ソードアート・オンライン 覇王と絶剣   作:高島 秋

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随分と遅くなりました!申し訳ございません!!
ある程度の充電期間があったため、
ストックを解放していこうと思います!

では!どうぞ!




〜幕間〜学校編
帰還


懐かしい夢を見ていた気がする。場所は四方を壁で囲まれたとある研究施設。そこに居たのは幼少の頃だったからもう10年近く前になるのか、と懐かしく思いながら見ていた。ある5人の少年少女が様々な競争をし、1位を取っては子供ながら喜んでいた、なんてことは無く、冷静沈着に次への競争に目を向けていた。傍から見たら子供らしさなんて感じられないだろう。まるで優秀な大人がそのまま体が幼児化したようなものだ。様々な競争の中には勿論知能的なものもあったが、その部屋では主に体力、などといった身体的な競争が続いた。単に短距離を走る、または一定のペースでただひたすら走る。飛んできたものを避ける。動いてる標的に当てる。柔軟。重量挙げ。目をつぶり感覚を鍛えるなどといったものだ。よく見てみるとそういった身体的な競争が苦手な子が1人いた。その代わりその子は勉学はとてもでき、常に1位2位を争っていた。他の2人はどちらの競争も平均的な立ち位置。世間一般的にはかなり上位だが、この5人の中で言ったらという意味だ。残る1人はどちらにおいても常に1位。他を圧倒していた。最後の一人は…サボり魔だった。だが、それも致し方ない気がする。まだ子供の彼にはつまらな過ぎたのだ。だが、そんな彼にもたった一つだけ真剣にやっていたものがある。対人戦を想定した訓練だ。それだけは何故か楽しそうにしていた。これが原因なのかは分からないが、子供たちを管理している大人は彼を危険視する声もあれば、期待する声も上がっていた。そしてその事を、彼はよく理解していた。

ある日、その彼が消えた。いや、消えたという表現は正しくないのかもしれない。彼の中では予定通りだったのかもしれない。外出の許可が下りたとき、逃げ出したのだ。勿論監視者はすぐそばに居たし、万が一の事があっても保護できる場所にいた。只、大人達は、まさか逃げるとは想定もしていなかった。逃げる、などという教育は一切していない。したとしたら、別室に大量にあった本の中でだ。だが、彼に至ってはその心配もないと大人は判断していた。知っての通り、サボり魔の彼だからだ。今思えば彼はサボっているふりをしていただけかもしれない。それを見抜けなかったがために、1人の人材を失った。

ある程度育てた子供達は2人を残し、とある家庭へと預けたれた。子供たちにはそれまでの記憶を消去させた上でだ。それから5年、10年と月日が経った。

 

 

 

「戻ってきた、か。」

 

日付を見た限り、目覚めたのはあれから3日半後だった。ナースコールを押した5分後には父が到着。体の状態などをしつこく聞かれ、日が傾きかけたぐらいにかけがえのない仲間たち、木綿季が見舞いに来てくれた。木綿季にはかなり泣かれた上、明日奈と藍子によるお姉さん'sによるおっ説教をくらい、和人達からは課題やお菓子などを貰い、姉からは着替えなど日用品を有難く受け取った。

 

木綿季達に明日から学校に行けると伝えると、喜び、そして不安の声が上がった。勿論彼らが心配してくれているのは分かっていたし、それらを含めたことについてはしっかりとお礼をさせてもらう事にした。こうした中、学校に復帰することになったのだが、校内では3週間後に迫っている一大イベントについて非常に盛り上がっていた。

 

とは言ってもこの開催が決まったのは今年度からなのは目をつぶって欲しいとの事。もちろん生徒達はそのへんの事情はしっかりと理解してるので反感の声など上がらなかった。

 

さて、今年度から組み込まれた学校行事。

 

それは…

 

 

 

 

"スポーツフェスタ"

 

 

 

 

今日は(体育祭)の出場種目の割り振りを決める日だ。種目は至って普通。だが、普通ではないのが、"組"ごとに割り振りを決めるとのこと。こういう仕様になったのは言うまでもなく、昨年度にはこの行事が無かったためである。あと、学年及びクラスごとによる偏りを無くすためだとか。

 

ではまず組の割り振りはどうなっているのかと言うと、とその前に、組の名前から言うべきか。

 

朱雀組 略称赤組。

所属者 リズ、テッチなど。

 

青龍組 略称青組。

所属者 シリカ、シウネー、タルケンなど。

 

白虎組 通称白組。

所属者 ジュン、ノリなど。

 

玄武組 通称黒組。

所属者 和人、明日奈、藍子など。

 

麒麟組 通称黄色組。

所属者 俺、木綿季など。

 

という顔ぶれだ。このわけ方を見た時、和人達と別れたのは惜しいような嬉しいようなという複雑な心境となった。まぁ戦えるという面だけで言うならいいもんだ。そして発表された競技は以下の通りだ。

 

 

競技内容

 

・100走

 

・1レース5人で行う。

・それぞれの組から代表20名(男子女子それぞれ10名)。

 

 

・玉入れ

 

・5組同時に行なう。

・制限時間は3分、計2回行なう。

・女子限定。

 

 

・騎馬戦

 

・5組同時の入り乱れ戦。

・制限時間は3分、計2回行なう。

・大将が倒されても続ける。

・男子限定

 

 

・障害物競走

 

・人数は男女含め1組当り6人まで。(偏ってもいい)

・一斉にスタート。

 

 

・借り物競争

 

・100メートル走と基本同じ。

・お題をクリアするまでゴールすることは出来ない。

・時間制限あり。

・人数は100メートル走の半分。

 

 

・綱引き

 

・リーグ戦。

・1回勝負。

 

 

・二人三脚

 

・人数及び基本は100メートル走と同じ。

・レース数は半分。

 

 

・組対抗リレー

 

・距離は女子は100メートル、男子は200メートル。

・男女混合の選抜8名。

 

 

・ 前提として全員何かしらの種目に出ること。

・採点結果は種目が終了する度に発表となる。

 

 

これらが並ぶのだがそこそこの数だと思われる。障害物競走が何やら怪しい匂いがするのだがそれは当日にならないと分からないだろう。人数の為か人選によって順位が大きく変わる事になりそうだ。さて気になる配点だが、以下の通りになった。

 

 

・個人競技

 

1位…10点

2位…8点

3位…6点

4位…4点

5位…2点

 

・団体競技

 

1位…50点

2位…40点

3位…30点

4位…20点

5位…10点

 

・組対抗リレー

 

1位…250点

2位…200点

3位…150点

4位…100点

5位…50点

 

とのことらしい。予想通りだがやはり最後の種目は大逆転の可能性を感じさせる配点をしてきた。個人的には思ったより、団体競技の点数が高いことに驚いた。あとたとえビリでも点数が貰えるのはありがたいといったところか。

 

 

話を進めていくうちに何故か団長になってしまったがなったからには全力で勝ちにいくことにする。俺達麒麟組は作戦を練ることにした。

 

まず、俺達麒麟組はそれぞれ得意なものは何かというのを聞いて回った。何故なら60人弱いるのだ。それぞれ得意なやつに当てはめればそれだけ勝率が上がる。更に、全員が出なければならないと書いてある為より勝率を上げるためには致し方ない場面も出てくるだろうと予想して、運動が苦手な人には一応謝罪を入れといた。ということで結果的に、

 

走るのが得意な人

 

男子10名。女子7名。

 

という具合だ。これによりまず、組対抗リレーのメンバーを早い順に固定する。この中から選抜で選ばれた8人(それぞれ4人)は100メートル走には出ないことを決めた。理由としては、

 

・個人競技は配点が低い。

・怪我をするリスクを伴う。

・無駄な疲労が溜まる。

 

という事だ。俺達麒麟組は勝ち優先という意識で固まっているため、反論は出なかった。その後も着実に何が得意かを皆に聞き回って出る種目を決めていった。それでオーダーを組み、その中でもさらにどのような作戦で行くかを各担当に決めてもらった。どの種目に対しても決して抜かりは無い。そんな気がした。

 

俺達の戦い方は、

 

・個人競技はある程度の点数としてみる。

・その分団体競技にかける。

 

という感じだ。個人競技は100メートル走などといった走る系が主になる。足りない分は何人か代わりに走るがそれでも多くて4つだ。まさに勝つことを目標にしている。等と話している内にほぼほぼ決まった。最終的なオーダーを見、これなら例え他の組との作戦が被ってもある程度はカバー出来ると感じた。その後練習を繰り返し、本番に望んだ。

 

さて、時は5月中旬。いよいよ本番だ。まだ開会式すら始まっていないというのに麒麟組の団結感は半端じゃない。これは手を抜いたら殺されるなと柄にもなく思った。俺が学校に着いたのはいつも通りの8時40分。9時半から開会式だと言うのに、組の中では1番遅かった。中には7時前には着いていたなんて言うアホもいたらしい。勿論その事については決して口には出さない。体を暖め時間は9時ジャスト。円陣を早くも組み、絶対優勝を心に決め、その意気込みのまま俺達麒麟組は開会式に向かった。

 

長ったらしいいかにも開会式というのをやり、これまた定番の選手宣誓及び準備体操を行ったらいざ決戦だ。最初の種目は100メートル走。知っている顔としては明日奈、ノリ、シリカ、リズの姿が見える。まさかの男性陣は全員不参加と言うとんでもないものを目にしたようだがそれもそのはず、先ずは女子からなのだ。勝手に早とちりしてかなり恥ずかしい。幸い口には出してなかったので周りにバレることは無かったが…

 

直接対決したのは明日奈とノリだけで、明日奈がノリに負けるというまさかの展開がいきなり起きた。いや単に俺がノリが速いことを知らなかっただけなのだが…ノリが速いことは木綿季にあとから聞いた。なんと50メートル走7秒を切るとのこと。中々の速さだ。まぁそれでも明日奈は2位という素晴らしい結果を残した。何故ならほかの走者は運動部だからだ。因みに俺らの組の子は最下位。シリカ、リズは順当とも言うべきかそれぞれ1位だった。

 

続いて男子はテッチとジュンだけだった。まぁこれも予想通りかな。残念ながら直接対決はならなかったがそれぞれ1位をもぎ取って行った。ジュンに至っては陸部にすら勝っていくという中々の活躍をして行った。さて、100メートル走が終わった段階での途中経過の予想としてはまぁ計20レースだからざっと計算して100ポイントぐらいかな?

 

 

(ここから略称)

 

赤組

148

 

青組

141

 

白組

109

 

黒組

102

 

黄色組

100

 

 

まさかのぴったり賞か。でも予想通り。他クラスの人員を調べ、どこに入れてくるかを予想した結果としては悪くは無い。何ヶ所か外れたが、大した得点差ではない。勝負は始まったばっかだ!

 

 

 

次の種目は玉入れ。人員は主にバスケ部やソフトボール部に任せた。彼女らも投げるのは得意と言っていたし、実際適任だと思った。逆にここで負けると結構痛い…なぜなら彼女らは足も速いからだ。果たして結果はいかに…

 

結果としては圧勝。ただ入った分だけ得点として認められないのが残念なところ。そしてこれにより、順位を2つ上げた。

 

赤組

178

 

青組

161

 

白組

119

 

黒組

142

 

黄色組

150

 

相変わらず得点が綺麗だなぁなんて感想は置いておいて、どうやら黒の剣士様が率いる組はうちと同じ作戦と言えそうだ。この結果が全てを物語っている。個人的にはリズが団長をしている赤組が善戦していると言ったところか。3位ではあるが黒組とは僅差だ。相対的に運動能力が高い奴が多いのか?でも均等に分けられたはず等と考えていたら俺の出番が来た。さて、行きますか。

 

 

続いての種目は騎馬戦。男達が意中の女子に男気を見せるところ、らしい。うちの組には少なからずいる。で、俺らの組は大将は俺ではない。理由としては自由に動けないからだ。俺らの組は大将を囮にするというとんでもない手段を用いてる。これはどの組にも見られないが俺らからしたら好都合でもある。実質組最強の騎馬は俺のであるからだ。もし倒しても得点は高くはない。更に大将のを回るように囲みその周りにまとわりついた敵を俺らの騎馬が倒すという算段だ。上手くいくかはともかく負ける気はしない。

 

派手に炸裂したピストルのゴングにより戦は開戦した。騎馬戦は入り乱れ戦の為、死角が出来やすい。俺らの組は高さより機動力を重視した為か、気づいたら取られてるというまさに作戦通りに進んでいた。俺らの騎馬は青組、白組の大将騎を倒し赤組のを倒しに行こうかと思ったその時、黒組が赤組の大将を倒していた。黒組の騎馬の上に乗っているのは…

 

和人だった。

 

 

「よっ、継裕。ここで俺らを見逃すって言うのは」

 

「ない!!」

 

和人のは高さがある。だが幸いしたのは和人自身がそこまで高くないことだ。お陰で幾らかリーチが長い俺と和人の騎馬としての高さは同じくらいだった。いざ戦ってみると流石と言うべきか、SAO、GGOで鍛えられてきたハイパーセンスが力を発揮している。かといってこちらも負ける気は無い。和人から繰り出される攻撃を的確に弾く。長く攻防が続いていたのだが、試合終了の合図とともに終わりを告げた。

 

残された騎馬数及び大将騎はそれぞれポイント化され、その総合ポイントにより順位が決まる。結果はこうなった。

 

赤組

208

 

青組

171

 

白組

139

 

黒組

182

 

黄色組

200

 

3種目終了時点で2位に付けることが出来た。残る午前の種目は2つ。果たしてこの後どうなる…!?

 

 

 

 




重ねてお詫び申し上げます…!
すみませんでした!!

この続きは今日か明日上げます!

(*´∇`)ノ ではでは~

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