銃のこと詳しくは分からないですが頑張っていこうと思います!
そしてついにあの子が!?笑
推しの方もいるかもですね!?
では、どうぞ!
「ここはぼくが持つから、なんでも好きに頼んでよ。」
「言われなくてもそのつもりだ。」
つっけんどんに答えてメニューに目を走らせると、恐ろしいことに最も廉価なのが"シュー・ア・ラ・クレーム"1200円也で、反射的にブレンドひとつと答えそうになるが、よくよく考えれば目の前の男は超高級取りの官僚であり、それ以前に支払いは交際費、つまり国民の血税によって行われるのだ。阿呆らしくなった俺は、平静を装った声で次々にオーダーした。
「ええと…パルフェ・オ・ショコラ……と、フランボワーズのミルフィーユ……に、ヘーゼルナッツ・カフェ。」
「かしこまりました。」
たったのあれだけで3900円だ。本当ならその辺のバーガーショップにでも行って差額分をよこせと言いたくなる。ちなみに、何が来るかは全く分からん。
糖尿病になるんではないかと思うほど生クリームの乗った巨大プリン(こちらもカラメルが異常なほどかかってる)を食べている男、菊岡誠二郎は特に目立つような格好もせず、顔立ちもぱっとしない男だがこんなのでも国家公務員のキャリア組なのだ。所属するのは総務省総合通信基盤局高度通信網振興課第二別室、省内での名称は通信ネットワーク内仮想空間管理課、通称"仮想課"。
つまりこの男は、現在無秩序な氾濫状態にあるVRワールドを監視する、国側のエージェントもしくはスケープゴートというわけだ。本人はことあるごとに飛ばされたと我が身を嘆いているが、それはまぁ、事実であるだろうと俺も思う。だってこんな変な人、あんまりいないし…
「遅くなって申し訳ないな菊岡。あれ?和人もいたのか。」
聞き間違えるはずのない声が俺の耳に届いた。何度も死の淵をともにしたやつの声だ。でもなんでここに?予想はしていたが本当にこいつだとは。
「よく来てくれましたね継裕君。今回も頼むよ。」
今回も?前回は一体何を…
「本来は"逆"だがこの際仕方ない…話が話だ。あっいつものやつ頼む。」
「かしこまりました。」
そう言って先程のウェイターは去っていく。え?何こいつ来慣れてんの?菊岡さんもそうだけど、こいつも中々掴めない男だよなぁ…
「で、話ってなんだ?菊岡。」
「うん、最近バーチャルスペース関連犯罪の件数が増え気味でね…」
「本題は?」
継裕の方が年下のはず、さらに言えば一学生に過ぎない継裕の方が明らかに菊岡さんより立場が高いように見えるのは気のせいか?さっきから呼び捨てだし。菊岡さんはそう言うの気にする人ではないけど引っかかるな…まぁ、理由はどうであれ手短に済むに越したことはない。だが菊岡さんはこれで諦めるような人ではなく、小さい事件から次々と俺たちに意見を求めてきた。優越感と劣等感のバランスをどう保っているかという話の時には彼女がいると答えたがこれは今考えれば死ぬほど恥ずかしい答えだった。
現実世界で優越感に浸るためにはかなりの努力をしなくてはいけない。ここで菊岡さんは、受験で死ぬほど勉強したが東大には落ちたといったら、継裕の奴が
「なんであそこに落ちるんだ?」
と、恐らく本人には何も悪気はないのだろうが菊岡さんの反応を見る限り、かなりの大ダメージだったようだ。今はただの屍みたいだ。
結論として、VRワールドは優越感に浸るためにはうってつけだということ。そして、"VRでの強さが、現実を侵食する"という事だ。どうやらここまでの話は、今日の本題を話す上でのことだったらしい。継裕にとってはかなり遠回しになったらしいが…
「誰だ?」
「ええと、先月の14日にこの男性が死んでいるのが発見された。死後5日半。部屋は荒らされた形跡はなく、遺体はベットの上に横になっていた。そして頭にはアミュスフィアを装着していた。」
話によるとこの変死した男は2日間"ガンゲイル・オンライン"というゲームにログインしっ放しだったらしい。悲惨な話だが、この手の変死はよくある。飯代は浮くしゲームに時間を費やせるしで2日に1回の食事ペースの人もいる。そんな事をしていれば心不全で死ぬなんてこともざらにある。一体何がいいないんだこの男は…
「要するに、"VR内での死が現実世界に影響した"と思うのだろ菊岡?」
継裕の言葉を聞き、菊岡さんは静かに首を縦に降った。どうやらMストに参加していたプレイヤーが突然落ちた。そしてほぼ同時の時間。奇妙な出来事があったらしい。
GGO内で死んだ男のアバター、ゼクシードに向かって発砲。その僅か数秒後にこの男は現実世界から永久退場したという事だ。さらに驚きなのが同じ事件がもう1つあり、そして同じやつの仕業という事だ。そしてその謎な奴はこう言い残している。
俺の名前は死銃、デスガンと…
「確かにきな臭い事件だな…」
「しかも死因は脳死ではなく心不全…これまた厄介だな…」
継裕の言う通り、アミュスフィアをかぶっている時点で脳死することは無い。これは菊岡さんも言っていたから間違いはない…では一体どんな方法で?
「……………被害者は全員一人暮らしか?」
「済まない、そこまでは手が回ってないんだ。そもそもこんな偶然に近いことに人を割けなくてね…」
一時期イマジェネレイター・ウイルスが話題になったが、あれでも死者がでることは無かった。他に心臓を止める程のものがなにかないかと考えたが、結果特に何もではしなかった。無駄な時間を過ごしたと思い、席をたとうとした時、継裕に止められた。渋々座ることにする。
「要するに、そこまでの結論が出ていながらこんな長ったらしい話をし、要件はただ一つ。その謎のアバター、死銃に撃たれて来いってことだろ?」
何言ってんだ継裕と思ったがどうやら本当にその気だったらしい菊岡さんを見てめちゃくちゃ腹立たしいっていったらありゃしない。しかも嫌なところが、先程の話で死ぬ事は無いということで話をまとめてしまったがためにうまく断る言葉が見つからない…先程の話はすべて、ここで逃げないように外堀を埋めたというわけか。まんまと1杯食わされた…
「それに俺は飛び道具苦手なんだ…他を当たってくれ。」
「それに関しても問題は無い、頼むよ継裕君。」
え?
「そゆことだ。いっちょよろしく頼むな。」
こいつもグルだったのか…
こうして、謎の人物…死銃を追うこととなった…
「すべて計画通りねここまでは…」
「貴様は、やらん、のか?」
「私?私の手を借りるほどでもないでしょ?」
そう言って彼女は立ち去った。
「最初から知ってたな継裕〜まんまと騙されたぜ…」
「悪い悪い、でもこうでもしないとヒキニートのお前は出てこないと思ってな。」
心外だが間違ってはいないから否定出来ないのが、とてつもなく悔しい。
「まぁ、それはもうお咎め無しにしてやる。それより継裕はGGOやってたんだな。」
「ん?まぁな。結構ハマっちまってよ…次のBobには出るつもりなんだ。」
「てかそれに出ないと接触出来ないんだろ?」
「ああ。正直言って、金が足りないと思うぞ?何なら貸してやるが…」
「いや別にいいよ。何とかするさ。」
「まぁ、カジノっぽいやつもあるしそれで稼ぐしかないな。」
不穏な言葉が聞こえたのはおそらく気のせいだ…気のせい…
となると、1回コンバートしなきゃ行けないからってこと考えると中々大変だな…エギルに頼むしかないな。それと、少し潜ってみてみないとな。いきなりってのも大変気を使うことになるしな。となると、癪だが継裕に頼むしかないか…
「今日空いてるなら早速入るか?」
先に言われたし!でもまいっか。
「おう。頼むわ。」
こうして、少し変わった調査が始まった。桐ヶ谷和人にとっては因縁の相手とも知らずに…また継裕にとっても会いたくはない人であろうに…
全然オリジナル要素作れんかった…やっぱり最初は難しいよね。
随時感想等お待ちしてまーす!
(*´∇`)ノ ではでは~