 どうして此処に?

 

 いや、此処だとか何処だとかではなくて。

 

 

 

 どうして君が居るんだ。

 

 

「ライル……君?」

 小さく言葉を漏らすイリマの目の前で、ライルと呼ばれた男は口角を吊り上げる。

 

「よぅ、久し振りだな親友。七年ぶりか。まさかお前が此処にくるとは。……まぁ、この先には行かせないけどな。カプ・コケコは通さない」

 何を言っているかが分からなかった。

 

 

「待ってくれ……何故君が? あの街の騒動は君が主犯なのか?」

「もしそうだとしても答える訳ねーだろバーカ。こういう時、人に物を聞こうとするならどうするか……分かるだろ? ポケモントレーナーならさ」

 モンスターボールを構えながらそう言うライル。イリマは唇を噛みながらも、同じくモンスターボールを構える。

 

 

「街の事だけじゃない。今ここに居る事や、どうしてあの日姿を消したのか。……リア君をどんな思いで一人にしたのか、聞かせてもらいます! ドーブル!!」

「いけ、ドーブル!!」

 二人はお互いに同じポケモンをモンスターボールから放った。

 

 

「七年前の続きをしようぜ。俺はもう、絶対に負けない。……負けさせない。ドーブル、えんまくだ!!」

 黒煙が辺りを包み込む。

 

 

 

 遺跡の奥からは、煙幕をも照らすような光が溢れていた。




ちょっと長くなってしまいました。ソーリー。

シリアス全開。三つの場所でゼンリョクのバトル、スタートです。
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