蒼の帝国、朱の帝国   作:薬罐。

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お待たせしました、(待っててくれてたら嬉しい)薬罐です。最近、寒くなってきましたね。(書いた当時は今シーズン初の積雪)でも、今回の話はその寒さが暖かいと感じれるようなレベルの冷気に溢れています。

では、お楽しみください。


砕けた心と学校生活

 

 

 

「じゃあ、行くよ!蒼氷の加護!ヨトゥン!」

するとレイナの全身が氷に覆われ初めた。やがて1つの氷塊となると、ヒビが入り、そこには氷のドレスを纏ったレイナがいた。先程とは美しさが違う。美しい蝶とでも形容すべきだろうか。

 

「本気出すから、殺しちゃったら、ごめんね」

 

この言葉を最後に、彼女の心は氷となった。

蒼氷の槍(ブリザードランス)!」

そういうとレイナは槍で氷を一突き、するとそこから放射状に氷の波が広がる。朝起こすときに持っていたそれとは次元が違う。研ぎ澄まされた刃、巻き起こる吹雪、そして凍てつくような視線。実際に足は凍りかけていた。そう思っているうちに氷の波は足元まで来ている。反撃にでないと。

「蒼氷の加護!ヨトゥン!」

俺の周りに吹雪が吹く。そして何も見えなくなる。俗に言う「ホワイトアウト」という現象らしいが、蒼の帝国の男性魔術師はこの吹雪の中、氷の鎧を纏うらしい

 

が、俺は違う。

 

「!?あれは・・・何?」

レイナが驚くのも仕方ない。誰も見たことのない橙色の氷を纏っているのだから。

 

『異端児』とは俺のことだ。

 

「まあいいわ。どうせ結果は変わらない。貫け!氷柱よ!」

レイナの叫び声と共に俺の頭上に大きな氷柱が表れた。普通は『つらら』と読むのが普通だが、これは『ひょうちゅう』と読んだ方がいいかもしれない。特にレイナのは。

俺だって魔術師だ。この程度の単純な攻撃くらい避けることが可能だ。しかし、

「貫け、貫け、貫けぇぇぇェェェェ!」

何本も襲って来れば話は変わる。しかもその氷柱に乗りながら的確に魔弾を放ってくる。この正確さと氷柱の乗り換えの華麗さから「氷上のトリックスター」と言われている。

「レイナ、謝るから、二度とこんなことでからかわない。だから、もう無駄な争いはやめてくれないか?」

「恋人面するなよ?私はお前に復讐するだけだ!貫け!氷柱よ!」

襲いかかる氷柱が動くジャングルジムを造り、レイナの周りに絶対的な要塞を築いている。しかし、俺にとってこの程度の氷、簡単に溶けてしまう。現に俺の周りにある橙色の氷と氷柱がぶつかった瞬間、氷柱が溶けるということが起こっていた。流石にレイナも戸惑っている。

「嘘・・・何で、一瞬にして、氷柱、が・・」

「レイナ!目を覚ませ!もうやめろ!お前が強いのはわかったから!」

こんな言葉は通じなかった。まるで、心が凍てついているかのように。

「なら、これで、どう?絶対世界〈蒼〉(アイス・エイジ)!」

突如、レイナの呪文と共に、レイナから結界が広がって行った。

──絶対零度。この言葉でしか表せないような冷気が結界と共に広がる。そして俺を今まで守っていた普通の魔術師では絶対に作れない氷の火炎瓶も飲み込む。

もう手加減なんてしていられない。でもレイナは傷つけたくない。そう思い、

「〈グレイト・グレーシャー〉!」

俺は叫んだ。すると目の前に透明の氷の壁ができた。これでレイナの絶対世界〈蒼〉(アイス・エイジ)は防げはしないだろう。せいぜい持って4秒。だが俺には4秒あれば十分だった。

結界のおかげで猛吹雪になっている中、俺は走った。レイナに向かって。

 

──そして約束の時間は来た。

 

 

「よし!ヒョウガを()れた!」

レイナは喜ぶ。目の前にはヒョウガはいない。あの壁もない。全て凍らせ、全て消し去る。それが私の唯一無二の奥義、「絶対世界〈蒼〉(アイス・エイジ)」誰にも打ち破れない。誰にも壊されない。誰にも──

「レイナ」

「!?」

え、何?暖かい。

私の結界は無敵なのに・・・何で?

「もう、怒らせない。君は無理をしているはずだ。そんなのしないでほしい。」

手が私を包んでいる。私の全てを。

──凍っている心も。

暖かい。これが人の暖かさ?

私、何してたんだろう?

「レイナ、俺、お前のことが──」

熱い。何か目の近くが熱い。あと本当に頭から湯気が出そうだ。

「──好きだ」

崩れた。今まで氷だった心が目から水となって落ちる。止まらない。その雫は乙女の悲しみの結晶、そして二人の絆の証であった。

心にも春が訪れた。絶対世界が終わった。暖かい春の訪れだ。

 

 

 

「ねぇ、ヒョウガ」

「何?レイナ」

「今まで、殺そうとしてごめんね」

「そんなの、いいよ」

「ヒョウガ──」

「レイナ──」

こんな時間が続けば、と思う二人であった。

しかし、世界は残酷である。

「いたぞ!やつが炎の魔術師だ!スパイだ!殺せ!」

蒼の帝国自警団だ。奴らは徹底的に炎魔術師を殲滅すると聞いている。これだけ暴れまわったからばれても仕方ないだろう。

「自警団さんがヒョウガを追っているということは──」

 

「炎も使()()()()()()()?」

「まあな。この事は後から話そう。それよりレイナ、悪いけど俺、一旦逃げるわ。」

「え、うん。絶対に帰ってきてね」

「ああ、勿論だ!」

「絶対、だよ?」

 

レイナの悲鳴、怒号をあげ追いかけてくる自警団、その中駆け抜ける俺。もう滅茶苦茶だ。俺だって逃げたくない。だけど、それより更に捕まりたくない。

 

──レイナ、待っててくれ。

   また、会えたときは──

 

そう思い、国境に向かって走った。

自警団の追手はもう来ない。逃げ切れたみたいだ。しかし、我慢の限界だ。ついに倒れてしまった。

 

「ゴウ、この子誰だと思う?」

「知らねーよ、まぁ倒れちまってるから持って帰るか」

「ゴウなら言うと思った。賛成。」

 

逃げた方向の反対側、つまり朱の帝国の者に捕まった。

 

 

 




いかがでしたか?恋愛シーンはもう滅茶苦茶になっていますが、私の限界です。諦めてください。あと、ネタをいれ忘れた気がします。多分次には入っていると思います。

亀更新となりますが、また次の話で(もしかするとよいお年を)
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