魔法科高校の劣等生 ~世界をひっくり返す錬金術師~ 作:カイナベル
お久しぶりです。投稿できず申し訳ありませんでした。なかなか書く時間をとれずそのままずるずると…。こんなことがこれからのたびたびあるかもしれませんが暖かく見守ってください。
それではお楽しみください。
P.S.ツイッター始めました。マイページにリンク張っておきます。
九校戦七日目。新人戦四日目。今日行われる競技はミラージ・バット。性別的に男である錬にとっては全く意味のない日といえる。やることといえば試合観戦、あとはその他諸々といったところだろうか。そのため、錬は今日やることがほとんどなく、何をしようかというなかなかの難題に頭を悩ませながら、一人朝食をとっていた。頭を悩ませながら、食物を口に運び、もう少しで食べ終わろうかというところで後ろから声をかけられた。
「錬君」
先の食事シーンからもわかるように錬に話しかけてくる人物は少ない(口数が少なく目の下のクマも作用し、入試成績一位というネームバリューが強いため。決して嫌われているわけではない)。その中で声をかけてくる人物というのは限られてくる。声の主をすぐに理解し、振り返りながら返事をする。
「どうしたんだ?雫」
食事を終え、声をかけてきたであろう後ろに雫がいた。いつもと違うのはいつも一緒にいるほのかがいないことか。
「今日、予定ある?」
「無いにはないが…、どうしたんだ?」
「だったら、一緒にミラージ・バットの観戦しない?」
「ほのかは………、ミラージ・バットの選手か」
ほのかはどうしたんだと聞こうとしたが、ミラージ・バットの選手に選ばれていることを思い出し、言葉の途中で言い換える。
「そう。だから一緒にどう?」
「喜んでいかせてもらおう。一人で見るっていうのも味気ないからな」
「分かった。それじゃああとで合流しよう」
そういうと雫は錬に背中を向け、食事会場から出ていく。その時の足取りが少し軽く見えたのはきっと気のせいだろう。
朝食の時間も終わり、錬は雫と合流し、ミラージ・バットの会場に来ていた。二人で隣で座れる席を探しながら二人で歩いていると、錬たちの前方に手を振る赤髪の人物が現れた。だれかと思いながら確認すると、エリカが錬たちを呼ぶように手を振っていた。どうやら錬たちの分の席を確保しているらしい。
「錬君、雫。こっちこっち!」
声を上げながら錬と雫を呼んでいる。断る理由も錬にはないので、近づいていき、空いている席に座る。
「よう錬。どうしたんだ。随分とゆっくりだったな。何かあったのか?」
前に座っているレオがいつものように錬に気さくに話しかける。
「いいや。単にゆっくり来ただけだ。雫と待ち合わせていたというのもあるだろうが」
錬が返答すると、その場の全員の視線が雫に向く。その真意は錬には読めなかったが、さすがに全員が向いたのが気になったため、雫に視線を向ける。すると不機嫌そうにむくれている雫が目に映った。何か不機嫌にしてしまうようなことをしてしまったのかと少し不安に思い、錬は雫に問いかける。
「どうしたんだ?雫」
「…別に。大丈夫だよ」
どう見たって大丈夫ではないだろうが、本人に大丈夫と言われた時点で錬にできることは何もなくなってしまった。このことを察知した錬は黙り込むことしかできなくなってしまった。周りの連中は少しこちらを見てざわざわしていた。特にエリカはにやにやしていた。
観客席での悶着も終わり、ミラージ・バットの試合が始まった。達也が調整しているCADを使って負けられる選手などよほどの技量不足くらいのものだろう。九校戦にそんな選手が選ばれるわけがないので、選手のスバルとほのかは他の追随を許さない実力で予選を突破した。
錬、雫、深雪の選手組はミラージ・バットの観戦を終え、エリカたちと別れ、一高テントに来ていた。今からはモノリス・コードの一校の第二試合。ここまで最下位、四校との試合だった。錬たちはその試合を観戦しに、テントに来ていた。なぜ会場に行かなかったのかというと単に、試合会場と一校のテントとの距離を比べた時に、こちらの方が近かったからである。
こうしてモニターが見える位置に三人で三人で立ち話をしていた。
「森崎君たちは大丈夫でしょうか」
「森崎たちは成績上位者だし、対戦相手も現在最下位の四校だ。何かしらが起こらない限り足元をすくわれるということはないだろう」
「成績優秀を言うんだったら、錬君も同じ」
錬は思った通りのことを告げ、雫も思った通りのことを言う。人間性云々はともかくとしても森崎は学期末試験で十位以内に入るほどの成績の持ち主、他の二人も同じように成績優秀者だ。現在最下位の四校に不覚をとるようなことはないだろう。がしかし、錬の言葉の別の部分に引っかかりを覚えた人物がいた。
「……錬さん。その言い方ですと何かしらが起こるかもしれないということですか?」
「正直絶対にないとは言い切れないだろう。現に一度事故が起こってしまっている。可能性はゼロじゃない。縁起でもないからあまり口にするべきじゃないんだけどな」
「そうですね」
これ以上縁起でもない話を続けるべきではないと三人は雰囲気で察したので、錬は話題を変えるために会話の口火を切ろうとする。が別の人物がスタートを切った。
「そういえば錬君は何でメンバー入り断っちゃったの?」
「あぁ、メンバーの一人が森崎だと知ったからだな。あっちはあっち、こっちはこっちで印象良くないからな」
錬は嘘の話をでっちあげる。森崎に悪い印象を与えてしまうかもしれないかもしれないが、錬は森崎に慈悲の心というものを一グラムも持っていないため、錬に躊躇というものは少しもなかった。がこのままこの話を続けるのはあまり精神的によろしくない。そのため錬は話を切り替える。
「そういえば達也はどうしたんだ。ミラージ・バットは終わったはずだし、姿を見せてもおかしくないと思うが?」
「お兄様は夜に向けて休息をとられています」
急速な話題転換は成功したようで、その後は競技開始まで話題が悪い方向に進むことはなかった。話をそらされた雫は少し不満そうだったが。
競技開始の時刻になり、スピーカーからサイレンが鳴る。するとその直後、森崎たちが待機しているビルが突如崩壊を始めた。予想外の出来事に一高テントに緊張が走る。が生徒会の面々はすぐに冷静になり、一校の面々に指示を出し始め、行動を始める。その行動に看過され、他の生徒たちも続々と動き始める。真由美は的確に続々と指示を出していく。そしてある人物にも指示を出そうと、踵を返し、その人物に向かって足を踏み出した。
「ちょっと錬君……、ってあら?錬君はどこに行ったのかしら」
錬と一緒にいたはずの雫と深雪に声をかける。きょろきょろと首を振り周りを見渡しながら、深雪が答える。
「…いつの間にかどこかに行ってしまわれたようですね。私たちも全く気付きませんでした」
「全くもう…、こんな忙しいのに…。まあいいわ。」
頭を抱えながら、真由美は森崎たちが搬送された病院に向かうために天幕の外へと出ていった。そして深雪は深雪と雫はいつの間にかいなくなっていた錬の行動の真意をつかもうと頭を回転させながら、一校のテントで待機することにした。
一方そのころ、いち早く行動し一校の天幕から抜け出していた錬は部屋に戻り、自前のコンピュータを操作し、通信をとっていた。
「アストラ、起きてるか」
「何でございましょうか、錬様」
「こちらでトラブルだ。今すぐ九校戦のCADチェックの人員のリストを洗ってこちらに送れ」
「お耳に挟んでおります。モノリス・コードでの事故関連でございますね」
「俺も妨害を受けたからな。他人事じゃない。いつか復讐しようと思っていたから、これはいい口実になる」
「そうですか。大会委員の怪しい人物をリストアップしてその人物の端末のGPS情報を送りましょうか?」
「それもデータと一緒に送ってくれ。こちらでも照らし合わせる。GPS情報はこちらが指示してから送ってくれ」
「了解しました。三十分ほどお待ちください」
「分かった」
錬はアストラと会話を交わし、暗躍のための前準備を始める。今回の事態。怪我をしたのは錬ではないが、妨害を行った勢力が錬の妨害を行った勢力と同じである場合、他人ごとではない。そして錬のモットーはやられたらやり返す、千倍返し。しっかりと復讐をしなければならない。錬は通信を終え、スピード・シューティングの際、妨害を受けた自前のCADの調査を始めた。
結局モノリス・コード新人戦は中止になることはなく、四校の失格という形で続行ということになった。一校はどうなるのかと思うだろうが、現在十文字会頭が大会委員と折衝中であり、本来は認められないメンバーの変更を認めさせようとしているところである。だがその最中でも大会は進み、新人戦ミラージ・バット決勝戦が行われていた。一校の二人は決勝戦でも力を発揮し、着々と点数を重ねている。その姿を達也はエンジニアとしてエリカや深雪、雫たちは観客として歓声を送りながら、見ていた。しかし、雫は少し落ち着かない様子だった。理由としては錬が会場に応援に来ていなかったからだろう。事故の時以来顔を見ていないせいか、雫はなぜか少し不安に思っていた。
「ふむ、ほぼこいつで確定だな。アストラ、こいつの端末情報を送ってくれ」
「了解しました。しかしどのようにして抑えるのですか。現場がないのであれば、学生の戯言としかとられないように思いますが…」
「考えはある。協力してくれるかはまだ分からないが、まあなくてもどうにかしてみせる」
「そうでございますか。ではご武運を。ご成功を心からお祈りしております」
アストラがそういうと、通信が切れコンピュータのモニターが一度暗転し、本来の画面へと戻る。その動作を傍目で見送った錬は携帯端末を取り出し、操作すると、今回の鍵となる人物へと顔に仮面をつけながら、連絡を取り始めた。
九校戦での錬の暗躍がこれから始まろうとしていた。雫の心配をよそに。
新人戦ミラージ・バットは一校のワンツーフィニッシュで幕を下ろし、その優勝の立役者である達也は優勝の喜びを分かち合う暇もなく、ミーティングルームに呼び出されていた。達也がミーティングルームに入ると、生徒会の面々や摩利、克人といった幹部連中、桐原や五十里といった面々もそろっていた。その中には妙な緊張感が漂っており、その表情は完全に固まりきっている。
その中で真由美が最初に口を開き、他愛もない、別の話の導入のような話をする。しかし、達也は無駄話をするつもりはないらしく、その話を切るように話を切り出す。
「それで、用件は何でしょうか」
その言葉で思考がやっとまとまったのか、真由美が本題を話し始める。
「達也君、あなたには森崎君たちの代わりにモノリス・コードに出てもらいたいと考えています」
「選手は負傷しても交代は禁止されているはずですが?」
「大会委員との協議の結果、特例として認められた」
真由美の代わりに克人が話す。二人とも顔色を変えない。
「なぜ自分なのでしょうか?ほかに一競技しか出ていない選手は何人も残っているはずですが?例えば…」
例えば、と達也が言ったところで真由美と摩利の顔が歪む。また克人も表情こそ変わらなかったが、意図を察したような顔をする。
「確かに園達にも頼もうと思っていた。しかし、園達と連絡がつかないのだ。連絡がつくまでの間、まずはお前の説得をしておこうと思い、お前を呼び出したといったところだ」
克人は隠すことなく、達也に考えを伝える。達也はその間、錬のことを考えていた。一つはおそらく頼まれても錬は受けないだろうなということ、もう一つは錬が今一体何をしているのかということ、前者に関しては達也は深く考えていなかった。錬が一度やりたがらなかったことはほとんどの確率で曲がらないことは短い付き合いながらも分かっている。問題は後者だ。連絡がつかないということは錬は今恐らく何か表沙汰にできない、あるいは知られてはならないことをしているのだろうと達也は考える。なぜ連絡がつかなかったのか、そのことに関して追求する必要があると達也は深く心に刻んだ。
さてそんなことは置いておくとしてまずは質問の返答しなければならない。
「自分は選手ではありません。そんな自分が一科生を差し置いて選手になるのは一科生にとっては不愉快な話だと思いますが?」
達也は自分の考えをそのまま告げる。一科生には自分の実力に自信とプライドを持っているものが多く、これが通ってしまえば一科生と二科生との軋轢はさらに広がることになり、達也個人としてもよろしくないことになってしまう。それを避けるために達也はこの考えを伝えた。しかし、帰ってきた答えは達也にとって予想外の答えとなった。
「甘えるな、司波」
達也の中でずっしりとした言葉が反芻される。
「お前はすでに、代表チームの一員だ。選手であるとかスタッフであるとかに関わりなく、お前は一年生二百人の中から選ばれた二十一人の中の一人。そして、今回の非常事態に際し、チームリーダーである七草は、お前を代役として選んだ。チームの一員である以上、その務めを受諾した以上、メンバーとしての義務を果たせ」
克人の言葉が達也にむけてはっきりと伝えられる。その重い言葉は達也の意思を揺らがせ、首を縦に振らせる決意をさせた。
「分かりました。メンバーとして義務を果たします」
達也の言葉に真由美と摩利の表情は安堵に包まれ、克人はしっかりとうなずいた。すると、ミーティングルームの扉が開き、なぜか室内にいなかったあずさが入ってくる。少し息を切らしながら入ってきたあずさに真由美が声をかける。
「あーちゃん、どうだったかしら」
「ダメです。連絡もつきませんし、自室にもいませんでした」
あずさの返答を聞き、真由美と摩利は頭を抱える。
「あいつ…、なぜ毎度肝心な時にあいつはいないんだ……」
「摩利、ちゃんと後輩の教育はしなきゃダメじゃない」
真由美と摩利の会話を半分に聞きながら、達也は気になっていたことを克人に伝える。
「それで俺以外のメンバーは誰なんでしょうか」
「お前が決めろ」
「本当に決めてしまってもいいのですか?」
「構わん。一名絶望的ともいえる人物がいるがそれ以外であれば、だれでも構わん。例外を重ねに重ねた状況だ。今更一つや二つ増えたところで大した問題ではない」
「では、E組の吉田幹比古と西城レオンハルトを」
「いいだろう。中条、その二人をここに呼んできてくれ」
「は、はいっ」
こういった場面で最も優秀であろう人物を引き込めなかったことをその場の全員が思い残しながら、明日のモノリス・コードの作戦会議は夜更けとともに進んでいくのであった。
九校戦関係者が止まっているホテルの一区画。薄暗い一角である男が端末で会話をしていた。
「……はい、ばれた様子もなく妨害工作は順調です。しかし一校がモノリス・コードに代役を立てまして…、…はい、…はい、わかりました。それでは失礼します。」
会話の内容からもわかるようにこの男、今回のCADチェックを行っていた人物であり、今回の事故の原因となった妨害工作を行った人物である。この男は今回の黒幕、
「動くと殺す」
男の頭に拳銃らしきものが突き付けられる。この意味が分からないものはこの世の中にほとんどおらず、すでに男の生殺与奪は握られている。が、男もいわれもなく命を握られるつもりもなく、抵抗しようと、胸元に手を入れCADを取り出そうとすると、また拳銃を突き付けている男から言葉が紡がれた。
「魔法を使おうとしても殺す。声を出しても殺す。理解出来たらゆっくりと右手を上げろ」
この時点で男にできることはなくなり、ゆっくりと右手を上げることしかできなかった。ゆっくりと右腕を上げる。その後の行動を震えながら待つ。
「オーケー」
すると、男の身体に電流走る。比喩的な話ではなく、物理的に流れた。突然訪れた衝撃に男は抗うことが許されず、何の抵抗もなく意識を手放した。男に銃を突き付けていた人物は目の部分に傷が入った見た目の仮面をつけ、全身黒づくめの恰好、そして仮面の向こうから聞こえる声は人間のものとは思えないほど機械的であった。仮面の人物はうつぶせに気絶している男を仰向けにする。そして男の胸元に手を入れ、少しの間探っていると目的のものが見つかったのか、男の胸元から手を引き抜いた。仮面の人物の手には魔法的封印の施された電子端末が握られていた。
(なるほど、これが…)
「どうしたのかね」
すると、夜の闇の中から仮面の人物に問いかけるような声が響く。仮面の人物が振り返ると、九島烈と、大会委員長と思しき人物が立っていた。その姿を確認した仮面の人物は電子端末を九島閣下に投げつける。九十歳近いとは思えない反射神経で端末をとり、まじまじと見つめ始める。
「ふむ、これはずいぶんと見覚えのあるものが込められているようだ。私が現役だったころ、東シナ海諸島部戦域で広東軍の魔法師が使っておった電子金蚕だ。今回の事故の原因はどうやらこれのようだ」
その言葉に大会委員長は声の出ない驚きに包まれる。今まで全く不明であった事故の原因があっさりと判明したのだから。そして幹部の思考は次の段階に移る。一体だれ、正確にはどちらがそれを持っていたのか。倒れ伏し、胸元を少し乱れさせている大会委員。仮面をつけ、黒づくめで立っている謎の人物。どう見ても仮面の人物が怪しく見えることは明白であった。がしかし、閣下の言葉でその考えが一時的に否定される。
「ふむこれはそちらの気絶している委員が持っていたと考えていいのだね?」
そういいながら閣下は仮面の人物に視線を送る。仮面の人物は声を出さず、首を縦に動かすことでその問いに答える。そして一度会釈をすると、仮面の人物はその場から、闇に溶け込むように消えていった。
「な…!?よろしいのですか。あの人物が犯人である可能性のありますよ?」
「犯人が現場にあれほどまでに長くとどまり、挙句に証拠となる物を渡すと思うかね?」
「それはそうですが…」
「彼がだれかというのはこの際関係のないことだ。九校戦で起こってしまい、挙句にも続いてしまった事故の原因が分かった。素直に喜ぶべきだろう」
その言葉を聞いた大会委員長はほっと一度息をつく。が次の烈の言葉で安心できるタイミングなど一ミリもないということが分かってしまった
「さて、それはそれとして。運営委員の中に不正工作を行うものが紛れ込んでいたなど、事故以上のかつてない不祥事。言い訳は後でゆっくりと聞かせてもらおう」
血の気が一気に引き、今にも卒倒しそうな顔色でなんとか返答をする大会委員長。彼にとっては烈の言葉は死神の鎌のように聞こえていただろう。足を震わせながら、再び歩き始める烈についていく。
こうして九校戦で発生した事故をめぐる一連の流れは幕を下ろした。
~錬と烈の端末での会話~
「なに、妨害工作を行っている人物が分かった?」
「まだ、確定ではありませんが、ほぼ確実といえるでしょう。そこでお願いがあるのですが」
「何かね?」
「これからその人物を洗うのですが、その時に大会委員の幹部を連れて歩いてきて、その場に偶然居合わせたような演技をしてください」
「なるほど、君が不審物を見つけて提出したところで信ぴょう性がかなり薄い。そこで私が発言することで、効力が強くなるということか」
「おおむねその通りです。ご協力願えますか?」
「もちろんだとも。これ以上事故が起こるのは防がなければならない。そのためであれば喜んで協力しよう」
「よろしくお願いします」
「ちなみにどうやって見つけたんだい」
「大会委員の中の怪しい人物全員の三か月前までの行動をすべてすり合わせました」
「化け物じみているね」