魔法科高校の劣等生 ~世界をひっくり返す錬金術師~   作:カイナベル

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 12月14日19時30分、ルーキーランキング7位、UA一万越え本当にありがとうございます。
 携帯の電源つけてハーメルンを見た時、UA一万超えて、お気に入り300人超えていたのを見た時は一体何事かと思いました。なんでこんなに伸びたんですかね?誰か教えてください、本当に。

 では今回から九校戦編です。どうぞお楽しみください。

 また錬の異能はあとがきに書きたいと思います。

※2017年12月26日感想でのご指摘を受け、修正しました。






九校戦編
九校戦編 第一話


 ブランシュの事件以来、特に大きな事件が起こることもなく(そう何回も大きな事件に巻き込まれていたら、たまったものではないが)平和極まりない様相で日常が過ぎていっていた。そして初夏を通り過ぎ、夏になろうとしていると、同時に魔法科高校の全学生の待望とする行事が近づいていた。その名も九校戦。魔法科高校九校の代表が実力を競い合う、いうなれば魔法師の全国競技大会である。政府関係者などに限らず、一般企業や海外などからもスカウトが来る魔法科高校生の晴れ舞台であるため、アピールのため、はたまた自分の力量を確かめるためなど理由は様々あるが、出場するために学生たちは必死になるのである。筆記の成績も九校戦の選手内定としての重要なファクターとなるので、生徒たちは学業に精を出していた。そしてここ一校でも定期考査が終わり、生徒会は九校戦の準備に向かっていた。

 

 

 

 

 

 

「それにしても君の成績はどうなっているんだ…」

 

「そんなにおかしなことでしょうか?筆記も実技も司波兄妹が同等レベルの成績を出していますよ?」

 

「その二つを君一人で出しているのがおかしいんだがな…」

 

 俺は渡辺先輩と風紀委員会本部で資料作りをしていた。九校戦の準備をするのは生徒会。渡辺先輩が選手選考に多少口出しをするにしても、九校戦の準備に携わることはない。それならば何の資料を作っているのかと問われると、それは風紀委員長の引き継ぎのためのものだ。風紀委員の悪しき習慣として、風紀委員長の引き継ぎがまともに行われた例がないらしい。委員長は一年のころから風紀委員をやっているらしく委員長になったとき、さほど困らなかったらしいが、いま委員長が目をつけている人物は風紀委員の経験がなく、丸投げをするわけにはいかないらしい。だが可愛い後輩ができるだけ苦労しないように…、という配慮で引き継ぎを円滑に行うために資料を作っているのだ。俺に資料作りをすべて丸投げして。不器用だが優しい、委員長らしい、いい気づかいであるが、そのために俺が最近毎日呼び出されるのは俺に対しての気遣いが足りないのではないか?とも思ったが、これが俺の仕事でもあるので何も言わず、不満を飲み込んだ。(それにしても私用で委員長以外にも手伝ってくれと頼まれたり、引っ張り出されすぎに思えるが)その最中、委員長が暇になったのか、出回っている一年の成績を見ながら俺の成績を話題に出してきた。

 

 魔法科高校の試験は実技と筆記の二つに分けられ、総合成績とその二つの成績優秀者は学内ネットで氏名を公表される。無論すでに公表されており、それは学校内に多大な驚きを呼んだ。

 

まずは総合。これはみなの予想通りといったところであるが、

 

一位、A組 園達錬

二位、A組 司波深雪

三位、A組 光井ほのか

 

 続いて実技。

 

一位、A組 園達錬

二位、A組 司波深雪

三位、A組 北山雫

 

となった。なぜ深雪が一位でないのか、ということでなんやかんやひと悶着ありはしたが、俺が本当の入試成績一位である、ということを知っている深雪の鶴の一声でその騒動はすぐに収まり、実は汚い手を使って一位になったという俺の誤解もなくなった。(おい、誰だそんなことを言ったやつは。)

 

そして理論。ここが俺以上の問題となっていたのだ。

 

一位、A組 園達錬

二位、E組 司波達也

三位、A組 司波深雪

 

 そして四位、E組吉田幹比古、五位にほのか、十位雫、十七位美月、二十位エリカ、というようにレオ以外のいつものメンツが上位に集まっていた。実技の感覚がわからなければ、理論が解けないというわけではないが、それでもこの順位は異常の一言だった。トップ5に二科生が二人。さらには俺と達也は俺たちより下に平均点で十点以上も差をつけてしまったのだ。俺は実技でもまあまあの成績を残しているためおそらくセーフだが、達也は別だ。今日は達也も来る予定だったのだが、いまだに来ていないのはおそらくそれが原因だろう。だが、この手の話をするのは学生にとっては苦痛でしかないし、俺ももうあきた。この話題をいち早く終わらせるために、俺は一番手ごろな九校戦なる物の話題に話をすり替える。

 

「そういえばそろそろ九校戦ですか。生徒会や選手はやることが大変そうですね」

 

「随分と他人事のように言うが、君も選手に内定しているぞ。モノリス・コードとスピード・シューティングだ」

 

「なんでですか」

 

「定期考査総合、実技、筆記一位のやつを選ばない理由はないと思うが?」

 

 あっけらかんとした顔で渡辺先輩が言い放つ。こちらの事情は考えていないのだろうか。そもそも九校戦自体何かを俺は知らないのに。そんなことを考えながら渡辺先輩を見ると、何やら勝ち誇ったような顔をしている。口で言い負かせたとでも思っているのだろう。と考えて一瞬にらみを利かせると同時に達也が入ってくる。俺は睨みを利かせるのをやめ、手を動かしながら気さくに声をかける。ちなみに余談だがあの出来事の後、二人との関係はどうなったかというと特に変わらない。というか前より親しくなった。というか向こうが俺に隠し事をする必要がないとわかったからか、皮肉を他より多く言ってくるなど、遠慮がなくなったというか…。とにかく周りよりは踏み込むことのできる関係になったと言える。

 

「達也、遅かったな」

 

「ああ、少し呼び出しを食らってな。」

 

「成績、大方実技と理論の差についてだろ。」

 

「その通りだ。挙句の果てには四校に転入まで進められた。」

 

 まったくもってお話にもならない。成績が高いということで転入を進めるなど、自分たちには面倒を見切れないと言っているようなものだろう。そもそも面倒を見切れるような代物ではないが。空気が悪くなってしまったのを察したのか、達也が九校戦の話に切り替える。。

 

「そういえば九校戦はいつですか。」

 

「八月三日から十二日までの十日間だ。というかそんなことも知らないのか…。君たちは九校戦を観戦に行ったことはないのか。」

 

 委員長が達也を見ながら言う。今までいなかった達也にも聞いてみたくなったのだろう。

 

「俺はないですね。興味なかったので。」

 

「俺も夏休みは野暮用で忙しかったので。」

 

「興味なかったなんて言えるのは君くらいのものだな…。それに達也君、妹さんは毎年観戦に行っていると聞いたぞ?」

 

「俺たちだって、一年三百六十五日ともに行動しているわけじゃありませんから…。たまには別行動していますよ。」

 

「でもどんな競技があるかは知っているだろう?」

 

 俺は無言を貫く。本当に九校戦に関してはわからないのだ。というか考えたことすらない。

 

「モノリス・コードとミラージ・バットくらいは知ってますよ。」

 

「あの二つは有名だからな…。まあ、それだけでも知っていてよかったよ。それすら知らないという人物が若干一名いるみたいだしな。」

 

 委員長が冷ややかな視線を向けてくる。向けられている視線を見ないようにして気にせず作業を続ける。すると、委員長が呆れたようにため息をつくと、咳払いをするように口に拳を手に当て、考えるふりをする。そして渡辺先輩が九校戦について説明するために口を開く。

 

「まずは…錬君。基礎すら知らない君はこのパンフレットを読んでいてくれ。」

 

 委員長から紙の印刷物が渡される。内容は九校戦について。長々といろいろな内容が書かれているパンフレットに意識を集中すること約五分。

 

九校戦について簡潔にまとめるとこうだ。

 全国から魔法師の卵が集まり、様々な競技で競い合う、部活動の全国大会のようなもの。

 競技数は全部で六種目。競技ごとに様々な特色があり、本選と新人戦に分かれている。

 活躍すれば、何かしらのいいことがある。

 

 

「…渡辺先輩」

 

「ん?なんだ?」

 

「このモノリスコードという種目は団体戦、なおかつ対人戦ですよね」

 

「そうだぞ」

 

「………私、園達錬はモノリス・コードの出場を拒否します」

 

「それを拒否しよう。学年一の実力の持ち主、なおかつ私に勝てる実力の持ち主を見過ごすわけにはいかない」

 

「それでは九校戦そのものへの出場を拒否します」

 

「わ、分かった。モノリス・コードの選手内定を取り消すように取り計らおう。…チッ、パンフレットを見せるべきじゃなかったか。」

 

 今渋い顔をしている渡辺先輩との交渉を終えて俺は再び作業に戻る。雰囲気が悪くなってしまった本部の空気を戻すのに一役買ったのはやはり達也だった。

 

「今年は三連覇がかかっているんでしたっけ?」

 

この言葉でかなり渋い顔になっていた渡辺先輩の顔が元に戻る。

 

「コホン…、そうだ。あたしたちにとっては今年勝ってこそ本当の優勝だ。」

 

「でも確か順当にいけば当校が優勝確実、言われているようですが?」

 

「そうだ、選手の能力には不安はない。十分に優勝できるものだ。不安要素があるとするとすればエンジニアの方だ。」

 

「エンジニア?CADの調整要員のことですか?」

 

「そうだ。今の三年生は選手に比べてエンジニアの人材が乏しい。真由美や十文字はCADの調整も得意だろうから不自由は感じないだろうが……」

 

 唐突に口を閉ざして、言葉を濁す。恐らく渡辺先輩は苦手なのだろう。達也と俺、どちらも完全に閉口する。俺と達也はどちらも魔工師志望、余計なことを言おうものなら、エンジニアとして内定確定、そして道連れとして告げ口という状況が目に見える。俺は選手であるから、と言う逃げ道があるが達也はない。よって達也は推薦されようものならエンジニア確定、よって一言も発さない。俺は別に達也がエンジニアになろうと、どうでもいいので何も言わない。最終的にはその場の誰もしゃべらなくなり、本部を静寂が包み込んだ。

 

 

 




 星雲の本棚(アストロ・ライブラリ)

 錬特有の異能。頭の中にこの世のすべてが記述された図書館がある。その情報量はフリズスキャルブの比でない。現実の事象や物質だけでなく、仮想の事象や物体、さらには概念も眠っており、錬にとっては一生つきない遊び場になっている。(〇ンダム、〇イア〇マン、ト〇ン〇フォ〇マー作り放題である。)錬成と相性が良く、この世にない物質が作り出せる。イメージとしては宇宙空間に本棚がふわふわと浮いており、検索をかけると、その本棚が目の前に飛んでくる感じ。

 毎日更新されているため、常に脳が動いており、糖分の補給が不可欠。また、睡眠を阻害している原因の半分はこれである。

 異能はこんなところです。ここで少し報告を。入学編の閑話を思いついたので今書いています。九校戦編の途中で投稿するので事後系列が少しごちゃつきます。なので先にお詫びをしておきたいと思います。

今回はこのあたりで。それでは次回までお楽しみに。また評価ご感想お待ちしています。


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