今回はいつもよりもさらに文が拙いです。すいません。
それでも良ければ、読んでいただけると嬉しさで自分にアバダケダブります。
…何言ってんだ自分。
それでは、どうぞ!
「え〜、すばってばルーナ推しなの?」
「うん、そうだけど」
「意外。すばだったらジニーとかだと思ってた」
「そう?」
帰り道。私はいつものメンバーでハリポタ論議をしながら歩いていた。ちなみに「すば」というのは私の渾名だ。
「男子キャラなら?」
「セブルス」
「それは皆知ってるし皆そうだから」
「じゃあ…うーん、リーマスかな」
「えー、あのにっくきシリウスの親友?」
「にっくきって…まあそうだけどさ。なんかリーマスってあの四人の中じゃセブルスに優しかったじゃん?」
「そうかなあ…」
うーむ。何故皆リーマスの良さを分かってくれないのか。セブルスは別格としてさ。
「うーん…私はセドかなあ」
「セドリック?」
「そうそう!the・イケメンって感じじゃん?」
「まあそうかもn「結以ちゃん!」…どうしたのすばちゃん?」
「まだ信号赤だよ!」
私は必死に叫んだ。ただの信号無視ならここまで叫ばない。でも今は…
「びっくりした…いーじゃん、もう半分超えて——!」
トラックが全速力で突進してくる。多分、運転手は気付いていない。ブレーキは望めないだろう。なら…やることは一つ。
「あっ!すばちゃん!」
「駄目っ!」
押さえつけようとするふたりを振り払って走る。
走る。
結以を突き飛ばす。ちゃんと道路の向こう側に。
そして———私の体が宙に浮く。
「っ!…いったぁ…」
肋骨が折れたのが分かった。しかもさらに悪いことに、もう内臓に突き刺さったみたいだ。喉から血が湧き出てくる。
あーあ、ここで死んじゃうんだ、私…。施設の人達なんて言うかな…。皆に、何か言っときたいな…。
そんなバラバラな思考を終わらせるかのように、体に衝撃が走った。
私が最後に見たのは、止まったトラックと車と、必死に駆け寄ってくる皆の顔だった。
その記憶を、私は再び繰り返そうとしている。
「貴方は、誰?」
分かっているだろうけど、敢えて聞く母。
「ロングボトムだな?」
そいつは、父に聞いた。
「違う」
父は否定したが、恐らくなんの気休めにもならないだろう。
「そうか、否定するか、この俺様を…」
その瞬間体に圧を感じた。冷たい何かを。勿論そこにいる奴は何もしていない。杖も降らなければ指も動かしていない。なのに、凄まじい力を感じて、私は動けなくなった。
「俺様を否定するとは愚かな者よ」
そいつが話す度、部屋の空気が凍りつくような感覚に襲われる。
「アリス、ジルを連れて逃げなさい」
「でも、貴方が…」
「いいから逃げろ!」
物凄い気迫で父が叫ぶ。こんな父を見たのは初めてだ。
「ほう…俺様と闘うつもりか、ロングボトム」
「ああ、勿論な…逃げろ、早く」
「簡単に逃がすと思ったか?」
そいつが嘲笑った途端、私を抱え上げた母の動きが止まる。私も一緒に。ハリーが言ってた感覚って、こういう事か。
「っ、貴様…」
「どうした、決闘をするのなら、介添人が必要だろう…俺様には必要ないがな。さあ、まずはお辞儀だ」
何故かしっかり作法に則って決闘を始めようとしているそいつを前にして、父は動かない。
「どうした。決闘の作法も知らないとは哀れなやつよ」
そいつが軽く杖を振ると、父がお辞儀し———いや、無理矢理身体を折り曲げさせられていると言った方が正しいか。
「さあ、準備は整った。お前も早く杖を構えろ」
「殺すつもりなら…何故、早く殺さない」
「貴様に名誉ある死を与えてやるのだ。この俺様がな」
そいつがニヤリと笑った瞬間、稲妻が走る。
「ほう…やはり作法も知らないか。勝手に始めるとはな」
父が放った魔法を、まるで埃を払うかのようにいなす。ほとんど杖も動かさずに。
勝てない。絶対に。
そう思うしかなかった。
私の絶望した顔を見たか見なかったのか、口元に笑みをたたえながらそいつは父の杖をもぎ取る。
「おお…お前には最早戦う道具すらない…となると道は一つしかないが…貴様に選択肢をやろう」
「何だ?そんな物は願い下げだね。どうせ、貴様の仲間にでもなれとか言うんだろ?」
「ふっ…流石察しが良いなロングボトム…純血の者よ。そうだ。俺様の仲間になれば、命の保証はしてやろう。勿論、そこにいるお前の妻もだ」
嘘だ。たとえ仲間にしても、母は絶対に助けない。恐らく、父も使い捨てのように扱うだろう。それに、当然私は殺さr———
「何言ってんだか。馬鹿かお前は」
「何だと?」
「たとえどんなオマケが付いてこようが、お前みたいな純血主義でマグル嫌いで魔法使いの面汚しの巣窟に入るのは、地獄の窯の火が凍ってからだ」
パパ…。
今凄く、格好良いよ。
「それに聞くところによると、お前も半純血らしいじゃないか。なんでそんな集団にいる?」
「貴様、何故それを…ああ、ダンブルドアか。つくづく余計なことをする奴だ」
その言葉を聞いた途端、そいつの顔付きが変わった。憎悪を含んだものへと。一時取り戻したかに見えた場の空気が、再びそいつに支配されていくのを感じた。
「まあいい…ロングボトム、貴様に最後のチャンスをやろう。俺様の側に付け。さもなくば、この場にいる全員を殺す」
そいつが杖を上げた。
父は、止めるのでもなく跪くのでもなく、ただ、私達の前で手を広げて。私達を護るように。
そして————緑の閃光が走った。
「愚かな奴よ。俺様に付けば、生かしてやることも出来たのだがな…さあ、次はお前の番だ。アリス・ロングボトム」
嘲笑いながら、母に杖を向ける。
「選択肢なんていらないわ。狙いはこの子なんでしょ?なら…殺させないわよ。私が」
私を包み込む様に抱え、杖から外そうとする母。
「ほう…なら二人共殺すまでだな。さらばだ、ロングボトムよ」
やめて…やめて…撃たないで…ママを、殺さないで…
「『アバダ——』」
やめて——
「『ケダブラ!』…うがぁぁッ!?」
そいつが杖を振り下ろした瞬間、目も眩むような閃光が走り、そいつが苦悶の叫びを上げた。と同時に、何かが吹き飛ばされる音がして、私は目を瞑った。
目を開けると、屋根の一部が吹き飛び、そいつの姿が消えていた。
え?
何が起こったの?
母が倒したわけではないだろう。杖は持っていないし、そもそもそんな力が有るなら最初から戦っているだろう。無論、父でもないはずだ。なら何故——!もしかして、これってあの——
「!」
固まったままだった母が突然辺りを見回し始めた。見ると、埃と砂が不吉な音と共に落ちてきていた。それに、吹き飛ばされなかった柱が不自然な方向に傾いている——これは、まずい。非常にやばい。絶対に、落ちてくる。
ああ、神様、あいつが居なくなったのに、どうして私達は死ななきゃならないの?どうして?どうして——
もうちょっと、生きたかったなあ。
それが、私の頭に浮かんだ最後の言葉だった。
* * * * *
あれ?ここ、何処?天国?それとも地獄?でも死んだなら感覚があるはずないよね。でも何かに包まれてる感覚はするし、死んでないのかな。目を開けてみるか。
目は簡単に開いた。死んではいないようだ。周りに瓦礫と破片、そして母の手が見える——
えっ?
「ママ!」
包まれた腕から抜け出し、母を呼ぶ。母の体の半分は瓦礫の下に埋まっていて、私の力では取り出すことが出来なかった。でも必死に呼び続ける。父を失ったのに、これ以上失うのは——嫌だ。
「ママ!おいて!ママ!」
まだまともな英語すら喋れない。前世で出来たからって、発声練習をしなかった事を後悔した。これじゃ、助けを呼ぶことだってできない。どうしよう…。
私のせいだ。
私が居たから、あいつが来た。私が居たから、両親は死んだ。みんなみんな、私のせいなんだ。こんな私なんか——
「う、ううん?」
「!ママ!ママ!」
さっきの言葉を訂正する。父はもう居ないけど、母はまだここに居る。
「え?」
「…え?」
「ここは何処?あの人は、誰?」
自分の夫のはずの人を指して言う。
「それより、」
「貴女は、誰?」
彼女——私の母は、もう居なかった。
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