(今までが遅すぎたのだ…)
てか気づいたら60話だと…(ありがとうございますっ!)
いよいよ継裕がピンチ?な状況だが果たして!?
では!どうぞ!
遊んでいる、だと。冗談じゃない。確かに全力とは言えないかもしれない。だが、リミッター解除している状態の俺を遊んでいると表現するとは。相変わらず、末恐ろしい女だ。だが、良く考えれば、"かの世界で"こいつに剣術で勝ったのは記憶を辿る限り両手で数えられるかどうかという程。戦った回数はほぼ毎日だったような気もするから、勝率としては1%もいってないのではとさえ思える。
「貴方は確かに、仮想世界なら最強かもしれないわ。でも、ここなら私の方が強いかもね?」
実際その通りだろう。単純な剣術勝負ならほぼ負け確実だ。辛うじてリミッター解除なんていう離れ業があるから何とか凌げているがそれも時間の問題だ。およそ60%では1時間ほど。80%にもなると30分ほど。100なんて言うと10分程しか持たないだろう。ただこれはあくまで"それのみでの計算"である為、当然、重ねていったら使用可能時間は短くなるに決まっている。それ故に出来るだけこのままの状態で倒したいがそれすら叶わぬ現状。さて、どうする…
「私結構君のこと知ってるよ〜特に身体のこと。
リミッター解除って体をかなり酷使するんでしょ?だから私を早く倒したいんだよね?
でもね?
私貴方のように使える人と何度も戦ってきたから、慣れているのよね〜」
慣れている。これは脅威だ。だが裏を返せば、慣れていること以外をやられると焦り始め、今まで対処出来ていたものすら出来なくなるという点だ。ただ、ここまで戦闘に関しての情報が多い奴ではそれを見つけることすら叶わないまま死んでいく。
「ほらほらっ!このままだと死んじゃうよ!?もっと抗ってみせてよ!」
腹を思い切り蹴られた。もし力をいれていないままだったら、内臓までダメージを受けていたであろう事は容易に想像がついた。現に、カバーしたにも関わらず、暫く立つことすら苦しいほどのダメージを負った。この状態で更に、リミッター解除の制限を解除していくと通常の半分持つか持たないか、という所だろう。
でも、やるしかない、のか。この化け物女に勝つには…たとえ勝っても、生きれる保証はないのに、でも僅かな希望を消さないために、やるしか、ない!
リミッター解除、80%…
「おっと!?」
先程の彼とはえらい違いだ。剣先が掠るとすら思ってい無かったが、これは考えを改め無くてはならない。先程からこちらも"擬似、リミッター解除"を使用してはいるがやはり本家には勝らないということか。なんとも忌々しい。だが、ここで勝てば私は更に認められる。私の欲しかったものが手に入る。だからこんな年端も行かない青年に、負ける訳にはいかない。
「悪かったなアルバ。お望み通り本気で行くぞ。」
と言っても、これでは長い時間は持たない。適度に切って入らねば体は持たない。ただ、その操作自体もかなり難しいから結局は消耗するのだが、それは相手も同じこと。言わば消耗戦で勝つのはどちらかという事だ。
「楽しみだわあなたの本気。ならこちらも誠意に答えなくちゃ。」
擬似、リミッター解除90%。
同時に地を蹴り、神速とも言えるスピードで剣を交差させ、弾き斬りこみを自らが持てる限りの重さ、速さを相手にぶつけて行く。呼吸を整えている間はない。有るとしても鍔迫り合いの最中であったり2人とも下がっていた場合だ。息が切れたら怒涛の攻撃を食らうためである。同じレベル通しの相手であった場合、先に息が切れた方が負ける。防戦一方となって勝つ事があるとしたら、相手が攻め急いだか、それすら跳ね返すカウンターがあるか。たが、そのカウンターをするにも、労力は使う。つまり、それが出来るまでは耐えねばならない。だから極めて防戦一方の奴は勝つ可能性が低いのだ。
人が負けるとしたら、先に心が折れた方だとも言われている。一度折れたものは二度と立ち向かうことは出来ない。だから持てる限りの力を持って戦い抜かねばならないのだ。
大分斬りあったが、未だ勝機は見えない。何せ隙が全く見当たらない。どこに斬りこんでも返される未来しか見えない。どうすれば、いい。いや、考えるな。感じろ。人間は完璧ではない。いつかどこからか勝手に隙は生まれるものだ。そこをつけば…
流石と言わざるを得ない。VRでの戦闘が現実に影響を与えるとは聞いていたけど、まさかここまでとは。段々私の攻撃に順応し始めている。早いとこケリをつけないと。いや、ここは私が耐え切って、別働隊のアイツらが来るのを待つっていうのもありだ。それなら確実に殺せる。だけど、それは、
私のプライドが許さない。
彼は、私がずっと、お会いしたかった人を殺したのだ。
その日から、私の心は決まっている。
あの方が受けた報いを、晴らすと…
「っ!?」
急にアルバの剣が重くなった。俺はそれに対応しきれず弾いた。だが、それは場面を好転させることは無く、寧ろ悪転させてしまった。アルバは弾かれた衝動を利用し、回転しながら俺の左腕に斬りこんだ。
私は懸命に走った。工藤隊長に武器を渡す為に。
私からして、最初の彼の印象は最悪だった。幾ら上司とは言え菊岡2等陸佐を問答無用で殴り飛ばし、我々に指示出しをしたからだ。だが、彼がその立場には実力でいる事はすぐ知ることとなった。菊岡2等陸佐の袖につけられた盗聴器を真っ先に発見し、その後艦内に設置されていた実に30にも及ぶ盗聴器等を見つけ出し破壊して見せたからだ。中には爆弾機能も付いたものも数多くあったのだがそれも難なく解除して見せた。それに彼は、非情ではあるが正論を述べる。これは戦地では1番重要なことだ。感情的にならず、一何時も冷静沈着で居られるのは容易なことではないからだ。
彼の凄さは皆肌で感じ、心で感じていった。私はそう思っていた。皆、私と同じ気持ちのはずだと。だが、実際は違った。先程の防衛戦も、隊長を信用してないから起きた惨事だ。確かにこの短い期間では難しいかも知れない。でも私は、皆思いは一つだと、勝手に勘違いしていたのだ。その結果がこれだ。もっと私から彼らに伝えられることはあったはずだ。そうすれば、隊長が1人で殿をすることも無かったのに…!
現場に着いた時には、決着が着来そうな場面だった。隊長の左肘から下の部分はそこに落ちていた。夥しい量の血が流れ、止まらずにいた。今すぐ止血しなければ出血多量で命が危険になるレベルだ。もう、私しかいない。私がやらねば…!
「まさか、ここまでとは、な。」
「簡単には殺さないわよ…もっと痛い目に遭わせてあげるから…」
ごめんな、木綿季。お前が俺に話したこと、叶えてあげられそうにないわ。幸せにするって誓ったのになぁ。嘘つきで、悪かった。
ありがとう、木綿季。
「たいちょぉぉぉぉおおおおお!!!!」
あいつは確か、俺が送り出したやつじゃ…
彼は走りながら、継裕に振りかかっていた剣を止めた。
その刀は、俺の…
「相棒じゃねーかよ…」
俺が愛用している刀は、2尺6寸ばかり程のものだ。少し長めだが、この位が自分にとっては1番扱いやすい。その相棒が目の前にある。俺はまだ、死んではいない。まだ、戦える。
「隊長っ!これでどうか」
これ以上言葉を続けることは無かった。アルバによって首元から斬り落とされたからだ。頭は宙を舞いながらもなにか訴えかけているような気がした。そして残った胴体からは、血が勢いよく、噴射し血のシャワーを浴びせた。その時、俺の頭の中である記憶がフラッシュバックした。俺の愛する人が、殺されている映像を…
「邪魔が入ったけど特に問題は無いわ。さっ、続きを」
ふぅん。今までの中で一番の殺気ね。余程頭にきたのかしら…?
「お前、"シバ"もこんな風に…殺したのか!?」
「シバ…?あぁあのこね。ええそうよ。彼女は面白かったわっ!だって私には絶対に勝てないと分かっていても抵抗してきたのよ!あれこそ過去最高に血が煮えたぎったわね!」
「そうか、なら丁度いい。貴様を殺しがいがあるってものだ…」
どこからそんな力が出るのであろう。アルバは疑問に思った。今受けている刀の重さは先程までとは比にならない。気持ちが乗るだけで、こんなにも変わるものなのか…?意思では私も負けていないつもりだった。でも彼は私の意思を遥かに上回っているとでも言うのだろうか。あの世界のように、意思でどうにかなるなんて事は起こりえないはずだ。でも目の前の重さは、それを塗り替えてしまうほどに、重い。
そこから私は防戦一方になった。先程までと完全に逆転だ。継裕は腕が1本無いはずなのに、出血量も夥しい筈なのに。何故、まだ、動ける!?
そう考えていたら、あっという間に右腕を斬り落とされた。刀は下に落ちていった。切先が地に着く前に、継裕の剣先が私の首に迫る。だが、そこまでが限界だったのか。僅かに軌道がズレた。私は間一髪で避けきり、右腕を拾い、逃げることを選択した。今回は勝てなかったけど、次こそはという思いを込めて。
なんとか撃退した。自分でも不思議なくらいだ。人をあんなにも、憎しみを込めて殺そうとしたのは初めてではないか…?そう思うと同時に、自分の左腕から激痛が走った。思い出してみれば、自分の左腕は斬り落とされていたのだ。この出血量から見ても、よく動いていたなと思う。アドレナリンが切れたのだろうか、次第に瞼が重くなってきた。左胸に入っている携帯端末からなにか聞こえるが、もう聞き取ることは出来ない。
思い返せば、濃い人生だったなと思えた。高度な英才教育。感情豊かな仲間たち。守りたい人も出来た。
目の前に誰かが来た。もう、目もよく見えない。黒ずんでいる。それは何かしらの症状なのか、血なのかは分からないが、まぁわかる必要も無いだろう。俺の戦いは終わった。守り切ったはずだ。胸を張れる、筈だ。ここまでの人生において、悔いはない。
来世は普通の子供として、生きてみたいな。
ありがとう。
僕が彼を見つけた時は酷い有様だった。明らかな出血多量。普通なら死んでいてもおかしくは無いが奇跡的に、脈はある。残念なことに意識は無かったがまだ助かる可能性がある。なら僕がすることはひとつだ。何としてでも助ける。それが彼に対して行える罪滅ぼしだ。彼が進んで行った悪役。そんな誤解をされたまま死なれては後味が悪い。ちゃんと誤解を解いてもらわなねば。
「shit!」
まさかここまでとは…途中まで完全にいけると思った。いや、行けてた。なのに…!
「Only you survived?(生き残ったのは貴方だけ?)」
「No, I have the Vasagos(いいえ、後ヴァサゴ達がいるはずよ。)」
「He lost the game inside.with the captain(彼なら負けましたよ。隊長と共に。)」
So, it was only this engineer and us who were left behind.Well, I can't go back like this.
I'll win next time.Tsuguhiro
The battle has just begun.
出せたっ!(出す出す詐欺しなずにすんでよかった…)
次回はどうなるのやら…
(*´∇`)ノシ ではでは~