ようやく折り返し地点手前だ。時期は秋、あのデスゲームが始まってからもうすぐ1年が経とうとしている。現実世界では今頃なにしてたのかなー?もう1度学校生活を遅れると思っていたのに…日本の学校楽しみにしてたのに…まぁ悔やんでも仕方ない。今俺がしていることはキリトとアスナの観察だ。何でそんなことしてるかって?暇だったからかな?アスナといえば今や最強ギルドである血盟騎士団副団長までになった。キリトは相変わらずソロプレイヤーである。ん?ここで疑問がある人もいるだろう。何故月夜の黒猫団に入ってないのか。それはあのあとキリトは形的にはギルドには入った。まぁ最初に入るって言ったのだから。それはそれで自然な流れなんだから仕方ないんだが…なんとメンバーの一人が、家を買いに行っているケイタを驚かせるためにコル稼ぎに行こうと言い出したらしいんだ。そしてその場所として選ばれたのが、第27層、最前線のすぐ下だった。流石に危ないとキリトは止めたらしい。その判断は正解だと思う。あの層はトラップが多く、攻略組でも死者が出たそうだからだ。だが多勢に無勢。多数決で行くことになったらしいんだ。安全マージンは一応取ってたみたいだし、途中までいや帰る手前まで順調だったらしい。だが…ここで事件が起きた。メンバーの1人。ダッカーがアラームトラップを開けてしまったのだ。キリトは即座にみんなをまとめ善戦したと思う。だが敵は最前線と同じレベルだったらしい。1人でみんなを守り抜くのは難しいのは当然。2人。犠牲になってしまった。その状況によると逆によく生き残ったなというぐらいだが…キリトの心に傷がつくのには十分だったのだろう。ケイタは事情を聞き、逆に危険に晒して申し訳ないと謝ったそうだ。キリトからすればもうちょっと引き止めればと思っていた分、余計に罪悪感を感じたらしい。そんな事情があり、今もソロプレイヤーである。
そして今の最前線は第40層。そこでアスナから珍しく相談事が来た。あのアスナからだと…しかも年下である俺に…よほどの事なんだろうと思った。まぁ内容は簡潔にいうと、ギルドメンバーの一人に、ノーチラスという男がいるみたいだ。彼は団長、ヒースクリフの見立てによると軽めのFNCらしい。(FNCとはフルダイブ不適合の略)そんな男が最前線にいたこと自体驚いたが、最近1軍に上がったばかりのものらしい。それただの実践不足なんじゃ…とも思ったが、敵を目の前にすると足が動かなくなるというのだからそれは流石にまずいと判断したらしい。そこで俺にどうにか出来ないかと来たわけだ。
アスナ「で。何とかできそうかしら?」
キヒロ「無茶言うな。FNCなら引きこもってるほうがいい。」
そう。何をどう考えても引きこもってるほうがいいに決まってる。死ぬかもしれないのにわざわざ出てくる必要などない。
アスナ「まだFNCと決まったわけじゃないわ。」
キヒロ「ほう。根拠はあるのか?」
アスナ「彼は、剣の腕もいいし、反射能力も悪くない。単に経験不足なのよ。そこで頼みがあるの。」
キヒロ「まさか…特訓しろってか?」
アスナ「よろしくね?今連れてくるから!」
でたよ。聞いた感じ確かに磨けば掘り出し物が出てくるかもしれない。だがそんなに責任重大なのはごめんと言いたいところだが。相手がアスナとなると現実世界に帰った時に、何言われるかわからない。ここは大人しく引き受けておくか…
ノーチラス「初めまして。ノーチラスと言います。」
キヒロ「キヒロだ。よろしく。」
アスナ「じゃっ!あとはよろしくね!キヒロくん!」
くっそ。
キヒロ「で、お前に質問だ。」
ノーチラス「はい?」
キヒロ「大切な奴がいるか?」
ノーチラス「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」/////
こりゃいるな。しかも重度の。
キヒロ「そいつ連れてこい。今すぐに。」
ノーチラス「えっ?あっはい。」
5分経過。
?「どーしたの?ノー君?」
ノーチラス「この人が連れて来いって。」
キヒロ「はじめましてキヒロだ。よろしくな?」
?「えっ?あっはい。よろしくお願いします?名前はユナです。」
キヒロ「ユナと言ったね?少しいいかな?」
ユナ「はい?」
俺は大まかに事情を説明し、協力してほしいと言った。彼女は快く快諾してくれ少しほっとした。その方法とは。
1回ユナというアバターを消すこと。
そう。ノーチラスの前でユナが死にそう、もしくは死んでしまったのを見せるというものだった。だが、本当にユナを死なすのではなく、防具欠損ダメージを利用し、丁度耐久値が切れる時に転移結晶を使うというものだ。これなら限りなく死を偽装できエイジの本当の力を引き出せるのではないか。と俺は考えた。人は誰かが死ぬ。または自分が死にそうになった状況において、本来の力を発揮できることが数多くある。それを利用しようということだ。少し荒療治だが、正直これ以外の手は思いつかなかった。そこでユナに質問されたのが、黒鉄宮のやつはどうするのか?と聞かれたが、そこはおいおい話すとしよう。こうして俺の一大プロジェクトが始動した。
時期は以外にも早く訪れた。どうやらギルド、風林火山のメンバーが迷宮区に閉じ込められたらしい。しかも敵は沈黙デバフをかけてくる厄介者で敵もそこそこの強さみたいだ。これはチャンスだ。
ユナに目配せで合図をし。
ノーチラス「ユナはここで待っ…」
ユナ「私も行く。」
ノーチラス「…えっ?」
まぁ当然の反応だな。順調。
キヒロ「ユナの吟唱スキルを使えばなんとかなるかもしれない。」
ノーチラス「でも!」
ユナ「ノーくん!私は大丈夫だから。ね?」
ノーチラス「わかった。ユナは必ず僕が守る!行こう!」
ここで初めて俺はノーチラスの血盟騎士団装備を見た。なかなか様になってた気がするな。俺も戦闘用の装備に変えてっと。そうすると、助けに行くメンバーから、すげーだのkobだの覇王だの色々聞こえたがそんなことより、急がないと!何かあったら大変だ…
急いで現場に着いたのが功を奏したのか、まだ5人全員生き残っていた。だが、状況自体はそんなに良くない。どうやらボスの後ろにあるレバーを引けば開くみたいだな。てかかなり広いな…不気味な広さだ。てかこの格子が邪魔だな。あのレバーと連動してると考えるのはいいとして問題はそのレバーが間違いなくこのフィールドボスの後ろにあるということだ。つまり、ここを出るにはあのボスを倒すしかない。舞台は整った。
キヒロ「ノーチラス。ボスを倒すしかないことは明確だな?」
ノーチラス「あぁ。だけど。それだとみんなが」
キヒロ「風林火山の奴とお前であいつのタゲ取りだ。俺は雑魚を殲滅してる。頼むぞ。」
ノーチラス「はい。分かりました。」
キヒロ「おい!なかのやつ!レバーを引け!」
中のヤツ「わかった!」
キヒロ「ユナ。ここだぞ。」
ユナ「はい。」
キヒロ「ではこれより、いくぞー!!」
オォォォォ!!!
以外にも早く雑魚は殲滅できた。あとはボスだけ。っ!あいつ!マジで!ならやるなら今しかない!
キヒロ「いまだ!」
ユナ「!」
作戦通りユナには予め装備にダメージを与えていた。そろそろだ。ここで吟唱スキルを使えば雑魚がそっちによる。上手くやれよ。
ノーチラス「まって!ユナが!」
キヒロ「今ボスを倒さなければ全滅する!周りを良く見ろ!」
ノーチラス「くっ!」
(くそっ!なんで動かないんだよ!僕の足!うごけ!うごけ!うごけ!大切な人をなくすのは嫌なんだ!うごけ!うごけ!うごけーー!!!)
ダッ
動いたなやっと。
キヒロ「俺らで倒し切るぞ!」
ノーチラス「ユナー!!!」
こうしてボスを倒したのと、ユナが死んだように見えた爆散は同時に起きた。ノーチラスには悪いことしたな…だがまぁ動いてよかった。
ノーチラス「キヒロさん!ユナに吟唱スキルなんで使わせたんですか!しかもヘイトをユナに集めさせてあなたは殺した!」
キヒロ「俺は何もしていない。ユナはあの時1番の働きをしたよ。それに、君の足がもっと早く動けば、助けられたんじゃないか?」
(そうだ。その通りだよ。僕の足が動くのが遅かったから!ユナが死んだ!ユナ。ユナ。ユナ…)
どうしよう。まさかここまでとわ。ネタバレしそびれたじゃん…黒鉄宮の名前も線引いちゃったし…マジで詰んでね?俺。
キヒロ「お前はユナの分も生きなきゃいけない。強くなれ、ノーチラス。」
キヒロ「入るぞ」
ユナ「どうぞ!」
キヒロ「悪いな。こんなとこに住ませてしまって。しばらくはここで頼む。」
ユナ「いえ。構いません。それよりノーくんの状態は?」
キヒロ「思ったよりも、精神的に来てたな。失敗だったかもしれない。」
当初の目的は確かに達成した。
だが、この事件が、後に再開した時に、思わぬ事件となることを彼らはまだ知らなかった。
ユナ出したぜ!いぇぇーい!(っ'ヮ'c)ウゥッヒョオアアァアアァな気分です。こんな展開になるとはと思った方もいるのでは?OSを入れたのはこの作品が初登場だと思いたい!(実際のところどうなんだろう?)まぁちらっと続編で出そうな感じで終わりましたが、どうなりますかね?笑(*´∇`)ノシ ではでは~