ソードアート・オンライン 覇王と絶剣   作:高島 秋

54 / 85
久しぶりの連投(時間差)!!(歓喜)

さて、さくっと行きましょう!

では!どうぞ!


スリュム

扉を開けると、そこにはそこらかしこに散りばめられた金銀の宝石や金貨があった。職人が本業のリズは目を輝かせた。と言うよりこれを目の当たりにしたら、たとえ職人ではなくとも目を輝かせるに違いない。現にクラインやキヒロ、ユウキは真っ直ぐ宝石の方へ向かっていった。とその時、重低音の声が響いた。すぐさま戦闘モードに切り替える。そして声のした方へ目を凝らした。部屋の明かりがついてないので正確な大きさは分からないが、今までのボスを見てきた経験として、今回のボス、スリュムは今まで以上に大きいと予想していた。地面が揺れるほどの振動を起こしながら少しづつ、だが確実にこちらに迫って来ているはずなのだが未だに腰ほどまでしか視認できない。さらに近づいてきたがその時既に、顔はかなり上の方を向いていた。そこでようやくスリュムのシルエットを確認出来た。

 

そこに現れたのは、足はまるで大木のように太い筋肉で包まれ、腰から肩にかけても一体どれほどの筋トレをしたらこうなるのかというような、ファンタジーの世界ではよくある筋肉付きをしており、これぞ逆三角形という立ち姿だ。肌、髪、目に至るまで基本青色の姿をしているこれが。"巨人の王、スリュム"の姿だ。

 

「うぅぅむ、羽虫がブンブン音をたてて飛んどるのか?どれ、この世のものがわしのものとなる前の前祝いとして、少々遊んでおくか。」

 

そう言いながらなんとも気味悪い笑い声を響かせた。そして、フレイヤに目が止まったらしい。そして何とも表現し難い気色の悪い言葉を惜しげも無く言い放つこのおっさんに女性陣はもう我慢ならなかったみたいで、女性剣士は斬りかかっていった。その後を追うようにクライン、キリトと続いて行った。後衛として、アスナ、ラン、シノン、キヒロ、フレイヤも戦闘準備に取り掛かる。アスナ、ランは主に回復、シノン、キヒロは攻撃担当といったところだ。キヒロに至っては攻撃する時MP使わないので、回復もお手の物らしい。

 

こうして、スリュムとの最後の戦いの火蓋が切って落とされた。

 

 

予想していたよりHPが削れず、皆の中からだんだん焦りが出てきた。どんな状況でも焦っていたら本来のパフォーマンスを発揮するのは難しい。それは頭では分かっていても上手くコントロール出来ないのが人というものだ。確実にスリュムのHPを削れているのはキヒロとフレイヤの魔法攻撃のみ。それによりここにいるもの全員スリュムは物理耐性の方が魔法耐性より高めだとわかった。だが、ただ分かってもできないことの方が多い。HPバーはまだ2本少々残っている。とてもソードスキルだけで削りきれるとは思わないが、念の為聞くことにする。

 

「キリト!!ソードスキルを使って削りきれるか!?」

 

案の定返事はこう返ってきた。

 

「ソードスキルだけでは押し切れない…あと何か、一押しがあれば…!」

 

キリトがああ言うには"アレ"を使ってもとの事なんだろう。とその時、フレイヤなる女性があるものを探してほしいと頼んできた。この時点で俺はかなり嫌な予感はしていた…

 

聞けば肩幅くらいの黄金の金槌をご所望とのこと。ここで俺の嫌な予感は的中することが確信した。昔読んだある神話に内容があまりにも似ていたからだ。スリュム、フレイヤ、盗まれた宝、黄金の金槌…条件としては十分だった。ただ、個人的な意見としては、それは見たくないというのもあるのだが…そんなことを言っている場合では無い。キリト達前衛はスリュムによる新攻撃により大ダメージを負っている。その為、シノンがタゲを取っているという状況だ。あまり長くは持たないだろう。兎に角今は私情を振り切って探すしかない。

 

雷系魔法でいけるかな…壊れないよな…?

 

「ふぅ…バララーク(雷撃)」

 

金属に雷を当て、反応したところに恐らく捜し物はある。そして予想通り反応してくれ、そこら一帯を掻き分け見つけたのだが何分流石に"彼"がご所望するだけあってかなり重い。恐らくぶん投げても大丈夫だろうと高を括りストライク送球した。かなり山なりになったが。黄金の金槌はまるでフレイヤの手に吸い込まれるようにピタッと手に収まった。その僅か1秒後、フレイヤの体が金槌に反応した。次第にその鼓動は大きくなっていき、やがて"1人のおっさんへ"変身を遂げた。その時のクラインの反応は何ともまぁ可哀想なことだった。無理もない。絶世の美女(これは言い過ぎかもしれないが)だと思い、助けたと思ったら、実はおっさんでしたなんて冗談にはかなりきついと思われる。特にクラインのような奴には。

 

それには流石のスリュムも激怒し、タゲをフレイヤ基トールに移した。それにより、全員でのフル攻撃が可能になった。

 

「ここで一気に畳み掛けるぞ!!」

 

キリトの声により、一同それぞれの持ち武器を構え直す。そこには今までヒーラーとして支えてきてくれた2人も含む。そこから怒涛の攻めが始まった。

 

キリトに至っては片方のみでソードスキルを撃ったと思ったら今度は意識をもう1つの剣に意識を移し硬直をなくすという離れ業を見せるし、ユウキもOSSを叩き込むというどう見てもリンチしているようにしか見えない現場へと化した。かくいう俺も各系統の大魔法を連続で放ったり、2〜3系統の魔法を組み合わせより強力な魔法を撃ち込んだりしたから人のことはあまり言えないのかもしれない。

 

その他のメンバーも負けてはいない。リーファはリアルを生かした剣さばきによってより深くダメージを与えているし、クラインもあんな事があったのにもう立ち直って、と言うより開き直って攻撃できている。シリカに至ってはピナとの連携は最早誰にも真似出来ないだろう。リズに至っては本当に職人が本業かと聞きたくなるほどの片手棍使いだ。アスナの正確さは相変わらずでまさかの全てクリティカルという化け物っぷりを遺憾なく発揮している。ランは速すぎてちゃんと見てないと見逃しそうになる。シノンに至っては弓としての範疇を超えすぎていて最早なんて表現すれば良いのか検討つかない。

 

つまり今のところ最強パーティーだと思われる。だがそれはスリーピングナイツの次だが。

 

そうこうしているうちに、スリュムのHPを削りきり、トールが容赦なく頭に金槌を埋め込ませる勢いで叩きつけた。それによりスリュムは完全に爆散した。ここに、巨人の王と妖精との戦いは終了した。

 

トールの消え方は至って神みたいだった。金槌が光ったと思ったら一瞬で消えた。帰る際にはクラインに伝説級武器を授けた。まぁ斧スキルをびた一文上げてないクラインからしたらただの大金になる武器程度の価値しか無いのだが…

 

「パパ!後方に螺旋階段が生成されています!」

 

俺の愛娘であるユイがそう言う。どうやらキリト達にも聞こえたみたいで、皆一斉に走り出す。そしてたどり着いた先には、あの伝説の剣。

 

 

エクスキャリバーが台座に埋め込まれていた。

 

満場一致でキリトが抜きにかかる。物凄い雄叫びをあげながら今か今かと抜ける瞬間を待ちわびていたのだが、抜けた後の動きがあまりにも普通すぎて拍子抜けしたのは内緒にしてある。

 

キリトが引き抜いた瞬間に世界樹の根が伸び始め、あっという間に降りてきた螺旋階段は破壊され、完全に退路を絶たれてしまった。因みにクエストの方はと言うと7割方黒く染まってしまったが、何とかクリアすることに成功したみたいだ。

 

いよいよ本格的にやばいと思ったがここはヨツンヘイム。キリト達は飛ぶことは不可能だ。俺は飛行魔法を使えばいいだけだが、1人だけ脱出しようなんてできるはずもなく。その時、クラインが自慢?のハイジャンプを見せるとか見せないとか意味のわからないことを言いながら跳んだのたが、流石クラインといったところか。見事に空振り、そのままの落下により完全にフリーフォール状態になってしまった。シリカが本気で怒ったことは中々強烈だった。皆で心中しそうになった所にトンキーというもう1人の仲間が来た。次々跳び乗るのだが、キリトはどうやら剣の重さにより跳ぶことができないみたいだ。代わりに持ってやろうかと言おうとしたら驚いたことに、宙に放り投げたのだ。流石にこれには焦ってしまった為、急いで取りに行った。

 

キリトに渡しに行く時、リーファにジト目で見られたのは気のせいだと思いたい。まぁリーファに限らず、ユウキを除いたメンバーは不思議そうに俺を見ている。それもそのはず、俺は今"飛んでいる"のだから。

 

 

 

 

 

 

 

あの後、ウルズという湖の女神そして、その妹達によって報酬を受け取り、これにてエクスキャリバーのクエストは完全クリアとなった。年最後としてのクエストとしてはかなり充実出来たと思われる。

 

帰り際にこの後エギルの店で打ち上げやることになったのだが、流石にこの人数の料理を作るのは大変だろうと思い、俺と木綿季はすかさず手伝いに行った。後でエギルから言われたのだが、木綿季は兎も角俺が料理出来るのは意外だったらしい。流石にこれには心外だったが…

 

皆が集まり、雑談している途中、何故か流れで和人にご馳走になるという流れになってしまい、結果的に俺が払うことになったのは秘密である。全額俺が払った代わりに和人には色々手伝って貰うことを決めた。

 

 

そして新年があけていく。

 

 

 

 

 

 

 

敵サイドも着実に事を進めていた。




(☝ ՞ਊ ՞)☝ウェーイって感じですw

OS編に入る前に、少々学校編書く予定です!
これからもよろしくお願いします!

(*´∇`)ノ ではでは~

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。