ソードアート・オンライン 覇王と絶剣   作:高島 秋

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新年あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします!!(おっそ…)

えぇ書き出して数分後にはこれでいいのか!?と思ったけど、
自分に言い聞かせ書き上げましたw

では!どうぞ!


体育祭終焉

 

小休憩をとり、再び校庭に戻ると先程のリレーの結果と今現在の順位が出ていた。が、それよりも目の前にある建造物に目を奪われた。高さは約4メートル程。周りをどうやら囲まれているようで中の様子は見えない。ひょっとしたらこれは…いや、いくら変わってるとはいえ所詮学校は学校。わざわざそんな物を作るわけ…ん?そう言えば姉さんが何か言ってたな。今回の体育祭には父が1枚噛んでいると…その話とこの目の前の建造物を見れば合致せざるを得ない…そう、これは

 

"巨大迷路"

 

なのだ。父が見に来るとか言っていたから何かしら自分が楽しめるような催しをしてくるとは思ったが、まさかこのような大規模なものだとは…校庭丸々埋まるとはそこそこの大きさだぞこれ…まさかこれが障害物競走だとでも言うのか…?いくら何でもそれは駄目だろと思いながら、未だに現実を受け入れない俺がいた。

 

「つ、継裕。これってもしかして…」

 

「あぁ…迷路だろうな…」

 

参加者は皆驚いた表情をしている。唯一、明日奈は呆れたような表情をしていたが。代表委員の彼女なら俺の父親が関係していることは知っていたのだろう。内容まではいかなくても。

 

個人的にはかなり楽しみだ。要するに他の組より早くなんか見つけろって事なんだろうけどそれだと障害物競走では無くなる。まだ何かあるのか…?そう考えていたらルール説明が始まった。

 

ルール

 

・どこかに隠されている宝をどの組よりも早く見つけ出す。

 

・他組への妨害もあり。

 

・倒された場合その場にて待機。

 

・物資は本部より支給された物以外使用不可とする。

 

・宝を発見しても、持ち帰ってこられなければ無効とする。

 

 

何とも物騒な空気が漂うルールだ。

そして支給された物資は…

 

やはり銃器であった。勿論モデルガンではあるが、どうやら使用するのはただのBB弾では無く、それぞれの組の色のペイント弾らしい。さらに、軍服と言っても遜色のない防具服を与えられた。これはつまり、ここでガンゲーをしろということか。幸いなことに痙攣を起こすような子はおらず、最後の競技が始まった。と、その前に現在の得点はと言うと、

 

赤組

400

 

青組

377

 

白組

409

 

黒組

494

 

黄色組

580

 

となっている。余程変なことが起きない限り俺たちの優勝はほぼ確定だ。ただ、ルールも特別仕様であるこの障害物競走ではどのような得点配分なのか。タイミングよく配分が発表されて。そこに書かれていたのは異様とも言える配分だった。

 

 

一般兵

50点

 

リーダー

150点

 

宝発見

300点

 

生き残った人数✖️50点

 

となっている。つまり、どの組にもまだ優勝の可能性が残っている。1人でもやられたら相手に50点も配点することになる。もしリーダーなんて当てられたりしたら、一気に逆転の可能性さえ在る。となると、誰がどう動くか、どういう方針で行くかがかなり重要となる。この配点だと例え敵を発見してもそのままスルーってのも全然ありだ。1チーム6人編成だから、600点も稼ぐことも可能だ。それに加え、宝は持ち帰らなければならないというのも難点だ。折角行き誰にも会わずに手に入れても帰り遭遇して戦闘で負け取られたりなんかしたら全てが台無しだ。つまるところ、この競技の主催者は戦闘不可避だと考えていることになる。なんともいやらしい主催者だ。頭の中でどういう想像しているか見てみたいものだ。まぁそんな愚痴を言っている時間はなくなり、いよいよ開始だ。装備的には盾持ちが2人。アサルト持ちが2人。スナイパー持ちが1人。そして、剣持ちが1人。これが俺らのチームだ。この剣にもペイントが付いており当てると付着するようになっている。剣と言っても短刀ほどで長さは警棒程だ。長さは約60センチ程。だからこれで銃弾を弾くことは可能だ。恐らくそれ様なのだろうが…因みに、1人1個グレネードを所持している。当たると弾けペイントがぐっちょりつく仕様だ。こんなのどこの戦闘区域だよと心で悪態付きつつ、進むことにする。

 

前後を盾持ちが塞ぎ、出来るだけ音を立てず、素早く動いていてはや10分程が経過したように思える。チームで1人だけ持つことが可能なトランシーバーによれば、既に戦闘が始まっているようだ。戦っているのは赤組と白組。得点差が近い2チームにとっては1人たりとも欠けたくは無いだろう。甲高い銃声音が響いては消えを繰り返しという状況が続いている。今現在俺達の半径5メートル以内に敵はいないと思われる。が、モデルガンとはいえ、扱いに慣れてるやつなら15メートル程なら飛ばし当ててくるだろう。そこまで範囲を拡げてもいいなら拡げたいが、そんな事したら変な目で見られるのは確実だから出来るわけない。今現在でさえ、感だと言って嘘付いてる状況だ。

 

と、その時、微かだが、足音がした。真っ直ぐ此方に向かってきていると思われる。1チーム向かってきており、今から逃げるのは時間的にアウト。背中を見せたら負けを意味する。ならここで、向かい撃つしかない。事前に説明した配置につかせ、敵を待つ。俺を除いたメンバーで陣形を組み、被弾しないようにきっちりとガードを固める。俺はと言うと、1人単独行動。敵の背後に向かい、奇襲を仕掛ける。基本これが俺たちの作戦だ。守りを優先し、万が一敵に遭遇した場合、攻撃を仕掛けるのは俺のみ。他の皆は援護程度という事にしてる。あくまで俺達は生き残りを優先した。

こちらの攻撃範囲に入った時、敵が攻撃を始めた。銃弾の数、音より全員が乱射しているように思われる。所謂FPS初心者なのだろう。数撃てば当たる。そんな作戦は俺達には通用しない。そう、俺は油断していた。だからこそ、危険な目にあった。

たまたまなのかも知れない。だが、俺が足を踏み入れた先には、別チームが居た。どう考えても、位置的に最初の敵、青組に攻撃をするはずだ。だが、目の前に現れた敵、白組はできる攻撃をしなかった。つまり、この2チームはグルだ。となると、俺のこの位置はかなり不味い。なんせ向こうからしたら1番の厄介者である俺が現れたのだ。対処する他ない。案の定見つけた瞬間、数々の弾丸が飛んできた。と言ってもBB弾だが、当たってはいけない。ギリギリ物陰に隠れることに成功したが、このまま逃げ続けては勝ち目はない。

 

なら、攻撃を仕掛けるしかない。

 

幸いな事に、ここは一直線では無い。小刻みに走り、脇道に入りながら当てていけばいい。すぐさま行動に移した。だが、流石にその程度は読んでいたみたいで、出てきた瞬間撃ってきた。俺はそれを体操選手ばりのしなりで避けていきながら、警棒みたいな剣で弾いていった。そして先頭にいた奴の頭を狙い撃った。幸先よくヒットし、次の敵へ照準を向ける。だが、その前に1度避けることにする。身体を捩りながら移動先へ手を伸ばし着地。そして、1つ気づいた。今俺の手元には剣とハンドガン、それと、グレネードがある。これを投げれば、あの場にいる全員にヒットするのでは?などと言う浅はかな気持ちがあったが、これが成功すれば楽だな程度の思いで投げたら案の定全員OUT。これにより、1チーム消すことに成功した。この時点で、2位の黒組との点差は486点。だが、まだ安心はできない。黒組もどこか1チーム全滅させ、宝を手に入れでもしたら逆転される。宝の計算を除いても逆転されないよう敵を多く倒すしかない。そう考えていたらアナウンスが流れた。

 

「おおっとここで赤チームと白チームは脱落です!残るは3チーム!皆さん!頑張ってください!」

 

なんと、赤チームも脱落していた。無傷で済んだのかは分からないが、もしそうなら俺らとの点差は僅かに86点。十二分に逆転の可能性がある。となると青組を倒さなくてはならないのだが、どうやら見失ったようだ。そしてここでもアナウンスが再び流れた。

 

「あぁっと!ここで青チームが黄色チーム撃破!黄色チームは残り1人のみとなりましたぁ!青チームも残り4人!」

 

なんという事だ。つまりここで、生き残り分のポイントは見込めない…青チームは250ポイント獲得。俺らとの点差は243。宝を手に入れられたら終わりだ。こうなった以上作戦を変更せざるを得ない。第1目標宝に変更だ。

 

 

「黄色チームが残り1人ってのは…」

 

「継裕君だと思うよ…」

 

厄介な相手が残っているなぁと思いながら俺ら黒チームは進んでいた。このまま順調にいき、誰一人なく脱落者を出すことが無ければ例え宝を手に入れられなくてもあと2人ほど倒せば黄色チームを上回る。例え青チームが宝を手に入れても、1位だ。ただ、この計算は継裕は勿論、青チームもしているだろう。きっとどこかでぶつかる。と、その時、継裕が居た。居たと言うより、こちらに向かってきている…!?

 

「全員!構え!撃てぇ!」

 

すぐ様指示を出したが、それを継裕は予想していたようで撃ち出された弾丸は全て弾かれるか避けられていく。相変わらず化け物じみた動きだ。距離が近づくにつれアクロバティックになっていき、遂には壁を走ったりし始めた。そして、あと5メートル程のところで壁に向かってジャンプをした。意図は全く掴めなかったが、やるべき事は変わっていない。撃ち落とすことだ。だが、ここである失態に気づいた。先頭2人が伏射姿勢だった事だ。それを見抜いてか、壁の上部に手を掛け、器用に移動しながら先頭2人を撃ち抜かれた。明日奈が撃ってくれたがその時には壁の向こう側へと移動していた。久しぶりに継裕のあんな顔を見た気がする。余程木綿季が脱落したのが答えたのだろうか、と勝手に自己完結した。俺達は継裕の相手をすることは一旦諦め、青チームへと向かっていった。

 

 

1番点差の近い黒組から倒すのが先決だと判断した俺は走りながら探し回った。途中、青組に遭遇したが、戦闘すること無く抜けきり、そして、黒組を発見した。壁の高さ的にジャンプすれば余裕だなとか思いながら一目散に黒組に向かって走っていった。目障りな弾丸は全て弾き落とし、軽くジャンプしながら先頭の2人を倒し壁の向こうへと移動。ここまではかなり理想。これにより、黒組は生き残りボーナス100ポイント分を失い、俺ら黄色組は逆に100ポイント得た。この点差は大きい。現時点で生き残りも計算した上でだと、36点差。青組は仮に宝を手に入れたとして、俺らとの点差は7。あと一人。青チームから倒せば宝を取らなくても優勝だ。いや仮に黒組が手に入れたら終わりだ。結局は取らないといけないのか。

そう考えながら走っていたら青組と遭遇した。運がいいのか悪いのか。警棒まがいの剣を抜き、左手にはハンドガンを構えながら俺は敵に向かっていった。

 

継裕が青チームに向かって行っている。恐らく継裕は全員倒してくれるだろう。倒し切ったところを俺らがやれば漁夫の利といったところか。そんなことを考えたが、そんなのを待っていたら確実に負ける。そう思った俺達は継裕目掛けて放った。

 

まさか後ろを取られていたとは予想もしてなかったが、ここは入り組んだ迷宮。躱すことなど容易だ。そう思ったのも束の間。上から、グレネードが降ってきた。このグレネードは触れたら弾け飛ぶタイプなので剣で弾くことは不可能だ。よって、避けるしかない。避けて避けて避けて…軽く2桁は飛んできたろうか。これ、俺じゃなかったら確実に当たってるぞと悪態付きながら走った。青組の後ろを取ったと思ったが、ここで予想してなかったものを目にした。見慣れないものを持っていたからだ。恐らくあれが宝だ。 それをわかってか、慎重に運んでいる。その為かスピードが遅い。間に合うと思ったがここで別の障害にぶち当たった。和人達だ。この距離では闘うしかない。俺は再び突っ込んでいった。

 

 

 

結果は青組が宝を手に入れた。俺は最後の最後で和人達を全滅させた。

 

 

最終結果が発表された。こうなった。

 

 

赤組

400

 

青組

1187

 

白組

409

 

黒組

894

 

黄色組

1430

 

 

終わってみれば意外と大差で、俺達麒麟組は優勝した。仲間たちに手荒い御祝いを受けたのは言うまでもない。更に言うと、このテンションが収まる筈もなく、ほぼ強引に打ち上げに連れて行かれた。まぁ中々これも楽しかったので全て良しとした。

 

そこそこ楽しめた体育祭ではあったが、最後の競技?だけは来年からは無しになるだろうなと思いながら、木綿季と一緒に帰って行った。LINEで、和人らに最後はごめんと打って送信した。本当にすまない…

 

 

 

 

 

この時、とある事件が近く起こることをこの時、まだ誰も知らなかった。

 




はい、無双してしまいました(汗)
当初はこんな予定ではなかったのですが…

まぁこんな感じの方が継裕君のやばさ伝わるかな…?汗

(*´∇`)ノシ ではでは~

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