中々時間取れなくて、ちょこちょこ書いてはいたんですが…
えっと、何を書けばいいんだ()
うーんと、では!どうぞ!
「くっ…ん、はっ…」
本当は大声で叫びたい。泣きたい。でも、それをしても返ってこない。失ってはいけない人達を沢山失ってしまった。それぞれ将来を誓い合った者もいるだろう。それを俺は、数多く消してしまった。俺が死ぬべきなのに、
なんでまだ、生き残っているのだろう。
「生きて、この世、界に、幸せ、を…」
俺はまた、守れなかった。
誓ったはずなのに、また、守りきれなかった。
守りたい者ほど、守れないのはこの世の常であるのだろうか。
あのような事態があったからだろうか。アルバ等が手を出してくるということは無かった。それはとても好都合だった。第85層を突破したのは良かったが、あまりにも負傷者が多かった。死者も出た。毎回毎回こうも半分ほど殺られてしまってはこの先どうすればいいのだろうか。こちらの実力も確実に上がってきているはずなのに、一向に死者が減る様子が見れない。何か策を考えないと…
そんな時、あの女が来た。
「お久しぶりね皆さん。今日は大事なお話があって参りました。」
攻略組の中には、お前と話すことなんかない!とか帰れ!とか好き放題言ってる奴もいたが別にそれを止める気も起きない。寧ろ加わりたいぐらいだが、そんな事したらなんの為に奴が来たのか知ることが出来ない。ここは私情を捨てるしかない。
「なんのようだ。」
「3日後、第86層のフィールドにて私達は貴方方をお待ちしております。」
「それはつまり、ボク達に"宣戦布告"という事かな?」
「その通りよユウキ。私達は5万の兵力を持ってしてあなた達を排除するわ。」
そう言い残すとアルバは消え去った。
5万、だと…今ここにいる攻略組は50人ほどだぞ。不可能だ。この状態で戦闘なんかになったら間違いなく、全滅だ。嫌だ、それだけは避けなくては…
咄嗟に生命の危機を感じた数人が転移門へ向かって行った。だが、それが役割を果たすことは無かった。伝言を残したアルバの話によれば、下層から上層へ来ることは可能だが、その逆は出来ないようにしたとのこと。アルバという女は逃げ道を潰すのが得意なようだ。
下にはキバオウがいた為、下層より人員の確保は可能らしい。だが、どんなに集めようとしても5000もいかないという事だ。例え5000集まったとしても10倍。とてもじゃないが現実的ではない。
結果的に集まったのは3000人ほど。これでも集まった方だろう。あのキバオウが下層のありとあらゆる所を巡り、時には仲間に手助けを呼び掛けながらかき集めた人材とのこと。つまり、アインクラッド85層以下での最強布陣であることは間違いないらしい。レベルも攻略組と10以上離れていることは無く、それなりの戦闘経験もある。敵に対する知識はこれからでも間に合うだろう。不安なことに変わりはないのだがな。
「どうやら世界の危機のようだな坊主。」
この野太い声。かつてアンダーワールドで聞いた声。アリスを守るために、暗黒神ベクタと相打ちになった人界最強の、整合騎士長。
ベルクーリ・シンセシス・ワン。
彼がそこにいる。いや、よく見たら他にも何人か整合騎士がいる。彼の後ろに続くようにファナティオさんにデュソルバートさん、エルドリエにシェータさん。ネルギウスさんにエントキアさん。それに四旋剣の皆が出てくる。
そして………
「ユージオ…」
アリスがそう呟く。最後に現れたのはユージオだった。正直、最初にベルクーリさんが出てきた時にもしかして、という思いはあった。だが、俺はあの時、彼を、ユージオを失ってしまったのをこの目ではっきりと見た。でも、理由はどうであれ、また会えた、3人が揃ったということの方が大きかった。俺とアリスはユージオに駆けり、きつく、熱く抱擁した。
「く、苦しいよ2人とも。」
その言葉は、少し、ほんの少しだけ、涙声が混じっていた。
そんな時、後ろにいたユウキから驚愕とも取れる声が聞こえた。
「アルゴぉぉおお!?」
確かにアルゴがいる。更にその後ろには、消えたはずのリズとクラインまでもがいる。一体どういうことなんだ。状況が全く飲み込めない。それをわかりきっての事か、アルゴは次々に説明してくれた。
アンダーワールドの死者が蘇った理由は空間に散らばったそれぞれ個体の生命リソースをとある人物がかき集め、再結合した結果によるものだということ。これの難点は、傷を負った場合、通常より治りが遅いこと。それ以外は生前と同じように戦えるとのこと。
これ以上ない戦力アップだ。これなら5万の大軍でも、戦える。
「それと、キー君のことについてダガ」
これにはユウキが飛びついた。無理もないが少し落ち着いた方がいいだろう。そんなユウキを真っ先に宥めたのがランだ。流石としか思えない。
「キー君は今現在、アインクラッド地下100層の所にある部屋で療養中だゾ。」
療養中の理由としては、アル・サーメン…いや、アルバによる洗脳魔法を受けた際、黒い魔力を自身に取り込んでしまったことによって戦闘不能状態らしい。だが、それを利用して自分の分身を作り、アルバらの所へ潜入。今まではずっとそれを操ってきたらしい。だがそれが分身だとバレた事により、敵幹部は激怒。更にはそれを破壊。これにより、自らによる殲滅作戦に移行したとのこと。
「だから敵は魔法による殲滅魔法を繰り出すと思われるゾ。それを防ぐ方法をこの3日のうちに仕上げないとナ。」
それから地獄の鍛錬の日が始まった。
ちなみにキヒロの復活の日は近いらしい。もう少しで黒い魔力を除去出来るとのこと。クラインとリズは完全復活。気づいたら無くなったはずの手足が生えててびびったらしいが普通の反応だなこれは。
そうして迎えた3日後。
右翼部隊の隊長にはノーチラスが。数は1000。主に血盟騎士団が先導する。それと整合騎士達はこちらに集中させた。気心しれたやつが多い方がやりやすいだろうというアスナの配慮だ。
左翼部隊の隊長はキバオウ。数は1000。主にアインクラッド解放隊が先導をきる。他にはALOでの領主組や風林火山の人らが盛り込まれている。
中央部隊隊長はラン。数は500程だが殆ど魔道士部隊だ。先頭にはスリーピングナイツの皆や俺らのパーティーメンバーが構成されている。アスナ以外の全員はこの場に揃っている。まぁ俺は指揮するの苦手だからとても助かってはいる。
後方部隊。総隊長はアスナ。前線の戦況を事細かく伝達していく。アスナの指揮が勝敗に関わっていると見て間違いない。だが彼女なら大丈夫だろう。SAOで最強と言われた血盟騎士団の副団長を務めていたのだから。
開戦の時が、刻一刻と迫っていた。
そうして遂に、その時がきた。
「全軍前進!」
各部隊の隊長がそう叫ぶ。その叫びに負けぬよう雄叫びを上げながら敵部隊に迫っていく。そんな時、敵最前線に巨大な物体を視認した。全長20メートル程だろうか。かなりでかい。全身黒ずくめだからどう言ったものなのかはよく分からないが、人型をした人ならざるものと言うべきか。
それが大規模殲滅魔法を放つまで、あと3秒。
「腕が鳴るなぁ!」
こう話すのはユージーン将軍。いや、元将軍か。命懸けだと言うのに、何故この男はこうも興奮したような目をしているのだろうか。ALOでの種族間戦争の規模ではないことを分かってはいるのだろうか。そんな時、もう1人の緊張感ゼロの元領主が私に話しかけた。
「サクヤちゃん。絶対、生き残ろうネ!」
相変わらず、愛嬌のいい人だ。彼女の見た目に愛くるしさを覚えないやつは居ないのではないか?あぁ、1人だけいたな。まぁ彼は彼女にゾッコンだったからな。これが終わったら、またあの二人のイチャつきを見られるのかと思うと、微笑ましいようなイラつくような、よく分からない気持ちになった。断じて、私に恋人がいないのが理由では無い。断じてだ。
そんな事を考えている間に、開戦の火蓋が切って落とされた。それによって進軍しているのだが、敵兵がこちらに向かって来る気配が全くない。それに何か変わった物が最前列にいるのはなにか理由があるのだろうか。
「!サクヤちゃん!!」
アリシャがそう言って、私を突き飛ばした。一体何事だ。その答えは、直ぐに現れた。最悪の形で。
思わず、突き飛ばしちゃったけど、これでいいのかな?敵の最前線にいるあれはきっと、対軍殲滅部隊の一部だと思う。うちの竜騎士部隊にも同じような魔法があるからすぐ分かった。アスナちゃんも恐らくすぐ理解したんだと思う。魔法結界を張ったけど、全軍を防ぐのは無理だろう。そう悟ったうちは咄嗟に、サクヤちゃんを突き飛ばした。結界が貼られている方向へ。あぁ、魔法がこっちに向かってくる。にしても遅いなぁ。これが、走馬灯ってやつなのかなぁ。人生に悔いなし!とは言えないけど、ここで過ごした時間は、楽しかったなぁ。
「アリシャァァァァァァァァァァアアア!!!」
私を突き飛ばしたアリシャは、敵の攻撃によって、黒焦げにされた。かく言う私も、膝から先が無くなってしまった。痛みはもちろんある。足が焼かれていく感覚もまだ残っている。だけど、私にとってそれより重要なことがあった。這いつくばりながらでも彼女に近づく。消えてないことからまだ生きてはいるのだと希望を持ちながら、彼女に近づく。だが、結果は…
死んでいた。
どうやらこの戦争において、死者が消えることはないらしい。死んだ姿のままここに残り続ける。なんて酷い世界なのだろう。ほんの少し前まで、他愛もない話をしていたのに。また一緒に、酒が飲めると思ったのに。その夢は全て、打ち砕かれた。
「そんなっ…!」
勿論、敵の殲滅魔法に対して対策は立ててきた。だけど、その威力、射程、発動までの時間。どれをとっても想定を遥かに上回った。今の攻撃で最前列はほぼ壊滅寸前。救いなのが今まで生き残ってきた精鋭及び、整合騎士達にはダメージがないこと。だけど、決して無視できない損害であることは確か…こんな時に、彼がいれば…
「アスナ!指示をく」
恐らく、キリト君からだったのだろうけど、通信が途端に切れた。理由は分からないけど、これでは指示をとばせない…一体どうしたら…
「なっ、通信が途切れた!?」
「…………キリト、恐らくだけどこの魔法は、"絶縁結界"だよ。」
絶縁結界。ありとあらゆる魔法が使用不可能になる空間。その魔法を破るには何ヶ所にも渡る支点うちの何個かを破壊しなくてはいけないと、ユウキは言った。そんな時、またしても奴が現れた。地中から。
ガガガという音を立てながら地中から出てきたのはソード・ゴーレムだった。この距離では逃げるなんて手段は不可能。戦うしかないが最悪なことに魔法による支援は全く望めない。全く、敵は戦い慣れているとしか思えない。
数は10体。あれを打ち破るにはそれぞれ50人は欲しいけど…どうすれば…
「アスナ、朗報だゾ。」
アルゴさんが話しかけてきた。こんな状況で朗報?話によっては叩いてしまいそうだけど…
「そんな怖い顔するナ。キー君の復活ダヨ。今さっき連絡が来た。」
今の私はどんな顔をしているのだろう。絶望的な状況の中、たった一人の男の子が帰ってくる。それだけなのに、もう大丈夫だと、そう思えたのは私だけなのだろうか。
期待していいんだよね。キー君。いや、継裕…今に至ってはたった一つの光になる存在である君が帰ってくれば、この状況を打破出来るかもしれない、そうだよね。…お願いね、継裕…
「ん、お前ら、感じたか?」
「えぇ。我々を復活させてくれた方の気を感じました。」
「よぉし。ここでいっちょこのどデカい奴を倒し、恩を返そうではないか。」
「えぇ、整合騎士の名にかけて!」
くそ!何だこの化け物は!俺の仲間が、一瞬にして殺られた。これ以上後ろに行かせるわけにはいかねぇ。怪我したサクヤ達がいるんだ。
「ふん、ここで食い止められなければ、ALO最強剣士等とは名乗れんなぁ!」
風林火山の奴らやアインクラッド解放隊の精鋭メンバーと計3体の化け物を相手する。こいつらはとにかく速いし攻撃が鋭い。時間が経つにつれ仲間は次々に消えていく。今や残っているのは俺と風林火山のギルマスのクラインと解放隊の数人。そして残っている敵はあと2体。こんだけの犠牲を払ってたったの一体しか倒せないとは…ここは一旦前線を立て直すしかない。
「おいクライン。お前はこいつら引き連れキバオウのところまで行け。」
「な、死ぬ気かあんた!?」
「そうじゃねぇ。この状況を伝えてこい。それまでは耐えてやるからよ。」
クラインは俺の話が分かるやつだ。きっとあいつなら、俺の意図を汲んでくれるはず。おいさっさと行けこの野郎。気持ちが揺らぐだろうが。ああ、このアホとまた、酒を飲みたかったなぁ。
「行け!」
俺の掛け声によって、俺以外の奴らは全員後退していった。とてもじゃないがこの俺でも1人で2体を相手出来るとは思わない。だが、俺が駄目でも次の奴らに託せば、必ず、道は開かれるはずだ。だから、この俺の選択は間違いでは無いはずだ。だが、
「はは、"怖ーな"。」
次々敵の攻撃が俺に降り注ぐ。出来る限り避けるか弾くがなんせ相手は化け物だ。この全身が剣みたいなやつに、俺が勝てる、いや時間稼ぎすらすることは許され無かった。剣が吹き飛ばされた。取りに行くなんて事を許さないばかりか、俺の剣を真っ二つに折りやがった。これを絶望と言わずして、なんて言えばいいのだろうか。次から次へと俺の体に剣が刺さる。痛い、痛すぎる。次第に痛みが消えていった。目は血によるものなのか真っ赤になった。視界が次第に暗くなる。人としての感覚が無くなった。そうか、これが、
"死ぬ"という事か。
僅かに残っていた聴覚にはあの化け物が倒される音が聞こえた。あぁ、良かった。俺の死は無駄にはならなかった。あとは頼んだぞ。
「くそ、間に合わなかったか…」
ユージーン将軍。あんたは男の中の男だよ。どうか、安らかに眠ってくれ…後は、任せろ。
「おーい!!ユージーンの旦那ぁー!っ!?」
俺が見たものは、人としての原型を失ったユージーンの姿だった。では何故ユージーンだと分かったか、それは、半分に折られた剣がその傍に刺さっていたからだ。あの化け物は粉々に斬り裂かれていた。
「くそっ!分かってたはずなのに!止められたのに!」
「泣くんじゃないクライン。ユージーンが報われんぞ。」
キバオウの野郎にそう声をかけられた。そうだ、泣いてしまっては、旦那の賭した意志を無下にしてしまう。旦那が見れなかった、見るはずだった世界を、俺達は探し、見つけていかなければならない。それが、せめてもの償いだ。ありがとう、ユージーン…
ソード・ゴーレム。残り7体。
He will finally return to the battlefield.He wields his sword again because he has a life to save.
次回
【鬼神】
はい、やっと出ましたね。ほんの少しだけど…
次回はガッツリ出る予定(あくまで予定)
多分推しの人いると思うですけど…
ごめんなさい!
いや許して貰えるとは思わないけど…
本当にごめん!
(*´∇`)ノシ ではでは~