ソードアート・オンライン 覇王と絶剣   作:高島 秋

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3週間遅れとなってしまい申し訳ないです…
ここんところリアル立て込んでて…

では!どうぞ!


復活

 

 

攻略は順調に進んでいき、遂に辿り着いたのは74層。キリトにとっても俺にとっても因縁深い相手のいる層だ。まぁあれは自業自得なんだろうが、63層以来の犠牲を伴うことになったからだ。STRに多めに振っているキリトが押し負けそうになった初めての相手では無いだろうか?しかもキリトはここで二刀流のユニークスキルを発動する羽目になり、俺は刀ソードスキルを消す羽目になった。まぁあの時は人命が掛かっていたから特に未練はない。代わりに得たスキルも化け物並に強かったしな。さて、今回の討伐だが前回の情報もフル活用しベストの布陣で挑むことを決めた。これはデスゲームが始まった頃からもやってはいるがあの時とは違う。前回はここから結晶無効空間だった。ならば今回も同じだろうと予想を立てた。あの時は扉が閉まることも予想できず何人も犠牲になったからだ。と言うように、ここまで前回の情報を持ち込んでいるから何とか死者は0だ。レベリングで死んだ奴とかはいるらしいが。とまぁそんな感じでボス戦に挑むことになった。

 

人選はいつも通りと言えばいつも通りだ。

新生血盟騎士団。団長はノーチラスが務めている。ヒースクリフとは傾向が違うが、彼も団長に相応しい実力者だ。今ではキリトと並ぶ片手剣使いと呼ばれている。まだ辛うじてキリトの方が実力は上だが…

 

風林火山。昔ながらのメンバーで武士街道を進む人らだ。リーダーはクライン。相変わらず悪趣味なバンダナを額にまいているがそれが様になってしまっているから不思議だ。実力は誰もが認めるものを持っている。突破口としての活躍は目覚しい。

 

新生アインクラッド解放隊。リーダーはキバオウが務めている。あの頃とはまるで別人だ。俺が言うのもなんだが大人になった。前みたいな髪型通りのトゲトゲしたような奴ではなくなっている。寧ろ同じ人間が疑うレベルである。今ではそんなキバオウがリーダーなのもあるのだろうか、メンバーも比較的穏やかな奴が多い。あくまで揉めるという点での話でだ。

 

新スリーピングナイツ。リーダーはラン。この中にキリトらも加わった。なのでかなり厚みは増した、はずだ…前衛はキリトにランにユウキにアリス、エギルにジュンにテッチ。中衛はシリカにリズにリーファ、ノリにタルケン。後衛にアスナにシノンにシウネー。と見るとやはり脳筋に近い。まぁ前衛と一括りにしたがキリトにランにユウキにアリスはアタッカーであってエギルらはタンクだからと分ければそれぞれに一人づつでちょうどいいように見えるが、人数的にヒールが全く間に合うわけがない。だから仕方なく俺はヒーラーに徹することになる。それでも足りない場合はリーファに手伝ってもらうしかない。何故こんなにもアンバランスなギルドなのか…だが戦力的には削る訳にはいかないらしくいつも半分は血盟騎士団と組んでヒールを半分ずつにしてもらっている。

 

事前の情報通りボスが動いてくれた為比較的楽に倒せた。あの時あんなに苦労したのになとキリトが苦笑いしてたのは言うまでもない。この時俺は、前から気になっていたことをキリトに聞いてみることにした。

 

「なぁキリト。OSSを作るつもりはないのか?」

 

OSS。オリジナル・ソード・スキルの略だ。今のところ、ユウキが作った"マザーズロザリオ"11連撃が最高と言われている。その連撃数の多さから結構な頻度で頼られることが多い。ユウキのステに加えあの連撃を加えたらそりゃものすごい火力が出るから要所要所で使いたくなるのは分かるが、何分ソードスキルであることに変わりはないため、疲労が溜まるのは必然だ。決してユウキに負担が多すぎるからという訳では無い。キリトも使えた方が楽になると思ったからだ。因みに俺は滅多に前線に出ないので取得していない。

 

「うーん、どう思うキヒロ。」

 

「どう思う、とは?」

 

「いや、確かにあった方が楽だとは思うけどさ。」

 

キリトは言葉を続けなかったが、恐らく、"あの世界での二刀流は役目を終えた"的なことを考えているんだろうなと思った。だが、それではこの先守りきれなくなるだろう。こいつには、"俺がいなくなった"後の攻略組を精神的にも引っ張っていって欲しい。スキルコネクトを使えるのはかなり良いとは思うがやはりそれだけでは物足りない。何がなんでも習得して貰わなければ…

 

「キリト。そう遠くない未来に、俺より強い剣士が現れる。そうなったら、お前はそいつを倒せるか。」

 

そう投げかけられた俺は、キヒロが冗談で言ってないのを表情から察したが、正直どう答えればいいか分からなかった。まず第一にキヒロより強い剣士が本当に居るとしたら俺が勝てるわけない。

 

「更に言うと、そいつは二刀流を得意としている。どうだ、勝てそうか?」

 

「勝つしかないんだろ?」

 

俺はそう答えた。二刀流。それは俺とキヒロがあの世界で何度も磨きあった剣技だ。決して型なんてないが、俺はそれを1番信用している。そう思える。SAOでもALOでも、GGOは銃だったが、UWでも俺を守ってくれたのは、二刀流だった。だからこそ、この世界でも守ってくれると思っている。

 

 

「んじゃあ、最後の指導だキリト。」

 

さい、ご…?

 

「師匠として最後の試験だ。二刀流同士で俺を倒せ。」

 

「それが最後の試験じゃ仕方ないな。わかった、やるよ。」

 

二刀流同士。キヒロとこうしてデュエルするのはいつぶりだろうか。だけどその時は刀だったような気もするし、実質、SAO以来か。などと思い出していると残り10秒程だった。

 

カウントが0になった瞬間、キヒロは俺に突進してきた。

 

右手に携えた剣を捻りながら左胸、心臓の方へ突きこんでくる。バックステップして回避しようとするが、突きは止まることは無かった。左手に構えているエクスキャリバーで弾こうとしたが完全には出来ず、多少ではあるが、ダメージを受けた。今度は右手のエリュシデータで斬りかかったがこれは難なく翻された。どうやら今の動き的にキヒロは本気みたいだ。この"デスゲームであるSAO"でである。

 

「おいキヒロ、俺を殺す気か!?」

 

あくまで冗談のつもりで言ったことに対しての返事は想像の遥か上にいった。

 

「そうだ。お前も俺を殺す気でこい。」

 

あの目は1度も見た事がない。恐ろしさで言ったらOSの時の激昂してた時の方が上だろうがなんと言うか、今のキヒロから全くと言っていいほど、生気を感じない、光が点ってない、どこを見ているかわからない。そんな感じだ。だが、剣に乗せてきている重みは間違いなく殺気だ。その根拠にキヒロが持ってる片手剣は禍々しいオーラを纏っている。

 

10分程だろうか。体感的には1時間程の斬り合いをしたような気がする。結局キヒロの剣が折れるという形で俺が勝利を収めたがなんか納得がいかない。なんと言うか、折にいったような気がしたからだ。

 

 

次の日、ユウキからキヒロ失踪との連絡を受けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっと見つけたぞ。アルバ…」

 

「思ったより遅かったわね。まぁいいけど、何しに来たの?」

 

「攫ったヤツらの、解放に来た。」

 

「無駄よ。ザガンの能力使っているもの。どんなものかは貴方も知らないわけじゃないでしょ?」

 

「っ!」

 

「まぁ、ここまで来た御褒美として、少し遊びましょ?キヒロ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

キヒロがアルバと戦っている間、攻略組はキヒロ抜きで攻略を進め、遂に80層まで突破した。その後、殺人ギルドとして暗躍してきた"アル・サーメン"の根城を突き止め討伐しに向かったのだが失敗に終わったのは言うまでもないだろう。

 

 

 

 

 

「うふふ、どうキヒロ?好きでない人からこのようなことされるのは?」

 

「ふっ、気持ち悪いに決まっているだろう。聞くまでもない。」

 

「そっ、まぁそれは時間の問題かしらね?これが終われば、あなたは楽になれるのよ。私の子として。」

 

 

 

「そいつはゴメンだ…」

 

キヒロの身体が発光し、アルバは思わず顔を覆った。その隙にキヒロは壁を壊し、外へ脱出した。"かつての自分としての姿で"

 

 

「やっと出てきたわね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソロモン…

 

 

 

 

 




まぁ読者の皆さんは知っていたと思いますが

ソロモン=キヒロです。

これがどう絡まっていくかは続きをどうぞw

(*´∇`)ノシ ではでは~

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