ソードアート・オンライン 覇王と絶剣   作:高島 秋

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ひとまず区切りをつけました!
では!どうぞ!


第50話 因縁

「な、キリトが…負けた!?」

 

クラインがそう叫ぶ。たった今、キリトはある1人の女性に負けたのだ。それも剣の勝負で…幾らHPに差があるとはいえ、幾重にもなる実力差の壁があった。後にキリトはこう言っていた。まるでSAOでのキヒロみたいだと。

 

 

「和人さんが…負けた…?」

 

藍子は信じられなかった。自分を守ってきてくれ、救ってくれた彼がいとも簡単に負けたからだ。だが、藍子が驚くことは他にもあった。木綿季の肩が震えていることだ。それを姉である藍子は見逃さない。すかさず理由を聞いた。

 

「どうしたの木綿季、そんなに震え」

 

「あの人…ボク知ってる…ううん。知ってるなんてレベルじゃない。"戦ったことある"。」

 

なんと木綿季はモニターに映る彼女と戦ったことがあるという。

 

「あの世界で……?それで、結果は………?」

 

「結果は……

 

 

 

 

 

ボクの完敗だったよ…

 

 

それに剣の腕は、純粋にボクより上だよ…」

 

藍子は驚愕する。SAO内でのデュエルで木綿季が負けたことを見たことは無いし、それは今においてもそうだ。誰かから、木綿季が負けたことを聞いたことがない。それにただ負けたのではなく、はっきりと"完敗"と言ったのだ。しかも負けず嫌いの木綿季がだ。さらに褒め称えるとは少し異例だ。

 

「木綿季ちゃん、あの女の人とはどこで知り合ったの?」

 

そばで話を聞いていた安芸さんが木綿季に尋ねる。

 

「継裕と一緒にいた、"アルマトラン"で知り合ったの。名前はアルバ。強くて優しいいい女の人だった…」

 

 

"アルバ"

 

 

このワードを聞いた安芸は思わず立ち上がってしまった。その名前は、継裕の父親から聞いていた名前と一致したからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アルバと呼ばれた女性はキヒロに向かってこう言った。

 

「また、大切な人を助けられなかったわねぇ〜キヒロ。」

 

アルバはニヤニヤしながらキヒロに向かってそう言った。

 

「アルバ…お前は、何しにこの世界に来た…?」

 

キヒロはアルバにそう問う。アルバは答える。

 

「あなたに会いに来た。ただ、それだけよ。」

 

一瞬キヒロは理解出来なかった。彼は彼女は復讐のために来たのだと思っていたからだ。それが、ただ会いに来ただけだとは。想定もしていなかった。

 

「まぁ、今回は本当に理由はそれだけ。それに、役者がまだ揃ってないから。いずれまた会いましょ、キヒロ…」

 

そう言い残し、彼女は消えた。どうやって消えたかと言うと、自爆したのだ。自ら持っていた小型の爆弾を使って。

 

それにより、第3回bobが終了した。優勝及び、最多kill賞はキヒロだった。

 

 

 

 

 

 

 

「アスナ、今の人わかる?」

 

そうリズが問う。ここに残っているメンバーで1番キヒロについて詳しいのはアスナだ。だが、そのアスナでも答えられないことがある。

 

「ごめんなさい、私もわからないの…」

 

明日奈は継裕については殆どと言っていいほど知っている。恐らく今の木綿季と互角かそれ以上だろう。だが、そんな彼女でも知らないものがある。継裕の仕事についてだ。そして彼の父親がどういう人物なのか…継裕が語りたがらないというのもあるが、単に、人には言えないというのがあるらしい。それを言われて以来、明日奈は彼の仕事に関することは聞かなくなった。それは今でも変わらない。

 

 

 

 

 

 

 

後日

 

 

 

 

 

 

「君達2人を、こちらの不手際により危ない目に遭わせてしまい申し訳ない。」

 

謝罪しているのはエリート国家公務員である菊岡誠二郎だ。先日の死銃事件においての詳細及び詫びをしに、わざわざ2人の為に時間を取ったのだ。並の国家公務員なら手紙での謝罪が一般的だが、この一風変わっている菊岡という男は、そのようなやり取りは性にあわないらしい。このような対処は極めて異例だが、本人が好きでやっているので和人に関しては特にきにしてはいない。だが、そんな和人でも気になることが1つあった。

 

「なぁ菊岡さん。継裕は今日来ないのか?」

 

菊岡は一瞬沈黙し、そして口を開いた。

 

「彼は今日別件があるらしくてね、それ次第とのことだが、恐らく来れないと思うよ。」

 

といかにもそれらしい返事をした。和人は多少疑問に思ったが、考えても仕方ないと思いそれっきりにした。ここでシノンこと、朝田詩乃が口を挟む。

 

「あの、継裕くん…って誰ですか?」

 

「あぁそうだったね。継裕君はキリト君と一緒に行動してた子さ。ほら今回の大会優勝者。」

 

その説明で納得したようだ。そしてもう1つ疑問をぶつける。

 

「…あの女の人…何者なんですか?」

 

菊岡は一瞬口ごもった。どう答えればいいかは事前に聞いてはいたが、いざ聞かれるとやはり焦ってしまうものらしい。

 

「彼女はある人の古い親友だと聞いているよ。」

 

和人は疑問に思った。彼は確かに感じたのだ。彼女の並々ならぬ殺気を。ラフィン・コフィンの者らとは格が違ったそのおぞましさ。全身の毛が立つほど寒気がした。VR内なのに、汗をかいたような気がした。それ程までに恐ろしい殺気だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やはり、あの女で間違いないか。」

 

「間違いありません父親。」

 

「NO.1からNO.4までは分かったものの、NO.5だけ見つからんが、そのおなごの近くにいると見て間違いなさそうだな。」

 

「はい。恐らく我々が捜索している彼らはその集団にいると思われます。」

 

「うむ。では引き続き、継裕は彼らの調査。裕忠についても同様だ。」

 

「「了解致しました。」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちゃんと挨拶してきたのだろうな…」

 

「えぇ勿論。しっかりとしてきたわ。」

 

「ふんっ。さぁて、どう出るかなキヒロよ…くくくくく…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今回のことしっかりと説明して貰いますよ和人さん!!」

 

「はい…」

 

 

 

「ねぇもしかしてあの女の人って…」

 

「今説明する…」

 

男二人は説明におわれていた。

 

 

 

 

 

次回

 

«キャリバー»

 




どうでしたか?早く次書きたくてうずうずしております。
(*´∇`)ノ ではでは~

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