なんか書けちゃったので投稿します。
クオリティは期待しないでください。
12/19/23:43 ちょっとだけ言い方を変えた部分があります。内容的には変える前とあまり変わらないので一度読んだ方はあまり気にしなくても大丈夫です。
ではどうぞ
俺が勇者システムを手にしてか数日が経った。
「石滅入ります。」
「お疲れ様です。」
犬吠埼妹がタロットカードをめくりながら挨拶をする。
「今日はまだ犬吠埼妹だけか?」
「はい、お姉ちゃんは部活会で遅くなるそうです。友奈さんと東郷先輩は一緒じゃなかったんですか?」
「あぁ、結城は補習で東郷は付き添いだな。今までは普通の成績キープしてたらしかったんだが今回は少し下回ったらしい。それで、俺には先に行っててくれだと。」
「そうだったんですか。」
「…。」
「…。」
会話が途切れる。
俺はこの部活に入ってからまだ一週間ぐらいしか経っていないし、犬吠埼妹は人見知りだから当然といえば当然だろう。
「あ、あの石滅先輩!」
「なんだ?犬吠埼妹。」
「その…、タロット占い…、興味ありませんか?」
おどおどと、聞いてくる。
「そうだな…、犬吠埼妹の占いはよく当たるって結城が言ってたから…怖いが占ってもらえるか?」
「はい、じゃあ石滅先輩の何を占いましょうか…。」
どうします?といった風に聞いてくる。
「そうだな…、なら大雑把かもしれないがこれから先の事でも占ってもらえるか?」
これから先どんなことが起こるのか正直期にはなる。今まで占いなんてしてみようと思ったことがないからな。
「わかりました。えー…っと。」
そして、犬吠埼妹がカードをめくる。
そこに書かれていたのは、年老いた男がランプを片手にたたずんでいる絵だった。
「えっと…、隠者の逆位置ですね…。」
「なんだか、あまりよさそうな絵ではないな。」
少しばかり笑ってしまう。
「意味は、沈黙・内省・孤独…。で、でも勇者部にいるから独りじゃないですし、あまりあってないかもしれないですね。」
そう言って少しはにかむ。
「…。」
俺は黙る。
「石滅先輩…?」
黙った俺を不思議そうに犬吠埼妹が見る。
「沈黙ってことだから黙ってみたが…。早速犬吠埼妹の占いが当たったな。」
そう言って笑って見せると犬吠埼妹も笑う。
「石滅先輩って面白い人なんですね。」
「そうか?つまらないよりかは良いがな。」
「それと私のことは樹でいいですよ。お姉ちゃんも居ますし、呼びづらいと思いますから。」
犬吠埼妹が名前で呼んでくれと言う。人見知りと聞いていたが少々印象が変わった気がする。
「あぁ、わかった。じゃあこれからは樹と呼ばせてもらうことにしようか。」
「はい。」
なんとなくだが、犬吠埼先輩が妹を溺愛するのが分かった気がする。
こんな妹が居たらいいなと思える子だな。
「ふむ、樹がタロット占いをしてくれたのだから俺も何かお返しがしたいところだが…。」
「そんな。気にしなくていいんですよ。好きでやってることですから。」
「うーむ、しかし昔友人が『何事にも報いを』と言っていたからな。お返しは大事なことだろう?」
「そうですけど…。」
「少し思いついたことがある。部室に一人残してしまうことになるがいいか?」
「大丈夫ですけどどこに行くんですか?」
「秘密だ。その方が面白いだろうしな。」
そう言って俺は部室を出ていった。
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「すみませーん、友奈、東郷遅れちゃいました。ってあれ?樹ちゃんだけ?」
「はい、お姉ちゃんは部活会です。石滅先輩はさっきまで居たんですけど、どこかに言っちゃいまして…。」
「どこにいったんだろうね?相馬君。」
「まあ、考えてもしょうがないから、いつも通り過ごして二人を待ちましょう?」
「そうだね!東郷さん。」
「そうですね。」
私はタロットをして、友奈さんは東郷さんがパソコンを打っているところを見ていた。
しばらくして、
「やっと、部活会終わったわー。ってあれ?一人足りないわね?相馬はどしたの?」
「それが、なんかどっかに行っちゃったらしいんですよー。SMSで聞いても変身来ないですし。」
「そりゃまたなんでかしらね。」
お姉ちゃんはう~んと考え、
「まぁ、今日は外ですることもないし、いっか。依頼の整理でもして待つとしますか。」
「「はーい」」
「わかりました。」
それから、一時間ぐらいたったころに石滅先輩が帰ってきた。
「遅いじゃない。どこ行ってたのよー!」
と、お姉ちゃん。
「石滅君どこ行ってたんですか?」
と、東郷先輩。
「どこ行ってたの?SMSも返事なかったから心配したんだよ。」
と、友奈さん。
「すみませんでした。行ってた場所は家庭科室で、SMSは気付かなかった。」
「「「「家庭科室?」」」」
「これを作ってたんだ。ほれ、樹。」
そう言って石滅先輩が袋を手渡してくる。
なんだろうと思い袋を開けてみると中には布でできたカードケースが入っていました。
「家庭部に場所を借りてな。タロットをよく使うなら市販のカードケースよりかはいいと思ってな、緑はなんとなく樹が好きそうな色だったから下だけだが…。」
「うわー!すごーい!相馬君手先器用だね!」
「あんた、こんなことできたのねー。やるじゃない。」
友奈さんとお姉ちゃんが絶賛する。
東郷先輩も後ろで驚いた顔をしている。
「ありがとうございます!丁度古くなってて新しいケースを買おうと思ってたところなんですよ。嬉しいです。」
「そうか。喜んでもらえたなら何よりだ。」
「ていうか、あんたらいつの間に仲良くなったのよ。」
「タロット占いをしてもらいまして、その時に呼び方も変えるように言われました。」
石滅先輩がしれっと答える。
「樹が自分から!?樹ぃ…成長したのね…。」
「お姉ちゃん大げさだよぉ。」
「ね!ね!今度私にも何か作ってほしいなぁ。」
「私も…、ブックカバーが欲しいのですが…。」
友奈さんは目を輝かせながら、東郷先輩は少し恥ずかしそうに石滅先輩に頼んでました。
「わかったから!また今度機会があったら作ってやるから。」
「じゃあ、あたしエプロンー!」
お姉ちゃんも手を挙げて参加していきました。
数日後、家庭科部の人たちが石滅君貸して―と部室に詰め寄ってきたことがあったとかなかったとか。
今日も勇者部は平和です。
今回は樹回でした。
なんか、ゆゆゆは日常回が一番楽しいかもな。
辛いことなんてなくてええんや。
こんな感じで勇者部一人一人の回を書いていきたいと思ってます。
戦闘回?
まだまだ先ですごめんなさい。
ではまた次回