ソードアート・オンライン 覇王と絶剣   作:高島 秋

30 / 85
遂にSAO編完結です!!!

ここまで長かったですがお付き合い下さり、

ありがとうございました!!!!

では!どうぞ!


第30話 世界の終焉

キリト「ここは…どこだ?」

 

《キリトが今いるところの足場は、分厚い結晶の板だ。透明な床の下には、赤く染まった雲が連なりゆっくりと流れている。どこまでも続くような夕焼け空。赤金色に輝く雲の空に浮かぶ小さな水晶の円盤、その端にキリトは立っていた。》

 

(まだSAOの中に居るのか……?どう見ても、この黒いレーザーコートや長手袋といった装備類はあの時のままだ。だが、その全てが僅かに透き通っているんだけど!?何俺死んだの!?

 

半信半疑に、右手を伸ばし、指を軽く振ってみたら、聞きなれた効果音と共にウインドウが出現する。ということは、此処はまだSAOの内部だ。だがそのウインドウには、装備フィギアやメニュー一覧が無い。ただ無地の画面に一言、小さな文字で、

 

【最終フェイズ実行中 現在54%完了】

 

と表示されているだけだ。これはどういうことだ?)

 

ラン「……キリトさん…」

 

(振り返るとそこには、俺の最愛の人が立っていた。ランも同じように全身が僅かに透き通っていた。

 

夕焼け色に染まり、輝くその姿は、この世に存在する何よりも美しいと思った。重症ですね。)

 

キリト「ラン…また会えたな。」

 

ラン「はい。ところで、ここはどこなのでしょう?」

 

キリト「う~ん、どこだろうな?」

 

(本当に此処は何処だろう?)

 

?「キリトー!」

 

?「キリト君。」

 

(まじか…)

 

アスナ「ここには私たちしかいないみたいね。」

 

ユウキ「そーみたいだね!」

 

ラン「(明るく振舞ってはいるけど…)」

 

キリト「(目の前で最愛の者が亡くなった時って…どういう心情なんだろ…)」

 

アスナ「あっあれは…」

 

 

《遠く離れた場所に見えた、円錐形の先端を切り落としたような形をした物体。薄い層が無数に積み重なって全体を構成している。目を凝らせば、層と層の間には小さな山や森、湖、そして街が見える。》

 

ユウキ「アインクラッド……」

 

アスナ「うん。 そうだね」

 

(まさかとは思ったけど…間違いない…あれはアインクラッドだ。俺たちが二年間の長きに渡って戦い続けた剣の世界だ。

 

色んなことあったけど、思い出深いものばかりだったな…)

 

ラン「全部無くなっちゃうんですね…」

 

キリト「そうだな…」

 

?「なかなかに絶景だな。」

 

《突然聞こえた声の主は…

 

茅場明彦だ。

 

今の茅場はヒースクリフの姿では無く、SAO開発者としての本来の姿だ。白いシャツにネクタイを締め、長い白衣を羽織っている。茅場も消えゆく浮遊城を眺めている。茅場の全身も、キリト達と同じように透き通っている。ここでキリトが疑問に思ったことを口にする。》

 

キリト「此処は、どうなるんだ?」

 

茅場「現在、アーガス本社地下5階に設置されたSAOメインフレームの全記憶装置データの完全消去作業を行っている。 後10分ほどでこの世界の何もかもが消滅するだろう。」

 

(じゃあ、あの数字が100%になったらこの浮遊城が完全消滅するってことか。)

 

ユウキ「あそこに居た人たちは……どうなったの?」

 

茅場「心配には及ばない。先程生き残った全プレイヤー、6147人のログアウトが完了した。」

 

ユウキ「キヒロは…キヒロは!?」

 

茅場「ん?キヒロ君もログアウトが可能な状態だが?」

 

ユウキ「最後…茅場さんとの戦いに決着がついた時に…」

 

?「心配には及ばんぞ。」

 

ユウキ「え?」

 

?「わしじゃ。カーディナルじゃ。」

 

ユウキ「!って、てことは!」

 

カーディナル「うむ。無事に転生したぞ。」

 

ユウキ「よっ、よかったぁ。」

 

茅場「ふむ。初めて目にするがこれはなかなかだな。」

 

カーディナル「流石我が父上なのだ。」

 

茅場「さすがとした言いようがないな。」

 

キリト「…もうひとつ聞いていいか?」

 

茅場「なんだね?」

 

キリト「…死んだ連中は? 今まで死んだ4千人を元の世界に戻すこと出来ないのか?」

 

茅場「命は、そんなに軽々しく扱うべきではないよ。彼らの意識は帰ってこない。死者が消え去るのは何処の世界でも一緒さ。君たちがここにいるのは…単にお話がしたくてね。この時間を作らせて貰った。」

 

(それが四千人を殺した人間の台詞かよ…と思ったが、不思議と腹が立たなかった。

 

俺は長い間疑問に思っていたことを聞いてみた。)

 

キリト「なんで…こんなことをしたんだ……?」

 

茅場「なぜ、か。私も長い間忘れていたよ。何故だろうな。フルダイブ環境システムの開発を知った時…いや、その遥か以前から、私はあの城を、現実世界のあらゆる枠や法則を超越した世界を創り出すことだけ欲して生きてきた。そして……私の世界の法則を超えるものを見ることが出来た……」

 

(へぇ…茅場さんにも、そういう時期があったとはな…)

 

茅場「子供は次から次へと色々な夢想をするだろう。空に浮かぶ鉄の城の空想に私が取りつかれたのは何歳の頃だったかな……その情景だけは、何時まで経っても私の中から去ろうとしなかった。年を経るごとにどんどんリアルに、大きく広がっていった。この地上を飛び立って、あの城に行きたい……長い、長い間、それが私の唯一の欲求だった。私はね、キリト君。まだ信じているのだよ……何処か別の世界には、本当にあの城が存在するのだと……」

 

キリト「ああ……そうだといいな…」

 

茅場「…言い忘れていたな。ゲームクリアおめでとう。 キリト君。」

 

茅場「さて、私はそろそろ行くよ。」

 

ユウキ「まって!!」

 

茅場「ん?なんだね?」

 

ユウキ「ボクを…キヒロのところへ!連れていってください!」

 

茅場「そこに関しては私じゃなくてこの子に聞いてくれたまえ。ではな。」

 

 

 

《風が吹き、それにかき消されるように…気付くと茅場の姿はもう何処にも無かった。》

 

ユウキ「えっ、ちょっと!」

 

カーディナル「お主は我が主のところへ行きたいのか?」

 

ユウキ「はっ、はい!行かせてください!」

 

カーディナル「決して安全では無いかもしれんぞ?」

 

ユウキ「構いません。ボクはキヒロのそばに居たいんです。」

 

カーディナル「……死ぬかもしれんじゃぞ…」

 

ユウキ「覚悟はできています。」

 

カーディナル「うむむ。

 

わかった。二言はないな?」

 

ユウキ「はい!ありません!」

 

カーディナル「じゃ、伝えたいことは伝えとき。」

 

ユウキ「姉ちゃん、アスナ。キリト…行ってきます!」

 

ラン「えぇ、気をつけて。」

 

アスナ「キヒロ君をお願いね?」

 

キリト「頼んだ。」

 

ユウキ「うん!じゃっ!」

 

カーディナル「そんなんでいいのか?」

 

ユウキ「うん!きっとまた会えるから!」

 

カーディナル「そーか…では行くぞ。」

 

シュゥワァン…

 

ラン「…行っちゃいましたね…」

 

アスナ「そうね…あっ最後にみんなの名前教えてよ。あと年齢も。じゃーキリト君から。」

 

キリト「えっ、あぁ。俺の名前は桐ヶ谷和人。多分先月で16歳。」

 

ラン「きりがや……かずと……さん…」

 

ラン「私の名前は紺野藍子です。今年で15ですね。」

 

アスナ「私が一番年上かー。名前は結城明日奈です。17です。」

 

キリト「ランが年上で、アスナが年下のイメージだったんだが…」

 

アスナ「それどーゆー意味よ!」

 

(こうして雑談してたら、あっという間にその時がきた。)

 

(ここは何処だ……?

 

周りをまた感じ、ここはどこかの病院…

 

ってことは。

 

"帰ってきた"

 

ならば俺がやることはただ1つ。

 

ラン…紺野藍子を探すことだ。

 

ゆっくりなんてしていられない…

 

はやく…会いたい…現実世界でのあいつに…)

 

キリト「……ラ……ン…」

 

(喉いった!?って当たり前だよな。2年間使ってなかったんだから…さてと、ナーヴギアとってと。コードもとって。ナースコールするか…)

 

《2年間の戦いを終え、復帰したキリト達…だが、SAO事件はまだ終わってはいなかった…》

 

 

SAO編

 

 

 

~完結~




次回からはALO編です!!!

みんな大好き○べ○ロ○とか、○ー○ァとか出てきたりしマース!

最後に感想とかくれると嬉しいです!

(*´∇`)ノ ではでは~

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。