ソードアート・オンライン 覇王と絶剣   作:高島 秋

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最近更新出来てめちゃんこ嬉しい!!

これからも楽しく書いていきまーす!

では、どうぞ!


第41話 決着

「死ぬなよって、SAOじゃないんだから…」小声

 

確かにキリトの言う通りだが…なんせALOは須郷が作った物。俺達を消す為なら手段は問わないだろう。それに、これはキリトと同じだが…"例え仮想世界であっても、仲間が死ぬのを見るのは嫌"と言うのが大きい。故に、死者0でいきたいのはそれが理由だ。

 

「いくぞっ」

 

扉を開け中に入るととてつもなく広く、高いドーム状の中に入った。SAOのボス部屋よりかなり広いし上にちらっと見える扉までの距離もそこそこある。なるほど、確かにこれを攻略するのは楽ではない。たが、俺達はどんな困難にぶち当たっても乗り越えなければならない。2人の仲間を救う為に…

 

「俺とキリトで切り込む。2人は後方支援。」

 

「「了解!!」」

 

だが、この割り振りは特に意味なかったことがすぐ分かる。何故なら、敵は前衛後衛関係なく攻撃してくるのだ。何かしら動作をした時点で敵として認識されるみたいだ。つまり、ヒーラーとしての役割を果たすことは不可能。仕方なくリーファ達は上に上がってきた。

 

「リーファちゃん。これって凄く大事な事なんだよね?」

 

どう答えるか迷っていた直葉だが、言葉を慎重に選び答える。

 

「…うん、今だけはゲームじゃないの。」

 

その返事を聞き、何かを覚悟したような表情をするレコン。そしてすぐ男の顔になり、補助コントローラーを使いながらフラフラと上空へ上がっていく。何かのスペルワードを唱えながら…

 

 

あれって確か、闇属性の…

 

3人が見届けている間にレコンの周りを魔法陣が囲い、そして一気に爆散した。その威力は絶大なもので周りのガーディアン達は一瞬にして消え去った。レコンはと言うと…

 

 

リメントライトと化していた…

 

 

 

つまり彼は"死んだのだ"

 

 

仮想世界としてだが、彼は今死んだ。仲間を助ける為に…

 

 

「自爆魔法…」

 

デスペナ相当あるのに…あいつは弱いながらも一生懸命この世界を生きていた。ここまで積み上げてきたものは本物だと私は保証する。あいつの為にも、負けられない!!

 

3人が突っ込む寸前、新たな援軍が来た。

 

 

「済まない、遅くなった!」

 

サクヤ達だ。彼女らは間に合わせてくれたのだ。

 

「シルフ部隊、エクストラアタックよーい!!」

 

「ドラグーン隊、ファイヤブレスよーい!」

 

「放てー!!(撃てーー!!)」

 

その合図と共に放たれた一撃は想像を絶するものだった。前にいたガーディアン達は半分ほど消え去った。だが、まだ半分残っている。そろそろ俺の出番かな?

 

「全員下がれ!!巻き添え食らうぞ!」

 

そう言って俺は皆を後に下げる。ここまで数秒足らずだが、ガーディアンの数はほぼ戻りつつある。やはり、攻略させる気は無いのだ。いくら技を放とうが突破することは不可能。ならば…

 

"湧き出るのを止めてしまえばいい"

 

 

「ゾルフ・メドウン(力場停止)」

 

キヒロが謎の技を詠唱した後、何故かガーディアンが湧き出るのが止まった。そしてその後また聞いたことない技を発動する。

 

「ラムズ・アルサーロス!(降り注ぐ雷槍)」

 

シルフ、ケット・シー両種族ですら消しきれなかったのを一瞬にして消し去った。当然、その場に居合わせた者達は隣の者と話し始める。"彼は何者なのか"と。だが、それは俺にとっては些細な問題だった。今こうしてラン達への道が切り開けたのだ。このチャンスを逃すわけには行かない!

 

「あまり時間は持たない!!行くなら早く行け!キリト!!」

 

予想通りだが、カーディナルに目をつけられた。もう長くは使えないな…

 

あとは頼んだぞ、キリト…

 

「リーファ、俺のこのアバターはもう時期消える。だが、心配はするな。必ず戻ってくる。仲間達は引かせろ。いいな?」

 

彼はそう言い残し、静かに消えた。これは推測に過ぎないけど、きっと運営かなにかに目をつけられちゃったのだと思う。まぁ、あれだけの強さはチーターになっちゃうから仕方ないけどね…さてと、サクヤ達を引かせないと。

 

お兄ちゃん、頑張って。

 

「うぉぉぉぉぉおおおお!!!!」

 

俺はただひたすらに叫んだ。敵が来ようが兎に角突き進んだ。結果、扉にたどり着いた。だが、それは管理者でないと開けないパンドラの箱だった。そこで、あのカードを思い出した。咄嗟にユイにコードを転写してもらい、そして…

 

扉は開けた。

 

これでやっと、ランに会える!

 

 

「シルフてったーい!!」

 

こうして、世界樹攻略は終わった。

 

 

 

「ふぅ。」

 

現実世界に帰ってきた時には既に14時だった。あれから2時間も経っていたのかと少々驚いたが、こんなものだろと自分を説得し、父に報告しに行く。

 

「父さん、世界樹の内部に入ることに成功しました。」

 

少し耳が動いた程度で他には反応を示さなかった父。

 

「そうか、ご苦労だった。この後どうする?」

 

この後、恐らく須郷とキリトの決着になるだろう。となるとアイツの保護のために、近くにいた方がいいかもしれない。確か明日奈は埼玉の方の病院だ。今から行かないと夜になる。

 

「取り敢えず、須郷がバレてどう動くか不安な部分もある。今から所沢に向かおうと思う。」

 

「そうか、後処理はこちらでする。何かあった時は、"その力"を使え。」

 

「勿論、そのつもりです。では、失礼します。」

 

まぁ、アレを使う必要は無いだろうがな…

 

 

 

「はぁ〜」

 

やっぱり継裕さん変人だな〜

 

なんであんな人が好きなんだろ?それとも錯覚かな?うん、きっとそうだ。だってあれ以来特にドキドキしたりする事ないし、その場の空気のせいだきっと。にしても、あのお兄ちゃんが青春してるとは思はなかったなぁ…あのPCオタクのお兄ちゃんが。彼女さんもとても綺麗だし…うーん、どんなところに惚れたんだろ?まぁ、優しいけどそれ以外あんまりぱっとしないけど…

 

ってお兄ちゃん恋愛に興味あったのかな?すごく疑問。

 

 

ドタバタ音がするなぁ、帰ってきたみたいだね。

 

「お兄ちゃん終わった?」

 

「あぁ、全部終わった。今から病院に行こうかと思ってるところ。」

 

「はーい、行ってらっしゃい!」

 

今度はちゃんと会えるよね?

 

 

須郷…まさかあんなに非人道的な奴だったとは…

 

あの時、あいつが俺を助けてくれたのか?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「奴はゲームマスターなんだ…」

 

「それはあの戦いを汚す言葉だな。

 

さぁ、

 

立ちたまえ、キリト君。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ありがとよ、茅場。」ボソッ

 

 

16時10分前。

 

「くそっ、あのガキ…痛いじゃないか。僕の目を、どうしてくれるつもりなんだあのガキは!?おい!あいつは必ずここに来る。しっかり痛めつけろよ!?」

 

 

何も知らないキリト、忍び寄る闇の手。キヒロは今東京北千住に来たばかり。間に合うのか。

 

 

恐らく、須郷は激昂している。キリトに対して暴力沙汰になっても、何も違和感はない。寧ろそうなるだろう。急がねばって、思ってるけど少し後ろの方からサイレン聞こえてくるんだよなぁ…法定速度守って行こうと思ってたけど、こればっかりは仕方ないな。久しぶりに映画ばりの抜きをしようかな。

 

そう言って俺は、車のハンドルを切った。次々と牛蒡抜きにして行き、サイレンの音は段々と遠くなっていった。

 

「うわっ!なんだあれ!?」

なにあの人!?どんな抜き方だよ!?

 

 

 

 

今から迎えに行くぞ、ラン…

 

 

ドカッ

 

 

なっ!?今、誰かに殴られ…

 

 

「遅いよ、僕が風邪ひいたらどうするんだよ…」

 

そこには右目が限界まで開いている須郷がいた。俺が剣を刺したところだ。確かペインアブソーバをレベル0の状態で刺したから…その影響がここまで及んでいたとは…と言うより、なんだこの人の数。あいつ含めて6人…部下か?

 

「悪いけど、君には死んでもらうよ。最も痛めつけてからだけどね。」

 

「なっ!?」

 

まずい、今の俺は黒の剣士、キリトでは無い。剣もなければただの高校生。大人6人に叶うはずがない。

 

 

ん?あれは、和人か!?大人に殴られてる!?くそっ!ここでもう降りるか!

 

そう言って、乱暴に車を横付けし、集団に向かって全力で走った。あと5秒程で着くだろう。だが、彼らは和人を殴る蹴る事にしか注意が向いてないらしい。今なら、奇襲できる。

 

まず、1人。

 

ドサッ

 

「なっ、誰だ!君は!」

 

「悪いけど、あんたに名乗るつもりは無いよ。それより、よくもキリトを…」

 

助けに、来てくれたのか…にしても凄い殺気だな…助けられてるはずなのに、こっちまで体が震えてくる。

 

「さぁ、命惜しくないものから来な。」

 

そう言われて、舐めてると思われたのが癪だったのか須郷除く者達はナイフを取り出し、一気に継裕に斬りかかった。継裕はそれを華麗にすべてを交わし、尚且つ交わしながらナイフを持っている腕をことごとく折っていくという神がかったカウンターをした。当然男達は悶絶し、明らかに闘志を失っている。とてもさっきまで襲っていた表情の欠けらも無い。只今は虎に睨まれたネズミみたいな顔してる。

 

「まだ腕1本だからな。あとどこがいい?左腕?それとも足?選んでいいよ?」

 

継裕はキレていた。和人もそこそこ仲間意識は強いほうだが、継裕も、特に大事に思ってる人に対しては過剰と言うほど守るという意識が強い。彼は相手にキレているのもあるが、自分にもキレていた。もっと早く来れなかったのか?もし来れてれば、和人が、傷を負うこともなかったのにと。そんな状態になった彼を止めるのは不可能だった。結果、須郷の部下達は2本以上手足を折られた。残すのは須郷ただ1人。流石の彼も、継裕の異常ぶりに恐怖していた。

 

「まっ、待ってくれ。金は出す!桐ヶ谷君の治療費も出す!研究も捨てる!」

 

必死に許しを扱いた。だが、腹の内はそんな気が無いのは継裕にはバレバレだった。

 

「そんなこと当然だろ?何言ってんだお前。んじゃ、目1個で勘弁してやるよ。どうせ見えてないんだし」

 

そう言って、継裕は須郷の右眼、異常状態になっていた右眼を抉り出した。流石に和人もそれには驚いた様で、これ以上する前に止めようと思った。

 

「継裕、これ以上はもういい。と言うよりやり過ぎだ…」

 

確かに、少しやり過ぎだかもしれないな…

 

「和人がそう言うならもう止める。後処理は任せろ…藍子のところに行ってこい。もう、目を覚ましているはずだ。」

 

「あぁ、ありがとな…」

 

継裕…少しは丸くなったと思ったけど…

 

 

「継裕、少しやり過ぎだ。我々より先にその辺の刑事が先に来たらどう説明するつもりだった。」

 

「申し訳ありません…以後気をつけます…」

 

「だが、捉えた事には感謝する。後は任せろ。」

 

 

後日、レクトのVR部門による非人道的研究が公に明かされた。これにより、レクトは大ダメージを受け、仮想世界も無くなると思われたが?

 

 

「どうだエギル?」

 

「凄いもんだなこれ。これ残したのが茅場だとは…あいつも仮想世界が好きなんだろうな…」

 

ヒースクリフ、茅場晶彦が残した世界の種子、ザ・シードは簡単に言えば、それをダウンロードさえしてしまえば誰でも、仮想世界を作り出すことが出来る代物だ。これのお陰で、1度は死んだと思われた夢の世界が、生き残った。

 

 

そして、ALOが新しい会社に引き継がれた後の最初のアップデート。なんと…

 

アインクラッドの復活だ。

 

SAOをプレイできなかった者達へのご褒美だろう。勿論、元は剣の世界である為ソードスキルも復活。更に、ALOと合体した事もあって魔法有りの剣の世界というまさに夢の世界へと変貌を遂げた。攻撃パターンが増えた為当然、ボスの強さもあの頃とは桁違いになるだろう。だが、今の俺には仲間がいる。俺達なら、どんなクエもクリア出来るはずだ。さぁ、新しいく生まれ変わった世界を存分に楽しもう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………見つけたわ、ソロモン王よ…………」

 

 

 

忍び寄る闇の手…

 

ここから新たな物語が始まる!

 

 

 




継裕…大暴れしちゃいましたね…彼は人一倍仲間思いなので…

そして新章匂わせる台詞!

乞うご期待!笑

(*´∇`)ノ ではでは~

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