闇の帝王の気まぐれ   作:ベルガシード

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ベルガシードです。
投稿遅くなってすいません。
罰としてウィンキーをスカイツリーの上に置き去りにしてきたので今後も宜しくお願いします。


前夜

その日、尋ねてきたのは本来の私、いや正確には本来の世界の「私」が知っているはずのない、でも私はとても良く知っている人だった。もっとも、そこまで好きなキャラだった訳では無いけれど。スネイプ教授が大好きな私達にとっては、彼は好意的に見れる存在では無かった。長身に黒髪、やや腹立つレベルで整った顔立ちからは、やや高慢ちきな雰囲気が——あまり感じられない。流石にこの時期はヴォル全盛期だからだろうか。とにかく、その顔立ち、やや犬のような雰囲気、何もかも記述の通りの容姿をしていた。もうお分かりだろうが、シリウス・ブラックだ。

 

「久しぶりだな、フランク、アリス。所で確かめるためとはいえあそこまでする必要は…いてっ」

「いやごめんごめん、影だけじゃわからなくて」

「ついやりすぎちゃった。ごめんなさいね」

 

まあドアを開けた瞬間にヴォルも真っ青なレベル(言い過ぎ…でもないか。勿論許されざる呪文は使っていない)の拷問をくらい悲鳴をあげながらだが。てか突然入ってくるシリウスもシリウスだが、うちの両親は天然というかなんというか…ここら辺がネビルに受け継がれたんだろうか。私には受け継がれてないことを祈る。ん?ばあちゃん?なんか用事でいなかったんですはい。

 

「それで、どうしたんだい?こんな皆が疑心暗鬼になってる時期に突然尋ねてくるなんてさ」

「いや、あそこまでやられるとは思ってなかったんだが…

なに、こういう時こそ、お茶をしてゆっくり話したいじゃないか」

 

ん?

何かおかしくないか?

少なくとも私の知っているシリウスは、こんな突然お茶をしに来るような男じゃないはずだ。いやさっきも言ってたように、シリウスでなくともこんな時期こんな事をする方がおかしい。絶対にこれは何かある。

そう考えた時、「あれ」の事が頭に浮かんだが、急いで払い除けた。考えたくない。出来れば来ないで欲しい。

あ…

フラグ建てちまった。

 

* * * * *

 

入ってきた時こそ騒ぎになったものの、しばらくすると割と普通にお茶会になっていた。切り替え早えなおい。

 

「それでな、もうおもちゃの箒で楽しそうに飛び回ってるらしいんだよ」

「え?確かうちのジルと同い年のはずよね。凄いじゃない!」

「うん、流石ジェームズの息子だ」

 

あれ?これ、ハリーの話じゃね?

ハリー・ポッター。優秀な両親の間に生まれながらも、予言を知ったヴォルデモートによって両親を殺され、自らもヴォルデモートを倒すという運命を強いられながらも、それに立ち向かい打ち勝った、魔法界の英雄(今はまだ子供だが)。ネビルとも友達だったはず。てかそもそも原作の主人公は彼だし。

 

「本当に!髪の毛も真っ黒だし、将来ジェームズそっくりになる気がするよ。ただ目だけはリリーだな。ほら、写真だ」

「わあ可愛い!貴方の言った通りね」

「可愛いって誰がですか?…誰ですか貴方は!」

 

うわー、めんどくさいの帰ってきたわー。

 

「お、オーガスタか、久しいな」

「誰かと思えばシリウスかい、あまり脅かすもんじゃないよ」

 

あれ?面倒くさくない?面倒くさいのは私だけ?

 

「いやすまないね急に「『ステューピファイ!』」うわっ!」

「『インカーセラス!』、『ベトリフィカス・トタルス!』…偽者なら白状しなさい、後悔することになりますよ!」

「ち、ちょっとお義母さん、本物ですよ!」

「そうだよ母さん、さっき僕らが確かめたから!さっきの傷がまた開きそうだからやめて!」

「その傷を負わせたのは君たちっ!だがっ!そういう事だからやめ、うわぁあ!?」

 

訂正、やっぱ面倒くさかった。

 

* * * * *

 

帰ってきた時こそ一悶着あったものの、その後は再びお茶会モードに戻っていた。すげえな魔法界。

 

「ほら、これがハリーですよ」

「どれ…もう飛んでるのかえ。髪も父親にそっくり何ですか。確かに目はリリーだね」

 

女子(?)2人は即座に女子会に突入したし。早いわ。

 

「呪文学の得意な、ね、お義母さん?」

「うっ、その話は止めなさい」

「ああ、そういえば呪文学嫌いだったな、オーガスタ」

「O・W・L取れなかったらしいからね。てかそれだけなのに嫌うことも…」

「まあ、そういうこともあるさ。それよりフランク」

「ん?何だ?」

「少し…いいか?」

「…ああ」

 

ほら来た。

なんかあると思ってたよ。てか私のフラグビルダー力凄いな。褒められてもいいレベルでしょこれ。って、そんなこと言ってる場合じゃない。横の2人は話に夢中だし、そのままここで話し——

 

「来た理由はそれか。なら、こっちに僕の書斎があるよ。使うか?」

「ああ、助かる」

 

デスヨネー。

 

* * * * *

 

しばらくして2人が出てくると(2人は気付いてなかった。すげえな…というより、母の方が気付いてばあちゃんを足止めしてくれていたのだろう。流石夫婦)、2人とも暗い顔をしていた。そりゃそうか。

 

「ああ2人ともおかえりなさい」

「何処に行っていたんですか?」

「いや、ちょっと、な…。あ、僕はこの辺でお暇させてもらうよ」

「あら、もう少し居てもいいのに」

「あー…いやなに、用事を思い出してね、急用なんだ。すぐ帰らないと」

「あら、ならすぐ帰らないといけませんね」

 

大嘘じゃん。明らかに話したいこと話したから帰る感じじゃん。ばあちゃんは気付いてないけど。こんな気付かない人だったっけ?あーでも、原作でもネビルの気持ちに気付いてなかったな。

 

「なら仕方ないわね。ほらジル、ちゃんとバイバイしなさい?」

「ば…ばい」

「ははっ、やっぱり可愛いな。じゃあ3人とも、また今度」

「ああ、また今度…な」

 

おいどうしたパパ。暗いぞ。さっきの話そんなレベルなのか。

 

「バイバーイ…行っちゃったわね。全く突然なんだから」

「まあ、ああいう奴だしな、それに…」

「何かあったのよね?」

 

小声で母が聞く。やっぱ凄いな、闇祓い。

 

「ああ…母さん、ちょっといいか?」

「え?はい…何ですか?」

「うんちょっと…結構大事な話なんだ」

「いいですよ、時間は有り余ってますし」

 

* * * * *

 

話を聞いた。

母が息を呑んだ。

ばあちゃんがいつになく深刻な顔をした。

私は…恐怖で固まった。

忘れていた。予言には、ハリーの他にも対象者が居た。それは…この私。ヴォルデモートに3度抗った両親の元に、七月の末に生まれた子は、2人居た。

しかし、なんでこのタイミングで?

シリウスは言った。ダンブルドアが、ヴォルデモートの不可解な動きを察知したと。ポッター家だけを探していたはずなのに、様子がおかしいと。

シリウスはさらに言った。私達家族を隠すため、「忠誠の術」をする必要があると。けれど、もう既にポッター家の秘密の守り人となっている自分では、力になれないと。

ならどうする?父は聞いた。

シリウスは答えた。信頼出来る人を自分達で見付けるしかないと。まだ、住んでいる本人が「秘密の守り人」となる魔法は無いらしい。

 

「私がやります」

 

ばあちゃんが名乗りを上げた。

 

「だめだ。母さんをそんな危険な役にさせられない」

「でも出来るのは私しかいません。逆に、誰が『秘密の守り人』になるというのです?」

「いやでも、お義母さんには…」

「なんです、私では信用出来ないというのですか?」

「いや、そういう訳じゃ…」

「分かりました。もう一度考えて見なさい。私は1度この家を出ます」

「待ってよ母さん!」

 

父が駆け出すも、ばあちゃんはもう姿くらました後だった。

でもかっこよかったよ、ばあちゃん。正直見直した。

 

「はあ…あんなに怒るなんて」

「あんな怖い顔したお義母さん、初めて見た」

「だからといって母さんに任せる訳には…」

「分かってるけど…」

 

重たい沈黙が場を満たす。何か言いたかったけれど、私はまだ喋れない。堪らなくもどかしい。

沈黙は、またの来客に破られた。

 

「はあ、今日は来客が多いわね…」

「僕が行くよ」

 

父が肩をすくめ、けどしっかりと杖を持ってドアへと向かう。

 

「はい、どちら様…」

 

 

 

闇の帝王が、立っていた。




お気に入り30件超え、本当にありがとうございます。
追記
次回から一週間に一回投稿します。
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