80連目までのガチャ→イアァ!イアァァ!→シバの女王&エミヤ(4体目)
エミヤ、お前じゃないんだ。桜、私先輩じゃない。
あれ?これセイレムピックアップじゃなくて、冬木ピックアップだったのか・・・?
俺には何の特徴も無かった。俺にしか出来ないこととか、誇れるものも、努力しようと思うことも無かった。
毎日が、退屈だった。
小学生の頃、貴方の夢についてという課題があり、俺はその時、自分の明確な目標やら夢やらが全く浮かばなかった。何をやっても無駄で無意味な俺が何かを成してもそこに意味は無く、成す事もない。だから俺は、その課題で夢を見つけることが今の俺の目標です。と言った。先生はそれでも工夫された良いスピーチだったと評価してくれて、家で親にも良かったね。と誉めてもらえた。
でも、夢が無いという事に、誰も心配はしてくれなかった。
だから俺は親に聞いた。夢は持っていないといけないものなのか?と。
難しいことを聞くね~?何?何かあったの?・・・もしかして虐めとか受けてるの?ちゃんとそういうことは言ってよ?
違う。虐めなんかじゃない。そう言おうとしたけれど、親は言いたいことを言い終えるとすぐさま離れていった。その後にもそれとなく、迷惑にならないように自然に、先程のように疑われないように聞いた。しかし、返って来るのは全て似たような、全く分からないという内容であった。
人生はまだ長いんだから大丈夫。
――何が大丈夫だ。
夢はいつか出来る。
――いつかとはいつだ。
親へ質問してもこれ以上は無駄だと判断した俺は、それから先、ずっと疑問を持って過ごした。
そして中学生となり、道徳の授業で夢とは生きる活力だ。と習った。その時俺は、そっか。と納得した。
俺のような夢を持てない存在が生きてても無駄なんだ、と。
俺は努力するのが嫌いだった。成果を上げる為に頑張ろうという姿勢が嫌いだった。努力をしても俺が何かを成したことは無く、してもしなくても結果が変わらなかったから。
小学生の頃転校した親友が自殺をした。原因は虐めだった。俺はそんな事を知らずに悠々と生きていた。それを知った時、俺は悲しいと感じられなかった。あ、そうなんだ、位のことに感じられた。どうでもいいと思ってしまった。俺に出来たことはあっても、どうせ結果は変わらなかった。そう思った。
夢を持てず、努力を嫌い、生きることがどうでも良くなってきた俺は、自分の死ぬ所を想像した。すると、驚く程にそのイメージは湧いて出てきた。
夢とは違ってすぐさま想像出来て、沢山思い付ける。いつからか俺は自分の自殺するイメージを考えることが楽しくなってきた。
中学生の道徳の授業で、今度は命の大切さなどを習ったが、少し疑問に思うことが出来た。
貴方の命は貴方だけのものでは無い。
自殺は周りを大いに悲しませるから絶対にいけない。
命が自分以外の人の物でもあるということは、つまりは自分勝手に動けないということになる。元は自分の命の筈なのに、何故赤の他人の事を考えて命を捨てることなどが咎められなければいけないのだろうか?
自殺も同様だ。周りを悲しませるというが、それは死んだ者に悲しんでいるのでは無く、自分の価値を見てくれる人が消えたから悲しんでいるのだ。要するに、自分をもう見てくれないというエゴで悲しんでいる。少し見てくれたことで身勝手な喜びを覚えた癖に、悲しむ理由は死んだ者に押し付ける。何故自殺したんだ、何故相談しなかった、と。
人間は、綺麗でいたい、他人に良いように思われたい。きっと誰もが心の底でそう思っている。こんな事を思っている俺にも、そういった部分は勿論ある。
誰もが仮面を被って、偽って、自らのエゴを優先しようとする。他人の為というのも、他人を助けて自分が良いように思われたいからというのが多い。
世界は欲で満ちている。俺達人は、苦痛となるものをとことん嫌う。人は欲に忠実だ。俺達人は、人では無く人の欲を信用出来る。
欲に忠実になることが人生を楽しむコツだ。と誰かから聞いたことがあったが、成る程、確かにそうだ。欲に忠実になれば人から理解もされやすい。
なら俺は、人生を楽しむ為に自殺しよう。
そして俺は高校生となり、死について考えた。
死とは人生の先、あらゆる生命の先にあるものだ。それは回避することなど出来ない。偶に死が自分からやって来ることもある。ニュースを見れば高確率で死人が出ているこの世界において、死というものは真に恐ろしいものなのだろう。何故ならば、本当の恐ろしさを当人以外が実感出来ないからだ。
A君が死んでも、B君に死ぬ本当の直前、助からない死の直前に感じたことやどんな気分かを伝えられないのだ。だからこそ、生者が真の意味で死を理解、恐怖することは出来ない。人間が普段冷静に生きているのも、本能が死を知らないからだ。死ぬ場面に陥った時、初めて人の本能は死という未知を認識する。生物は未知へと遭遇すると、真っ先に来るのは恐怖と興味という感情なのだ。
長々と語ったが、要するに死とはいつまでも未知なる恐怖だということだ。そして、興味の対象でもあるということ。人間は興味を持ったものを持っている知識を使って何とか知ろうとするものだ。それは俺も例外ではない。
死ぬことについては考えていても無駄だ。実際に死ぬしか無い。生きることに、もはや何の興味も無い。
自分の夢、死の理解を果たす為、俺は首を吊って自殺した。首の骨が折れる痛みと、窒息の苦しみ、暴れる本能を抑える理性の戦い。
正に地獄だった。
俺は地獄とは死んでから味わうものだと思っていたが、どうやら違ったらしい。激しい激痛と苦しみはきっと死ぬ前提に良くあるのだろう。しかし自殺は違う。自分で自分を殺すのだ。嫌がる本能を理性で抑えるというのはどんな痛みにも勝る。
しばらくして俺は地獄巡りを終え意識を失った。次に目が覚めることも、考えることも無いのかという興味を持って現世を去った。
そして、現在に至る。
周りは暗闇、体もない。意識だけがそこにある。唯一特徴があるとすれば枯れた大樹があるということだ。
記憶は残っているが、移動も出来ず、精神に負担が掛かっていく感覚を覚える。どうやら精神体というものにでもなったのだろう。取りあえずは出来ること。具体的には大樹の観察をしてみた。
風は感じられない。にもかかわらずその大樹の枯れ枝は触手のように蠢いている。
耳を済ましてみれば、山羊のような声が聞こえて来る。
流石は死後の世界。常識が存在していないと見た。まるで夢のような不思議な世界だ。最も、本当に夢でなければ良いのだが。
ジーッと大樹を観察していると、大樹は触手のような枯れ枝を使い、俺の視点の場所までソレを伸ばしてきた。
――○▼※△☆▲※◎★●!
枯れ枝から聞こえて来た悲鳴のようにも雄叫びのようにも聞こえる悍ましい声と人間には到底理解しえないだろう言語に、精神体となった俺はあまりの恐ろしさに狂気に染まりかけた。
――○イソザ□★ミツ▼タ
――ワガ△ンズ※◆ヤド◎
――キュ●キョク▼モン■バンニン☆サガ○ダセ
狂気に染まりかけたことで精神が狂ったのだろうか?大樹が何か伝えようと喋っているような気がする。いや、ここは最早常識など無かったか。木が喋った所で何の問題も無い。木が喋るのも、枯れ枝が生物のように蠢くのも普通なのだろう。
俺が一人納得していると、大樹は蛇のように蠢く全ての枯れ枝を使いドームを形成して俺の視界を覆った。その後、覆われた俺は枯れ枝から運ばれてくる肉塊に埋もれていった。死んでから呼吸が必要なくなったが、流石に肉塊に埋もれるのは気味が悪い。早々に終わってくれと願った。しかし、しばらく時間が掛かる気がした俺は、またもや思考することにした。
この肉塊はどこから出てきたのか。そして誰の肉塊なのか。
1つ目の疑問は、まぁ今まで通り意味不明な事の起きるこの空間においては普通のことなのかも知れない。もしくはあの大樹に内蔵されていたとも考えられる。
問題は2つ目、正直見覚えしかない。これでも十数年も使っていたのだ、いくら肉塊になろうと、この黒子や傷、自殺前に付いた首の引っ掻き傷は全て俺のだ。つまり、俺の死体だ。
この怪物大樹は、俺の体を復元しようとしているのか?
だとしたら凄い経験が出来そうだ。地獄で肉体が蘇る。肉塊になった自分の体が綺麗に元通り、などめったに体験出来ることじゃない。拙いな、肉塊に埋もれてワクワクするとか変人になっている気がする。
――デキ△
頭が肉人形に付くと、枯れ枝が形成していたドームは解かれ、俺はもしやと思い体を動かす感覚を手足に伝えると・・・・・・
スタッ
コイツ・・・・・・動くぞ!
凄い!こんなのは初めてだ!いや、本当に死んで良かった!肉体に精神体が戻った時のこの何とも言えない感覚は一生忘れない!一生はもう終えたけれども!
「えっと、アナタの御名前を聞いても宜しいですか?」
肉体が戻ったからやっと会話が出来る。質問したいことは山積みだ。取り敢えずは名前があるのか聞いてみよう。
――シュブ=ニグラス
やっと大樹が何と言ってるのか理解出来始めた。いや、逆にシュブ=ニグラスが俺の言語を理解したのかもしれないが。
俺はシュブ=ニグラスという名前を覚え、次の質問をしようとした。が、先に口(口などないが)を開いたのはシュブ=ニグラスだった。
――ヨウケンハスンダ、オクルゾ
「何を送るんですか?」
――オマエダ、ワガシンズイノウツシミヨ
「・・・・・・はい?」
何故だろう唐突に嫌な予感がしてきた。神髄って何?俺はまだ何も習ってないし覚えても無駄だよ?無意味だよ?何かお使い的なの頼まれても絶対それ俺適任じゃないですよ?本当ですよ?
――キュウキョクノモンノバンニンヲミツケ、カクセイサセヨ
「え、窮極の――」
門って何?と言おうとしたが、瞬きをした瞬間に空から落下していた。え?空中紐無しバンジーさせる為にあのシュブニ様は俺の肉体戻したの?このままだと落下してまた肉塊リターンだよ?何かあるよね?もう地上目の前だけど。
「あ゛ぁぁぁ、お゛ぉれ゛ぇし゛ぃぃんんだぁぁぁぁ」
風圧で凄いことになっているだろう俺の顔面。サヨウナラ、次の瞬間には真っ赤なメイクがされてるだろうさ。
などとふざけて現実から目を背けていたが、もう地面はすぐそこだ。衝撃と痛みに身が引き締まる。何とか体制を整え、着地しようとするが、最高でも骨折だろう。
「そぉぉぉこぉぉぉのこぉぉぉ!!どぉぉぉいぃぃぃてぇぇぇ!!」
「え?!」
目の前に散歩していた金髪の女の子に注意を促し、俺は再び、ダイナミックに現世へと戻った。・・・足が折れてないのが不思議だけど、足が・・・痺れて・・・痛い!
ん?前半と後半で同じ主人公だとは思えない・・・・・・?きっとテンションが上がりに上がったからだよ。