少しずつ書いていたので何か変な所があるかもです。
テストで致命的失敗、2部序章で発狂、突然塾の予定が組まれ打ち上げなどのイベントに全て被るという奇跡にSAN値ピンチでした・・・・・・。唯一の救いはらっきょ再放送と4騎士+α福袋にアビーが居たことです。
「魔女は死んだ。彼女は自分が魔女だと認めたのだ。しかし魔女の死体は何処かへと消えた。まだこの村には魔女の協力者がいる。」
セイレム滞在3日目の朝、カーターさんを連れて俺は夜に行った丘へと向かった。道中に村人達がいないと思ったが、多くの人が既に丘に集まっていた。
丘に着くと、絞首刑となったティテュバさんの死体が消えていた。この事からホプキンスは魔女の協力者、もしくは魔女が他にも居ると村人達に告げた。その話を聞いた村人達は周りの人達を見回し疑心暗鬼に陥る。
――誰だ・・・誰なんだ・・・?
――お前じゃないよな・・・?
近くに居るのでは?という恐怖から村人達の声は震えお互いを疑い、何人かは空気に耐えきれずに丘を出た。
「お前は確かあの魔女と同じカーター家の使用人だったな。お前は深夜に此処に一度来ていたが、お前が魔女か?」
そんな訳無いと言いたいが、深夜に来た理由はただの気分だった。など何の力も無い。無駄だが一応言っておこう。
「残念ながら私はあの夜気分転換に外に出たんです。まぁ、何の説得力も無いでしょうけれど。」
「そうか、自分が魔女だと疑われるようなことをしていて、今もそう思われていると分かっている訳か・・・。」
ホプキンスは俺の発言を聞き目を細めて俺の顔をじっと見る。品定めされているような気がして良い気分はしない。
「ふん、貴様のような怪しい者は、精々魔女だと思われないよう出しゃばらないことだ。」
「っ・・・・・・気を付けます・・・。」
蔑みの心が含まれた忠告を言い終えると、ホプキンスは丘を後にする。ホプキンスとの会話を終えた俺に、カーターさんが近寄り話し始める。
「そうか、君は既にこの事を知っていたのか・・・・・・。ティテュバの死体さえ見ることが敵わないのは残念だが、きっと彼女は天に召され、今も私達の心配をしてくれているだろう。」
気にするな。とカーターさんは俺に優しく言った。俺は多少嫌な気分になっただけで、そこまで深刻な程心に傷を負ってはいない・・・筈だ。俺よりも、ここに連れて来なかったアビゲイルの方が心配だ。
「私の事は良いんです。それより、アビゲイルお嬢様にはどの様に伝えますか?処刑された。と本当の事を伝えるには些かまだ幼いかと思いますが・・・・・・。」
「そうだな。姪には話さず、ティテュバは外の世界に出たと伝えておこう。」
分かりました。と言い、話す話題も無く少し気まずい雰囲気の中カーターさんと俺は屋敷へと帰る。
・・・カーターさんはこれからセイレム村がどうなるか考えているだろうか。仮に考えていたとして、どんな風に自身の身を守るのだろうか?狂った村人ならカーターさんに対しても魔女だと言ってしまうかも知れない。それを見過ごすホプキンスだとは到底思えない。
「その・・・カーター様は魔女の断罪で自分が疑われたらどうするおつもりなのですか?」
「私が魔女と思われたら・・・か。そうだな・・・まずはちゃんと自分が魔女では無いと説明する。相手が納得するまでね。もし相手が話を聞こうとしないなら、落ち着けと言ってあげる。そんな所だろうか?」
「・・・そうですか。良かったです、ちゃんと考えておられていて・・・。」
少し予想外だった。自分が疑われたら他人を魔女だと言って逃げるのかと思っていたが、カーターさんは違うらしい。最も、俺に悪い印象を持って欲しくないから嘘を言っている可能性もあるが。まぁまだ説得なんて方法を考えられる分狂ってはいないのだろう。カーターさんが狂ったら村人達もそれに乗って狂ってしまいかねない。もしそうなったら俺の首は即刻吊られるだろう。外から来た奴らは魔女だと言って。
「君は?君ならどうするんだい?」
「私は・・・そうですね。納得のいく死に方がしたいんで、やることをしたら、自分が魔女です。全部自分のせいです。と言う予定です。今の内にアビゲイルお嬢様やカーター様に感謝の言葉なども考えておかなければいけないかも知れません。」
「・・・・・・」
そう言うとカーターさんは信じられないといった顔つきで此方を数秒間見る。そんなに信じられないだろうか?まぁ、早く探し物を見つけなければいけない。今度もカーターさんに書庫を見せて貰おう。手掛かりがあるかも知れない。前回もかなり書庫の本を漁ったが、あまり手掛かりが無かったのだ。
「カーター様、今度また書庫に籠もって本を漁っても宜しいでしょうか?」
「・・・・・・あぁ、構わない。君はどんな本を読んでいるんだい?」
「どんな本・・・ですか。そうですね、歴史やティテュバさんの読んでいた本でしょうか。料理に使う食糧の節約方は暗記しておかないといけませんし。」
ここで探し物を見つける為の本を探していると言えば、カーターさんに怪しまれる為言わない。
歴史は勿論セイレムについてでもある。セイレムがどんな場所なのか、自分の記憶を信じるより実際に読んで確認した方が安心出来る。
「そうか、君は勉強熱心なんだな。」
「いえ、世間知らずなので・・・。あ、屋敷に着きましたね。」
そうこう話している内に屋敷に着いた。俺はカーターさんと共に屋敷に入ると、アビゲイルが自分の部屋から出てきた。どうやら熱は前より下がっているようだ。苦しそうだった表情も浮かべていない。
「叔父様も旅人さんもどこに行っていたの?私、起きたら誰も居なくて寂しかったわ・・・。」
「あ・・・。」
少し涙目のアビゲイルを見て、少し申し訳無さを感じる。カーターさんと共に見に行ってしまった為、熱を治す為に寝ていたアビゲイルをほったらかしてしまった。何も伝えずに出て行けば、確かに心配になるだろう。
「申し訳御座いません・・・。少しカーターさんとセイレム村を歩いて回っていたもので・・・。」
「すまない、アビゲイル。」
俺とカーターさんは涙目のアビゲイルに謝罪すると、アビゲイルは渋々と許してくれた。ほんの少し不機嫌といった所だろうか。
「ありがとうございます。そろそろ食事の支度をしましょう。アビゲイルお嬢様の御希望は何かありますか?」
「え?・・・パンケーキ、パンケーキが良いわ!・・・出来れば・・・だけど・・・・・・。」
パンケーキというとあれだろうか?前にアビゲイルが言っていたカリカリのベーコンなどが乗っているタイプだろうか?ティテュバさんが食費などを節約していた分少しだけ資金は潤っている。どうせならここでアビゲイルの御機嫌を取っておきたい。
俺はアビゲイルの好きなパンケーキで良いかをカーターさんに聞くと、姪への謝罪には丁度良い。と許可を貰えた。ティテュバさんの作ったパンケーキの作り方が書かれたメモを見て、急いでパンケーキを作る準備をする。パンケーキ作りは人生で初の為、少々失敗しそうで心配なのだが・・・・・・。
「ベーコンを焼いてっと・・・・・・。」
ベーコンなど久し振りだ。肉自体が久し振りとも言える。ふとアビゲイルを見ると、既にベーコンの香りだけで御満悦だ。ふ、チョロい。
「・・・・・・良し。これで完成・・・の筈。」
完成体を知らない為心配なのだが、取り敢えず書かれていた通りには出来た。
「アビゲイルお嬢様、こんな感じで――」
「えぇ、えぇこれだわ!私の大好きなパンケーキ!」
うぉ、テンション高っ。カーターさんも気になっているのかじっと此方を観察していた。あの・・・終始無言で見られていると何かやらかしたんじゃないか心配になるんですけど・・・・・・。
「えっと、カーターさん。これで宜しいでしょうか・・・・・・?」
「・・・・・・ん?あぁ、構わないよ。実に美味しそうなパンケーキだ。」
?何か考えていたのだろうか?まぁ良しと言われたことで安心は出来た。俺は出来立ての熱いパンケーキをアビゲイルとカーターさんの前へ置き、全員で食事を取り始める。・・・・・・不味くは無いな。
「美味しいわ、ありがとう旅人さん。」
「勿体なき御言葉、ありがとうございますお嬢様。」
「ふふ、旅人さんは謙虚なのね?・・・・・・そういえばティテュバはどうしたの?起きてから見てないのだけれど・・・・・・?」
キョトンとした顔で聞いてきたアビゲイルに、俺は言い聞かせるように丁寧にゆっくりと嘘を話す。
「聞いて下さいお嬢様。ティテュバさんは・・・・・・このセイレムを出て行きました。ティテュバさんは夢を見つけて、それをどうしても果たさなければいけなかったんです。どうか御理解頂けませんか?」
「・・・・・・」
アビゲイルの表情は暗い。いきなり大切な人が消えたのだ、仕方のないことだろう。森で熱を出した時ティテュバに迷惑を掛けた為謝りたい、感謝もしたかったのだろう。
「・・・えぇ、少し寂しいけど、仕方ないことだわ。」
「御理解頂きありがとうございます。・・・ティテュバさんから、伝言があります。」
「・・・ティテュバから、伝言・・・・・・?」
「はい、最後まで付き添えないことをどうかお許し下さい。どうか、お嬢様の夢が叶いますように。と・・・・・・。」
これも嘘だ。そんな伝言は受けていない。でも、本人ならきっとこう言った。俺の口からじゃ意味が無いかもしれないけれど、何となく、ここで言わないと自分の心が痛みそうだった。
「・・・・・・そう。」
「・・・さて、そろそろパンケーキを食べきらないとせっかくの美味しい料理が冷めてしまう。お話は後にしよう。」
カーターさんの言う通りパンケーキが少しずつ冷めてきている。俺はアビゲイルと話すのを止めて、食べかけのパンケーキを食べ始める。・・・・・・冷めてても美味しい。久し振りにパンケーキなんか食べたなぁ・・・。水増しとか節約のことをそこまで考えていない料理も此処に来てから初めてだ。俺が黙々と食べるのを見てアビゲイルも好物であるパンケーキを食べる。幸せを噛みしめているのは表情から直ぐに分かる。
やがて全員がパンケーキを食べ終えると、俺は既に夕陽が落ち始めていることに気付いた。ここに来てから濃い出来事の連続で時間があっという間に過ぎている気がする。もうそろそろで夜だ。さて、今夜も書庫を漁ろうかなぁ・・・・・・。
次は夜のセイレムかなぁ・・・。色々とヤバいことが起きる予感・・・。予約投稿で何回もミスって3回目でやっと年が違うと気付いた・・・・・・。