ソードアート・オンライン 覇王と絶剣   作:高島 秋

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遅くなりましたが更新です。今話題のをちょっと入れこみました。

これからもよろしくお願いします!!

では、どうぞ!


捜査

呼び出された理由はなんとなく察しがついている。恐らく"対象"の捜査についてだろう。SAO内で1人見つけたがそれ以外は見つからなかった。父が言っていた世界に5人いる内の、3人までは確実だ。そして残る2人のうちの1人も見つけたと言っても過言ではない、と思いたい。今はこれを報告するしかないか…

 

「来たか。取り敢えず座れ…」

 

言われるがままに俺は父の前に座る。この場にいるのは俺と父2人のみ…と思っていたが、そこにもう1人現れた…

 

「久しいな。継裕よ。」

 

この人は俺の祖父…身長178、体重85kg。決して太っている訳では無い、なにせ体の75%以上が筋肉という年齢の割には随分ガタイのいいお祖父さんだ。歳は今年で65になるというのに…まだまだ現役で働いている。しかも勤め先は、警察庁警備局警備企画課、その中でも、通称…"ゼロ"と呼ばれているところだ。そしてそこでウラ管理官をしている。表向きは警察庁長官、という経歴を持つ。またICPOにも内通しており、数多くの協力者がいる。その手を伝って"奴"を探して入るのだが、今のところ見つかった報告はない。

 

「お久しぶりです。それにしてもどうしてここに…」

 

そうだ。なぜこの人がここに…

 

「…どうやら、"アレはあの組織"にいるらしい。」

 

俺は激しく動揺した。記憶にはないが、"同じ仲間"がそこにいると思うと、正直な話、気が動転してしまうかと思った。しかし、父、祖父は特に気にしている様子はない。何故なのか。

 

「やはり、そこにいるのですね…」

 

「あぁ、お前の想像していた通りだ。」

 

そうか…そうだ。よく良く考えれば"アイツら"からしたら"奪うのは必然"だったのだろう。恐らくどこかでその情報を入手し、幼子の時から自分たちの手駒として扱おうとしたのだろう…ある意味使い方は間違っていない。たまたまそいつだっただけで、俺だった可能性もあるのか…

 

「潜入している彼らからは何も報告は来ていない。今しばらく時間はかかるだろう。それと、No.4と接触はしたか?裕忠。」

 

「はい。彼は我々の協力者として力を貸してくれるとのことです。今は公安により保護、監視されてます。」

 

「分かった。継裕は引き続き、No.3、No.5の捜索。ぬかるなよ。」

 

「えぇ、勿論です。」

 

「話は以上だ。継裕、私に付いて来なさい。」

 

「はい。お祖父さん。」

 

そうして連れていかれたのは、まだ1度も入ったことのない地下室だった。存在自体は知っていたが、足を踏み入れることは無かった。と言うよりも、階段降りたらすぐ鍵付きの扉があり、それには鍵がかかっていた為入れなかったのだが…地下降りて、左に曲がって数歩進むと右手側に扉があった。何重にもしてある鍵を開け、俺は初めて、祖父の部屋に入った。

 

「これが資料だ。奴らのな…」

 

「奴らって、まさか!?」

 

「俺の息子達が潜入している国際犯罪組織のだ。そこに、先程話した、奴の事が書いてある。」

 

耳を疑った。先程は何も報告は来ていないと言っていた。それなのに何故、ここに情報があるのか。

 

「疑問が生じるのはわかる。だが、それは記録を読んでからにしてくれ。」

 

パソコンを起動し、その人物についてのデータを見る。

 

 

 

 

 

 

 

俺は目を疑った…

 

 

 

 

 

 

 

まさか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"俺とほぼ同じスペック"だとは思わなかった。

 

体内における数値、耐性、頭脳、身体能力だけを見れば俺とほぼ変わらない。つまり…

 

 

 

 

 

 

 

 

もし、闘うことになったら…

 

 

 

 

 

 

 

"ほぼ互角"という事…

 

 

「さらにだ。そいつはその組織においてエリート教育を受けている。あらゆる面でのな。その点に関してもほぼ同等。」

 

「だから、か。」

 

「そうだ。此奴は"お前しか相手が出来ない"」

 

確かに、こんな奴と父や叔父さん達との実力は歴然の差だ…一瞬にして、"殺される"…

 

「あいつらを助けられるのは、お前だけだ。頼んだぞ…」

 

思えば祖父が俺に頼み事をするのはこれが初めてだな、と。

 

 

 

それに彼は気づいていなかった…

 

 

 

まさか奴と、

 

 

 

"あんな場面で遭遇していた"

 

 

 

なんて、想像もしていなかった…

 

 

しかも、

 

 

 

 

"因縁の相手として"…

 

 

 

 

気づいた時には、既に闘いは…

 

 

 

始まっていた。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

部屋に戻るとそこには天使がいた。何故いるかは何となくわかった。何がなんでも交渉するとは言っていたが本気だったとは…しかもよく見ると、俺の部屋の片隅には明らかに旅行用の荷物がある。何日泊まる気なんだと思ったし、客人の部屋は別にあるのにと思ったが、この顔見れば話は別だ。疲れたのか寝てしまってはいるが、寝顔まで美しいとは、神に感謝せねば。頬を突っつくとうにゃとかいう、可愛い寝言を言っている。かなりの写真を撮った。えぇ撮りましたとも。何かいけませんかね?この可愛い寝顔を撮らなくてどうするんですか!?何なら待ち受けに登録するレベルです!

 

取り敢えず起こすか…

 

「おい、木綿季。1回起きてくれ。」

 

「う、うーん…あっ、継裕〜おはよ〜………えっ?」

 

「何がえっ?だよ。それはこっちのセリフだ。人の布団でぐっすり寝やがって…木綿季じゃ無かったら床に叩きつけてるところだったわ。」

 

「それは痛いからやめてあげてね…ごめんね?ボク気づいたら寝てたみたいだね。って、継裕いつも椅子に座ってログインしてるの?」

 

「あぁ、あの椅子心地いいしな。あっ、だから気づかなかったのか…」

 

油断した。起きた時に気づくべきだった…

 

ん?

 

"この俺が気づけなかった!?"

 

「あのね、ボクしばらく泊まることになったから。この部屋に。」

 

ん?今サラッと変な事言った気が…

 

「もう1度確認していいか?どこに泊まるんだ?」

 

「え?この部屋に泊まることになったって、お義父さんから聞いてない?」

 

聞いてないし…てか俺の心臓持つかな…?

 

「もしかして…嫌?」

 

嫌なはずが無い…だが、理性が…いや、自分を信じろ継裕。お前なら出来る。鋼の理性の俺なら…

 

「嫌じゃないけど…わかった。許可するよ。」

 

「やったー!!んじゃ、お義姉ちゃん呼んでいい?ってか起きたら呼ぶように言われてたし呼ぶね!」

 

「はい?」

 

え?なんで!?何する気なの姉貴!!!???

 

「って事で、お邪魔しますね〜」

 

しれっと入って来やがった…もうどうとでもなれ…

 

「じゃー、継裕。ALOについて教えて!」

 

え?それ…?姉さん呼ぶ必要ないんじゃ…

 

toるるるる♪

 

ん?父さん?……!?

 

「悪い、また今度な。」

 

そう言って、継裕は部屋を出てしまった…あーあ。折角お話できると思ったのに…

 

「…ごめんね木綿季ちゃん、継裕について知りたいことあるなら私が答えるわ。」

 

「ううん、継裕から聞きたいから…」

 

「そう、ね。じゃ、恋バナしよっか!」

 

「ふぇ?」

 

いきなり?でも、お義姉さんのも気になるし…

 

「うん!いっぱいしよ!!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「話は終わったんじゃなかったのか?」

 

「すまんな。ついさっき菊岡くんから連絡があってな。伝えておこうと思って。」

 

「菊岡?なぜあいつから…」

 

「例のやつの調査らしいが、外部で捜索するには限界らしい…今わかっている情報はこれだけだとという報告が来た。」

 

そこに置かれたのは数枚の紙束、それは俺が依頼した調査の報告書だった。どれを見ても大したことは書いてないが、1つだけ、有難いものがあった。

 

 

藍子君の画像で間違いない。彼女の座標は世界樹の枝にある籠から出れないよう固定されている。外部からはこれ以上深追いはできない。あとは頼んだよ。継裕くん。

 

 

籠…つまり、須郷が意図的にそこに置いているとしか考えられない。そして、旧SAOサーバーは彼の管理の元だ…恐らく、約300人の座標もそこにあるはずだ…いや、菊岡さんの報告で、確定した。外は削った。あとは中からこじ開けるのみ!

 

 

 

救出作戦が、いよいよ正念場を迎える………!!!

 

 

 

 

 




これが肝になるところですね。
これからのstory展開に大きく影響するのが、
書かれていると言っても過言では無いでしょう!

(*´∇`)ノ ではでは~

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